台風情報を引っ切り無しに確認する日々が続いた。
もっと速度が上がればいいのに。
早く遠ざかっておくれ。
しかし、空はスケジュールを変えようとはしなかった。
三連休の初日。
台風12号は何とか通過したものの、まだ雨が残る朝の旅立ち。
久々の一泊二日家族旅行なのに、気が重い。
高山を目指す自家用車中で、雨が過ぎ行くのをひたすら願う。
それも叶わず、滋賀県から岐阜県にかけて雨足は一段と激しくなる。
ワイパーをフル稼動しても、視界が歪むほどの土砂降りに見舞われた。
半ば諦めムードが充満する車内。
午前中に予定の『宇津江四十八滝』めぐりは、降りやまぬ雨に断念した。
そのため早い目の高山入りとなり、飛騨牛のランチとチョッピリ市内散策を楽しむ。
高山を踏むのは初めてだが、面白そうな街の印象だ。
様々な店が軒を連ね、活気に溢れている。
丸一日かけても遊びきれそうにない。
たかが数時間では、不満が燻るだけとなった。
次は、街メインで訪れたいと切に思う。
午後は、鍾乳洞だから雨でも平気。
ここは、日本全国に約80ヶ所ある観光鍾乳洞の中で、日本一の標高900mに位置する『飛騨大鍾乳洞』
冬は8度、夏は12度の自然冷暖房だそう。
当然、半そで一枚じゃ耐えられなくて上着を羽織った。
高架通路を通って、鍾乳洞へ。
カラフルなライトアップが続く。
テーマごとに、独特の世界が照らし出される。
赤や青の照明は、一見派手にも思えるが、それなりの訳があった。
白色電球や蛍光灯を使わないのは、コケの繁殖を抑制するのが目的らしい。
理由はともあれ、美しく芸術的。
長い年月の神秘が、今なお続いている。
突如現れたるは、地酒の貯蔵庫。
洞内は、酒類にとって居心地の良い適温なのね。
また、こんな珍しい区画もあり真っ白なウドが育っていた。
800mにも及ぶ幻想的な洞内では、ずっと興奮状態だったような気が。。。
スリルがあり、探検気分も味わえた。
三か所の出口が設けてあり、体力に応じて途中で外に出られる工夫がなされている。
後半は、急坂や階段が続くため、エスケープルートは不可欠だと理解した。
私達は、最終の第3出口を利用。
そこから入口までの外階段をひたすら下る。
その長さと高低差に驚く。
洞内の高低差は、一体どれくらいあったのだろうか。
とっても涼しい別世界を後にして、宿に向かった。
~~ つづく ~~
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