マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

「ごぼう天」をカラッと揚げよう

2008年07月30日 | 酒肴
しばらく北京に出張に行っていたので、なかなかブログの更新ができず、このページを見に来てくれた方には、いつもながらすまないと思う。

さて、今回は「ごぼう天」をつくってみよう。

「かき揚げ」も同じだが、カラッと揚げるコツが幾つかある。

まずは、材料を切り揃えたら、天ぷらの衣と混ぜる前に、打ち粉をすることだ。
打ち粉をまぶすことで、衣が付いてない部分が焦げて黒くなったりせず、又、天ぷら鍋の中で具材がまとまりやすくなる。

次に、衣は薄く使った方が良い。あまり衣が厚いと火が通に難くなり、カラッと揚がるがらなくなる。
もし、衣をゆるくして、鍋に入れるのが不安ならば、クッキングシートを10㎝角程に切って、その上に衣を付けた具材をスプーンで乗せて、クッキングシートごと油の中に入れて揚げて、8分程火が入ったらクッキングシートを剥がせば簡単に作ることができる。

天ぷらのコツは、粉を溶く水を冷やすことだ。天ぷら屋さんでは粉も冷蔵庫の中に入れて冷やしているところがある。(いかにグルテンが出ないようにするかがポイントだ)

さて、今回のレシピは「ごぼう」だけではなく、「牛肉」と「玉ねぎ」を加えたものを紹介しよう。
ごぼうと牛肉の相性が良いばかりでなく、ボリュームもあり、酒の肴だけではなく、ご飯のおかずにもピッタリだろう。



材料:
ごぼう                    50g
玉ネギ(5㎜程にスライスする)     25g
酢                     少々
牛肉(薄切り)               50g    
(牛肉の下味) 醤油・酒        各小匙1
打ち粉(小麦粉)             適量

山椒・塩                  少々
天つゆ                   適量
天ぼうず(大根おろしと、生姜おろし) 少々

天ぷら粉                  適量
白ゴマ                    適量 

作り方:
①牛肉を細切りにして、醤油と酒で下味を付ける。
②「ごぼう」の皮をむき、マッチ棒より少し太い位の大きさに切ってから、酢水につけて、アクを抜く。
③ボウルに①の牛肉と②のごぼうと、玉ねぎのスライスを入れ、打ち粉をまんべんなくまぶす。
④天ぷら粉を加えて、混ぜ合わせる。衣が濃い場合には冷水を加える。
⑤170℃~180℃の油でカラッと揚げる。
⑥お好みで「山椒塩」と「天つゆ」を添える。

「山椒塩」というのは、山椒の粉と塩を同料混ぜたものだが、「ごぼう天」や「穴子天」のクセのある材料の場合には、臭みを消してくれる。「海老天」などの場合には、「茶塩」などが合うだろう。

さて、今回はオリンピック間近に北京に「まぐろの販売」の為に出張に行ったのだが、待ちのあちこちに警官や軍人がいて、ものものしい感じがした。

また、道路は7月20日から、ナンバープレートの最後の数字(偶数、奇数)ごとに走ってよい日があり、偶数の日付けには偶数ナンバーの車。奇数の日付けには奇数ナンバーの車が走ってよいことになっている。

また、北京ナンバー以外の車は基本的に北京に入れず、また、トラックは夜間しか走行ができなくなった。

これで、ずいぶん渋滞が減るのではないか?と思ったのだが、街はいつもながらの渋滞となっていた。

それは、3車線のうち、1車線をオリンピック関係者の車と、警察や軍隊の専用車線としたからで、せっかく奇数・偶数で車を減らしても、このオリンピック専用車線の為にそれほどの渋滞緩和にはなっていないようだ。

今回、訪問した北京の知り合いの料理店では、車の偶数、奇数規制の為に常連客が足(車)が無いので店に来られず、お客さんがずいぶん減ったと嘆いていた。

もちろん、オリンピックが始まれば観光客などが来るのだろうが、中国の面子を掛けたオリンピックは、地元の人達にとってはあまり嬉しくないような感じを受けた。

結局、オリンピックの工事や利権で、得をしたのは役人だけということになるのではないかと思う。。。




(東京 和さ美)でも好評なマグロホホ肉丼

2008年07月19日 | マグロ料理
東京「和さ美」がOPENしてから半月以上が過ぎたが、今のところ順調にいっているようだ。

本格的な江戸前寿司とマグロ料理の店として大連店と同じコンセプトの店だが、大連に比べて日本の方が魚の種類も多く、また、仕込みも海老ならばさっとボイルして甘酢水に漬け込み、おぼろを乗せて出すといった手の込んだ仕事をしているので、きっと常連のお客様も増えるのではないかと思う。

尚、東京WASABIはBGMに南米のサルサやメレンゲやルンバを流している。

店もモダンな作りだが、寿司には不思議と南米の音楽が合うのではないかと思う。

筆者が南米のベネズェラに3年程住んでいたので、南米の音楽が好きだということもあるのかも知れないが、日本のど演歌よりは南米の音楽のほうがしっくりいくと思う。

さて、今日は東京 「和さ美」のランチタイムに提供している「まぐろホホ肉のステーキ丼」を紹介しよう。

マグロのホホ肉というのは、一匹のマグロで100gくらいの物が2枚しか取れない貴重な物なので、大連WASABIではディナータイムの1品料理(アラカルト)でしか使っていないが、東京WASABIは毎日、築地から鮮魚を仕入れているので、まぐろホホ肉も築地の業者が安定的に持ってきてくれているようだ。

マグロホホ肉と聞くと、魚の肉を連想するかも知れないが、実際に食べてみると、牛肉を食べているような食感がして、また、味もまるで牛肉の赤身のように感じる。しかし、何とも言えぬ味わいがあり、東京 和さ美でも既に評判のメニューになっているとのことなので、もし、まぐろのホホ肉が入手できれば、ぜひ、作って食べてみてもらいたい。

材料:
まぐろホホ肉       100~120g
万能ネギ(小口切り)  大匙
大葉紫蘇         1枚
寿司ガリ(甘酢生姜)  少々
ご飯            250g

ゴマ油           小匙2
(調味料)
酒             大匙4
みりん           大匙4
醤油            大匙3
砂糖            小匙1
生姜の絞り汁      少々
白ゴマ           少々

作り方:
①まぐろホホ肉は水でさらして血の部分を洗い流し、キッチンペーバーで水気を拭き取り、5㎜位の厚さにスライスする。

②調味料の材料をすべて合わせておく。

③フライパンを弱火に掛けてゴマ油を敷き、①のホホ肉を入れて強火で両面を焼く。8分程火が通ったところで②の調味料を加えて、とろみが付いたら火から下ろす。

④丼にご飯を盛り、③のホホ肉ステーキを盛りつけ、上から万能ネギの小口切りを散らす。

⑤大葉を乗せ、その上に寿司ガリ(甘酢生姜を盛る)

まぐろホホ肉は鮮度の良いものであれば、生でも食べられるので、焼く時には火を通し過ぎないように注意しよう。

また、脂のあまり無いメバチマグロの「腹モ」(大トロ)は刺身で食べるにはゴツゴツとした食感と筋が気になるが、加熱をすると筋がゼラチン質となりおいしく食べられるので、マグロのステーキ丼にするのも良いだろう。




さて、「東京 和さ美」の住所と電話番号を先日書いておいたので、大連WASABIの住所と電話番号も書こう。

DALIAN WASABI 住所:大連市 中山区 民主広場 経典生活A-7号
       TEL :0411-6289-7878
       
もし、大連に来られることがあったら、ぜひ、立ち寄ってもらいたい。。。







マグロの和風クリームパスタ(味噌が入ってなぜかホッとする味)

2008年07月16日 | マグロ料理
8月からうちの店では「まぐろフェアー」のイベントを行うのだが、「マグロづくし」というマグロ寿司の盛り合わせ(大トロ2貫、中トロ2貫、赤身2貫、ネギトロ巻き1本)を160元(約2,400円)で提供する予定になっている。また、マグロの新作の料理も幾つか用意した。

今回はその中でも、試作中に常連のお客さんにサービスで出してみて、『味がとても良い』と言われたマグロの和風クリームパスタを紹介しよう。

ホワイトソースに赤味噌を加え、パスタには隠し味で醤油を少量加えて炒めたのだが、やはり味噌と醤油を加えたことで、不思議になぜかホッとするやさしい味になる。

このソースは、パスタにもグラタン等、いろいろな料理に応用できるので、一度作って食べてみて欲しい。

材料:
まぐろ赤身(7㎜角に切る)    80g
玉ねぎ(みじん切り)      1/2個
万能ネギ(小口切り)      大匙2
オリーブオイル          大匙2
パルメザンチーズ        大匙1
太めのパスタ、又はマカロニ   50g

(ホワイトソース)
小麦粉              大匙2.5
バター               大匙2
牛乳               2.5カップ
チキンブイヨン          小匙1/2
塩・コショー           少々
生クリーム            1/2カップ
赤味噌              大匙1/2
マヨネーズ            大匙2
卵(卵黄)            1個分

作り方:
①大きな鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩大匙1とオリーブオイル少量を入れ、パスタ又はマカロニを入れて強火で茹でる。(オリーブオイルを数滴入れると強火で茹でても吹きこぼれない。)

②芯がなくなるまで茹でてからザルに上げて湯切りして、オリーブオイルを少量絡ませておく。

③小鍋を弱火にかけてバターを溶かし小麦粉を混ぜ、粉っぽさが無くなったら牛乳をいれてのばし、とろみが出るまで煮込み、その後、赤味噌とマヨネーズ、生クリームを加えてよく混ぜ合わせ、塩、コショーで味を整える。

④フライパンを中火にかけてバターを敷き玉ねぎを炒め、茶色に透き通ったらマグロも加えて炒め、塩、コショーで味を整える。

⑤マグロに火が通ったら②のパスタを加え、醤油を数滴、フライパンの端にたらして全体を混ぜ合わせ、③のソースも加えて、ソースがパスタに絡むように混ぜ合わせる。

③耐熱皿の底の部分に少量のバターを塗り⑤を盛り付け、上から卵の黄身をハケで塗って、パルメザンチーズをまんべんなく乗せて、オーブン(200℃~220℃)で綺麗な焦げ目が付くように焼く。

さて、料理の本などでは、玉ネギを使ったソースを作る時に、玉ネギのみじん切りを根気よく20分以上炒めるなどと書いてあるが、実際の現場(厨房)では、そんな時間はもったいない。そこで、フライパンを強火に掛けて油を敷き玉ねぎのみじん切りを入れたら、数回に分けて水を少量加えてやれば良い。5分位で茶色に透き通って完成してしまう。ただし、焦げ付かないように注意が肝心だ。

オリンピック開催まで、1ヶ月を切り街に公安(警察)の姿が目立つようになってきた。街の汚い屋台も撤去されたりシャッターを下ろしている。

いつもの庶民の生活がオリンピックで犠牲になっていて、これでは、中国人にとっては息苦しいだろう。

早くオリンピックが終わって、いつもの街に戻って欲しいと思うのは、筆者よりも、むしろ中国人ではないかと思う。





東京 和さ美 6月30日OPEN

2008年07月16日 | その他
大連はここのところ雨の日が多かったのだが、今日は朝から快晴でとても気持ちが良い。

来月はうちの店で「マグロフェアー」をやるのでその準備の為にブログの更新ができなかったが、この一週間程でまた、新作のマグロ料理を作ったので、少しづつ紹介して行きたいと思う。

さて、この大連の店の姉妹店となる東京 和さ美が6月30日にOPENした。



筆者も応援に駆けつけたのだが、初日から予約の電話が20本以上も掛かり、夕方の5時の開店前には既に10名程のウエイティングの状況で嬉しい限りだ。

この店は本格江戸前寿司とマグロ料理と、大連の店と同じコンセプトなのだが、この店をOPENした理由は、他にもあって、大連の店のスタッフと東京の店のスタッフの交流ができれば良いと考えている。

大連の店のスタッフが東京の店に研修に行き、また、東京のスタッフが大連の店に来ることになれば人の交流ができる。

飲食店というのは、やはり良い人材が揃ってこそ多店舗展開できるものであり、人を育てることに尽きると思う。

東京 和さ美も6月30日の開店から約半月経ったが、順調のようなので大連のスタッフの中からまずは、一人を送り出したいと考えている。

また、この東京の和さ美は、大連で商売をやりたい人や、中国にいろいろな商品を売りたい人達への情報発信の場所になれば良いと思う。

中国に来て思ったのだが、この中国でも日本人が日本人を騙すケースが非常に多い。

タイの時にも同じようなやからが居て、言葉巧みに日本から商売がやりたくて全財産を持ってきた人を騙して、お金を騙し取るのだが、現地のヤクザより手が込んでいるし、相手が日本人なのでコロッと騙されてしまうのだろう。

特に中国で商売をする場合には、日本人の独資という会社はまずうまく行かない。

儲けが出てきたところで、今度は中国人の役人が賄賂を要求してくるからだ。

それでは、どうすれば良いかだが、力のある中国人の良いパートナーを探すことだ。

そうしなければ、中国では必ず失敗するだろう。今まで、ずいぶん騙された人を見てきたが、脇が甘いなと感じることが多い。

東京の和さ美は、夢を持って中国に来る日本人に正確な情報を送れる情報の発信地になればと思う。

自分も東京の浅草に生まれて、かなり頑固なところもある日本人だが、これから日本の将来に夢はあるのだろうか・・・

ぜひ、若い人はどんどん日本から離れて海外に出て行って欲しいと思う。

また、日本はどんどん海外の優良企業を受け入れて、日本を活性化させて欲しいと思う。



東京 和さ美の連絡先を書いておくので、ぜひ、食べに行っていただき、できれば感想を送って欲しい・・・

和さ美 WASABI

〒154-0015 東京都世田谷区桜新町 1-19-10
TEL:03-5426-2290
(田園都市線 桜新町駅より徒歩5分)







リニアモーターカーに乗ってみた

2008年07月06日 | その他
しばらくブログをお休みしていたが、上海の友人を訪ねて、大連に戻ってから直ぐに今度は日本のお店の開店の為に東京へと、せわしない毎日を過ごすことになった。

昨日(7月5日)に大連に戻ったが、ここのところず~っとホテル住まいだったので、大連の小さなアパートに帰って来た時にはさすがにホッとした。

さて、上海には何度も行ったことがあるが、今回、初めてリニアモーターカーに乗ってみた。



大連から上海への空路は、虹橋空港の方が上海市内に近くて便利なのだが、どういう訳か浦東空港行きしかないので、浦東空港から上海市内に行くのに、いつもタクシーを使っていたが、今回は週末に上海に行くことになり、上海市内の車の渋滞を考えると、リニアモーターカーで上海市外の地下鉄2号線の「龍陽駅」まで行って地下鉄を利用して市内に入った方が便利と考えたのだが正解だったようだ。

最近の上海の発展はめまぐるしく、北京もそうだが車の渋滞がひどく、特に週末はうんざりしてしまう。ちょっと食事になどとタクシーに乗ってしまうと、いつ目的地に着けるのか分からなくなってしまうので、何と言っても地下鉄が便利だと思う。

さて、生まれて初めて「リニアモーターカー」に乗ってみたのだが、これがすこぶる早い。発車してから直ぐにスピードを上げて行くのだが、浦東駅から龍陽駅までの31kmは僅か8分という速さだ。

最高速度は431キロだったが、距離が長ければもっと早いのだろう。
窓から見る高速道路を走っている車が止まっているように見える。



騒音も新幹線よりも静かで、ほとんど揺れも感じられず、50元という切符代は中国では高いかなと思うが、なかなか乗り心地もよく、89億元という投資はもったいないような気もするが、これが杭州まで延長したり、この広い中国を旅するのに利用できたらとっても便利になるだろう。

さて、この浦東と龍陽駅を結ぶリニアモーターカーはフランスが作ったのだが、そもそもリニアモーターカーは日本人が発明したもので、最初、中国は日本に依頼をしてきたという話を聞いたことがある。

しかし、日本側はリニアモーターカーは未だ開発段階なので安全性に問題があると断ったようだ。今回、リニアモーターカーに乗ってみて、その乗り心地の良さに驚いた。
しかし、日本人が作っていたら、もっと良いものを作っていたはずだ。

日本のリニアモーターカーが世界中で見られるように、日本の技術をもっともっと世界の人に知ってもらい、日本が元気になってくれたらと思う・・・