美味しい「とんこつラーメン」をどうやってつくるのか。今回はとんこつスープに合わせるもうひとつ別のスープのつくり方を説明しよう。
さて、実際「美味しいとんこつラーメン」とはいったい何なのだろう?
豚の骨を長時間煮込んで、骨髄からでるエキス(旨味成分)をスープのだしとして使用するのが「とんこつラーメン」なのだが、いくら豚骨を野菜や背脂やチャーシューの肉と一緒に長時間煮込んでも何か味に物足りなさを感じてしまう。
また、濃厚に煮込んだスープは、脂っぽくて若い人ならよいかも知れないが子供や年長者にはとても最後まで飲めないだろう。
しかし、その濃いスープもお湯を足してしまったら、今度はスープの味が薄くなってしまう。
某社のビールではないが、コクを取るのかキレを取るのか?なかなか両立は難しい。
ラーメンの場合には「こってり」を取るか「あっさり」を取るのか?ということだろう。
そこで、濃厚なとんこつスープとあっさりの鶏がらスープを別々につくれば、「こってり」の場合にはとんこつスープを多くし、鶏ガラスープを少なく合わせればいいし、「あっさり」の場合には鶏ガラスープの方を増やせばよい。
以前「マグロラーメン」の研究をしていた時にこの問題でずいずん悩んだ。
マグロの頭や骨から出るエキスをスープのだしと使用して、濃厚なマグロスープを取っても、マグロの生臭さが気になり、とても旨いスープにはならない。
そこで、マグロラーメンと合わせるスープを幾つもつくり試行錯誤の末にこの「鶏ガラスープ」を完成させた。
特に、鶏ガラスープは沸騰させるとえぐい味になり香りもなくなってしまうので沸騰させたくないが、鶏ガラだけでは沸騰させないと乳化が不十分で油が上に浮いて水と油が分離してしまう。
そこで、粉末ゼラチン等を加えて乳化させたり、いろいろな物を試して「沸騰させないで鶏ガラスープを乳化させる」方法を見付けた。
この澄んだスープをベースにすれば、他にもいろいろなラーメンに応用できるので、今回は作り方を詳しく説明しよう。
1)鶏ガラと鶏足(モミジ)を沸騰した湯で茹でる。

鶏足(モミジ)は「爪」を切ってある。

豚骨(げんこつ)の時と同じようにアクがたくさん出る。
2)鶏ガラの血と内臓を取り除き水洗いする。

肺の部分等もきれいに取り除く。
3)前回のとんこつスープの時に残しておいた、豚骨(げんこつ)3本、豚足1本と鶏ガラ、鶏足(モミジ)と野菜も準備する。

野菜は今回は、長ねぎ、玉ねぎ、ニンジン、キャベツ、ニンニク、生姜を用意した。
(写真には無いが、リンゴ1個を後でスープに入れた)
4)鍋にたっぷりの水を入れ、3)の材料を加えて火に掛ける。

アクはこまめにすくう。
5)炊飯ジャーの釜に4)を移す。


かなり上の方までスープがある。足りなければお湯を足してやろう。
6)炊飯ジャーを点火する。(一度沸騰すると自動的に保温モードになる)

保温モードでは火力が弱い場合には、再度、点火して弱火にする。
7)ときどきアクをすくって全体をかき混ぜる。

8)約6時間煮込んでスープが釜の半分になれば出来上がり。


スープは網などで濾して別鍋に移して保管する。
写真のように出来上がったスープは水と油が完全に乳化し、また、澄んだスープになっている。
ここでもう一度上の写真の濾すところを見てもらいたいのだが、鶏足(モミジ)は多少は原型を残しているが、豚足は骨以外はまったく見当たらない。
水と油が混じり合う乳化には乳化剤が必要だが、豚足や鶏足(モミジ)のゼラチン質はほとんどスープに溶け込んでいる。
つまり、沸騰させずに鶏ガラスープを乳化させ、澄んだスープを作るには乳化補助として豚足や鶏足(モミジ)を鶏ガラと一緒にたくさん入れれば、たとえスープの上に油分が浮いてなくても、相当な油分を内包して乳化しているということだ。
さて、次回は「チャーシュー」つくりと「醤油タレ」それに、「香味油と焦がしネギ」のつくり方について説明しよう。
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さて、実際「美味しいとんこつラーメン」とはいったい何なのだろう?
豚の骨を長時間煮込んで、骨髄からでるエキス(旨味成分)をスープのだしとして使用するのが「とんこつラーメン」なのだが、いくら豚骨を野菜や背脂やチャーシューの肉と一緒に長時間煮込んでも何か味に物足りなさを感じてしまう。
また、濃厚に煮込んだスープは、脂っぽくて若い人ならよいかも知れないが子供や年長者にはとても最後まで飲めないだろう。
しかし、その濃いスープもお湯を足してしまったら、今度はスープの味が薄くなってしまう。
某社のビールではないが、コクを取るのかキレを取るのか?なかなか両立は難しい。
ラーメンの場合には「こってり」を取るか「あっさり」を取るのか?ということだろう。
そこで、濃厚なとんこつスープとあっさりの鶏がらスープを別々につくれば、「こってり」の場合にはとんこつスープを多くし、鶏ガラスープを少なく合わせればいいし、「あっさり」の場合には鶏ガラスープの方を増やせばよい。
以前「マグロラーメン」の研究をしていた時にこの問題でずいずん悩んだ。
マグロの頭や骨から出るエキスをスープのだしと使用して、濃厚なマグロスープを取っても、マグロの生臭さが気になり、とても旨いスープにはならない。
そこで、マグロラーメンと合わせるスープを幾つもつくり試行錯誤の末にこの「鶏ガラスープ」を完成させた。
特に、鶏ガラスープは沸騰させるとえぐい味になり香りもなくなってしまうので沸騰させたくないが、鶏ガラだけでは沸騰させないと乳化が不十分で油が上に浮いて水と油が分離してしまう。
そこで、粉末ゼラチン等を加えて乳化させたり、いろいろな物を試して「沸騰させないで鶏ガラスープを乳化させる」方法を見付けた。
この澄んだスープをベースにすれば、他にもいろいろなラーメンに応用できるので、今回は作り方を詳しく説明しよう。
1)鶏ガラと鶏足(モミジ)を沸騰した湯で茹でる。

鶏足(モミジ)は「爪」を切ってある。

豚骨(げんこつ)の時と同じようにアクがたくさん出る。
2)鶏ガラの血と内臓を取り除き水洗いする。

肺の部分等もきれいに取り除く。
3)前回のとんこつスープの時に残しておいた、豚骨(げんこつ)3本、豚足1本と鶏ガラ、鶏足(モミジ)と野菜も準備する。

野菜は今回は、長ねぎ、玉ねぎ、ニンジン、キャベツ、ニンニク、生姜を用意した。
(写真には無いが、リンゴ1個を後でスープに入れた)
4)鍋にたっぷりの水を入れ、3)の材料を加えて火に掛ける。

アクはこまめにすくう。
5)炊飯ジャーの釜に4)を移す。


かなり上の方までスープがある。足りなければお湯を足してやろう。
6)炊飯ジャーを点火する。(一度沸騰すると自動的に保温モードになる)

保温モードでは火力が弱い場合には、再度、点火して弱火にする。
7)ときどきアクをすくって全体をかき混ぜる。

8)約6時間煮込んでスープが釜の半分になれば出来上がり。


スープは網などで濾して別鍋に移して保管する。
写真のように出来上がったスープは水と油が完全に乳化し、また、澄んだスープになっている。
ここでもう一度上の写真の濾すところを見てもらいたいのだが、鶏足(モミジ)は多少は原型を残しているが、豚足は骨以外はまったく見当たらない。
水と油が混じり合う乳化には乳化剤が必要だが、豚足や鶏足(モミジ)のゼラチン質はほとんどスープに溶け込んでいる。
つまり、沸騰させずに鶏ガラスープを乳化させ、澄んだスープを作るには乳化補助として豚足や鶏足(モミジ)を鶏ガラと一緒にたくさん入れれば、たとえスープの上に油分が浮いてなくても、相当な油分を内包して乳化しているということだ。
さて、次回は「チャーシュー」つくりと「醤油タレ」それに、「香味油と焦がしネギ」のつくり方について説明しよう。
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本当にお見事です。
決め手が、もみじと豚足だったんですねーー
知らなかったです。
早く試してみたいと思います。