マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(18)たたきキューリの即席 塩麹漬け

2011年10月13日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今日の上海は天気予報通りの雨となった。本当は昨日も天気予報では雨だったのだが、だんだんと寒い季節になり、雨が降ると店のお客さんも少なくなるの今夜の店の電話予約が心配になってくる。

さて、前回も話しをしたが日本料理に欠かせない「味噌」「醤油」「味醂」「酢」等が作れるのも「麹」のなせる技で、「麹」のおかげて食材をさらに美味しくしてくれる。

「麹」もカビの一種だが、今から1000年以上も前に既に「麹」は酒作りに使われていたらしく、我々日本人の先祖は、いろいろな経験を積み重ねながら、上手に「麹」を使って「味噌」「醤油」「味醂」「酢」等の発酵調味料を、微生物の知識もなく、醸造学も知らずに作り上げていったと思うと、我々料理人も「麹」をことをもっと知らなければならないと思う。

そこで、今回は「塩麹」を使った料理を紹介しよう。

最近、日本では麹を使った料理がブームのようで、スーパー等でも「麹」が割と簡単に入手できるようになった。

うちの店では、日本から上海に来る知人に頼んで、上海では入手できない「柚子皮」等の食材を日本から持って来てもらっているが、「麹」は「みやこ麹」という「麹」を持ってきてもらっている。

下がその「みやこ麹」の写真だ。

500g入りで、これに「塩」「水」を加えて常温に置けば一週間程で「塩麹」が出来上がる。

「塩」と「水」の量はパッケージに書いてある通りでいいが、「麹」500gに対して、「塩150g」「水600g」が目安となる。

尚、塩麹を作る場合には直接麹に水を加えるので、麹をお湯で戻しておく必要もない。

さて、今回は「塩麹」を使って、「たたきキューリの即席 塩麹漬け」を作ってみよう。

キューリをたたくことで、味がしみ込みやすくなり、また、ビニール袋に入れ手で揉むことで、30分もあれば直ぐに食べられ、塩麹の甘さと香りと、角の取れたまろやかな塩分をぜひ、味わってみて欲しい。

◆「たたきキューリの即席 塩麹漬け」の作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から「キューリ」「塩麹」。写真奥の左から「糸削りかつを」「海苔」「塩」。

2)作り方。

①キューリに塩を振る。


②キューリをころがして「板ずり」する。


③キューリを包丁の背などで叩く。


④大きな種があれば取り除く。


⑤食べやすい大きさに包丁で切る。


⑥ビニール袋にキューリを入れて、キューリの容量の10%~20%の「塩麹」を加える。


⑦手で揉みこむ。


⑧そのまま30分程置いて味を馴染ませる。


⑨皿に盛って出来上がり。


お好みで、醤油を少量掛けて食べても良いが、まずは、「塩麹」だけで漬け込んだ状態で食べてみて欲しい。

甘い香りがして角の取れた塩の味は「塩麹」でしか出せないと思う。

さて、次回は「塩麹」を使って「酒の塩麹焼き」と「大根のべッタラ漬け」を作ってみよう。











料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(17)薄揚げのネギ味噌挟み焼き

2011年10月12日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今日の上海は天気予報では雨とのことだったが朝から晴れて「秋晴れ」の綺麗な空だ。

アパートの窓のすぐ前の木には赤い実がたくさん生って、それを食べに小さな鳥たちが訪れ、なんとも爽快な朝だ。



さて、前回は「味噌漬け」用の味噌を使って、「ホタテのネギ味噌焼き」を作ったが、今回もこの味噌を使った料理を紹介しよう。

味噌というのは、日本人なら嫌いな人はいない調味料だろう。

おいしい味噌汁が一杯と炊きたてのご飯があれば、とても幸せな気分になれる。

そんな味噌も「麹」のなせる技で、他にも、「醤油」「みりん」「酒」「酢」など、「麹」を使った調味料は日本料理には欠かせない調味料だ。

今回は「味噌」と「ネギ」を薄揚げに挟んで焼くが、とても簡単に作れてお酒が進む「おつまみ」だ。

薄揚げを冷凍庫に入れておけばいつでも作れるし、薄揚げは冷凍しておいた方が中心に包丁を入れて2枚に切りやすい。

◆「薄揚げのネギ味噌挟み焼き」の作り方。

1)用意する物。

手前の写真の左から「薄揚げ」「万能ネギ」。奥の写真の左から「味噌」(味噌とネギで作った物)「いりごま」「ゴマ油」。

2)作り方。
①鍋に味噌を入れ弱火に掛ける。


②味噌が硬かったら「酒」を少し加えてのばす。


③ゴマ油を小さじ1程加えて混ぜ合わせ鍋を火から下ろす。


④万能ネギを小口切りする。


⑤大葉を千切りにする。


⑥薄揚げに味噌を塗る。


⑦ネギを散らす。


⑧炒りごまを散らす。


⑨大葉を散らす。


⑩薄揚げの上下を合わせる。


⑪オーブントースターに入れる。


⑫両面をじっくり焼く。


⑬皿に盛って出来上がり。


さて「味噌」の他にも「醤油」「みりん」「酒」「酢」などは「麹」によって作られているが、麹には食材をさらに美味しくする力が込められている。

次回は「麹」の話をしよう。



料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(16)ホタテのネギ味噌焼き

2011年10月11日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今日の上海は曇り空で今にも雨が降りそうだが、暑くもなく寒くもなく過ごしやすい。

ただ、アパートの窓から見える木々には秋の気配が感じられるようになってきた。

昔、ヨーロッパのベルギーに10年以上住んでいたが、ベルギーやイギリスのロンドン等の街は冬になると、どんよりと曇った日が多く、20日間以上も小雨が降り続いたりすると精神的にも参ってしまう。

そんなベルギーから日本のマグロ商社に入社する為に日本に帰国した時には既に32歳となってた。

今までの料理店の仕事とは違い初めての会社勤めでだったし、会社の先輩に比べて専門的なマグロの知識も無く、最初は会社の誰からも相手にされないような状況だった。

貿易の仕事で入社したはずが、毎日、毎日、マグロの水揚げの現場に行かさせられ、一船買い(船内のマグロを全部そのまま買う)の勉強をさせられたり、何よりつ辛かったのが、毎朝、5時前には起きて築地市場に行くことだった。

しかし、その時の勉強があるから、マグロの知識や経験に付いては誰にも負けないと思っている。

そして、マグロの知識や経験だけではなく、自分の場合には「料理を作ることがができた」のが最も幸いだったと思っている。

よく、セカンド能力という言葉を耳にする。

たとえば、英語が上手な女性が、その能力を武器に大手総合商社に入社し働くことになったとする。

しかし、商社なら英語を話せるのはあたり前で、その女性より英語を上手に話せる人はゴロゴロいる。

結局、その女性は毎日のお茶くみやコピー取りが嫌になり会社を辞めてしまう。

でも、たとえば、その女性が「洋服」が大好きだったとして、そこで、規模は小さいが「アパレル系」の会社に入ったとする。

その会社には英語が上手に話せる人が居ないので、彼女は入社早々、部長のお伴でイタリアに服の買い付けの出張に連れていってもらう。

もともと、「洋服」は大好きなので、イタリアで多くのことを勉強し、それからは、英語もできるので、一人で何度もイタリアに買い付けに行き、今では部長になったという話しで、つまり、セカンド能力をうまく活用したということだ。

自分はベルギーから帰国して日本のマグロ商社に入社したが、料理を作ることができたことが、とても幸いしたと思う。

消費者がマグロを入手するには3つの方法しかない。

①マグロを魚屋で買う
②マグロを料理店で食べる
③マグロを宅配や通販で買う

これら、消費者がマグロを入手する3つの方法でマグロを販売する企画書を会社に提出して、入社1年後に「開発課」を立ち上げ、大手外食チェーン店に問屋を通さず直接マグロを販売するしたりマグロ料理店「はな家」の展開(銀座、新橋、赤坂に出店)。また、マグロの通販「マグロ王国」を開始し、これらの事業は6名のスタッフで年間5億円以上を売上げたが、何より利益率がダントツで多くの利益(儲け)があった。。

そのマグロ商社には15年働いて退職してからはタイのプーケットでマグロの加工を始めるのだが、残念ながら、そのマグロ商社は本業のマグロの輸出(ビンチョウ、メカジキ)が減った為に今では以前の元気はないようだ。

昔はマグロの仕事で、マグロの水揚げがある国をいくつも廻ったが、その時に知り合った仲間から今でもマグロの情報が毎日のようにメールで届く。

下の写真は、今朝、送られてきたものだが、大西洋のある島から送られてきたものだ。


頭が無いので分かりずらいが「メバチマグロ」の100㎏を超えるサイズで、「メバチマグロ」は通常は60㎏までの物が多いのに、まだこんな大きなサイズのメバチマグロが獲れる海域があったのだと、自分でも驚いているし、昔なら、直ぐにその島まで飛んで行っただろう。

さて、また話が長くなってしまったが、何カ月もマグロの仕事で海外に行くと、やはり帰国してからは寿司や蕎麦が食べたくなるものだ。

特に蕎麦には目がないので、帰国後は直ぐに蕎麦屋に行って「味噌焼き」で酒を飲み、蕎麦を食べた物だ。

蕎麦屋の「味噌焼き」は白味噌に蕎麦の実やネギを混ぜてシャモジに塗り、直火で味噌を焦がしながら焼く料理だが、味噌をチビチビと舐めながら酒を飲み、余った味噌焼きは蕎麦に塗って食べても旨い。

今回は蕎麦の実の替わりにホタテを入れた「ホタテのネギ味噌焼き」を紹介するが、味噌は以前紹介した「味噌と同量の玉ネギ」を混ぜたものを使用する。「みりん」や「砂糖」等は加えていないが、「玉ネギ」の甘さが「ネギ味噌焼き」にはちょうどいい。味噌を少焦がして香りが立ったところを食べよう。

◆「ホタテのネギ味噌焼き」の作り方。

1)用意する物。

手前の写真の左から「生食用ホタテ」「鷹の爪」「長ネギ」。奥の写真の左から「味噌漬け用の味噌」「昆布」。

2)作り方。
①長ネギを1㎝幅に切る。


②ホタテを4つに切る。


③鷹の爪の種を取り、小口切りにす

④ボウルかお椀等に「味噌漬け用の味噌」「ホタテ」「ネギ」を入れる。


⑤味噌が堅かったら、酒を少量入れて、よく混ぜる。


⑥昆布の上に乗せる。


⑦オーブンレンジに入れる。


⑧途中、何度か箸でかき混ぜる。


⑨焼き上がり。


⑩皿に盛り上から鷹の爪を散らす。


さて、次回も「味噌漬け用の味噌」を使った「簡単おつまみ」を紹介しよう。

料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(15)スペアリブの香草焼き

2011年10月10日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今回は「クミンシード」を使った料理を紹介しよう。

クミンはセリ科の植物で、種子(クミンシード)は香辛料として用いられ、特にカレー粉を作る時には無くてはならないスパイスとして知られている。

クミンの独特の香は肉の臭みを取るばかりでなく食欲をそそられる。

カレーの臭いを嗅ぐと、お腹がグ~っと鳴ってしまうのは、カレーの香りの中心がクミンだからだ。

また、このクミンを料理に使うと、どんな食材でもたちまちエスニック料理になってしまうから不思議だ。

さて、「今回の料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は、スペアリブにクミンシードと塩とコショーを振って、焼くだけという料理だがこれがビールや冷たく冷やした白ワインにとても合うので、是非、作って食べてみて欲しい。

ところで、このエスニック風の料理を最初に食べたのは、インドでもなければ中近東やモロッコでも無く、ヨーロッパのベルギーのギリシャ料理店だった。

今から20年以上も前なので、そのギリシャ料理店が今もあるかは分からないが、小さな羊のスペアリブにハーブと塩を振りかけて焼いた料理は「petite os」(プティゾー)という「小さな骨」という意味の料理名だった。
その美味しさにはまって、何度も何度もその店に通ったものだが、価格も非常に安かった。

小さなスペアリブが10個位に、フリッツ(フライドポテト)とサラダが付いて700円程度で、白ワイン(ハウスワイン)を飲んでも1000円以下だった。

また、この店で「タラモサラダ」を初めて食べたが、パンとの相性が良く今でもたまに自宅で作っているので、別の機会に紹介しよう。

実は、この「スペアリブの香草焼き」を自宅で作りたくて、スーパーでいろいろな香辛料(ハーブ)を買ってきては試してみたのだが、あのベルギーのギリシャ料理店の味を再現することはできなかったのだが、中国の大連の羊肉の串焼きの屋台で思いもせずに、この香りに出会った時には感動したものだ。

その香りが「クミンシード」によるものだと分かったからだ。

スーパーで売っている粉末のクミンに比べて、クミンシードを使うと香りが全然違う。

早速、市場に行きクミン中国語で孜然(ズーラン)を買い求めて作ってみたところ、あのベルギーのギリシャ料理店の味を90%以上は再現できたと思う。

尚、今回はまずは醤油で肉に下味を付けるがその方が旨いと思うからで、また、クミンシードの他に「イタリアンハーブミックス」を使うが、「オレガノ、バジル、ローズマリー、」等が風味を増してくれる。

◆「スペアリブの香草焼き」の作り方。

1)用意するもの。

写真手前の左から「豚のスペアリブ」「クミンシード」。写真奥の左から「塩」「黒コショー」「イタリアンハーブミックス」「醤油」。

2)作り方。
①ボウル等にスペアリブを入れ、醤油を大さじ1程加えて手で揉み込んで味を染み込ませる。


②オーブントースターの鉄板の上に①のスペアリブを置き、塩を振る。


③コショーを振る。


④クミンシードを振る。


⑤ハーブミックスを振る。


⑥表面が焼けたら裏返して、網に乗せて裏面も焼く。


⑦皿に盛り、レモンを添えて出来上がり。


さて、今回は小羊の替わりに「豚のスペアリブ」を使ったが、この方が食べ応えがあって旨いと思う。

次回の「料理長が自宅で作る簡単おつまに」は先日、「豚の味噌漬け」に使った味噌で作る料理の話をしよう。








料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(14)地鶏とたっぷりキノコの水炊き

2011年10月09日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今回は、これから本格的に寒さを増していく上海で、毎日でも食べたい鍋料理を紹介しよう。

鍋料理は具材を切るだけで後は煮るだけなので、とても手軽に作れるので寒い冬にの「おつまみ」は「小鍋」で、熱燗で一杯ということが多い。

特に地鶏を使った鍋はコラーゲンたっぷりで体を芯から温めてくれる。

また、鶏肉の脂にはコレステロールを減少させる不飽和脂肪酸が多く、他の肉に比べて栄養価では「ビタミンA」が5倍も含まれている。

今回は地鶏の他にたくさんのキノコを入れて水炊きにしてみよう。

キノコは沸騰した鍋の中に入れるより、最初から入れた方が味がよくでるので、昆布だしを一度冷ましてから弱火に掛け、地鶏を鍋に入れたら直ぐにキノコも加えよう。

◆「地鶏とたっぷりキノコの水炊き」の作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から「緑豆春雨の太いもの」「地鶏のモモ肉とガラ」。写真奥のキノコ(エノキ茸、ヒラタケ、マイタケ、椎茸、しめじ等のお好みのキノコ)、「長ネギ」「春菊」。

2)作り方。
①緑豆春雨を湯に浸けて戻しておく。

②鍋にたっぷりの水を入れて沸かす。


③地鶏を入れ、さっと茹でる。(30秒程度)


④ザルに上げる。


⑤流水で血や汚れを洗い流す。


⑥土鍋に水を張り、火に掛け昆布を入れる。


⑦沸騰直前に昆布を取りだす。


⑧昆布だしを冷まして常温になったら(弱火)に掛け、流水で汚れを洗い流した地鶏を入れる。


⑨キノコを加える。


⑩ネギを加える。


⑪日本酒をたっぷり加える。


⑫蓋をして10分程煮る。(弱火のまま)


⑬蓋を開け、豆腐を加える。


⑭春雨を加える。


⑮ポン酢と薬味(ネギ、大根おろし、もみじおろし)を添えて出来上がり

熱々のうちに、春菊やホウレン草を入れて食べよう。

さて、この料理のポイントだが、地鶏はモモ肉を骨付きのままブツ切りにしよう。また、モモ肉と同量のガラを一緒に入れると地鶏の美味しい出汁となる。

以前にも書いたと思うが、魚を煮るにも肉を煮るにも「骨付き」で煮るのと「骨無し」とでは各段の味の違いとなる。

最近では子供には「喉に骨が刺さるから」と骨付きの魚を食べさせない親が多いようだが、そういう子供が成人するとリッパに「骨のない大人」になっているから不思議だ。

さて、次回は中国では「孜然」(ズーラン)という、クミンを調味料として使った料理の話をしよう。

最初にこの調味料に出会ったのは20年以上も前で、ベルギーのギリシャ料理店だったが、ずっと探し求めていた味に偶然、大連で出会うことになる。






料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(13)豚肉の味噌漬け焼き

2011年10月07日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
前回は[すりおろした玉ネギ]で肉を柔らかくする「シャリアピンステーキ」の話をしたが、今回は玉ネギのみじん切りと味噌だけを使って豚肉を味噌漬けにしてみよう。

その前に、 (ガンガンガン速) さんからコメントを頂いた。

お邪魔します。

2011-10-07 12:31:43

私は高級牛にくよりも、玉ねぎで柔らかくした方が断然好きです~ 


自分も霜降り高級和牛の「A4」「A5」等より、赤身肉の方が好きだが、脂の味だけではなくて肉の旨さが感じられるからだ。

玉ネギでマリネしてからステーキにすると肉が柔らかくなるのは、玉ネギに含まれるタンパク質分解酵素によるものだが、玉ネギの甘さが肉に合い、更に美味しく感じられる。

それでは、なぜ、タンパク質分解酵素で肉が柔らかくなるのだろうか?

それは、たんぱく質分解酵素が肉のタンパク質をアミノ酸へと分解することで筋などの硬い部分がなくなるので、肉を柔らかく感じるのだ。

肉を軟らかくするタンパク質分解酵素が含まれる食品には「玉ネギ」の他にも、いろいろあって「パイナップル」や「キィウイ」がよく知られている。

ただし、気を付けなければいけないのは、酵素というのは加熱すると活性しなくなるということだ。

よく、「酢豚」を作る時に缶詰めのパイナップルを使っているのを見かけるが、缶詰めを作る段階で既に100℃以上に加熱してあるので、パィナップルのブロメリンと呼ばれるタンパク質分解酵素は活性しなくなっている。

さて、今回は玉ネギのみじん切りと味噌だけを使って豚肉を味噌漬けにするが、実は意外なことに、肉を味噌に漬けると風味が増すとともに、麹菌に含まれるタンパク質分解酵素の働きで肉が柔らかくなるのだ。

よく味噌漬けを作る場合には、味噌に酒、みりん、砂糖等を加えるが、今回は味噌に加えるのは、「玉ネギのみじん切り」だけで、他の物は一切加えていない。

実際に作って食べてもらえば分かるが、砂糖や味醂を加えなくても、玉ネギの甘さだけで十分な甘味を感じる。

よく、TVの料理番組では、味噌に酒、みりん、砂糖を加えて混ぜ、そこに豚肉を30分程漬け込み、焼く時には『焦げるので味噌をきれいに洗い流してから焼きましょう』などと平気な顔をして言ってるが、これでは味噌漬けでは無く味噌の風味漬けになってしまう。

みりん、砂糖を多く使えば糖分が直ぐに焦げてしまうので、しかたなく洗ってから焼くのだろうが、これなら、肉を焼いてから味噌を塗って食べても変わらず、味噌漬けの風味などとても引き出せないだろう。

肉は最低3日は漬け込み、5日頃が食べ頃だろう。しっかり漬け込んでもタンパク質分解酵素のおかげて肉は堅くならず、味噌の風味が染み込んでから焼けば、酒のアテにもおかずとしても美味しく食べられる。

◆豚肉の味噌漬け焼きの作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から「豚ロース肉」「玉ネギ」。写真奥の左から「米味噌 2種類」「豚のスペアリブ」。

2)作り方。
①味噌と同量の「玉ネギのみじん切り」を用意する。


②容器に「味噌2種類」と「玉ネギのみじん切り」を入れる。


③よく混ぜ合わせる。


④肉を漬け込む(スペアリブ)


⑤肉を漬け込む(ロース肉)


⑥漬け込んだ状態。


⑦蓋をして冷蔵庫に入れる。


***3日目の状態***

玉ネギのツブツブは、ほとんど見られない。

⑧5日目に容器から肉を取り出す。


⑨食べきれない分は、ラップをして冷凍する。


***今回、ロース肉はフライパンで、スペアリブはオーブントースターで焼いてみる***

⑩スペアリブの表面の味噌をかるく拭ってオーブントースターで焼く。


⑪テフロン加工のフライパンを弱火に掛け油を敷かずに、表面の味噌をかるく拭ったロース肉を乗せる。


⑫蓋をして蒸し焼きにする。


⑬裏面も同じように焼く。


⑭スペアリブも両面を焦げ目が付くように焼く。


⑮焼き上がったロース肉を食べやすいように切って皿に盛り出来上がり。


⑯焼き上がったスペアリブを皿に盛って出来上がり。


さて、今回作った味噌だが、玉ネギのみじん切りは多少大きくとも2日もすれば味噌に溶け込み、形も無くなるので、玉ネギのみじん切りに「競泳用のゴーグル」を使わなくても大丈夫だ。

それでも涙が出る場合には、包丁を研いでやるか、冷蔵庫でよく冷やした「玉ネギ」を使うといいだろう。

ただし、玉ネギはすりおろさず、必ずみじん切りにして味噌と混ぜよう。

この味噌は、豚肉だけではなく、魚やパプリカ等の野菜や、豆腐や茹で玉子など、いろいろな物を漬け込んで食べても美味しいので試してみて欲しい。

さて、ここのところ上海はめっきり寒くなり、外出する時にはジャケットが必要となってきた。

次回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は、「鍋」にでもしよう。






料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(12)シャリアピンステーキ

2011年10月07日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今日は10月7日(金)で、国慶節の休みもいよいよ今日までだ。

明日は土曜日で明後日は日曜日だから、一般の会社は月曜日から始まるように思うが、ここが中国の不思議なところで、祝日のお休みが終われば、土曜でも日曜でも会社に行くサラリーマンをよく見掛る。

日系企業の場合には、日本の本社が土曜、日曜は休みなので連絡が取れないからか、来週の月曜からという会社が多いようなので、いずれにしても来週の月曜日までは暇な状況が続くだろう。

さて、前回は「ステーキシャンピ二オン」を作ったが、発音が似ている為に「シャリアピンステーキ」と勘違いしている人が多いようだ。

「ステーキシャンピ二オン」については前回作ったので「シャンピ二オンソース」を使ったステーキ。ということを理解してもらえたと思うが、「シャリアピンステーキ」の「シャリアピン」はロシアの有名なオペラ歌手「フョードル シャリアピン」の名前からとったものだ。

シャリアピンは当時、拠点をパリに置いて活躍していたが、1936年(昭和11年)には日本にも訪れて、東京、名古屋、大阪で公演をしている。

しかし、その日本滞在中はどうも入れ歯の調子が悪かったようで堅い物は食べられなかったようだ。

東京での宿泊先は帝国ホテルだったが、そのことを知った帝国ホテル内のレストラン「ニューグリル」の筒井福夫シェフが「シャリアピン」の為に考案した料理が、この、とても柔らかな「シャリアピンステーキ」だった。

ステーキを柔らかくする為に、肉を薄くのばし、更に「おろした玉ネギ」に漬けこみ、ステーキの上にはじっくり炒めた玉ねぎのソースを乗せたこの料理はシャリアピンもたいへん気に入ったようで、それ以来、このステーキが「シャリアピン ステーキ」と呼ばれるようになったようだ。

さて、それでは早速、柔らかな「シャリアピン ステーキ」を作ってみよう。

1)用意するもの。

写真手前の左から「牛ステーキ肉」「玉ねぎ」。写真奥の左から「無塩バター」「サラダ油」「黒コショー」「塩」

2)作り方。
①肉を薄くのばす。(筋があれば包丁を入れておく)


②玉ネギをおろす。


③肉を玉ネギに漬けこむ。


***付け合わせの野菜を炒める(野菜は何でも良い)***

④「絹さや」をオリーブオイルで炒めて「塩」「コショー」する。

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⑤肉を容器から取り出して表面の玉ネギを取る。


⑥肉に「塩」を振る。


⑦肉に「コショー」を振る。


⑧フライパンを弱火に掛けて、バターを入れる。


⑨おろし玉ネギを加えて炒める。


⑩玉ねぎが色付いて、甘くなったら塩を振る。


⑪コショーを振って更に炒める。

***肉を焼く***

⑫フライパンを中火に掛け、サラダオイルを大さじ1程入れる。


⑬バターを大さじ1(15g程)加える。


⑭肉を入れ両面を焼く。(焼き過ぎると堅くなるので注意する。)


⑮食べ易いように肉をカットする。


⑯肉を皿に盛り、肉の表面に炒めた玉ねぎを塗り、網目の模様を付ける。


⑰パセリのみじん切りを散らし、炒めた「絹さや」を添えて出来上がり。


⑱お好みで醤油を数滴掛けて食べるのもいいだろう。


さて、この料理を作る時にいつも思うのだが、日本には「黒毛和牛種」という、箸でも切れる脂の乗った柔らかい肉があるのに、なぜ、玉ネギを使ってまで肉を軟らかくしなければならなかったのだろう?

きっとそれは、1936年(昭和11年)には、日本では牛肉を食べるという習慣がそれほど無かったからではないかと思う。だから、牛肉は堅い肉しかなく「しゃぶしゃぶ」というのは、その堅い肉を薄くスライスして食べるという理に適っ食べ方だと思う。

今は中国でも「牛肉」を食べるようになってきたが、以前は中国で「肉」と言えば「豚肉」のことを指し、牛肉を食べる習慣は戦前の日本のようにほとんど無く、市場でも豚肉ばかりが並んでいた。

さて、「玉ねぎ使って肉を柔らかくする」という調理法が、この「シャリアピン ステーキ」の特徴だが、次回は、同じように「玉ネギ」を使った「豚の味噌漬け」の話をしよう。



料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(11)ステーキシャンピ二オン

2011年10月06日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
前回は「シャンピ二オン」をニンニクオイルで炒めたが、今回は「シャンピ二オンソース」を使った「ステーキシャンピ二オンを紹介しよう。

この料理を初めて食べたのは、今から20年以上も前で、ベルギーの「Chat noir」(シャノワール)という、「黒猫」という名のビストロだった。

服部栄養専門学校を卒業し「調理師免許」を取得し、学校の紹介で南米のベネズエラの日本料理店に就職したが、この店では我々の仲間が現地人のコックに刺されるなど、いろいろなことがあった。

また、当時のベネズエラは、日本からの調味料はほとんど無く、味噌も醤油も豆腐も手造りで、「糠漬け」などはパン粉にビールと塩を加えて作ったり苦労も多かったがそれ以上に語学(スペイン語)等、勉強することが多かったと思う。

そのベネズェラから3年後に無事に帰国し、本格的に日本料理をやりたくなり、帰国の挨拶もかねて服部栄養専門学校に行ったところ、次の就職先として紹介してくれたのが、赤坂の料亭「田川」だった。

今の赤坂は韓国料理店ばかりの、しょぼい街になってしまったが、当時の赤坂は高級料亭も多く、夜ともなると黒塗りのハイヤーが多く見掛けられた。

日本が本当に元気だった時代で、赤坂には「ミカド」というキャバレーや、「ビブロス」という今でいう「クラブ」(ディスコ)があって、「銀座」「赤坂」「六本木」には正真正銘の粋な遊び人が多かったと思う。

南米から戻って就職した赤坂の料亭「田川」は、当時、外務省と新日本製鉄のお客さんが主体で、座るだけで5万円と言われた高級料亭だった。

今、日本では役人による接待を税金を無駄に使う「犯罪」のように言うが、官官接待が行われなくなってから、日本の経済は低迷して行ったような気がする。

何も今の中国のように役人が1本100万円のワインで乾杯する必要はないだろうが、ある程度の官官接待はいいのではないかと思う。

官官接待とは役人が役人を接待することだが、使うお金は身銭ではなくて税金だから遠慮なくどんどん使うし、もらった予算は全部使い切らないと次の予算が減らされてしまうので、毎年、必ず使い切る。

そういう接待は高級料亭に限らず一般の飲食店でも行われていたし、東京や大阪といった大都市だけではなく、もっと小さな地方都市でも同じだから飲食業界はそれなりにやってこれた。

官官接待が無くなってからは、なぜか民間の接待も自粛されるようになり、飲食業界には更なるダメージとなった。

よく日本人は外国人から「本音と建前があって理解できない」と言われるが、日本人は自分の意見を通すことよりも他人との協調を望み、会社では「建前」だが、会社帰りの「飲み会」でお酒が入れば個人的な意見や考え「本音」を語りあうことが多い。

会社では本音が言えず、「接待」の飲み会も無ければ、思いつめて良からぬ考えで自ら命を絶ってしまう人もでてくるだろう。

さて、赤坂の料亭「田川」だが、その後、ヨーロッパの「ベルギー」に支店を出すことになり、先輩達と一緒に行くことになった。

それが、10年以上に及ぶヨーロッパ生活のスタートだった。

そして、大型の「本マグロ」に出会い、それからは「マグロ」にとりつかれた人生を送ることになる。

また、話が長くなってしまったので、「ステーキシャンピ二オン」の話に戻ろう。

この料理は当時ベルギー田川の煮方をしていた田村さんに連れて行ってもらった「Chat noir」というビストロで食べた料理で、料理の技法からすればフランス料理になると思うが、シャンピ二オンを上手に使ったこのソースは、ステーキだけではなく、舌ビラメのソテーにも合うので、是非、一度作って食べてみて欲しい。

◆「ステーキシャンピ二オン」の作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から「ステーキ用の肉」「マッシュルーム」、写真奥の左から「無塩バター」「白ワイン」「生クリーム」「塩」「黒コショー」。

2)作り方。
①マッシュルームを5~6㎜幅にスライスする。


②フライパンを弱火に掛けてバターを20g程入れる。


③バターが溶けたらマッシュルームを加えて炒める。


④白ワインを大さじ2程加えて蒸し焼きにする。


⑤ワインがほとんど無くなったら、生クリームを大さじ3程加える。


⑥「塩」を加えて味を整える。


⑦コショーを加える。


********************************************
⑦牛肉に「塩」を振る。


⑧牛肉に「コショー」を振る。


⑨テフロン加工のフライパンを中火に掛け、油を敷かずに牛肉を焼く。


⑩両面を焼き「ロゼ」に仕上げたら一口大に切り皿に盛る。


⑪シャンピ二オンソースを掛けて出来上がり。


さて、この「ステーキシャンピ二オン」に使用する牛肉だが、脂の多い高級牛肉でなく、柔らかい赤身肉の方が合うと思うし価格も安い。

ただし、焼き過ぎにないよう中心は「ロゼ」に焼き上げるようにしよう。

今回、ステーキを一口大に切ったのは、この肉の筋がとてもきつかったからで、通常は筋のところに包丁を入れて焼けばいい。

尚、この「ステーキシャンピ二オン」だが、「シャリアピンステーキ」と間違える人が多いようなので、次回は「シャリアピンステーキ」の話をしよう。






料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(10)マッシュルームのニンニクオイル炒め

2011年10月05日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
国慶節の休みもいよいよ今日で5日目に入った。

昨日は、虹橋1号店から3号店の「福家」まで歩いて行く途中で何軒かの日本料理店を覗いてみたが、どの店もガラガラの状況だった。

来週の月曜日まではこの状況が続くのだろう。

さて、昨日は中国のDVDの海賊版の話をしたが、DVDが一枚10元(130円)程と本当に安い。

他に、中国で生活していて「これは安い!」と思うものに「理髪店」がある。

もちろん、それなりの店構えをし、一等地の店ならば散髪に100元(1300円)以上も掛るが、うちのアパートの直ぐ近くで散髪をすれば、なんと10元(130円)で海賊版のDVDと同じ料金だ。

日本のように髭を剃ってくれたり、肩を揉んでくれることも無いが、10元はとても安いと思う。

ただし、こういう安い店にはお客さんも多く、たいていは20分程待たされるのだが、国慶節の休みの間はお客さんも少なく昨日は散髪に行ってきた。

中国と日本の理髪店の大きな違いは、中国では髪を切るのに「ハサミ」はほとんど使わずに「電動バリカン」を使うことだ。

耳の上のところを切るにも、襟足のところを切るにも、すべて「電動バリカン」を使うから、みるみるうちに髪の毛が少なくなってきて、「とっちゃん坊や」のようになり、自分でもなさけない髪型になってしまうこともある。

ある時、10元の理髪店ではなく、もっと高い店なら「ハサミ」だけ使って散髪してくれるのではないかと思い、うちの店のスタッフに中国語で「ハサミだけ使って切って下さい」とメモを書いてもらい、88元の店に行ったことがある。

そのメモを見せたら、店の理髪師が「明白了」(ミンパイラ)と分かってくれたようで安心したが、ハサミを使ったのは最初だけ。後から「電動バリカン」を取りだして、結局、いつもと同じ髪型となってしまった。

それ以来、88元の店には行かずに、いつもの10元の店に通っているが、自分は髪の毛が生えるスピードが速いのか、髪の毛を切り過ぎても恥ずかしい思いをするのは一週間だけなので、我慢するようになった。

日本にも1000円程で散髪をしてくれるチェーン店があるようだが、散髪料が130円というのはとても魅力的な価格だと思う。

以前、大連で路上に椅子を置いて、散髪をしている風景を見掛たことがあるが、その場合には5元だと聞いたことがある。

ただし、たったの5元だとしても、さすがに日本人として、路上での散髪は恥ずかしくてできないだろう。

さて、今回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は、マッシュルームをニンニクとオリーブオイルで炒めた、スペインのバールの定番のタパス(おつまみ)を紹介しよう。

以前、ヨーロッパのベルギーに10年程住んでいたことがあるが、夏のバカンスには決まってスペインのマラガという海岸のホテルに1週間程滞在した。

ベルギーは年間の日照時間が少なく、特に冬は曇り空か、毎日小雨が降るような天気で太陽を浴びる機会が少ない。

人間の体というのは太陽を浴びずにいると、ビタミンDを体内で合成できずに、「脚気」やヨーロッパでは「象足」と呼ばれる足だけが太くむくんだ象の足のようになってしまう。

そういう理由もあってか、ヨーロッパの人々は夏のバカンスを長く取って、スペインやイタリア等の地中海沿岸の海岸に行き思いっきり太陽を浴びているようだ。

スペインをバカンスの行き先選ぶ理由だが、観光客の多いイタリアに比べて物価が安いことと、食べ物が美味しいからだ。

特にスペインの「ハモンセラーノ」という生ハムには目がなく、他にもスペインには美味しい料理が盛りだくさんだ。

今回、紹介するマッシュルームのタパス(おつまみ)は「CHAMPIÑONES AL AJILLO」と呼ばれスペインのバールでは定番の料理だが、皿のニンニクオイルをパンに付けて食べると、メタボになると知りながら、つい食べ過ぎてしまう。

◆「マッシュルームのニンニクオイル炒め」の作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から「マッシュルーム」「パセリ」「ニンニク」。写真奥の左から「オリーブオイル」「白ワイン」「塩」「黒コショー」。

2)作り方。
①ニンニクをみじん切りにする。(ニンニクが多い方が美味しい)


②パセリをみじん切りにする。


③マッシュルームを2等分か4等分に切る。(焼くと縮むのであまり小さく切らない方がいい)


④フライパンを弱火に掛け、オリーブオイル(ピュア)を大さじ2程入れる。


⑤ニンニクを加えて炒める。(焦がさないように注意しよう)


⑥マッシュルームを加えて炒める。


⑦白ワインを大さじ2程加える。


⑧蓋をして蒸し焼きにする。

蒸し上がったら蓋を取る。


⑨塩を振る。


⑩コショーを振る。


⑪エクストラ バージンオリーブオイルを大さじ2程加える。


⑫皿に盛りパセリを添える。


⑬パンを添えて出来上がり。


さて、以前にも説明したと思うが、オリーブオイルには「バージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2種類がある。

「バージンオリーブオイル」とはオリーブの果実を搾ってろ過しただけのオイルで、更に官能検査や酸度の違いによって「エキストラバージンオイル」「バージンオイル」「オーディナリーバージンオイル」の3つに区別される。

この中でも、特に「エキストラバージンオリーブオイル」は最高級のオリーブオイルとされ、サラダやマリネにそのまま使ったり、加熱料理の最後の仕上げの香りづけにも使われる。

もう一つの「ピュアオリーブオイル」は、バージンオリーブオイルと精製したオリーブオイルをブレンドしたオイルで主に、焼きもの、炒め物、揚げものなどの加熱料理に使われる。

この「ピュアオリーブオイル」という呼び方は、日本の食用油のメーカーが付けた名前なのか、日本だけの呼び名のようで、一般には「エキストラバージンオイル」と「オリーブオイル」の2種類の表示が多い。

今回の料理ではマッシュルームとニンニクを「ピュアオリーブオイル」で炒めてから、後で仕上げに「エキストラバージンオイル」を加えたが、それは「ニンニクオイル」を多めに作って、たくさんパンを食べたかったからだ。

その為に、ニンニクのみじん切りもたくさん使用した。

パンに「エキストラバージンオイル」だけを付けて食べるのもいいが、この「ニンニクオイル」を付けてパンを食べ始めると、美味しくて手が止まらずにあっという間にバゲットを半分以上も食べてしまうこともある。

さて、次回も「シャンピ二オン」を使って、「ステーキシャンピ二オン」を作ってみよう。

このステーキを最初に食べたのは、ベルギーの「Chat noir」(シャノワール)という、「黒猫」という名のビストロだったが、あまりの美味しさに愕然としたものだ。

ステーキは、「塩と本わさび」だけで食べるのが一番と思っていた自分にとっては大きなカルチャーショックだったが、同じように考えている人には是非一度味わってもらいたいと思う。















料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(9)タジン鍋を使ってキノコを料理する。

2011年10月04日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
中国の国慶節(建国記念日)の休みも3日が過ぎたが、相変わらず上海の街はとても静かだ。

大きなショッピングモールなどは、夏物の服や靴のバーゲンセールをやっているのでお客があるが、それでもいつもの賑わいはない。

うちの店のほとんどは、オフイース街という立地にある為に、客数はいつもの30%位しかないが、日本人のほとんどが日本に帰国しているかまたは旅行に行っているし、中国人客はこの時期は家族揃って食事に行くにしても中国料理店にしか行かないので、この一週間は早めに自宅に帰って、時間がなくて見られなかった映画や日本のTVドラマの海賊版を見ながらのんびり過ごそうと思っている。

中国では、いろんな商品のコピーがあり、クラブで飲むウイスキー(シーバスリーガル)は、ほとんどが偽物だし、服や靴にしても「NIKE」のロゴが入っていても、直営店でなければ偽物ばかりだ。

ただし、海賊版のDVDについては、本当は違法なのだが、ちょくちょくお世話になっている。

なんと、ハリウッド映画の新作のDVDが一枚10元(130円)程で買えるのだ。それも、まだ日本では上映されていない映画のDVDもある。

日本のTVドラマも、そのドラマの最終回が終われば、1か月後には上海で全編を一度に見ることができるのだ。

本当は、「知的財産権」に違反するのでいけないことなのだが、中国で海賊版のDVDが出回るのは、ハリウッド映画や日本のドラマやアニメだけではなく、中国人向けにも中国の映画やドラマのDVDがたくさん売られている。

聞くところによると「世界知的所有権の日」というのがあるらしく、「世界知的所有権機関を設立する条約」が1970年の4月26日に設立したらしい。

なぜか、この日(4月26日)の近くになると、上海の海賊版のDVDを販売している店は一週間程、一斉に店を閉めるのだが、中国政府は、この「世界知的所有権の日」には知的財産を保護する姿勢を国内外にアピールしている。

この日には違法な海賊版のDVDを何千枚も燃やしている映像をTVで見掛たりもするが、しばらくすると、また店はいつものように開店している。

なぜ、中国政府は海賊版のDVDを撲滅しないのかを考えてみると、この庶民の娯楽を安く提供し続けることで、反政府の思想を持たないように国民をコントロールしいるのではないかとも思ってしまう。

日本にしても、くだらないお笑い番組を一日中TVでダラダラと流していたら、それを見ている子供は何も考える必要がなく、腑抜けになり、まともな大人にはならないだろう。

さて、また話が長くなってしまったので、今回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」の話をしよう。

今回も「タジン鍋」を使うが、この鍋は野菜を水無しでも料理できる鍋として有名だが、僅かな調味料を加えて素材を蒸すと、とても簡単に香りを閉じ込め、旨みが凝縮した料理を作ることができる。

秋には、たくさんのキノコが市場に出回るが、今回はキノコを「大さじ1程度の出汁」で蒸してみよう。

キノコはどんな種類の物でもいいだろう。特に松茸が手に入れば最高の香りを引き出せる。

◆タジン鍋を使った「いろいろなキノコのタジン鍋蒸し」の作りかた。

1)用意する物。

写真手前のトレイの中(しめじ、しいたけ、ヒラタケ、マイタケ)等のキノコ。他に、エリンギ等お好みのキノコを使えばいい。写真手前のトレイの右下「出汁に醤油を数滴垂らしてある」。写真の奥「ライム」「塩」。

2)作り方。
①タジン鍋にキノコを入れる。


②大さじ1程の「出汁」を振る。


③少量の塩を振る。


④ガス台の上に置き、弱火に掛ける。


⑤蓋をして3分程蒸す。(よい香りが出てきたら火を止める)


⑥蒸し上がり。


⑦ライムを添えて出来上がり。


写真では香りを伝えられないのが残念だが、タジン鍋の蓋を取ると部屋全体にキノコの香りが立ちこめる。
水で煮たりするとキノコの旨みが抜けるが、タジン鍋なら逆に旨みも凝縮される。

簡単に作ることができて、秋の香りを楽しめる一品だ。

さて、次回は同じキノコだが、「マッシュルーム」を使って、「マッシュルームのニンニクオイル炒め」という、スペインのバールでは定番のタパス(おつまみ)を紹介しよう。






料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(8)タジン鍋を使って作る蒸し奴

2011年10月03日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
前回は卵を使って「卵とじ」を作ったが、冷蔵庫の中に食材がほとんど無い場合には、野菜でも肉でも卵でとじるという料理はとても簡単で美味しい。

ただし、火を通し過ぎないようにして熱々で卵がトロトロの状態で食べるのがいいと思う。

同じように「豆腐料理」も火を通し過ぎないように、温める程度で食べるのが美味しい。

火を通し過ぎると豆腐が堅くなってしまい、また旨さも無くなってしまうからだ。

江戸時代の料理書に「豆腐百珍」があるが、江戸庶民に親しまれた「豆腐」を題材にしたこの料理本は醒狂道人何必醇(せいきょうどうじんかひつじゅん)というペンネームで出版されているが、実名は大坂の篆刻(てんこく)家曽谷学川(そやがくせん)のようだ。とても好評でたくさん売れたのか続編も出版されるなど、今の料理本ブームのきっかけを作った本だ。

この本には100種類以上の豆腐料理が紹介されているが、江戸時代なので使用する調味料は限られていて、味付けのベースは、醤油、酒、塩、出汁などで、胡麻やクルミ等をまぶした料理が多い。

今回、紹介する豆腐を使った料理は、その豆腐百珍の「三十九番 今出川とうふ」をアレンジしたものだ。

豆腐百珍に書かれている「今出川とうふ」の作り方は、豆腐を酒を加えた出し汁で煮てから醤油で味付けをして、葛でとじて薬味として炒りクルミをのせた料理だが、自宅で自分用に作るのでもっと簡単にしてある。

何度も言うが豆腐は温める程度で食べるのが一番美味しい。

今回も「タジン鍋」を使うが、この鍋は「蒸し物」には最高の鍋だと思う。

野菜でも肉でも、僅かな調味料を振りかけてこの鍋で蒸すだけで、思いどうりに加熱することができ、また、香りを損なうことがなく、素材の旨みが凝縮される。

「鴨とネギ」をタジン鍋で蒸す料理を紹介した時には「大さじ1程度の醤油」だけを調味料として使ったが、今回は「大さじ1程度の酒」だけで蒸し上げる。

酒の香りと豆腐の甘い香りを味わうこの料理には、このタジン鍋は欠かせない調理道具だと思う。

◆「タジン鍋を使った蒸し奴の作り方」

1)用意するもの。

写真手前の左から「薬味」(万能ネギの小口切りと糸削りかつを)、「昆布」。写真中央の左から「木綿豆腐」「酒」。写真奥の左から「タジン鍋」「醤油」。

2)作り方。
①豆腐を一口大に切る。


②タジン鍋に昆布を敷く。


③鍋を弱火に掛ける。


④大さじ1程度の酒を振る。


⑤蓋をして3分程蒸す。(タジン鍋の隙間から香りが出てきたら火を止める。)


⑥醤油を少量(大さじ1程度)振りかける。


⑦わさびを豆腐の上にのせる。


⑧薬味を添えて、熱々を食べる。


さて、タジン鍋を使った「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」だが、2回に渡って「大さじ1程度の醤油」「大さじ1程度の酒」を調味料を使って蒸し上げたが、次回は「大さじ1程度の出汁」を使った料理を紹介しよう。

タジン鍋を使って最高の香りをお届けしたいと思う。









料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(7)ピリ辛メンマ、薄揚げ、絹さやの卵とじ

2011年10月02日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
昨日は10月1日で「国慶節」という中国の建国記念日にあたり、10月1日~7日までの一週間は祝日になる。

中国人民は中国共産党によって導かれて革命を勝ち取ったが、1949年10月1日に北京の天安門広場で「中華人民共和国」建国の式典が行われ、毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言して、新中国の国旗―五星紅旗を掲揚した。

昨日、TVで「CCTV」ニュースを見ていたら、1日中、天安門広場での式典の模様が映し出されていた。

日本料理店にとっては、この国慶節の時期は日本人は日本に帰国し、中国人は家族が集まって「中国料理店」で食事をすることはあっても、日本料理店には行かないので、「春節」の時期と、この国慶節の間は商売にならない。

しかし、日本でも2、8(にっぱち)と言って、2月と8月はお客さんが少ない月もあり、こういう時は店のスタッフには皆でローテーションを組ませてなるべく体を休めるようにさせている。

いっそのこと休日にしてしまえばよいと思うのだが、銀行が日曜日でも営業している国なのだから、老板(経営者)にとっては休みなど考えられないのだろう。

しかし、そのパワーが今の中国の原動力になっているような気もする。日本もいっそのこと、土曜、日曜も銀行が営業を行うような国になればと思うことがある。

さて、今回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」だが、ピリ辛メンマを使った料理を紹介しよう。

日本では確か桃屋が「やわらぎ」という商品を出していたと記憶しているが、柔らかいメンマをラー油に漬けこんだ物で、中国ではどこのスーパーでもたくさんのピリ辛メンマが棚に並び、あまり辛くないものから、激辛の物まで種類も様々だ。

下の写真は近くのスーパーで購入したピリ辛メンマだが、ほとんど辛くないタイプだ。


このメンマはいつもは「ラーメン」のトッピングに使っているが、ある時、「薄揚げ」の卵とじを作ろうと思い、竹の子の替わりに使ってみたところ、このピリ辛味が「おつまに」にピッタリだった。

自宅で作る「おつまみ」というのは、その時に冷蔵庫に入っている肉や魚、野菜、卵などをパッと組み合わせて作るもので、肉はスーパーの特売日にまとめて買って、冷凍にしている。

野菜も家の近くで、リアカーに乗せて売っている業者がいて旬の野菜を少量ずつ購入できるので、いつも、いろいろな野菜が冷蔵庫にギッシリと入っている。

料理長という仕事をしているが、店で料理を作ってから帰宅しても、自分の「おつまみ」を作りたいと思うのは、やはり料理が好きなのだと思うし、自分の好きなことを仕事にできて、幸せ者だといつも思っている。

さて、それでは「ピリ辛メンマ、薄揚げ、絹さやの卵とじ」の作り方を紹介するが、いたって簡単な料理だ。

ポイントは卵に火を通す時に、加熱し過ぎないことだ。ふっくら卵の状態で熱々の状態が一番旨い。

◆「ピリ辛メンマ、薄揚げ、絹さやの卵とじ」の作り方

1)用意するもの。

写真手前の左から「絹さや」「ピリ辛メンマの中身」「万能ネギの小口切り」。写真中央の左から「薄揚げ」「ヨード卵」。写真奥の左から「ラー油」「醤油」「ピリ辛メンマの瓶」。

2)作り方。
①薄揚げをさっと茹でて、油抜きする。


②薄揚げを1㎝~2㎝幅に、好みの大きさに切る。


③絹さやの筋を取り半分に切る。


④鍋に水を張り火に掛け、薄揚げを入れる。


⑤絹さやを加える。


⑥ピリ辛メンマを加える。


⑦醤油を小さじ1~2程加える。


⑧卵を溶いて、静かにゆっくり流し入れる。


⑨万能ネギの小口切りを散らす。


⑩味を見てラー油を加える。(ピリ辛メンマが最初か辛ければ入れなくてもよい)


⑪出来上がり。


⑫腕に盛り熱々を食べる。


繰り返しになるが、自宅で作る「おつまみ」というのは、その時に冷蔵庫にある物をパッと組み合わせて簡単にできて、美味しければいいので、何を入れなくてはいけないということはない。

この料理にしても、「シメジ」等があれば、一緒に加えるといいだろう。

ただし、卵料理ならば火を通し過ぎないようにするのがポイントだ。

同じように「豆腐料理」も火を通し過ぎないように、温める程度で食べるのが美味しい。

火を通し過ぎると豆腐が堅くなってしまい、また旨さも無くなってしまう。

さて、次回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は「豆腐」を使った料理を紹介しよう。








料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(6)ダシダを使った韓国のトッポッキ風

2011年10月01日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
昨日の夜の飛行機で青島から上海に戻ってきた。

今回の加工指導は「すりみ」を使った商品なのだが、もう中国の沿岸では魚は僅かしか漁獲できないのか、原料となる「キグチ」「イトヨリ」等の魚は、小さなサイズのものばかりで、これでは手間ばかり掛かり採算も合わないような状況だ。

3年程前に中国の沿岸を厦門(アモイ)から車で北上して約10日間掛けて「舟山」「日照」「石島」、そして渤海湾を船で渡って大連まで、水産加工場や魚の養殖場を見て廻ったことがあるが、その時点でも既に原料となる魚が少ないと工場の現場の人達が話していた。

「日照」で見掛けた「あんこう」はこぶし位のサイズのものばかりだったが、あんなに小さなサイズの魚を根こそぎ獲ってしまったら、資源の枯渇は避けられないだろう。

その原因となるのが「トロール漁」で、網を海に入れて魚を囲んで獲るのだが、その網がとても細かい。

小さな魚が逃げられるように網の網目を粗くしておけばよいと思うのだが、そういう考えはまったくないようだ。

オーストラリア等では小さな魚や海老などは漁師が海に戻しているのをTV番組で見たことがあるが、人の物でも奪ってしまう国民に、小さな魚は海に戻して資源を守ろうということを言っても馬の耳に念仏だろう。

さて、今回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は韓国の「トッポッキ」という屋台での定番の料理で、棒状のトックと呼ばれる餅をコチュジャンや砂糖を使って甘辛く炒めたものだ。

以前、大連から日本に帰国する際に、韓国のソウル経由で安い航空券を入手したのだが、トランジットでも一度空港を出て、次の日の便に乗れるのでソウル市内を食べ歩いたことがあるが、この「トッポッキ」の屋台は街のいたるところにあり、庶民に人気の料理だ。

日本では「トッポッキ」よりも「トッポギ」と呼ばれることが多いこの料理は、ちょっと甘辛い味で「おやつ」にもなり、韓国では子供から大人までに親しまれている。

通常、この「トッポッキ」はコチュジャンに砂糖を加えて味付けをするが、鶏肉、豚肉、牛肉などの肉が入らない為に味にコクがでず、何か物足りない味なので、韓国の万能調味料の「ダシダ」を少し加えるが、「ダシダ」は日本で言えば「本だし」のようなもので、これを加えることで味にコクと旨みが出てくる。

「ダシダ」のことを知らない人の為に少し補足しておくが、「ダシダ」とは、牛肉の他に「ニンニク」や「タマネギ」などを加えて顆粒状にした調味料だ。

ただし、MSG(グルソー)という化学調味料がたくさん含まれているので、隠し味程度に使うのがいいだろう。

下が「ダシダ」のパっケッジーの写真

「ダシダ」というネーミングが面白いが、どうやら日本語の「出汁」からではなく、「舌鼓を打つ」という韓国語が語源のようだ。

さて、この料理に無くてはならないトックと呼ばれる餅だが、韓国系のスーパーに行っても市販品が見つからないので、自宅で作る時にはもっぱら小麦粉に水を加えて「すいとん」にしてトックの替わりに入れている。

韓国のトックは「もち米」ではなく、「うるち米」が原料だが、小麦粉の「すいとん」を使った方が、逆に味がよく染み込み、自分では「すいとん」の方が美味しいのではないかと思う。

それでは、早速、作り方を紹介しよう。

◆「ダシダを使った韓国のトッポッキ風」の作り方。

1)用意するもの。

写真手前の左から「長ねぎ」「小麦粉」。写真中央の左から「チンゲン菜」「しいたけ」「えのき茸」「キャベツ」「玉ねぎ」「ヨード卵」。写真奥の左から「ダシダ」「コチュジャン」「砂糖」。

2)作り方。
①ボウル等に小麦粉を入れる。


②小麦粉の半分の量の水を加える。


③混ぜ合わせて耳たぶくらいの固さにする。


④ラップをして休ませる。


⑤玉ねぎを大き目のクシ型に切る。


⑥キャベツを食べやすい大きさに手でちぎる。


⑦長ネギを5㎜幅で小口切りにする。

下は切りそろえた野菜の写真。


⑦鍋を火に掛け湯を沸かし「コチュジャン」を大さじ1強入れる。


⑧砂糖を大さじ1加える。


⑨ダシダを小さじ1加える。


⑩鍋にキャベツを入れる。


⑪ネギを加える。


⑫しいたけを加える。


⑬えのき茸を加える。


⑭すいとんを手で平たく伸ばす。


⑮すいとんを鍋に入れる。


⑯チンゲン菜を入れる。


⑰鍋の中心に卵を落とす。


⑱出来上がり。


⑲器に盛って熱々を食べよう。


さて、今回は韓国系のスーパーで購入した市販品の「コチュジャン」を使用したが、「コチュジャン」は自分で作った方が美味しいので、少し面倒だが自分で作ってみてはどうだろう。1年以上も日持ちがするし、いろいろな料理にも使えて便利だ。(8月27日のブログを参照)



◆コチュジャンのつくり方

1)材料
米麹味噌  1000g
醤油     150CC
みりん    700CC
はちみつ   300CC
とうがらし   200g
砂糖      200g

2)作り方
①鍋に米麹味噌、醤油、みりん、はちみつを入れ弱火に掛ける。
②フイッパーやヘラを使って焦がさないようによく混ぜ合わせる。
③沸騰してきたら火を止める。
④唐辛子を加えながらよく混ぜ合わせる。
⑤更に砂糖を加えながらよく混ぜ合わせる。
⑥冷めたら保存用のタッパーに移す。

今回はトックの替わりに「すいとん」を使用したが、味付けは薄味にした方が「すいとん」には合うだろう。

また、その場合には「醤油」を少量く加えるといいだろう。

さて、次回も「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」の話をしよう。