前回も書いたが、中国で日本料理店を何店舗もやっていると、「食中毒」等の事故が起こらないように、衛生管理にとても気をつかうことになる。
仮に1店舗でも「食中毒」を出してしまったら、全店に影響が出てしまうし、また信用も大きく失ってしまう。
とにかく、魚など生で食べたことがない中国人は衛生観念が日本人とはまったく違うのだ。
今から5年程前になるが、杭州にあるフランス系大型スーパーのカルフール(家乐福)の店内で販売されている寿司を浙江省工商局が抜き取り検査を行ったところ、基準を超える大腸菌が検出され、一時、中国全土のカルフールで寿司を販売中止するということがあったが、同じく杭州の日本料理店でも相次いで細菌数が基準をオーバーする寿司が発見され、なかでも元緑回転寿司の7種類の寿司は大腸菌数が基準の7倍もあったという。
トイレに行って「大きい方」の用を足しても手を洗う習慣がない中国人の手は、「大腸菌」や「一般生菌」等、バクテリアでうじゃうじゃしているのだ。
カルフールだけではなく、現在も中国人経営の日本料理店で寿司の抜き取り検査をすれば、間違いなく基準以上の「大腸菌」が検出されるだろし、黄ばんだまな板からは「ブドウ球菌」や「サルモネラ菌」や「腸炎ビブリオ」も見つかるだろう。
1日の仕事が終わって、毎日、まな板を消毒する店など、ほとんど無いと思っていい。
そういう店で働いていた調理スタッフが、もっと高い給料が欲しくて、店を転々としているのだから、悪い習慣の連鎖となっている。
実際、うちの店にも「スタッフ募集」の張り紙や求人広告を見て、毎日のように若い中国人が面接に来るが、面白いことに、全員が全員、『私は寿司も天ぷらも煮物も何でもできます』と言う。
少しでも高い給料を貰いたいからで、何もできないヤツでも平気な顔で何でもできると言うのだ。
日本人では恥ずかしくて、とてもこんなことは言えないが、そういう連中で前に働いていた店が上海では高級店とされている店だったりすると、試しに1個、2個、寿司を握らせてみたりする。
しかし、今までに何十人と面接をしてきたが、寿司を握る前に手を洗ったヤツを見たことがない。
そして、パフォーマンスだけは立派だが、空気を入れて寿司を握ることはないし、寿司の形や大きさもバラバラだ。
寿司を幾つかを握らせてから、ネタだけを取ると本人も驚くほどブサイクなシャリで、秤を持ってきて重さを調べると、20gのシャリもあれば30gのシャリもある。
結局、すべてを最初から教えなければならないのだが、調理スタッフを採用する基準は、「まじめ」かどうかだけだ。
それと、面接に来た時の服装も見て採用するかどうか決めることになる。
よれよれのTシャツに、いつ洗ったか分からないジーンズ、ぼさぼさの髪の毛に、ピアス。それに、鼻毛が伸びきっているようなのは丁重にお帰りいただくことになる。
また、採用の前に必ず言っていることが1つある。
それは、『手を洗わない、掃除のできない人には辞めてもらいます』また、『それが出来ない人の給料が上がることはありません。』と釘をさしておくのだ。
実際、今、各店舗の調理場のチーフをやらせているスタッフは、手洗いや掃除が習慣になったから任せているのであって、いくら仕事ができても手洗いや掃除ができなければチーフにさせることは絶対にない。
さて、また話が長くなったので、「寿司の握り方」の写真を紹介しよう。
◆空気を入れて寿司を握る(基本の握り方)
1)右手で軽く握ったシャリ玉を左手に乗せ、親指でくぼみを作り、空気を入れる。
右手の親指と人差し指で上下をおさえる。
2)右手の人差指をそえて、寿司の底をつくる。
3)シャリ玉を右手の中指を使いながら手の平の右の方に半回転させる。
4)右手の親指と中指ではさんで、シャリ玉を左手の元の位置まで戻す。
これで、シャリ玉の上の面と下の面が入れ替っている。
5)右手の人差指で上の面をそっとおさえると同時に、左手の親指で船型にする。
6)右手の親指と人差し指で寿司を握って、時計回りに180度、回転させる。
7)脇をしっかりしめると、綺麗な形の握り寿司になる。
8)右手の人差指で上の面をそっとおさえると同時に、左手の親指で船型にする。
このように舟型にする。
本当に旨い寿司とは「手でつまんで口に入れるとフヮ~っと口の中でほぐれる寿司」だ。
「手に持っては崩れず、食べてほぐれる」寿司が一番の寿司だろう。
毎日、毎日、「シャリ玉だけを握る」練習を続けることが、旨い寿司を握る一番の近道だと思う。
さて、明日から9月となるが、「日替わりランチ」も明日から幾つかの料理が入れ替る。
次回は、その料理の話をしよう。
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↓
仮に1店舗でも「食中毒」を出してしまったら、全店に影響が出てしまうし、また信用も大きく失ってしまう。
とにかく、魚など生で食べたことがない中国人は衛生観念が日本人とはまったく違うのだ。
今から5年程前になるが、杭州にあるフランス系大型スーパーのカルフール(家乐福)の店内で販売されている寿司を浙江省工商局が抜き取り検査を行ったところ、基準を超える大腸菌が検出され、一時、中国全土のカルフールで寿司を販売中止するということがあったが、同じく杭州の日本料理店でも相次いで細菌数が基準をオーバーする寿司が発見され、なかでも元緑回転寿司の7種類の寿司は大腸菌数が基準の7倍もあったという。
トイレに行って「大きい方」の用を足しても手を洗う習慣がない中国人の手は、「大腸菌」や「一般生菌」等、バクテリアでうじゃうじゃしているのだ。
カルフールだけではなく、現在も中国人経営の日本料理店で寿司の抜き取り検査をすれば、間違いなく基準以上の「大腸菌」が検出されるだろし、黄ばんだまな板からは「ブドウ球菌」や「サルモネラ菌」や「腸炎ビブリオ」も見つかるだろう。
1日の仕事が終わって、毎日、まな板を消毒する店など、ほとんど無いと思っていい。
そういう店で働いていた調理スタッフが、もっと高い給料が欲しくて、店を転々としているのだから、悪い習慣の連鎖となっている。
実際、うちの店にも「スタッフ募集」の張り紙や求人広告を見て、毎日のように若い中国人が面接に来るが、面白いことに、全員が全員、『私は寿司も天ぷらも煮物も何でもできます』と言う。
少しでも高い給料を貰いたいからで、何もできないヤツでも平気な顔で何でもできると言うのだ。
日本人では恥ずかしくて、とてもこんなことは言えないが、そういう連中で前に働いていた店が上海では高級店とされている店だったりすると、試しに1個、2個、寿司を握らせてみたりする。
しかし、今までに何十人と面接をしてきたが、寿司を握る前に手を洗ったヤツを見たことがない。
そして、パフォーマンスだけは立派だが、空気を入れて寿司を握ることはないし、寿司の形や大きさもバラバラだ。
寿司を幾つかを握らせてから、ネタだけを取ると本人も驚くほどブサイクなシャリで、秤を持ってきて重さを調べると、20gのシャリもあれば30gのシャリもある。
結局、すべてを最初から教えなければならないのだが、調理スタッフを採用する基準は、「まじめ」かどうかだけだ。
それと、面接に来た時の服装も見て採用するかどうか決めることになる。
よれよれのTシャツに、いつ洗ったか分からないジーンズ、ぼさぼさの髪の毛に、ピアス。それに、鼻毛が伸びきっているようなのは丁重にお帰りいただくことになる。
また、採用の前に必ず言っていることが1つある。
それは、『手を洗わない、掃除のできない人には辞めてもらいます』また、『それが出来ない人の給料が上がることはありません。』と釘をさしておくのだ。
実際、今、各店舗の調理場のチーフをやらせているスタッフは、手洗いや掃除が習慣になったから任せているのであって、いくら仕事ができても手洗いや掃除ができなければチーフにさせることは絶対にない。
さて、また話が長くなったので、「寿司の握り方」の写真を紹介しよう。
◆空気を入れて寿司を握る(基本の握り方)
1)右手で軽く握ったシャリ玉を左手に乗せ、親指でくぼみを作り、空気を入れる。
右手の親指と人差し指で上下をおさえる。
2)右手の人差指をそえて、寿司の底をつくる。
3)シャリ玉を右手の中指を使いながら手の平の右の方に半回転させる。
4)右手の親指と中指ではさんで、シャリ玉を左手の元の位置まで戻す。
これで、シャリ玉の上の面と下の面が入れ替っている。
5)右手の人差指で上の面をそっとおさえると同時に、左手の親指で船型にする。
6)右手の親指と人差し指で寿司を握って、時計回りに180度、回転させる。
7)脇をしっかりしめると、綺麗な形の握り寿司になる。
8)右手の人差指で上の面をそっとおさえると同時に、左手の親指で船型にする。
このように舟型にする。
本当に旨い寿司とは「手でつまんで口に入れるとフヮ~っと口の中でほぐれる寿司」だ。
「手に持っては崩れず、食べてほぐれる」寿司が一番の寿司だろう。
毎日、毎日、「シャリ玉だけを握る」練習を続けることが、旨い寿司を握る一番の近道だと思う。
さて、明日から9月となるが、「日替わりランチ」も明日から幾つかの料理が入れ替る。
次回は、その料理の話をしよう。
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