マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

中国の寿司事情について(3)寿司の握り方。

2011年08月31日 | 寿司・お造り
前回も書いたが、中国で日本料理店を何店舗もやっていると、「食中毒」等の事故が起こらないように、衛生管理にとても気をつかうことになる。

仮に1店舗でも「食中毒」を出してしまったら、全店に影響が出てしまうし、また信用も大きく失ってしまう。

とにかく、魚など生で食べたことがない中国人は衛生観念が日本人とはまったく違うのだ。

今から5年程前になるが、杭州にあるフランス系大型スーパーのカルフール(家乐福)の店内で販売されている寿司を浙江省工商局が抜き取り検査を行ったところ、基準を超える大腸菌が検出され、一時、中国全土のカルフールで寿司を販売中止するということがあったが、同じく杭州の日本料理店でも相次いで細菌数が基準をオーバーする寿司が発見され、なかでも元緑回転寿司の7種類の寿司は大腸菌数が基準の7倍もあったという。

トイレに行って「大きい方」の用を足しても手を洗う習慣がない中国人の手は、「大腸菌」や「一般生菌」等、バクテリアでうじゃうじゃしているのだ。

カルフールだけではなく、現在も中国人経営の日本料理店で寿司の抜き取り検査をすれば、間違いなく基準以上の「大腸菌」が検出されるだろし、黄ばんだまな板からは「ブドウ球菌」や「サルモネラ菌」や「腸炎ビブリオ」も見つかるだろう。

1日の仕事が終わって、毎日、まな板を消毒する店など、ほとんど無いと思っていい。

そういう店で働いていた調理スタッフが、もっと高い給料が欲しくて、店を転々としているのだから、悪い習慣の連鎖となっている。

実際、うちの店にも「スタッフ募集」の張り紙や求人広告を見て、毎日のように若い中国人が面接に来るが、面白いことに、全員が全員、『私は寿司も天ぷらも煮物も何でもできます』と言う。

少しでも高い給料を貰いたいからで、何もできないヤツでも平気な顔で何でもできると言うのだ。

日本人では恥ずかしくて、とてもこんなことは言えないが、そういう連中で前に働いていた店が上海では高級店とされている店だったりすると、試しに1個、2個、寿司を握らせてみたりする。

しかし、今までに何十人と面接をしてきたが、寿司を握る前に手を洗ったヤツを見たことがない。

そして、パフォーマンスだけは立派だが、空気を入れて寿司を握ることはないし、寿司の形や大きさもバラバラだ。

寿司を幾つかを握らせてから、ネタだけを取ると本人も驚くほどブサイクなシャリで、秤を持ってきて重さを調べると、20gのシャリもあれば30gのシャリもある。

結局、すべてを最初から教えなければならないのだが、調理スタッフを採用する基準は、「まじめ」かどうかだけだ。

それと、面接に来た時の服装も見て採用するかどうか決めることになる。

よれよれのTシャツに、いつ洗ったか分からないジーンズ、ぼさぼさの髪の毛に、ピアス。それに、鼻毛が伸びきっているようなのは丁重にお帰りいただくことになる。

また、採用の前に必ず言っていることが1つある。

それは、『手を洗わない、掃除のできない人には辞めてもらいます』また、『それが出来ない人の給料が上がることはありません。』と釘をさしておくのだ。

実際、今、各店舗の調理場のチーフをやらせているスタッフは、手洗いや掃除が習慣になったから任せているのであって、いくら仕事ができても手洗いや掃除ができなければチーフにさせることは絶対にない。

さて、また話が長くなったので、「寿司の握り方」の写真を紹介しよう。

◆空気を入れて寿司を握る(基本の握り方)

1)右手で軽く握ったシャリ玉を左手に乗せ、親指でくぼみを作り、空気を入れる。

右手の親指と人差し指で上下をおさえる。

2)右手の人差指をそえて、寿司の底をつくる。


3)シャリ玉を右手の中指を使いながら手の平の右の方に半回転させる。


4)右手の親指と中指ではさんで、シャリ玉を左手の元の位置まで戻す。

これで、シャリ玉の上の面と下の面が入れ替っている。

5)右手の人差指で上の面をそっとおさえると同時に、左手の親指で船型にする。


6)右手の親指と人差し指で寿司を握って、時計回りに180度、回転させる。


7)脇をしっかりしめると、綺麗な形の握り寿司になる。


8)右手の人差指で上の面をそっとおさえると同時に、左手の親指で船型にする。


このように舟型にする。


本当に旨い寿司とは「手でつまんで口に入れるとフヮ~っと口の中でほぐれる寿司」だ。

「手に持っては崩れず、食べてほぐれる」寿司が一番の寿司だろう。

毎日、毎日、「シャリ玉だけを握る」練習を続けることが、旨い寿司を握る一番の近道だと思う。



さて、明日から9月となるが、「日替わりランチ」も明日から幾つかの料理が入れ替る。

次回は、その料理の話をしよう。


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中国の寿司事情について(2)寿司の握り方。

2011年08月30日 | 寿司・お造り
先日、中国の名が知れているらしい雑誌がうちの店のことを書きたいので、料理長に取材をしたいと申し込みがあった。

中国の雑誌などはあまり見たこともないし興味も無いが、店のことを中国人のお客さんに知ってもらえるチャンスもあるかと思い取材に応じることにした。

約束は夕方の6時で、「南京西路」店で行うことになり、当日は夕方の5時半にタクシーを拾って店に行く途中、ドドン~という大きな音がしたかと思ったとたん大雨が降りだしてきた。

こういう時の上海の道路は水はけが悪いのか、道路に水が溢れだし車もノロノロ運転で、結局、1時間以上も遅れて店に着いた。

店ではカメラマンと記者(編集者)が2人で待っていたが、何と彼らは5時半には店に来ていたというから、1時間半も待たせてしまったようだ。

たいていは、中国人は時間にとてもルーズで、こちらが30分以上待たされることになるのだが、こういう律義な連中もいるらしい。

さて、早速、取材が始まったのだが、まず最初に聞かれたのは「料理長の仕事は何ですか?」といきなり、振って来るではないか。

こういう場合には、「どういう難しい料理を、どのようにスタッフに教えて、お客様に喜んでもらって」などと、気の効いた話をすればいいのだろうし、相手もそれを期待していることは、こっちも十分に承知だ。

だが、その応えは、たぶん相手の予想に反するものだったと思う。

『料理長の仕事は食中毒を出さないことです。』

そして、これこそが、中国に来てから5年、毎日のように悩み苦しみ続けてきた本音なのだ。

前にも話をしたと思うが、バンコクから中国に来た時には、既に「WASABI大連店」はOPENしていたが、昼も夜もお客さんがゼロという状況だった。

店の立地場所も最悪だったが、それ以上に驚いたのは、中国人の調理スタッフの対応だった。

最初に大連店の調理場に入った時には、当時の日本人料理長と料理長の通訳を兼ねて、中国料理は作れるスタッフの2人だけは白衣を着ていたが、その他の5~6人の調理スタッフはTシャツにジーンズで、何と調理場の中で平気でタバコを吸っているではないか。
また、調理場の床にまるで外を歩いているかのようにぺッと「痰」をはき捨てるヤツもいる。

中国人の衛生観念については「食品加工」で何度も中国の食品工場に来ていたので、おおよそは分かっていたが、さすがに食品工場の加工場内でタバコを吸う人は居なかったし、今まで行った工場は日本向けの商品を作っている工場が多かったので、ちゃんと教育もされていたのだろう。

とにかく、日本人と中国人は衛生観念がまったく違うのだ。

中国料理は生で食べる料理が少なく、火を通して食べるのだからと言っても、調理場で料理を作る前に手を洗うヤツもいないし、トイレに行って「大きい方」の用を足してきても誰も手を洗わない。

人の見ている前で鼻をほじることにも、恥ずかしいという考えはまったく無いようだ。

女性スタッフは、Tシャツの脇のところから、「脇毛」がモジャモジャとはみ出ていても平気で、ズボンからはみ出て見える赤いパンツは、もう3日以上も履き替えてないのだろう。

そして、これも前にも書いたが、調理場で大きな声を出して怒ったりすると、面子を潰されたと思うのか「逆ギレ」して襲ってくるバカもいる。

また、調理場では腕時計を外すように何度も言っても絶対に言う事を聞かなかった調理スタッフもいた。

そういう状況から、今のように安心して「寿司」や「刺身」を出せるようにするのは、調理スタッフ1人1人に根気よく付きあっていくしか他に道はないのだ。

実は昨夜は、とても嬉しい光景を目にした。

昨日も夜は大雨でお客様が少なかったのだが、5号店に顔を出すと調理スタッフ皆で大掃除をしているではないか。

このように店が暇な日には、他の店でも同じように皆で大掃除をしている。

皆が自発的に掃除をするようになるまで、とにかく自分で率先して、毎日、毎日、掃除をすることを辞めなかった結果がこのようになったのだと今では自信を持って言える。

最初の頃は、こっちが掃除をしていても、誰ひとり手伝うヤツはいなかった。

中には、掃除をするように言うと『あんたはたくさん給料をもらっているのだから、あんたが掃除をしたら』と平気な顔で言うヤツもいた。

しかし、諦めずに続けて行くことで掃除が習慣になっていくものだ。

手を洗うのも同じで、そういう習慣のなかった人でも、毎日、毎日、続けることで次第に習慣になっていく。

それでも、気になることは幾つもある。

たとえば、今、肉を切ったまな板で、平気で刺身を切ったりすることだ。

そこで、うちの店ではどこも、調理場と寿司カウンターは離してあり、寿司カウンターでしか「生魚」は切らないし、ここに豚肉や牛肉や、肉があることもありえない。

また、「ふきん」も肉用、魚用と色分けして使っている。

『料理長の仕事は食中毒を出さないことです。』

これは、5年間、毎日、毎日考えている本音なのだ。ここは日本ではなく、中国なのだから・・・

さて、また話が長くなってしまったので、「寿司の握り方」の話は次回にしよう。


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秘密の鶏唐炒め

2011年08月29日 | 一品料理
昨日は久しぶりに雨があがり晴天となったので、上海の地下鉄2号線の中山駅の近くにある「カルフール」(家乐福)に買い物に出かけることにした。

この商業ビルには他にも有名ブティックや飲食店もたくさん入っていているのだが、やはり上海は景気がよいのか、たくさんの買い物客でどの階もお客さんでいっぱいだ。

日本の「和民」も何店舗か上海に展開しているが、そのうちの1店舗がこのビル内にあるのを思い出して6階まで上がって「和民」を見付けたが、ちょうど12時を過ぎたところで、お客さんがいっぱいで20分以上も待たねばならないとのことで、しかたなく7階までエスカレーターで移動したところ、1軒の「回転寿司」があったのでその店を覗いてみることにした。

旨くなかったら2~3個つまんで出ればいいし、どんな寿司ネタを使っているのか興味も湧いたからだ。

上海には既に日本から「がってん寿司」や「平録寿司」もあり、日本と同じレベルの寿司を提供しているが、この店は中国人経営のようなので、たぶん中国人の好きなネタを出しているだろう。

サーモン、うなぎ、カリフォルニアロールなどは、中国人が好きな寿司ネタの定番だが、中には具に何を使っているのか分からないような「軍艦」もあり、興味をそそられる。

そて、その店に入ったとたん、急に私の名前を大きく呼ばれたので、一瞬、何が起こったのかビックリしてしまった。

誰がいったい?と声の主を確認すると、それは、1人の寿司を握っている職人で、以前、我々の和さ美の1号店で働いていた調理スタッフだった。

どうやら、彼だけは白い白衣を着ていて(他の調理スタッフは紺色)、彼はこの店のチーフをしているようだ。

上海で和さ美の1号店を開店してからもう3年近くになるが、ずいぶん多くの調理スタッフを育ててきたが、今では多くの調理スタッフが、このように他のチーフになっている。

それはそれで嬉しい気もするが、せめて3年は一緒に仕事ができたら、もっとたくさんのことを教えることができたのに。と残念なことが多い。

中国人の調理スタッフは、たいていの場合、1年もして自分に「変な自信?」がつくと、より給料の高い店に移ってしまう。

彼の寿司の握りを久しぶりに見たが、あまり進歩が見られなかったし、シャリは甘過ぎるし、味噌汁はぬるい。

でも、店はそこそこ繁盛しているようで、彼の健闘を祈りたいと思う。

寿司に付いては、今、店で握り方の写真を撮り始めたので、ブログへのアップも近いうちにできるだろう。

さて、今回は「秘密の鶏唐炒め」に使うソースについて説明しよう。

前回も話したが、この「秘密の鶏唐炒め」という料理は、鶏の唐揚げを野菜と一緒に炒めて、ソースを絡ます料理だが、そのソースは2種類のソースを混ぜ合わせている。

その1種類はコチュジャンで、もう1種類が今回紹介する「焼き肉のタレ」だ。

今回はこのタレの作り方と、このタレを使った(黒豚スペアリブ)の料理を紹介しよう。


◆「焼き肉のタレ」の作り方

1)材料
醤油    1200CC
砂糖    500g
みりん   100CC
酒     100CC
赤ワイン  100CC
はちみつ 30CC
レモン   1個
リンゴ   1個

2)作り方
①レモンは皮をむき薄くスライスする。リンゴはまず8当分に切った後で、種を切り取り薄くスライスする。
②鍋にみりんと酒とワイン入れ火に掛け、アルコールをとばす。
③醤油、砂糖、はちみつを加え30分弱火で煮て2割程煮詰める。
④レモンとリンゴのスライスを入れて、更に20分程煮る。
⑤冷めたら濾して清潔な入れ物に移す。

このタレに「スペアリブ」を3時間程漬けこんで焼けば、写真の(スペアリブ)の完成だ。

また、このタレが3:1(コチュジャン)で混ぜ合わせれば、「秘密の鶏唐炒め」のソースとなる。

鶏唐と野菜を炒め、この2種類のソースを混ぜたソースを絡めて、熱々の鉄板の上に乗せれば、夏にピッタリな、「秘密の鶏唐炒め」が完成する。


さて、次回は「寿司の握り方」の話をしよう。


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コチュジャン料理(2)この「鯖の味噌煮」にはハマるぞ!

2011年08月28日 | 一品料理
今回は前回に引き続き、コチュジャンを使った料理をもう一品紹介しよう。

鯖の味噌煮にコチュジャンを使うと、ピリッとした味のアクセントがご飯にも合うし、酒のアテにもピッタリで、この鯖の味噌を一度食べると普通の鯖の味噌煮では何か物足りなくなってしまう。

下が「コチュジャンを使った鯖の味噌煮」の完成写真だ。


では、早速、作り方を説明しよう。

◆コチュジャンを使った鯖の味噌煮の作り方。

1)材料を準備する。

写真の左上から、鯖の切り身、ネギの青いところと生姜のスライス(下煮用)。写真の中央のボウルに入っているのが、ネギの千切りと生姜の千切り(トッピング用)。そして白味噌と一番右がコチュジャン。

2)作り方
①鯖の切り身に火が入りやすいように包丁で切れ目をいれておく。


②鍋かフライパンに水とネギの青いところと生姜のスライスを入れて火に掛ける。


③別の鍋に白味噌とコチュジャンを合わせる(1:1の割合)


④出汁で、③の味噌を伸ばす。


⑤下煮に使った生姜、ネギを取り出し、④を加える。


⑥酒を加える。


⑦砂糖を加える。


⑧そのまま、少しトロミがつくまで煮詰め、味を整えて皿に盛り、ネギと生姜の千切りを乗せて出来上がり。



さて、話は変わるが、上海5号店の「古北小町 和さ美」に「秘密の鶏唐炒め」というヒット商品がある。
下がその写真だ。


鶏の唐揚げと野菜を炒めた料理だが、どこが秘密なのかというと、この料理の仕上げに絡めるソースに特徴がある。

それは、コチュジャンと、「もう一種類のソース」を混ぜて作るもので、自分で言うのも変だがとても独創的で美味しいソースだ。

次回は、その「もう一種類のソース」の話をしよう。



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コチュジャンの作り方と、コチュジャン料理(1)

2011年08月27日 | 一品料理
前々回、「石焼きビビンバ」の話しをしたが、コチュジャンの作り方を説明するのを忘れてしまったので、今回はコチュジャンの作り方を説明しよう。

コチュジャンは韓国を代表する甘辛い味噌だが、コチュとは韓国語で「唐辛子」のことを指す。

カプサイシンたっぷりのコチュジャンを使った料理は暑い夏にはピッタリだ。

下記がうちの店で作っている自家製コチュジャンの写真だが、米麹味噌を使えば手軽に簡単につくることができる。



◆コチュジャンのつくり方

1)材料
米麹味噌  1000g
醤油     150CC
みりん    700CC
はちみつ   300CC
とうがらし   200g
砂糖      200g

2)作り方
①鍋に米麹味噌、醤油、みりん、はちみつを入れ弱火に掛ける。
②フイッパーやヘラを使って焦がさないようによく混ぜ合わせる。
③沸騰してきたら火を止める。
④唐辛子を加えながらよく混ぜ合わせる。
⑤更に砂糖を加えながらよく混ぜ合わせる。
⑥冷めたら保存用のタッパーに移す。

この分量だと家庭用には多いかも知れないが、1年以上保存できるのでたくさん作って冷蔵庫に保管しておけば、いろいろな料理に利用できるだろう。

今回はせっかくコチュジャンの作り方を話したので、コチュジャンを使った夏にガンガン食べたい「牛ひき肉のコチュジャン炒め」と「韓国風牛そぼろ丼」の作り方を説明しよう。

下が完成写真だ。

「牛ひき肉のコチュジャン炒め」


「韓国風牛そぼろ丼」

まずは、「牛ひき肉のコチュジャン炒め」からだ。

◆「牛ひき肉のコチュジャン炒め」の作り方
1)材料を用意する。

写真の手前、左側から、サニーレタス、ニンニクのみじん切り、玉ねぎのみじん切り、牛ひき肉、コチュジャン。
写真の奥、左側から、松の実、すり胡麻、万能ねぎの小口切り。

2)作り方
①フライパンを弱火に掛け、サラダ油を大さじ1程入れて、ニンニクを加えて香りが出るまで炒める。


②玉ねぎのみじん切りも加えて弱火で炒める。


③玉ねぎが半透明になったら牛ひき肉も加える。


④強火にして全体を混ぜ合わせながら炒める。


⑤料理酒を加える。


⑥砂糖を加える。


⑦醤油を加える。


⑧塩を加える。


⑨コショーを加える。


⑩ゴマ油を加える。


⑪コチュジャンを加える。


⑫松の実を加える。


⑬すり胡麻を加える。


⑭万能ねぎの小口切りを加える。


⑮皿にサニーレタスを並べて、器に盛った⑭を置く。


食べ方だが、サニーレタスに具を巻いてそのまま食べてもいいし、ご飯も一緒に巻いて食べてもいいだろう。

さて、もう一品の「韓国風牛そぼろ丼」だが、この具を使用して「丼」にするだけだ。

◆「韓国風牛そぼろ丼」の作り方
①丼に熱々のご飯を盛る。
②「牛ひき肉のコチュジャン炒め」の具をご飯の上に乗せる。
③中央に「温泉卵」を乗せて出来上がり。


この料理は、簡単に作れてとても旨い。ぜひ、家庭でも作って食べてもらいたい料理だ。

さて、次回はコチュジャンを使った料理をもう一品紹介しよう。


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中国の寿司事情について(1)シャリに空気を入れて握る。

2011年08月26日 | 寿司・お造り
いつも<kyohey>さんからコメントを送ってもらっているが本当にありがとう。

きっと、飲食店か料理の仕事に関わっている方ではないかと察するが料理は勉強すればするほど楽しくなってくる。

このブログが料理を勉強する人達に少しでも役に立つならば、とっても嬉しいしやりがいもある。

さて、今回は下記のコメントを送ってもらった。
       ↓
コメント

石焼ビビンバ、おいしそうですねー。

最近中国では、色んな日本の料理
が食べられる様になってきてると思うんですが
ベーシックに戻り、寿司に関しては
中国では未だに人気がありますか?

世界の寿司事情も大分変ってきたと聞きます。
中国の寿司事情で面白い話があれば
是非聞かせて頂きたいです。


さて、中国の寿司事情に付いてだが、中国では未だに「生の魚は食べられない」という人が多く、今から20年以上も前のアメリカのような状況だと思う。

今では、アメリカに行けば普通のスーパーマーケットでも「SUSHI」が売られているが、以前は魚を生で食べる習慣がなく、寿司を食べている人は、まるで「エイリアン」を見るように不思議がられていた。

寿司が世界中に広まったのは1980年代頃にニューヨークで流行した「カリフォルニアロール」の影響が大きいだろう。

アボカド、カニカマ等を生魚の替わりに使用し、「マヨネーズ」味のロール寿司だが、これが今まで寿司を食べたことのなかった人達に寿司の美味しさを伝え、また、ヘルシーな料理として認知されて行くことになった。

中国人はどういう訳か、サーモンの刺身と赤貝、アワビ、ミル貝の刺身は大好きなようで、大きな中華料理店では、これらの刺身をメニューに載せている店も多い。

ただし、「わさび」は日本のわさびより2倍~3倍も辛い物を使用するので、うかつに食べてしまうと辛さで涙が止まらず、恥ずかしい思いをすることになる。

北京に「HATSUNE」という米国系華僑が経営する創作日本料理があるが、20種類以上もある「ロール寿司」と中国人の好きな「サーモン刺身」などをメインに、行列のできる繁盛店となっている。

この店は北京の「Best Japanese Restaurant」にも選ばれているが、天ぷらを揚げた後の「天かす」をロール寿司の表面にビッチリとまぶしたものや、めちゃくちゃ辛いロール寿司等は、もはや食べ物とは言えないと思う。

また、上海には「板長寿司」という香港で寿司店をチェーン展開する企業の店が現在2店舗あるが、けっこう流行っている。

香港では「板前寿司」という店名らしいが、この企業は築地市場の初競りで4年連続 最高値でマグロを落札したことでも有名だ。

寿司だけではなく「うどん」も目玉商品らしく「板長寿司/自家うどん」という店名になっている。

ただし、どちらも店もアルバイトらしき料理スタッフが、透明なビニール手袋をつけて寿司を握っていて、寿司を握っているというより、小さな「おにぎり」を握って、その上に寿司ネタを乗せているという表現がピッたりだろう。

「わさび」は卓上の入れ物に入っていて、小皿に醤油を入れて自分で醤油とワサビを混ぜて、そこに寿司を付けて食べるスタイルだ。

お茶の湯のみには、よく日本の回転寿司にある「お茶のパック」が入っているが、回転寿司ではないのだから、どうしたものだろうと思ったりしてしまう。

この2店の共通点は、店の雰囲気が明るく清潔な感じで内装にとてもお金を掛けている「カジュアルレストラン」といったところだろう。

カップルがデートに使う場合にも、家族で一緒の誕生会にも、ちょっと「はれの日」気分には使い勝手の良い店だ。

出された寿司を、「寿司」と呼べるか?どうかは別としてたくさんのお客さんが来て流行っているということは素晴らしいことだと思う。

うちの店にも「トンカツロール」等の創作ロール寿司があるが、写真が無いので店で写真を撮ってからブログにアップしたいと思うので暫く待っていて欲しい。

それと、握り寿司だが、うちの店では「シャリに空気を入れて握る」よう教えている。

本当に旨い寿司とは「手でつまんで口に入れるとフヮ~っと口の中でほぐれる寿司」だ。

「手に持っては崩れず、食べてほぐれる」寿司が一番の寿司だろう。

その為に寿司スタッフ達には、まず、シャリだけを空気を入れて握るよう練習させている。

店のスタッフ(新人)が練習で握った寿司玉。まだまだ形が揃っていない。
(ベテランの寿司職人になると、1個ずつの「シャリ玉」の米の数さえ同じだという。)

練習の為にシャリ玉を毎日、毎日つくるという単純作業は中国人にとっては辛いようで、直ぐにカッコよく寿司を握るパフォーマンスを始めるが、何事も基本をしかっり覚えることでしか前には進めない。

さて、前回は「石焼きビビンバ」の話をしたが、「コチュジャン」の作り方の説明を忘れてしまった。

次回は「コチュジャン」の作り方についての話をしよう。


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中国人も大好きな「石焼きビビンバ」。でも生卵はNGです。

2011年08月25日 | 一品料理
久しぶりに上海に戻ってきたが朝から雨だ。今年はどういう訳か雨が多いように感じる。

聞くところよると「ヨウ化銀」という物質をミサイルで打ち上げて空に散布すると、それを核にして雲が発生して人口的に雨を降らすことができるらしい。

今年の5月には中国の湖南省で「人工降雨用ミサイル」が民家に落下し、屋根を破って室内で爆発し2人が負傷するという事件も起きたが、中国では干ばつの地域の空に年に1000回以上も、このミサイルを打ち上げているという。

実は以前、タイに3年程住んでいたのだが、「人工降雨」の技術はタイのプミポン国王が発明したと聞いたことがある。

タイでは映画を見に行くと、映画が始まる前にまず国王のイメージビデオが最初に流れる。そうすると全員が起立して国王に敬意を表す。もちろん外国人も例外ではなく、一緒に起立しなければならない。

それほど、タイ人は皆、国王(王様)が好きなのだ。

そのイメージビデオの内容だが、干ばつの農村と途方に暮れている農民。そして、その農村に国王がやってくる。すると、どういう訳かとたんに雨が降り出してスクリーンいっぱい緑と笑顔であふれるといった内容だ。

タイ人は、「人工降雨」の技術は王様が発明したと誰もが知っている。

実際、2009年には、タイのプミポン国王が開発した人工降雨技術がフランスなど欧州10カ国で特許を取得し、タイ研究評議会の代表から国王に特許証書が進呈されたらしい。

「人工降雨」の技術の話は別として、こう雨の日ばかり続くと店の客足にも響いてしまう。

さて、また話がそれてしまったので、今日の「石焼きビビンバ」の話に入ろう。

実は中国に来るまでは「石焼きビビンバ」という料理は、ほとんど食べたことがなかった。

焼き肉店に行っても、肉や野菜を焼いて食べた後は、決まって「冷麺」か「クッパ」で、「石焼きビビンバ」を食べる気にはならなかったからだ。

ところが、中国に来てから月に2回は「石焼きビビンバ」風の料理を食べている。

それは、店のキッチンスタッフがつくる「まかない」だ。

店では、朝の10時と夕方の4時に「まかない」を食べるのだが、なるべく1号店~5号店のどこかの店でスタッフと一緒に「まかない」を食べることにしている。

皆とのコミュ二ケーションもあるが、それより、その地域の「味の特徴」を知る為だ。

中国という国はとても大きく、それぞれの地域に多種多様な民族が生活していて、言語や習慣、考え方や食べ物も違う。

たとえば、上海は「上海国」、北京は「北京国」と、それぞれ独立した国家のようなものだ。

中国生活の最初のスタートは大連からだったが、大連と上海では味付けが大きく異なる。

大連は3方を海に囲まれていることもあり、魚介類を中心に味付けは塩味は濃いがさっぱりしている。

また、上海は上海蟹など魚介類も豊富だが、味付けは甘くてくどい。

ただ、大連でも上海でも中国人は日本料理の「薄味」は受け入れてくれないようで、せっかく別々に野菜を炊いた「炊き合わせ」は没有味道(メイヨー ウエイダオ)となり、味が無いとつっ返されてしまったことが何度かあった。

そこで、今ではなるべく、その地域の味を知り、大連なら塩味に気をつけ、上海なら少し甘めの味を心がけている。

そして、キッチンスタッフの「まかない」を食べることは、それぞれの地域の味の特徴を知るチャンスでもある。

しかし、とんでもない味の「まかない」もあり、そういう時には少しだけ助言をすることになる。

その一つが今回の「石焼きビビンバ」で、ナムルは何でもかんでも野菜を茹でて、ゴマ油をたっぷり掛けるので、どの野菜もゴマ油臭の同じ味で口の中がベトベトになる。

そこで、今回はうちの調理スタッフにも教えた「石焼きビビンバ」の作り方を紹介しよう。

この「石焼きビビンバ」は実際に上海の4号店と5号店のメニューに入っているが、これらの店は日本人客より中国人や欧米人のお客さんが多いので、「石焼きビビンバ」はとても好評だ。

◆「石焼きビビンバ」のつくり方。

1)それぞれの材料で「ナムル」をつくる。


①ニンジン(左奥)
ニンジンは4㎝~5㎝の千切りにし、湯でボイルした後に流水でさらし甘酢に漬ける。

②モヤシ(中央奥)
モヤシはひげを切り取り、鍋に水(モヤシがひたひたにかぶる位)を入れ火に掛け、沸騰したら蓋をして2分程蒸し煮しザルに上げる。冷めたら砂糖、醤油で味を整える。

③ぜんまい(右奥)今回はぜんまいが無かったので、しいたけで代用)
フライパンを火に掛けゴマ油でぜんまいを炒めて、砂糖、醤油で味を整える。

④大根(手前左)
大根は4㎝~5㎝の千切りにし、水にさらした後で甘酢に漬ける。

⑤牛肉(手前中央)
牛肉は7㎜位に薄くスライスして「薄いステーキ肉」のようにし、、両面に塩、コショーをし、その後で両面に軽く小麦粉をまぶす。
フライパンを火に掛け、ゴマ油を入れ、ニンニクのみじん切りを入れ、ニンニクの香りが出たら、肉を両面焼いて7㎜幅に切る。
(肉の表面に軽く小麦粉をまぶしてから焼くことで、冷めても堅くならない)

⑥ほうれん草(手前右)
ほうれん草を茹でて水気をよく絞り4㎝~5㎝に切る。(しっかり水気を取ること)
砂糖、醤油、すりゴマを加えて和える。


2)石鍋にゴマ油を敷き火に掛け、ご飯を入れて上にトッピングを並べ、温泉卵を中央に置き、コチュジャンを中央に添える。


<ポイント>
①ご飯が冷たい場合には電子レンジ等で温めてから石鍋に入れる。
②ご飯を石鍋に入れる前に、ご飯に少量のゴマ油を振って混ぜ合わせておくと、ご飯がダマにならず混ぜやすい。
③トッピングを乗せる前に、ご飯の上に「すりゴマ」を振りかけると香ばしくなる。
④「おこげ」が香ばしいので、「おこげ」ができるまでじっくりと焼く。

3)台の上に乗せ、小皿に盛った「キムチ」を添える。


さて、これで「石焼きビビンバ」のできあがりだ。

後はスプーンでよく混ぜて食べればいいが、通常、日本では「石焼きビビンバ」には生卵の「黄身」を入れてよく混ぜ合わせて食べるが、中国人には生の卵は「NG」だ。

すき焼きでも、日本人は生卵に肉や野菜を絡めて食べるが、中国人は絶対に生玉子は食べない。

あんな腐ったような「ピータン」は食べるのに、生で卵を食べることはゲテモノのようで、口の悪い中国人は「生で卵を食べるのは日本人と蛇だけ」と言ったり、「鼻をすすっているようで気持ち悪い」等と言うが、卵は新鮮でないと「サルモネラ菌」等の食中毒の原因にもなる。

今、上海では日系の会社が「ヨード卵」等、新鮮な卵を生産しているが、もし、これがなかったら自分も中国産の卵は「NG」だろう。

ただし、これを「温泉卵」にしてあげると中国人にも抵抗がないようで、以前は「目玉焼き」をトッピングで乗せていたが、今は「温泉卵」を乗せるようにしている。

今回は温泉卵の簡単なつくり方も説明しよう。

◆温泉卵の簡単なつくり方(多く作る場合)

1)鍋に湯を沸かし、水溶き片栗粉をいれる。

お玉半分の片栗粉に水を入れて、鍋に沸かした湯の中に入れ、かき混ぜる。

2)鍋に卵を入れる。

卵は冷蔵庫から出し常温にしばらく置いたものを使用する。

3)再度、沸騰したら火を止める。

ときどき箸で卵を回してやると、黄身が卵の中央にくる。

4)25分経ったら殻をむいて確認してみる。

固めがよければ、さらに5分程、鍋に入れておく。

「温泉卵」はこのように簡単を作ることができるが、もし、1個だけ「温泉卵」をつくりたい時には、「電子レンジ」を使っても温泉卵をつくることは可能だ。

◆温泉卵の簡単なつくり方(電子レンジで1個だけ作る場合)

1)小さな器に卵を入れ、少量の水(大さじ1位)を加える。


2)きっちりラップする。


3)電子レンジに入れ、「中火」にダイヤルを合わせ、50秒~60秒加熱する。


4)出来上がり


器が白でよく見えないので、もう一枚写真を張り付けておこう。


電子レンジでも「温泉卵」を簡単につくることができるが、電子レンジを使う場合にはレンジ内の置く場所等で加熱状態が違ってくるので、1つずつ作った方が安心だ。

今回は「石焼きビビンバ」の話をしたが、、この料理は具材をいろいろと変えてみると、たくさんのバリエーションの「石焼きビビンバ」を楽しむことができる。

もともと、ビビンバの「ビビン」は韓国語で「混ぜる」という意味で、「バブ」は「ご飯」なのだから、どんな具材を使用しても、どんなタレを使用しても構わないのだ。

ちなみに、最近は「コチュジャン」に少量の「豆板醤」を加えて食べているが、夏に食べるにはもってこいの味となる。


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乳化機でつくるラーメンスープ

2011年08月19日 | らーめん
今回は「乳化機でつくるラーメンスープ」の話しをするが、今、中国では日本の「ラーメン店」で中国で450店舗以上を展開する「味千ラーメン」が話題になっている。

下記は「SearChina」というインターネットのNewsサイトの記事だ。
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上海市当局が味千ラーメンを「虚偽宣伝」の疑いで調査

中国新聞社などによると、上海市当局は2日、同市内に展開する味千拉麺(味千ラーメン)を、虚偽宣伝の疑いで調査していることを明らかにした。スープに豚骨の濃縮エキスを使っていることを消費者に知らせず、栄養価が高いと誤解させていた可能性があるという。

同社が使っていたとされるのは「排骨湯精(アバラ骨スープエキス)」で、日本でいう「豚骨スープエキス」に相当する。原液はまず、山東省泰安市内の京日丸善食品工業有限公司で生産し、西蓋米食品(上海)有限公司で調味料などを加え濃縮、味千拉麺の各店舗に配送していた。

販売価格は最も安い麺(めん)が1食22元(約264円)で、多くは30元以上。同様の食品としては高価で、「消費者に栄養があるとの印象を与えていた」という。

上海市食品薬品管理監督部門は「排骨湯精は複合調味料に該当する。生産許可証や配合表などを調べたが、食品安全上の問題は今のところ、見つかっていない」と説明した。

上海市工商局の関係者は、「現在は、関連企業を虚偽宣伝の面から調査している」と述べた。

◆解説◆
上海市などを中心に、味千ラーメンがスープに濃縮エキスを使っていたことについて「各店舗で骨を煮込んでいたと信じていた」などする非難が高まった。同社が公式サイトに掲載していた栄養成分表も事実とは大きく異なることが明らかになった。同社は該当する内容をサイトから削除した。

中国では自国産の食品に対する不信感が強く、逆に日本産食品に対する評価が高い。日本からの輸入品については原発事故以降に信用が失墜したが、中国国内で日本企業が手掛ける食品については「日本企業だから安心だ」と、依然として評価が高かった。それだけに、波紋が大きく広がったと考えられる。

味千ラーメンの商品については中国側当局も、「今のところ、食品安全上の問題はない」と表明している。中国では日中関係が緊張した際に日系企業や関係職員に対する「見せしめ」とも解釈できる事態が発生することがあるが、今回の事態に政治的背景は特になく、消費者の強い声を受ける形で、当局が動いたと考えられる。(編集担当:如月隼人)

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この事の発端は7月23日に中国のメディアが報じたことから始まった。

「ラーメン一杯のスープに含まれるカルシウムは牛乳の4倍の1600㎎」と公式サイトで紹介されているにもかかわらず、実際には48.5㎎しか含まれていないのでは誇大宣伝と言われてもしかたないだろう。

また、味千ラーメンはこれまでずっと「手造り」や「栄養豊富」というイメージをアピールしてきたが、事件後に「濃縮スープを希釈して提供している」とするコメントを出して、店舗内で煮込まれたものではないことを認めている。


写真は家の近くの「味千ラーメン」の写真。(お客さんは以前よりかなり少ない)


さて、前置きが長くなったが、このように中国だけでも450店舗以上もあるラーメンチェーンがスープを各店舗数で調理し、すべての店が同じ味のラーメンを販売することなどは不可能だろう。

特に中国では絶対に無理だと思う。

我々の店でも基本レシピはあるが、それさえも、しばらく店に行かないと変わってしまうからだ。

また、豚骨をたくさん使って10時間以上もスープを沸騰させ続けて「とんこつスープ」をつくったらコストも合わなくなる。

そこで、もっと簡単に、コストを抑えてラーメンスープをつくる方法について今回は話しをしよう。

最近、中国のあるメディアが「味千ラーメン」の豚骨スープは店舗で煮込んだものではなく、粉末調味料から作られており、1食分のコストはわずか数毛(1毛は1.2円)と報じた。

味千ラーメンはラーメンを1杯「22元~40元」で販売しているので、粗利はなんと60%以上もあるという。

では、どやってコストを抑えてラーメンスープをつくるかだが、「インジェクションビーフ」の時にも説明した「乳化機」を使えば、10時間も煮込まず30分もあれば簡単につくることが可能だ。

前にも話したが「乳化」とは、水の中に油が細かい粒子となって混在しているO/W型と油の中に水が細かい粒子となって混在しているW/O型の2種類がある。

水と油は決して溶け合うことはないので、サラダのドレッシングなどは瓶をよく振ることで水と油の粒子を小さくさせる。

肉眼では混じり合っているように見えるが実際には水と油が小さな粒子となって混在しているだけなので、そのまま置いておくと水は水どうし、油は油どうしが引き合って元に戻ってしまう。
(水と油が混じって白く濁って見えるのは光が屈折して白く見えるだけで溶け合っているわけではない)

乳化をさせる為には、まず、水と油の粒子を小さくさせることだ。

そこで、下記のような「乳化機」で水と油を高速回転刃で切って粒子を小さくさせる。

写真の乳化機は試作用なので小さいがもっと大きいものもある。(中が見えるようにこの写真を使用)

下が「高速回転刃」の写真だ。

1分間に2000回転~5000回転の高速回転刃で水と油の粒子を切りながら、水と油の粒子を小さくし混ぜ合わせる。

この「乳化機」を使えば、水と油はあっという間に目には見えない小さな粒子となるが、サラダのドレッシングと同じで、そのまま置いておくと水と油は分離してしまい元に戻ってしまう。

そこで、「インジェクションビーフ」の時と同じように「乳化剤」を使って水と油の粒子を安定させる。

乳化剤としては、この場合にはO/W型エマルションなので、水と仲の良い乳化剤のモノグリ(グリセリン脂肪酸エステル)や、ショ糖エステル、カゼインナトリウム、レシチン等がいいだろう。(食品や飲料にも多く使われている)

また、乳化には粘度を上げると解乳化(乳化が解ける)しにくいという特性がある。
(水と油の粒子が粘度が高くなることによって動きにくくなる為)

そこで、増粘剤(澱粉等)やゲル化剤(寒天やゼリー等)を使用すれば安定した乳化が得られる。

特に濃縮スープの場合には、濃縮スープにお湯を加えた時に解乳化(乳化が解けること)が起こらなように、増粘剤(澱粉等)やゲル化剤(寒天やゼリー等)を使用する場合が多い。

下は市販のインスタントラーメンの成分表示の写真だ。

ポークやチキンや野菜等のエキス類、乳化剤、増粘剤、アミノ酸(化学調味料)が使われている。

このように、水と油(ラード)を乳化剤を使って乳化させて、増粘剤やゲル化剤で安定させて、さまざまなエキス類で味付けをして、pH調整をして濃縮スープにすれば、長期間保存ができる安価で安定したスープの大量生産が可能だ。

ただし、「味千らーめん」のように、お客様に誤解を招くような「虚偽宣伝」をするのはやはり同じ飲食店に関わる者として恥ずべき行為だと思う。

ここのところ約2週間にわたってラーメンスープと乳化の話をしてきたが、乳化について少しは理解してもらえただろうか。

10時間以上も時間を掛けてつくった「心のこもった一杯のスープ」はとても貴重なものだと思う。

そういうラーメンスープをつくり続ける「らーめん店」が時代の流れで消えていかないことをせつに願う。

さて、明日からまた青島の工場に食品加工の指導に行くことになり上海を離れるが、工場の宿舎にはネット環境が無いので4~5日はブログもお休みとなる。

次回はラーメン以外の話をしよう。

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乳化した鶏ガラスープ(4)ぺペロンチーノ

2011年08月18日 | らーめん
前回は「乳化」についてのおさらいをしたが、ぺペロンチーノ(正式な料理名はスパゲッティ アッリオ・ オーリオ・エ・ペペロンチーノ)は、茹で水の中に溶けだした僅かな小麦粉の澱粉(サポニン)が乳化剤となり水と油を乳化させる料理だ。

材料はシンプルだが油と茹で水を分離させずに美味しくつくるのはとても難しい。

ドレッシングの瓶を振って油と水の粒子を小さくして混ぜ合わせるように、上手にフライパンを振って水と油を混ぜ合わせるようにと言われてもプロの料理人でなければなかなかできないだろう。

そこで、「茹で水」の代わりに「乳化した鶏ガラスープ」を使えば、簡単に乳化させることが可能になる。


「乳化した鶏ガラスープ」は写真のようにゼラチン質を多く含み、これが乳化剤の働きをする。

さて、早速、「ぺペロンチーノ」のつくり方を説明するが、「鶏ガラスープ」を使ったら本物ではないというコメントは勘弁して欲しい。なぜなら、このスープを使った方が数段、美味しくなるからだ。

◆「ぺペロンチーノ」のつくり方

1)材料を用意する。

左からエクストラバージンオイル、ニンニク、鷹の爪、鶏ガラスープ、そして上がスパゲティー(1.6㎜)
(エクストラバージンオイルは香りのよい物を用意しよう。またパスタは太い物はぺペロンチーノにはむかない。

2)深鍋に水を入れ強火に掛けて塩をいれる。

塩を入れる目的はパスタにしっかりと塩味をつける為なので、ちょっと多いかな?と思う位の分量を入れよう。
また、塩を入れるのはパスタのコシを強くするのと、水を沸騰しやすくする目的もあある。

3)オリーブオイルを湯の中に数滴入れる。

オリーブオイルを数滴入れることで、不思議と湯が吹きこぼれず、また、パスタどうしのくっつきを防げる。

4)沸騰した湯の中にパスタをバラバラになうように入れる。

パスタの食感(アルデンテ)はとても大切なので、パスタの袋に書いてある茹で時間でタイマーをセットしよう。

5)ニンニクをスライスする

なるべく同じ厚さになるようにする。(薄いのと厚いのがあると、薄い方が先に焦げてしまう)

6)唐辛子(鷹の爪)はヘタの方を切り落とし、中の種を取り除く。

種を取り除かない場合には、破裂しないように数か所穴をあけておこう。

7)パセリを刻む。

材料の用意の写真には写っていなかったが色どりがいいので、パセリも加えることにした。

8)フライパンにオリーブオイルを「大さじ2」入れて弱火にかける。


9)最初にニンニクを入れ、ニンニクの香りをオリーブオイルに移す。

火はず~っと弱火で、焦がさないように注意する。(もしニンニクが焦げてしまったらやり直し)

10)唐辛子(鷹の爪)も加えて色が綺麗になったら火を止める。

何度も書くが、オリーブオイルに香りを移すのが目的だ。鷹の爪も焦げると色が黒くなり見た目も悪くなる。

11)ニンニクと鷹の爪をフライパンから取り出す。

キッチンペーパの上に乗せておくと、余分な油をキッチンペーパーが吸収してくれる。

12)鍋に鶏ガラスープを入れて温めておく。

(スープが冷たいとオイルと合わせた時に乳化しない。)

13)パスタの茹で具合を確認する。

アルデンテ(中心にちょっと芯が残るくらい)に茹で上げる。茹で過ぎに注意しよう。

14)茹で上がったパスタを水きりする。



今回は茹で水は使わないので、茹で水は全部流してしまっていい。

15)大きなフライパンに、11)でつくったニンニクオイルを入れて弱火に掛ける。


16)茹で上がったパスタを、15)のフライパンに入れ中火にする。


17)「乳化した鶏ガラスープ」を加える。

スープは一度に入れないで少しずつ入れる。
(写真ではフライパンを振っているが、このスープならばフライパンを振らなくても箸を使って混ぜ合わせれば乳化する)

18)塩味が足りなければ塩を振り、味を整える。


19)乳化状態を確認して、乳化が不十分ならば鍋を振って全体を乳化させる。

(このスープならばフライパンを振らなくても箸で混ぜるだけで乳化するが、乳化が不十分の場合には余分な水をキッチンペーパーで取り除き、全体をよく混ぜ合わせる)

19)オリーブオイルを仕上げ油として少量入れる。

仕上げ油を加えることで麺に艶がでて、また香りもよくなる。

20)温めた皿に盛り付ける。

スープと油が完全に乳化している。

21)ニンニク、唐辛子(鷹の爪)、パセリを散らして完成。


今回はオーソドックスな「ぺペロンチーノ」をつくったが、自分で食べる時には、最後に「塩」で味を整えるところを「塩」の替わりに小さじ1程くらいの「醤油」を加えている。

また、「パセリ」の替わりに「アサツキの小口切り」と「大葉の千切り」を散らせば「和風ぺペロンチーノ」となり、このスープとの相性もさらによくなりとても旨い。

さて、次回は「乳化」のまとめとして「乳化機でつくるラーメンスープ」の話をしよう。

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乳化について(おさらい)

2011年08月16日 | らーめん
これまで何回か続けて「らーめんスープ」の話をしながら乳化についての説明をしてきたが最初に「とんこつラーメンとぺペロンチーノはどちらも乳化が決めて」という表題にしたのは、二つとも「W/O型」( ウオーター イン オイル)という水の中に油の粒子が小さく混じりあった乳化状態だからだ。

乳化状態のよくない「とんこつラーメン」は水っぽかったり、舌にベタっと脂がまとわりつく。

「ぺペロンチーノ」もまったく同じで、乳化に失敗すると食べられたものではない。

オリーブオイルをたくさん使うのでベタベタとした味になってしまい、食べた後の皿にはオイルがたっぷり残ってしまう。

下の写真は「ぺペロンチーノ」の完成写真だが、お玉半分以上のスープと大さじ3以上のオリーブ油が入っているのに完全に乳化している。


パスタつくりの中でも、この「ぺぺロンチーノ」が一番難しいとされているのは、「ぺペロンチーノ」には乳化を助けてくれる具材(たとえば豚骨スープならば豚骨)のような乳化剤がなく、オリーブ油とパスタの茹で水(パスタの小麦粉から溶け出した僅かなサポニン)だけを乳化剤として乳化させなければならないからだ。

次回は「ぺペロンチーノ」のつくり方を紹介するが、「乳化」の原理をしっかりと理解しないと美味しい「ぺペロンチーノ」をつくることはできないので、今回は「乳化」ということについてもう一度詳しく話をしよう。

本来、水と油は混ざり合うことはない。仲の悪い人達の例えに『あの人達は水と油だから』という表現もある。

では、何で水は砂糖とか塩とは混ざり合うのに油とは混じり合わないのだろう?

水と油が分かれている「ドレッシング」も、よく振ってあげることで一時的には均一に混ざるがいつのまにか上下に分離してしまう。

いくら混ぜ合わせてもいつのまにか上下に分離してしまう理由は、水と油では「比重」が違うからだ。

話を分かり易くする為に水を「水くん達」、油を「油くん達」と呼ぶことにしよう。

「ドレッシング」もよく振ってあげることで、「水くん達」と「油くん達」は、お互いの分子が小さくなって一緒にいる状態になる。

しかし、時間がたてば水くんは水くんの分子、油くんは油の分子とお互いに引っ張り合う力が強いので、仲間達が集まりあって元の状態に戻ってしまう。

「水くん」と「油くん」達は、どんなに目に見えないような小さな分子になっても絶対に混ざり合うことはない。

そこで、「水くん達」と「油くん達」の仲が悪いのを見かねた「乳化剤くん達」が仲を取り持つことになる。

この「乳化剤くん達」には、2種類のタイプがあり、「水くん達と仲のよい乳化剤くん達」と、「油くん達と仲の良い乳化剤くん達」だ。

たとえば、「水くん達」がたくさん泳いでいる水のプールがあったとしよう。そこに「水くん達」より人数の少ない「油くん達」が泳ぎに入ったとする。

「比重」が違うので「水くん達」と「油くん達」が混じりあうことはない。また、それぞれが引き合う力も強い。

そこに、「乳化剤くん達」がやってきた。今回の「乳化剤くん達」は「水くん達」と仲のよいタイプだ。

「乳化剤くん達」は早速、プールに入ると1人1人の油くんの周りを何人かで囲んでいく、そうすると、「油くん」と「油くん」が一緒に集まることができなくなって、プールの中には「油くん」が別々に点在している状態になる。
(これをW/O型)エマルションという。(ウオーター イン オイルで、水の中に油が粒子となっている)

食品でいえば、牛乳、マヨネーズ、アイスクリームなどがこの「水中油型」だ。

逆に「油くん達」がたくさん泳いでる油のプールがあったとしよう、そこに「油くん達」より数の少ない「水くん達」が泳ぎに入ったとする。

今度は「油くん達」と仲のよいタイプの「乳化剤くん達」が現れて1人1人の水くんの周りを何人かで囲んでいく、そうすると、「水くん」と「水くん」が一緒に集まることができなくなって、プールの中には「水くん」が別々に点在している状態になる。
(これをO/W型)エマルションという。(オイル イン ウオーターで、油の中で水が粒子となっている)

食品でいえば、バターやマーガリンなどがこの「油中水型」だ。

このように、水の中に油が粒子になっている状態と、油の中に水が粒子となった状態を「エマルション」といい、「エマルション」の状態にさせることを「乳化」または「乳化させる」という。

さて、次回は「ぺペロンチーノ」のつくり方を説明するが、通常は「パスタの茹で水」を乳化剤として、また、鍋を振ることで乳化させるが、「パスタの茹で水」の代わりに「乳化した鶏ガラスープ」を使うことにしよう。

もう、理解してくれたと思うが、あの「乳化した鶏ガラスープ」のゼラチン質が乳化剤となり、何度も鍋を振らなくても簡単に「ぺペロンチーノ」をつくることができ、また、スープの旨みも加わる。

尚、余談になるが、日本では「ぺペロンチーノ」というと、このシンプルなスパゲッティーを指すが、「ぺペロンチーノ」とはイタリア語で「唐辛子」の意味だ。

もし、イタリア旅行に行ってレストランで「ぺペロンチーノ ぺルファボーレ(お願いします)」などと注文すると山盛りの唐辛子が出てくるかも知れないので気をつけよう。

正式な料理名は「 Spaghetti Aglio Olio e Peperontino 」(スパゲッティ アッリオ・ オーリオ・エ・ペペロンチーノ)と言い、ニンニクオイルと唐辛子のスパゲッティーだ。

そして、一般的には、このスパゲッティーには「コショー」は使用しないという。

なぜなら、昔、「コショー」はとても高価だったので、その代用品として「唐辛子」を使用するようになったからで、「コショー」を使ってはダメという人もいるが、この料理は日本の「お茶漬け」のようなもので、レストランで食べる料理ではなく、家庭料理なので自分の好きな味で食べればいいと思い。

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乳化した鶏ガラスープ(3)ベトナムPHO風ヌードル

2011年08月16日 | らーめん
中国に来てからあっという間に5年が過ぎてしまったが、中国に来る前はタイに3年程住んでいた。

主にバンコクとプーケットにあるマグロ加工工場を行き来して、バンコクに居る時は夜は「すし幸」という日本料理店のお手伝いをしていた。

「すし幸」の場所はバンコクで最も繁華街として有名な「タニア通り」の中心に位置し、日本で言えば新宿の歌舞伎町のコマ劇場の近くような場所だ。

多くの日本料理店とクラブ(カラオケ)があり、いつも人通が絶えない場所だが、そういう料理店やクラブで働くホステスに食事を提供する為に、タニア通りの近くにはたくさんの屋台が並び、惣菜や鶏のから揚げ、ラーメン類を売っている。

タイに住みだして最初の頃は「パクチー(香草)コリアンダーとも呼ぶ」が苦手だったので、あまりタイラーメンの屋台でラーメンを食べることはなかったのだが、さすがに3年もするとあの独特の香りにも慣れてきて、いつの間にかタイラーメン屋台の常連客となり、また、山盛りのパクチーでないと物足りないようになってきた。

タイのラーメンは大まかに2種類あって、1つは中華麺で「バーミー」と呼び、日本のラーメンと同じように小麦からつくった麺で色も日本のラーメンと同じように黄色だが、日本のラーメンより細い物が多い。

もう1種類は「クイッティアオ」と呼び、米からつくった白い麺だが、コシはなく喉越しがいい。

この麺は太さによって、呼び名が異なり、「センヤイ」が日本のきしめんのように太く、次が「センレック」で、一番細い麺は「センミー」と呼ばれている。

タイのラーメンの特徴は、「鶏ガラ」や「豚骨」ベースのあっさりした澄んだスープで、ラーメンが運ばれてきた時には薄味でほとんど味がついていない。

しかし、テーブルの上には調味料セットが置いてあるので、自分で好みの味にして食べるのだ。

置いてある調味料はさまざまだが、たいていの店には①「ナンプラー」→(タイの醤油)と、②粉末唐辛子、③砂糖、それに④「酢の中に生の唐辛子が刻んで入ってる」の4点セットがあり、他に「コショー」や「ライム」が置いてある店もある。

タイラーメンの魅力は何といっても美味しくて安いことで、1杯が80円~100円程で食べられる。

また、ヘルシーなのでタイに居た時には朝ごはん替わりや夜食(お酒を飲んだ後に小腹がすいた時)など、よくタイラーメンの屋台のお世話になったものだ。

実は2004年の12月23日にプーケットを「大津波」襲った時は、ちょうどマグロ工場で仕事をしていたのだが、あの時は本当に大パニックとなり、まるで映画を見ているかのような光景だった。

ノンビリとした時間がゆっくりと流れていくプーケットがまさかあのような状況になるとは誰も思っていなかっただろう。

プーケットにはマグロ工場があったので何度も行ったが、観光に力を入れていることもあり市内には美味しいレストランがたくさんある。

町の中心にある美人姉妹がやっている「カオマンガイ」→(茹で鶏ごはん)の店や、また、「プラザホテル」の近くの台湾系のタイ人か経営している「クイッティアオ」の店の味は今でも忘れられない。

さて、上海にも「タイ料理店」や「ベトナム料理店」がたくさんあるが、なぜかタイ料理店のメニューにはタイラーメンが無いので、しかたがなくタイラーメンにとてもよく似たベトナム麺「PHO]を食べに、上海のベトナム料理店の食べ歩きをしているが、あのプーケットの店の味にはめぐり合うことは難しいようだ。

今回、紹介する「ベトナムPHO風ヌードル」は、どちらかと言うとベトナム風というよりタイ風なのかも知れないが、先日の「乳化した鶏ガラスープ」をつかって、試しにつくって食べてみて欲しい。

このすっきりしたスープの味わいが病みつきになって、こってり系が苦手になってしまうかも知れないが・・・

◆ベトナムPHO風ヌードルのつくり方。

1)材料を準備する。

左から「牛肉」、生の唐辛子、もやし、ナンプラー、麺、ライム、パクチー(香菜)、ミント。
(ハーブ類は他に生のバジルがあれば牛肉の臭みを消してくれる)
麺はスーパーに「米麺」が無かったので今回は緑豆麺(春雨と同じ原料)を使用した。

2)モヤシはさっと茹ででザルに上げる。牛肉は脂が多ければさっと茹でる。生の唐辛子を小口に切る。

3)鍋に「乳化した鶏ガラスープ」を加熱する。

4)麺を茹でる。

5)ラーメンの器を温めて、よく水切りした熱い麺を入れ「鶏ガラスープ」をそそぐ。


6)牛肉、もやし、ネギ、パクチー(香菜)、ミントをラーメンの上にトッピングする。
(好みで粗挽き黒コショーをふる)

7)小皿にナンプラーと生の唐辛子を小口切りを入れ、ライムと一緒に出来上がった麺に添える。
(お好みで砂糖を少し加えるといいだろう。タイのクイッティアオには砂糖が付きものだ。)
  

さて、次回は「乳化」についての「おさらい」をしよう。


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思い出のマグロラーメン

2011年08月15日 | らーめん
今回は「マグロラーメン」の話をしよう。

前にも書いたが、10年以上も前に「まぐろラーメン」のスープを完成させる為にずいぶんとラーメンスープの研究をしたことがある。

どうしても「マグロ」のカブトだけでスープを取ると魚の生臭さがスープに残ってしまう。しかしマグロの中骨だけを使ってスープを取ると、あっさりし過ぎてマグロラーメンとしてのインパクトが無くなってしまう。

そこで、誰が食べてもマグロラーメンだと分かる味でありながら、生臭ささを感じないマグロラーメンのスープをつくる為に「とんこつスープ」「鶏ガラスープ」それに「牛すじスープ」等のスープを別々につくり、いくつもの組み合わせを試したものだ。

また、マグロのカブトを埼玉県の川口市にある「増幸産業」という会社のテストキッチンに持ち込み、砥石による摩擦の技術(そばの実を石臼ですりつぶすようなもの)にて超微粒にし、それを乾燥させて更に粉末にし「マグロだし」をつくったこともある。

(上下の砥石によりそばの実を石臼ですりつぶすように超微粒となる。)
この機械は「マスコロイダー」と呼ばれている。

「増幸産業」さんには何度もおじゃましたが、心よく協力してくれたことを本当に感謝している。

結局「マグロだし」は商品化までは行かなかったが、後に「マスコロイダー」でマグロの骨と中落ちを一緒に超微粒のペースト状にした商品は「つくね」や「ハンバーグ」の増量材として使用していたこともある。

スーパーマーケットでも販売している「OOOのハンバーグ」というヒット商品があるが、あの商品は鶏の骨をこの「マスコロイダー」によってペースト状にして鶏のひき肉に「骨のペースト」を20%位、水と一緒に加えた商品だ。(石臼の加熱を抑える為に水を加える)

カルシウムリッチ(カルシウムが豊富)を謳っているが骨なのだからカルシウムを多く含んでいるのは本当の話で、小学校の給食などにも使われているようだ。

マグロの骨にしても、鶏の骨にしても、このようにペースト状にして食材に混ぜれば多くの「カルシウム」を摂れる食品になる。また、原価も下がるので「廃棄物」になってしまうような骨の有効活用といえる。

さて、また話がそれてしまったので「マグロラーメン」の話に戻ろう。

◆マグロラーメンのつくり方。

1)沸騰した湯の中に「まぐろカブト」と「まぐろカマ」を入れて30分程煮てから流水にて血や汚れをきれいに洗う。(豚骨らーめんの下処理と一緒)

下処理をした後の写真。

2)鍋に1)のマグロとたっぷりの「水」と生姜とネギ(青いところでよい)を入れて強火に掛ける。


3)沸騰したらアクを取りながら弱火で約3時間程煮る。


4)鍋から「まぐろカブト」と「まぐろカマ」を取り出して金網で濾す。

出来上がった「マグロスープ」の写真

5)マグロのカブトから「頭の肉」と「ホホ肉」、マグロカマから「マグロ肉」を取り出して、醤油、料理酒、みりん、砂糖の調味料を合わせて煮る。

醤油1、料理酒1、みりん1、砂糖1/4(少し甘めの味付けで)

6)煮上がったらマグロを鍋から取り出す。

これが「マグロチャーシュー」だ。

7)ラーメンの器を温めて、そこに「醤油ダレ」をお玉に一杯取って入れる。

8)別鍋に「鶏ガラスープ」が3割、「まぐろスープ」が7割となるように2つのスープを合わせ火に掛け、スープが熱くなったらラーメンの器にスープをそそぐ。

9)マグロチャーシューを食べやすいようにスライスしてラーメンの上に並べる。

10)その他、お好みのトッピングを乗せて出来上がり。


さて、「鶏ガラスープ」を使ったラーメンだが、次回はベトナムの「フォー」のようなラーメンをつくってみよう。

実は、最近は日本のラーメンより、もっと澄んですっきりした味わいの、ベトナムの「フォー」やタイの「クイッティアオ」にハマっている。


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乳化した鶏ガラスープ(2)味噌ラーメン

2011年08月14日 | らーめん
乳化した鶏ガラスープを使って前回は「醤油ラーメン」と「塩ラーメン」をつくったが、今回は「味噌ラーメン」をつくってみよう。

下が完成した「味噌ラーメン」の写真。


美味しい「味噌ラーメン」をつくるポイントは「味噌汁」と同じで、スープは絶対に沸騰させないことだ。

味噌は沸騰したとたんに風味や旨みがなくなってしまう。

使用する味噌は自分の好みの味噌を使えばよいと思うができれば「あいちの赤だし」を試してみて欲しい。


この赤味噌は名前の通り「愛知県」の味噌で、大豆と豆麹でつくられている。

米でつくる赤味噌よりも熟成期間が長いので色も濃く、また、米の赤味噌よりも香りや旨みが強い。

ただし、渋みもあるので、「白味噌」とブレンドして使うことをお勧めする。

「あいちの赤だし」が7割で「白味噌」が3割位が丁度いいと思う。

さて、下記が「味噌ラーメンの味噌の配合」だが、好みもあるので、いろいろな調味料を試して自分だけの味をつくってみるといいだろう。

◆味噌ラーメンの味噌の配合

あいちの赤だし  70g
白味噌       30g
ゴマ油      大さじ1
みりん      大さじ1
砂糖        100g
醤油       大さじ2
豆板醤      小さじ2

◆味噌ラーメンのつくり方。

1)味噌ラーメンの味噌の材料をすり鉢で合わせる。

2)ラーメンの器を温めて、そこに「味噌ラーメンの味噌」をお玉に一杯取って入れ、熱い「鶏ガラスープ」をそそぐ。
  熱々がよければ「鶏ガラスープ」の鍋に直接味噌を加えて温めてもいいが、絶対に沸騰させにように注意しよう。

3)こってり味がよければ、「とんこつスープ」を少し加えるのもいいし、または、「香味油」を浮かべるのもいいだろう。
(写真の味噌ラーメンには「とんこつスープ」は使っていない)

4)お好みのトッピングを乗せて出来上がり。(ニンニクをすって加えてもいいだろう。)

今年の上海はなぜかとても蒸し暑いので、この味噌ラーメンをつくった後で「豆板醤」を増量してうちのスタッフと一緒に試食したら、皆が「很好吃(ヘンハオチー)」→「とっても美味しい」と大好評だった。

辛いラーメンを食べながらいつの間にか汗だくになってしまったが、夏にはピッタリなラーメンだ。

さて、次回もこの「乳化した鶏ガラスープ」を使ったラーメンを紹介するが、以前、何度も失敗を繰り返してやっと成功させた、思い出のラーメン。

「マグロラーメン」のつくり方を紹介しよう。


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乳化した鶏ガラスープ(1)醤油ラーメンと塩ラーメン

2011年08月13日 | らーめん
早速、(kyohey) さんから下記のようなコメントが届いた。
       ↓

感謝、感激です。 (kyohey)

2011-08-12 23:53:55

ありがとうございました。
私もmaguro-championさんのラーメン
食べてみたかったです。
すぐこっちでも参考にして作ってみます。
本当に二日間お疲れ様でした。
そして勉強になりました。
感謝してます。

どうやら少しはお役に立てたようだ。

らーめんスープつくりは手間が掛るがたのしいので、いろいろなスープを組み合わせて自分の味をつくってもらいたいと思う。

ラーメンスープつくりのコツは幾つか工程を分けてつくることで失敗することも少なくなると思う。

「とんこつスープ」「鶏ガラスープ」「醤油ダレ又は塩ダレ」そして、「チャーシューを煮たスープ」や「背脂を煮たスープ」は別々につくって、これを味を見ながら組み合わせれば失敗も少ない。

よく本格ラーメンを売りものにしているラーメン店で「今日はスープの出来が悪いので休業します。」と張り紙をして急に休んでしまう店があるようだが、スープが終了したのならまだしも、スープの出来が悪いから休むというのはプロの料理人としてどうなんだろう?と疑問を感じてしまう。

雑誌にでも紹介されていれば、わざわざ電車やバスに乗って来てくれるお客様もいるだろう。

たとえば日本料理店で「今日は一番出汁の出来が悪いので休業します」という店は絶対に無いと思う。

一番出汁も昆布を一晩水に付けて昆布から出汁を取る店もあるので、ラーメン店と何ら変わらない。

自分はラーメン店が急に休業する理由はよく分からないが、同じ鍋に豚骨や豚脂、チャーシューの肉や野菜を入れて、それをグラグラと沸騰させて、「美味しいスープができるかどうかは後は神様次第」みたいなことでは、いつも同じ味のスープをつくることは絶対にできないと思う。

さて、他の人の仕事を悪く言うつもりのないので、今回は「乳化した鶏ガラスープ」を使って、「醤油ラーメン」と「塩ラーメン」をつくってみよう。

これまで、何度か「乳化した」と書いたが、『本当に乳化したの?』と疑問を持っている人もいるかと思う。

そこで、下が冷蔵庫に一晩置いた「乳化した鶏ガラスープ」の写真だ。

「煮こごり」のようになっていて、水と油がしっかりとゼラチン質で乳化してまったく分離していない。

このスープを使って、「醤油ラーメン」と「塩ラーメン」を完成させる。まずは「醤油ラーメン」からだ。

◆醤油ラーメンのつくり方。

1)ラーメンの器を温めて、そこに「醤油ダレ」をお玉に一杯取って入れ、熱い「鶏ガラスープ」をそそぐ。

醤油ダレは鍋には入れず必ず器に入れる。(醤油ダレを加熱すると風味が無くなってしまう)

2)麺を茹で、よく水きりしてから器に入れる。


3)香味油を上に浮かべる(前回つくった、ゴマ油にネギ、生姜、ニンニクの香りを移した油)


4)トッピングを乗せて出来上がり。

トッピングは好みの物を乗せればいいだろう。更に上からコショーを振れば味にアクセントもでるだろう。

次に「塩ラーメン」だが、今回は「塩ダレ」をつくらなかったので「塩」だけでスープに味付けしたが、鶏ガラスープ自体が旨いので、塩ダレをつかわなくてもこれだけで十分にいける味だ。
尚、香味油として今回は「バター」をスープの上に浮かべた。

◆塩ラーメンのつくり方。

1)ラーメンの器を温めて、そこに「塩ダレ」をお玉に一杯取って入れ、熱い「鶏ガラスープ」をそそぐ。
  今回は「塩ダレ」が無かったので「塩小さじ1」を器に入れて熱い「鶏ガラスープ」をそそいだ。

2)「バター」を香味油としてラーメンの上に浮かべる。(前回つくった香味油でもいいだろう)

3)トッピングを乗せて出来上がり。

塩ラーメンはゴマとの相性が良いので、白ゴマか白ゴマを掏った「すりゴマ」を加えるとよい。
トッピングには、「コーン」や「わかめ」もいいだろう。

さて、次回もこの「乳化した鶏ガラスープ」を使ったラーメンを幾つか紹介しよう。


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とんこつラーメン(4)醤油ダレ(かえし)をつくる

2011年08月12日 | らーめん
今日の上海は朝から雷が鳴り響き大雨だ。かなり近くに雷が落ちているようで、あっちこっちでピカっと光ったとたんにドーンと大きな音が鳴り響く。

昔、ヨーロッパに居た時に、イタリアでは雷が多い年は「松茸」が豊作だと聞いたことがあるが、澄んだ鶏ガラスープに松茸の大きなスライスをたくさん乗せたラーメンを想像するだけでよだれがでてしまう。

さて、今回はとんこつラーメンに使用する醤油ダレ(かえし)のつくり方を説明するが、その前に(kyohey)さんからコメントが届いている。

食べてみたいです。 (kyohey)

2011-08-11 23:20:23

チャーチューも良いツヤ加減で
今すぐにも、食べてみたいです。。。
次回いよいよ完成。
楽しみ過ぎて 何かお腹が空いてきたような…

あのっ…一つ質問ですが、
この時の香りはどのような感じに
仕上がってますか?
このスープの香りは強めですか?


このコメントへの応えだが、スープの香りを文字にするのは難しい。だが、しいて言えば野菜がたっぷり入った「クリームシチュー」のような香りだ。

獣臭はまったくなく、豚の脂の甘い香りが食欲をそそる、そんなスープだ。

それでは、「醤油ダレ」(かえし)つくりに入る。手順が多いが写真があるので分かるだろう。

◆「醤油ダレ」(かえし)のつくり方

1)材料を用意する。

①昆布は一晩水につけておく。
②干し椎茸も一晩水につけて戻してから5幅位に切る。
③いりこは汚れを取り除く。
④鰹節を削る。(パックの物でもよい)
⑤他に、写真の左から「酒」「濃口醤油」「みりん」「砂糖」等を用意しておく。

「干し貝柱」や「干し海老」も加えれば、もっと特徴のあるラーメンになる。
有名なラーメン店では「干し貝柱」を使っているところが多いようだ。


2)「いりこ」をフライパンでさっと炒る。

焦がさないように注意しよう。

3)鍋に昆布を水ごと入れ中火にかけ、沸騰したら昆布を引き上げる。


4)「干し椎茸」をぎゅっと絞って、椎茸だけを鍋に入れる。


5)「いりこ」を加える。


6)「鰹節」を加える。


ここでいったんスープを濾してから調味料を加えてもよいのだが、この鍋の中で味を決めたいので、ここでは濾さずに直接、調味料を入れていく。

7)「酒」(料理酒)を加える

お玉で1杯以上、かなり多めに入っている。

8)「みりん」を加える。

みりんは少なめ。

9)「醤油」を加える。

醤油はかなり多めだ。

調味料を入れたら味をみて調整しよう。甘みが足りなければ「みりん」の代わりに「砂糖」を入れてもいいだろう。ただし、醤油ダレ(かえし)は『しょっぱいな』と感じる位が丁度よい味だ。

10)味が決まったら、金網で濾す。


11)更に醤油を少し足して、醤油の香りを引き立たせる。


これで「醤油ダレ」(かえし)の完成だ。

この「醤油ダレ」は、今回のとんこつラーメンにも使うが、醤油を使うと真っ白いスープに色が付いたり、また、醤油の風味が要らなければ、このタレに醤油は入れずに、最後に「塩」で味を決めれば「塩ダレ」になる。

「塩ダレ」もつくっておけば「塩らーめん」や澄んだスープを特徴とするいろいろなラーメンに使えるだろう。

次に「焦がしネギ」と「香味油」のつくり方を説明するが、「焦がしネギ」といっても焦がし過ぎないように注意しよう。


◆「焦がしネギ」と「香味油」のつくり方

1)材料を用意する。

ゴマ油、にんにくみじん切り、生姜みじん切り、長ネギは斜めにスライス。

2)フライパンを弱火にかけ、たっぷりのゴマ油を入れ、にんにく、生姜、長ネギを入れる。


3)ゴマ油に、にんにく、生姜、長ネギの香りが移したら、焦げる直前に濾す。


4)「焦がしネギ」と「香味油」と別々に保存する。

写真の左が「香味油」で右が「焦がしネギ」だが、くれぐれも焦がし過ぎに注意してほしい。

次は「トッピング」用の「煮玉子」をつくろう。

「煮玉子」をつくるポイントは何と言っても「茹で時間」だ。近くにタイマーを置いて、沸騰した湯の中に玉子を入れたらきっちり「7分」(とろとろが好きなら6分30秒)茹でて、すばやく冷水の中で冷やすこと。

◆「煮玉子」のつくり方

1)玉子を冷蔵庫から取り出し常温に戻しておく。

2)鍋にたっぷりの湯を沸かし、玉子を7きっちり「7分間」茹でて、冷水につけて殻をむく。


3)殻を剥いた玉子を「チャーシューのタレ」に漬けこむ。

時々、玉子の上下を反して全体が同じ色になるようにする。

さて、ここでは玉子の殻を剥いてから「チャーシューのタレ」に漬けこんだが、日持ちをよくさせたければ「殻のままタレに漬けこむ」と良い。

さて、「2種類のスープ」と「醤油ダレ」。トッピングの「チャーシュー」と「煮玉子」に「焦がしネギ」も揃ったところで、いよいよ「とんこつラーメン」を完成させよう。

「とんこつスープ」と「鶏ガラスープ」の2種類のスープだが、今回は「とんこつスープ」が8割、「鶏ガラスープ」が2割の配合で混ぜ合わせた。

とんこつスープの「こってり」と鶏ガラスープの「あっさり」は、好みでどちらかを多くすればよい。

鶏ガラスープを多くすれば、とんこつラーメンでも味がすっきりとして、ラーメン一杯分のスープを最後の一滴まで美味しく飲むことができ、また、「胸やけ」することはないだろう。

1)鍋に「とんこつスープ」を入れる。


2)同じ鍋に「鶏ガラスープ」も加える。


3)麺を茹でる


4)ラーメンの器に湯を張り十分に温めた後、湯を捨て「醤油ダレ」をお玉に半分取って器に入れる。

醤油ダレは香りが命。鍋の方には入れずに必ず器に入れよう。

5)鍋で合わせた2種類のスープを器にそそぎ、麺を加える。

今回はスープと麺がからみやすいように、太めのストレート麺を使用した。

6)トッピングを上に乗せ、「とんこつラーメン」の完成だ。

トッピングには、チャーシュー、煮玉子、きくらげ、刻みネギ、白ゴマ、焦がしネギを乗せたが、紅生姜やメンマ、なると、高菜漬けなど好みの物を乗せればよいだろう。

もっとコクのある味が好きならば、とんこつラーメンつくりの時に残しておいた「背脂」や、焦がしネギをつくった時の「ネギや生姜やニンニクの香りが移ったゴマ油」を「香味油」としてラーメンの上に浮かべるのもよいだろう。

下の写真はうちの店のスタッフが出来上がった「とんこつラーメン」を試食しているところだが、とても好評だった。


まる2日間、本当におつかれさまでした。

日本人の大好きな「ラーメン」はこのようにとても手間の掛る料理だが、手間が掛るがゆえに美味しいスープが出来上がった時の喜びも大きいだろう。

(kyohey)さんにとってこのブログでのラーメンつくりが、少しはお役に立つことができただろうか。。。

さて、次回は「鶏ガラスープ」を使ったラーメンを幾つか紹介しよう。


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