マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

まぐろホホ肉の朴葉焼き(炭火仕立て)

2008年02月29日 | マグロ料理
前回はマグロのホホ肉を刺身で食べる油霜造りを紹介したが、今回はテレビチャンピオンの「マグロ料理人選手権」の時に作った「まぐろホホ肉の朴葉焼き」を作ってみよう。

朴葉焼きというのは飛騨高山の料理で、枯朴葉の上に味噌と刻んだネギを乗せて焼いて食べる料理だが、地元では飛騨牛を一緒に乗せて出している料理屋もある。

以前、(と言っても15年以上も前だが)飛騨高山に行った時に、その料理を食べたのだが、マグロのホホ肉が牛肉に似ている食感なので作ってみたところ、これが非常に美味しく、今の店でも「まぐろの焼肉カルビ風」に並んで一番人気の商品になっている。

朴葉の上で焼けた味噌がなんとも香ばしくお酒もすすむ料理だ。

材料:
まぐろホホ肉    150g
白ネギ        1本
西京みそ      大匙5
朴葉         1枚
椎茸         1枚
つけ合わせ野菜    少々

まず、朴葉を10分程、水に浸けておく。また、卓上用のコンロを用意し炭に火を入れる。

①白ネギは白い部分だけを、みじん切りより少し大きく切る。

②西京味噌(以前、作り方を紹介した物)に①を混ぜ合わせる。

③朴葉の表面の水分を拭き取り、②を塗ってからマグロのホホ肉を上に並べて、椎茸や季節の野菜をあしらう。

④コンロの上の網に乗せる。

西京味噌が硬いなと感じたら、酒を加えて練ってやればよい。

好みで、唐辛子を振っても良いだろう。

焼き過ぎると味噌が朴葉と一緒に焦げてしまうので、火が入ったところから召し上がってもらおう。刺身でも食べられるマグロのホホ肉を用意すれば色も綺麗だ。

さて、中国に居て思うのだが、例のギョーザ事件はもうマスコミとしては視聴率を稼げないのか、ロス疑惑の報道ばかりが目に付く。

日本の食料自給率は世界の先進国の中では一番低いので、この事件をきっかけに、少しでも良くなって欲しいと考えていたのだが残念だ。

時たま、子供達に対して「食育」をという記事を見かけるが、その前に考えなければいけないことがたくさんあるような気がする。。。














まぐろホホたたき(油霜造り)

2008年02月28日 | マグロ料理
今回は、うちの店で大人気の「まぐろホホたたき」を紹介しよう。

まぐろのホホ肉は、1匹のマグロから100g位のホホ肉が2枚しか取れない貴重な物なので、集めるのにとても苦労している。

日本でも築地などの市場でしか入手できないと思うので、知り合いの魚屋さんがあったら頼んでおくと良いだろう。

「たたき」と言うと、鰹や鯵や牛肉が有名だが、本来「たたき」というのは塩や調味料を付けて叩くという意味だと聞いたことがある。

また、小さく切ると言う意味もあるようで、鯵のたたきがその部類に入るのだろう。

「鰹のたたき」の場合には、藁などで皮を強火で焼いて、表面を炙ってから氷水に入れるが、焼いた時の香りが香ばしいのと、鰹の皮の部分の生臭さを消したり、硬い皮の部分を柔らかくして食べやすくしてから、塩や調味料を掛けてから味が入りやすいように手の平で叩いてやるのが、本来の食べ方のようだ。

さて、前回「まぐろ大根サラダ」を作った時に、油霜造りにしたが、今回もまったく同じだ。

180℃位の高温の油にさっと通して、冷水に取ってから、表面の水分を拭き取ってから薄くスライスすれば良い。

うちの店では、ポン酢(しゃぶしゃぶのタレの時にレシピを説明)と、紅葉おろしと、ネギの小口切りでお客様に召し上がってもらっているが、タレや薬味は、いろいろと試してみると良いだろう。

牛肉に似ている食感なので、にんにくダレなども合うかと思う。

次回は、「まぐろホホ肉の朴葉焼き」を紹介するとしよう。。。


まぐろ大根サラダ(まぐろは油霜造りにする)

2008年02月26日 | マグロ料理
今回からマグロ料理を紹介しよう。

まずは、うちの店でもよく出ている「まぐろ大根サラダ」を作るが、この料理のポイントはマグロの赤身の柵を油霜造りにすることだ。

油霜造りは、脂の無い赤身のマグロや鰹を高温の油の中にさっとくぐらせ、直ぐに氷を入れた冷水に取り、外側だけに火を通すものだが、適度に油も加わり、外側を炙る「たたき」とはまた別な味わいとなる。

もちろん、そのままスライスして刺身醤油で食べるのも美味しい。

うちの店では、活の車海老も油霜造りにしてお客様に出しているが、海老の外側だけに少し火が入り、そのまま生で食べるより数段美味しいと思う。

材料:
まぐろ        100g
キューリ      1/2本
大根(中サイズ) 1/4本
じゃがいも     1/2個
塩          少々
サラダ菜      2枚

調味料:
ポン酢      大匙4
砂糖       小匙1/2
豆板醤      小匙1/2
ゴマ油      少々

マヨネーズ    適量

さて、まずはマグロの油霜造りだが、マグロの赤身の柵を170℃~180℃に熱した、たっぷりの油の中にさっとくぐらせ、直ぐに氷の入った冷水に取り中心まで冷たくなったら、表面の水分を乾いたタオルがキッチンペーパーで拭き取っておく。

次に野菜を短冊に切ろう。大根は5cm幅に切ってから繊維に沿って1㎝に切り、更に繊維に沿って1~2㎜の厚さに切って、冷水に取っておく。キューリは縦半分に切り、大根と同じく5cm幅に切ってから繊維に沿って1~2㎜の厚さに切って、大根が入っている冷水に入れる。

じゃがいもは、かつら剥きにして、刺身のつまと同じように細く切り、水に取っておく。

調味量は、マヨネーズ以外を合わせておく。ポン酢の作り方は、以前に「しゃぶしゃぶのタレ」のところで紹介しているので、それを見て作ってほしい。

さて、準備ができたところで、仕上げに入る。

①細く切った「じゃがいも」は水分を拭き取って、170℃~180℃の油でこんがりキツネ色になるまで揚げてがら引き出し、天紙(てんぷらの敷紙)などの上に置いて軽く塩を振る。

②皿にサラダ菜2枚を丸くなるように敷き、水切りをした大根とキューリの短冊切りを中心に盛る。

③マグロを3㎜位の厚さにスライスして並べて行く。

④上から合わせ調味料をまんべんなく掛ける

⑤マヨネーズ(できればキューピーハーフ)を円を描くように絞る。

⑥揚げた「じゃがいも」を両方の手の平で、球形に丸めて天に盛る。

この料理を美味しく食べるには、マグロや野菜を冷水で十分に冷やすことだ。
大根やキューリはシャキッとするまで冷やそう。

それから、サラダや和え物などのタレは食べる直前に掛けよう。時間が経つとタレの塩分で野菜から水が出て、水っぽくなってしまう。

さて、jjkenさんからの質問で「マグロが食べられなく日が来るのでは?」ということだが、実際には現状ではマグロは余っているのではないかと思う。

今では、地中海やオーストラリアやメキシコで、「畜養」という、マグロの養殖も盛んに行われているし、既にマグロの卵からの完全養殖も成功している。

世界中の人々がマグロのお刺身を食べ初めてはいるものの、今でも生食用のマグロのほとんどが日本で消費されている。

日本のマグロの漁業は、「延縄」という漁の方法で、マグロ船から太い縄を流して行き、その長さは150kmから200kmにもなる。その縄には餌の付いた針3000本が付けられているのだが、それを8時間後位に引き上げても、マグロは10本位しか釣れないので非常に効率は悪いが自然にはやさしい漁法だ。

むしろアメリカなどが行っている「まき網」という漁法は、ヘリコプター等でマグロの群れを探し(イルカなどの後にマグロの群れがいる)その群れを大型の船から網を付けた小型の船で囲んで、イルカも一緒に一網打尽に獲り尽くす漁業で、これでは海洋資源を根こそぎ獲り尽くしてしまうだろう。

また、近年では捕鯨が禁止になってしまった為に、鯨が増え過ぎてしまっているのだが、鯨のあの大きな口で1回に1トンも2トンものオキアミや小魚を食べてしまい、マグロの食べる魚が無いのででマグロが減っているという説もある。

マグロが減っているのは日本のせいと、海外からの批判も多いようだが、実際には世界中で一番多く消費されているのが「ツナ缶」で、一番の消費国はアメリカなのだ。

生食用のマグロに付いては、今のところ、日本、韓国、台湾でその多くが消費されているが、もし、これから中国人がマグロを食べるようになったら、あっという間に不足することになるだろう。

マグロの資源が減っているという、アメリカやヨーロッパからの圧力でマグロ船も減船させられている。

前にも書いたが、マグロに限らず世界中で食べ物の奪い合いの時代に既に入っているのではないだろうか?

それに便乗して、マグロ等の高価な魚を投機目的に悪用する連中も出てくるだろう。たとえば、マグロを中国などの超低温冷凍庫に隠しておく。それから、マグロが食べられなくなるという情報をたくさん流せば、マグロは値上がりするだろう。
このようにマグロが既にマネーロンダリングに利用されているのではないか?という噂もあるようだ。

さて、筆者もタイに居る時には、よく屋台でアジを食べた。

日本のアジとは違い、サバとアジを掛け合わせたようなアジもあって、生では少し身がやわらかいので、それを一度蒸してから揚げる料理で「プラ・トートゥ」と言っていたが、プラ(魚)、トートゥ(揚げる)だから、魚を揚げた物はみんな同じ名前になってしまい正式な名前は分からないが、この料理と一緒に、シンハービールに氷を入れて飲むと格別に旨い。

微笑みの国、タイが懐かしく思えてくる。。。










チンジャオロース(牛肉と豚肉で2種類の味)

2008年02月25日 | 中華料理
今回は、牛肉と豚肉で2種類の「青椒肉絲」を作ってみよう。

中国語のメニューには、漢字4文字で材料や調理の方法を説明しているものが多いが、この「青椒肉絲」の青椒とはピーマンのことで、絲は細いという意味だ。

つまり、ピーマンと肉を細く切って炒めた料理(炒という字は無いが)ということだ。肉の字の前に猪があれば豚肉で牛の字があれば、牛肉ということなのだが、中国では、あまり牛肉を食べないので、肉と言えば通常は豚肉のことを指す。

今回の2種類の料理は正しくは「青椒牛肉絲」と「椒青猪肉絲」ということになる。

素材との相性から、うちの店では「青椒牛肉絲」はオイスターソースで広東風に、また「青椒猪肉絲」は豆板醤で四川風の味にしてお客様に食べてもらっている。

さて、この料理のポイントだが、野菜と肉を全部、同じ細さ(3㎜幅)に切り揃えることだ。形が違うと火の入り方にバラつきが出て食感も悪くなってしまう。

ピーマンは縦半分に切って、あたまとヘタは切り除いて、まな板に置いたら包丁をまな板に平行にして、内側の白い筋のような部分を綺麗に切り取ろう。

筍の水煮も3㎜の細さに切って、缶詰めの場合には暫らく水にさらしておく。

肉はブロックの物を半冷凍にしてから切ると切り易くなる。肉の繊維に沿って野菜と同じ細さに切ってやろう。

では早速、「青椒牛肉絲」から作って行こう。

材料:
牛ヒレ肉(モモ肉でも良い)  150g
ピーマン(5~6個)       100g
筍 (水煮)             50g
白ネギ (みじん切り)    小匙2
にんにく(みじん切り)     小匙1
生姜  (みじんきり)     小匙1

肉の下味調味料:(水から塩までは混ぜておく)
水                  大匙2
醤油                小匙1
酒                 大匙1
塩                 少々

卵白                大匙1
片栗粉              大匙1
サラダ油             大匙1

調味料:(オイスターソースから紹興酒までは混ぜておく)
オイスターソース(李錦記)  大匙1
醤油                小匙2
砂糖                小匙1
紹興酒(日本酒でも良い)   大匙1

塩・コショー           少々

さて、肉の下処理から始めよう。

①牛ヒレ肉(モモ肉でも良い)は、3㎜にスライスしてから、繊維に沿って3㎜幅に切り、水を入れたボールの中で洗い、乾いたフキンかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

②下味調味料の水から塩までをボールで混ぜ合わせ、①を入れて手で揉みこむ。

③卵白を入れて素早くかき混ぜて、更に片栗粉を入れてかき混ぜる。

④サラダ油を加えて絡ませ、ラップをして冷蔵庫で30分以上休ませる。

⑤てんぷら鍋に1/3程の油を注ぎ火に掛け、120℃位の温度で④を入れ油通しする。箸などを使って肉どうしがくっつかないように注意しよう。

肉の次に、野菜も⑤の油に入れ油通しをする。

さて、これからは一気に炒めるだけだ。

①鍋を熱して油大匙2を加え強火にする。白ネギ、生姜、にんにくのみじん切りを入れて、香りが出たらピーマン、筍、それから肉と順番に加えて炒める。

②火は強火のまま、混ぜ合わせておいた、オイスターソースから紹興酒までの調味料を鍋肌から回し入れ、コショーを振り、塩で味を整え皿に盛る。

さて、次は豚肉を使った「椒青猪肉絲」を作る。調味料以外の分量は「青椒牛肉絲」同じだ。

材料:
豚肉(もも肉)          150g
ピーマン(5~6個)       100g
筍 (水煮)            50g
白ネギ (みじん切り)    小匙2
にんにく(みじん切り)     小匙1
生姜  (みじんきり)     小匙1

肉の下味調味料:(水から塩までは混ぜておく)
水                  大匙2
醤油                小匙1
酒                 大匙1
塩                 少々

卵白                大匙1
片栗粉              大匙1
サラダ油             大匙1

調味料:
豆板醤              大匙1
酒醸(中国甘酒)        大匙1
醤油               小匙1
砂糖               小匙1
紹興酒(日本酒でも良い)   大匙1
塩・コショー            少々
黒酢                小匙1

炒めのところまでは、「椒青牛肉絲」と同じなので、炒めるところからやろう。

①鍋の油大匙2を入れ、弱火で豆板醤と酒醸をじっくり炒める。

②白ネギ、にんにく、生姜を加えて更に炒め、香りが出たら火を強火にして、ピーマン、筍、それからに肉と順番に加えて炒める。

③紹興酒を振り、砂糖、醤油を加えコショーを振り、塩で味を整える。

④火を止め、好みで黒酢を振り掛け皿に盛る。

さて、今回の料理のように野菜を炒める時には強火でさっと炒めよう。

あらかじめ、油通ししているので、弱い火で炒めるとべチャっとした味になってしまい美味しくない。綺麗な色に仕上げれば、香りだけではなく見た目にも食欲をそそられる。

さて、ひょんなことから、うちの店の中華料理ばかりを紹介してきたが、次回からは「まぐろ料理」を紹介するとしよう。

今回の写真だが、料理の写真がどこかに行ってしまったようで、筆者の写真を貼り付けておいたが近いうちに料理の写真を撮って取り替えるとしよう。

中華料理については、古老肉(酢豚)など、また、別の機会に紹介したいと思う。

なぜ、うちの店は日本料理店なのに中華料理を出しているのか不思議に思うだろうが、この店の日本人社長は、日本なら多くの人が知っている、高級中華料理店を経営していることもあり、和食+中華の実験店ということなのだが、実際、日本料理に中華が一品入ると単調な味付けの日本料理にアクセントを付けてくれるようだ。

大連の店と同じメニューの店を日本で出店する計画もあるようなので、店ができたら、是非、行ってみてもらいたいと思う。。。









海老マヨは揚げてからソースと絡める

2008年02月23日 | 中華料理
今回は海老マヨを作ってみよう。

今まで、ずいぶんいろんな国で中華料理を食べたが、昔はこの料理を海外の中華料理店のメニューで見かけたことが無かったので、日本で生まれた日式中華料理だと思っていたのだが、2年程前にインドネシアのジャカルタに行った時に、たまたま入った中華料理店のメニューに海老マヨがあったのでオーダーしたところ、マヨネーズに少しケチャップを混ぜたようなソースで、いまいちの味だった。

最近は中国でも中華料理店で同じようなソースを使った料理によく出くわすが、中華料理もこれからはマヨネーズを使った料理が増えてくるのだろう。

材料:
海老           10匹
じゃがいも(1㎝の角切り) 1/2個
グリーンピース(冷凍)  大匙1
カシュナッツ        大匙1

ソース:(合わせておく)
マヨネーズ        大匙4
コンデンスミルク     大匙1
生クリーム        大匙1
粒マスタード(ディジョン)小匙1
塩・黒コショー       少々
ドライジン(あればで良い) 小匙1/2 

まずは、海老の下ごしらえをするが、海老チリの時と同じだ。

海老は日本ではブラックタイガーが入手しやすいと思うのでそれで良い。大連では冷凍海老の良い物が無いので、うちの店では海老マヨも活の海老を使用しているので海老をあまり洗わないが、冷凍物の場合には、よく洗って汚れを取ろう。

①海老の殻を剥き背わたを取り除き、少量の塩で揉む。
②片栗粉と水を加えてさらに揉む。
③よく洗い流し、乾いたタオルかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

ここまでが海老の掃除だが、汚れが無ければこの工程は省いても良いだろう。

さて、海老に味をつけて行く。

④ボールに海老を入れ、塩・コショー少々に日本酒大匙2を加えねばりが出るまでよく揉みこむ。

⑤卵白1/2個分を加えて、さらに揉みこむ。

⑥片栗粉大匙1を加えて海老に絡める。

⑦サラダ油大匙1を入れてかき混ぜ、海老に油をコーティングする。

⑧ラップをして、冷蔵庫で30分程休ませる。

さて、あとは一気に仕上げよう。

①天ぷら鍋に油をたっぷり注ぎ強火に掛け、油が動き出したら160℃近くになっているので、まず、ダイスに切ったジャガイモを入れて揚げる。

②ジャガイモが浮いてきたら、そのまま1~2分程揚げて鍋から引き上げる。

③次に海老を一匹づつ油に入れて、外側がカリッとなるまで揚げて、②のジャガイモを再度、鍋に戻して同じく外側がカリッとするまで揚げ、グリーンピースも加えて、全部を一緒に鍋から引き上げ、油を切る。

④直ぐに、ソースと絡めて皿に盛る。

⑤上から砕いたカシュナッツを散らす。

カシュナッツだが、市販のおつまみ用を袋の上から棒のような物で叩いてやれば簡単だ。

粒マスタードは、なるべくなら「ディジョン」の物を使用しよう。
お店では「MAILLE」(マイユ)を使っているが、マヨネーズとの相性も良い。

さて次回は「チンジャオロースー」を牛肉と豚肉で2種類の味で紹介しよう。。。




ギョーザの具にはゴマ油を入れよう

2008年02月21日 | 中華料理
中国のギョーザ事件があってから、ギョーザを自宅で作っている人も多いようなので、今回はうちの店のギョーザを紹介しよう。

日本ではギョーザと言えば「焼ギョーザ」のことを指すが、中国でギョーザと言えば水ギョーザ(水餃子)を指し、焼ギョーザは(鍋貼)、蒸しギョーザは(湯麺餃)または(蒸餃子)と言われる。

今は中国のギョーザ専門店でも焼ギョーザがメニューにあるが、昔は水ギョーザの残り物を次の日に焼いて食べたとのことで、料理店では焼きギョーザのメニューは無かったようだ。

特に中国でも北の方の人はギョーザをよく食べる。ここ大連でもお正月にギョーザを食べる習慣が古くからあるようで、年末年始(春節)には家族揃ってギョーザを作って食べるようだ。

中国語の餃子(ジャオズ)という発音が子宝に恵まれるという意味の交子と同じなので縁起が良いのと、また、ギョーザの形が昔の中国の貨幣に良く似ているので、お金が入ってくると考えられているようだ。

実は春節前に、筆者の通っている中国語の学校で、ギョーザを作る会があり、そこに駆り出されてしまったのだが、先生(老師)達が作った餃子の具の中には小さな硬貨が入っているのがあって、それに当たった人は1年間はお金に困らないとうことだったが、こうして縁起をかつぐのだろう。

うちの店の中国人スタッフも、お正月以外にも何かおめでたいことがあると、家族でギョーザをつくるようで、ギョーザを食べに家に来ないか?とよく誘われる。

さて、今回はギョーザの皮も手造りしてみよう。中国では日本のようにギョーザの皮だけ市販されていないので、うちの店でも皮から作っているが、そんなに難しくないので挑戦してみよう。

材料:ギョーザ約30個分
小麦粉(強力粉)      150g
小麦粉(薄力粉)       50g
塩               少々
熱湯              110cc

作り方:
①ボールに強力粉と薄力粉と塩を少々入れ、熱湯を加えてスプーンでかき混ぜて、まるめて、ぬれフキンをかぶせて30分程おいておく。

②30分したら①を打ち粉をしたまな板の上に置き、更に打ち粉をしながら力を入れて練り込み滑らかな生地にする。

③両手の手のひらを広げて、直径2㎝程の棒状にして、1.5㎝の幅で切っていく。

④球形に両方の手のひらで丸め、それをまな板に置き、手のひらで上から押して平たくし、さらに麺棒を使って、直径6㎝程の円形に伸ばす。

麺棒の使い方だが右手に麺棒を持ち、生地を掴んでゆっくり回転させながら生地の中心まで麺棒をころがす。力の入れ加減だが、前方に押す時には力を入れ、手前にひく時には力を抜くとうまく行くだろう。

今度は具材(餡)を作って行く。

材料:ギョーザ約30個分

豚挽肉         100g
牛ひき肉        100g
白菜          250g
キャベツ        250g
ニラ(みじん切り)    10g
白ネギ(みじん切り) 大匙1
生姜(みじん切り)  小匙1
にんにく(みじん切り)小匙1
サラダ油        大匙1

調味料:
醤油          大匙1
ラード          小匙2
ゴマ油         小匙2
酒            小匙2
塩・コショー      少々
うまみ調味料     少々

①白菜とキャベツは細かく切ってかるく塩を振り、水分が出てきたらフキンでよく絞る。
②ボールに豚挽肉と牛ひき肉と野菜を入れてよく練る。

③調味料を合わせ②に加え、粘りが出るまで更に練る。

④ギョーザの皮を左の手のひらに置き、餡を15g程乗せて皮の縁の内側に指で水を付け軽く2つ折に持つ。次に皮の右端を右手の親指と人差し指でつまみ、次からは向こう側のたるみを右の方に順々と指先で摘みながら重ねていく。均等にひだができるように重ねると綺麗に包むことができる。

⑤フライパンを弱火で熱してうすく油を敷き、包んだギョーザを並べて行き、カップ1/2の水に片栗粉小匙1と、小麦粉小匙を溶いた溶き水を入れ、蓋をしたら中火にして蒸し焼きにする。

⑥水分が無くなったら、ギョーザの上からサラダ油大匙1をかけて、綺麗なキツネ色に焼く。天使の羽の部分の色を見れば、焼き上がりの色は分かるはずだ。

ギョーザに付けるタレだが、お店では「醤油」と「黒酢」と李錦記の「ラー油」を混ぜた物を使っているが、好みのタレで食べると良いだろう。

このギョーザのポイントだが、白菜とキャベツを細かく包丁で切ったら、軽く塩を加えて、よく絞って水を切ることだ。塩をすることで野菜の甘さが増すし、水を絞ることで、水っぽい味にならない。ゴマ油は必ず具材(餡)に入れよう。香りが中に閉じ込められ、食べた時の香りが良い。

jjkenから早速、連絡をいただいた。いつもありがとう。

今回の農薬入りギョーザの件では、例の天洋食品の工場では日本の18社の企業の88品目もの商品が作られていたようだが、なぜ、JTフーズの商品だけに農薬が入っていたのかが不思議だ。

かなり田舎の工場で、設備にしても想像が付く。こういう工場で商品を作る理由は人件費が安いからだろう。

その工場に厳しい衛生基準と無理な価格を要求していたのではないかと思う。

工場のワーカーも田舎の人達ばかりで、夏の暑い日には「ハエ」も飛んでいたかも知れず、まな板殺菌用の霧吹きに入ったアルコールと、殺虫剤の見分けも付かなかったのかも知れない。そして、彼らワーカーへの気配りはどうだったのだろうか?

たぶん、jjkenさんも言うように、この事件はうやむやに終わるだろう。

既に犯人は分かっていても、中国は隠し通すだろう。

しかし、こういう事件が起こるのは、中国の責任だけでは無いと思う。

二度とこういう事件が起きないよう、日本側も価格が安いからという理由だけではなくて、ちゃんとした工場への対応とフォローをして欲しいと思う。

中国でも良い物は高いし、安い物程、危険が増すのではないだろうか。。。



 





渡り蟹でプーパッポンカレーを作ってみよう

2008年02月19日 | 中華料理
タイのバンコクに行く日本人が必ず一度は食べに行くのが、ソンブーン(建興酒家)のプーパッポンカレー(蟹のカレー炒め)だろう。

もともとは、蟹とカレーを炒めただけの料理だったようだが、ここの店の社長が卵やココナッツミルクを入れ工夫し、今ではバンコク市内に5店舗を展開している。

実は4年ほど前に、著者はソンブーンのスリウォン店の道路を挟んで右側のPLAZA HOTELに1か月以上滞在していたことがある。(バンコクのお店を手伝う前の頃)

水産加工の仕事で、バンコクから車で1時間程の工場に毎日通っていたのだが、このホテルが1泊1000バーツ(約3000円)と安い割にはセキュリティーもしっかりしていたので常宿としていた。
タニア通リという日本料理店やカラオケ(クラブ)が集まっているところからも近く、お客さんと食事をしたりするのにとても便利な場所ということもある。

最初は10日程の滞在の予定だったのだが、生協向けに作っていた商品の菌数の基準が厳し過ぎ、なかなかクリアーできずに、結局、1か月以上の滞在になってしまった。
この話はまた別の機会に話をするが、加熱をして食べる商品に生食用に近い基準を要求するのはおかしいと思う。
今、中国の餃子の問題で日本はたいへんなようだが、中国の工場側も日本の生協の基準に合わせるのはたいへんな苦労だと思う。今回、その工場の生産品の中では生協向けの商品だけに問題が起こっているが、その辺に問題があるような気がする。

そういう訳で、朝一番で工場に向かい、夕方にはバンコク市内に戻ってくる生活をしていたのだが、夕方からはよく、ソンブーンに食事に行った。
夕方の早い時間から、日本人のおじさん達がカラオケ(クラブ)の女の子を連れて同伴で店に来ていたので恥ずかしい思いもしたが、この店のプーパッポンカレーは本当にうまかった。しかし、何度も食べに行ったのでこの料理は飽きてしまい、バンコクを去る頃にはこの店の「大シャコの唐揚げ」ばかりを食べていた。ニンニクを細かくして揚げた物とたっぷりの味の素と塩を大きなシャコの唐揚げに振りかけた料理だが、これがビールにとても良く合う。ビールはシンハービールに氷を入れて飲むとまた格別にうまい。

さて、前置きが長くなってしまったので、料理に取り掛かろう。

材料:
渡り蟹の足の部分      300g
セロリ 筋を取り5㎝に切る 1本
玉ねぎ くし切り      1/4個
万能ねぎ 4㎝~5㎝に切る  4~5本
赤ピーマン ひし形に切る  1/2個


調味料:
カレー粉(S&B)       小匙1
ニンニク みじん切り    大匙1
生姜   千切り      大匙1
オイスターソース      小匙2
シューカオ又は(醤油)   大匙1
酒             大匙1
豆板醤           小匙1
中華スープ         150cc
砂糖            小匙1
塩              少々
サラダ油          大匙2

シーズニングオイル     大匙5
ココナッツミルク      150cc
卵(全卵)         2個


まずは渡り蟹の仕込みだが、ボールに熱湯を入れ、そこにブツ切りにした渡り蟹の足を5分程入れておく。蟹の殻が赤くなり、中心まで温まったら取り出しザルに上げる。渡り蟹をあらかじめ茹でておくことによって、食べた時の食感がとても柔らかくなる。

卵は冷蔵庫から取り出したら必ず常温に戻してからよく溶いて、ココナッツミルクとシーズニングオイルと一緒に混ぜておく。

さて、調理料と合わせて行く。

①鍋を熱しサラダ油大匙2を入れ、豆板醤、ニンニク、生姜の千切りを入れ、香りが出たら強火にして、途中で酒を加えながら玉ねぎ、長ネギを炒める。

②鍋肌から中華スープ(顆粒の素とお湯で十分)をそそぎ、カレー粉、オイスターソース、シューカオ(醤油)、砂糖を加え塩で味を整え、渡り蟹、ピーマン、セロリも加えて汁気がなくなるまで炒める。

③卵、ココナッツミルク、チリインオイルの混合を少しずつ加え、卵が硬くならないうちに火から下ろし皿に盛る。

この料理(プーパッポンカレー)のプーとは、タイ語で蟹の意味だ。
ソンブーンはマッドクラブ(泥蟹)を使っているが、殻がとても固くて活きている時はとても凶暴な蟹だ。

うちの店では、渡り蟹の他に、タバラ蟹を使ったメニューも出しているが、日本で手軽に入手できる蟹なら何でも良いだろう。できれば、ボイルしていない物の方が蟹の旨みが出て旨い。

さて、シーズニングオイルだが、ピーナッツオイル等に、いろいろな香辛料を加えたものだ。タイ語では「ナンマン・ナンプリック・パオ」と言い、あらかじめ蟹の香りのするものや、にんにくの入った物など種類もさまざまだ。

日本では入手が難しかったらチリインオイルの上澄みの透明な部分を使っても良いだろう。

うちの店では豆板醤も使っているが、かなり辛くなるので、辛いのが好きでなければ入れなければ良い。

難しい料理に思えるだろうが、あっという間にできてしまうので挑戦してみて欲しい。

尚、jjkenさんに質問なのだが、今回の中国の餃子事件に付いての意見を聞かせて欲しい。

生協の衛生基準に付いて先にも書いたが、水産加工品で加熱して食べる物でも刺身で食べられる基準を要求される。ましてや、刺身商品となると無菌に近い基準となる。
今回の中国の工場も同じように厳しい衛生基準を要求されていると思うが、菌数の検査に最低は2日~3日は掛かるが、1つの検体に少しでも多くの菌数が出ると、そのロットはすべて日本には出荷できないということになってしまう。

日本側は、原料原価から従業員の給料まで分かっていて、値決めをしてくるから薄利多売ということになることは想像が付く。
しかし、中国のことなので工場は政府関係のいろいろな連中に袖の下も払わなければならないだろう。

筆者の場合には「あん肝の酒蒸し」や「上海蟹」等、利益が多く取れて工場側にメリットのある物しか作らなかったというか、量の問題もあり作れなかった。

今、日本では中国商品の不買運動など起こっているようだが、日本にとってプラスになるのだろうか?

別に中国の肩を持つつもりではないが、これからは食料の奪い合いの時代になるだろう。いつまでも安定的に食料を供給してくれる相手先はとても大切だと思う。

日本の将来が心配に思えてしかたがない。。。










タラバ蟹のピリ辛炒めを紹介しよう

2008年02月17日 | 中華料理
今回は豆板醤を使わない「タラバ蟹のピリ唐炒め」を紹介するが、この料理はうちの店のオリジナル料理だ。

タラバ蟹の甘さとピリ辛のソースの味がとても合うと思う。実際、お店の人気メニューにもなっている。

合わせ調味料だが、いつものように「おたま」が基準になっているので、量が多く数回分の分量だが、冷蔵庫で長期保存もできるのでつくっておくと良いだろう。

このソースで豚肉や鶏肉の野菜炒めを作っても美味しい。ピリ辛味なのでご飯も進むだろう。

材料:
ボイルタラバ蟹の足(殻付き) 200g
ピーナッツ          大匙2
白ネギ 廻し切りして三角形  1/2本
ニンニク みじん切り     小匙1
生姜   みじん切り     小匙1

唐辛子(鷹の爪)       2本
中国山椒           大匙1

合わせ調味料: 「おたま」が基準 
酒     1
醤油    1
砂糖    1
黒酢    1
一味唐辛子 少々(好みで量を加減しよう)
塩     少々
味の素   少々

さて、調理に入ろう。

①タラバ蟹の足は冷凍の場合は大きめのボールに熱湯を入れ、その中で解凍する。
解凍できたら、4cm~5cmに切り殻の両端にハサミを入れ食べやすくし、乾いたフキンかペーパータオルで水分を拭き取り、タラバ蟹の表面に片栗粉をまぶす。

②天ぷら鍋にたっぷりの油を入れ、弱火からピーナッツをじっくりと揚げる。焦がさないように注意しよう。

③ピーナッツが揚がったら鍋から取り出してザルに上げる。次に①のたらば蟹を入れて強火にしカリッと揚げる。

さて、調味料と合わせて行く。

①鍋に大匙3程の油を入れ、そこに中国山椒を加えて弱火でじっくり山椒の香りを油に移してから、てんぷら網で山椒だけを取り出し、次に鷹の爪とニンニク、生姜を加えて油に香りを移す。

②白ネギのブツ切り、タラバ蟹、ピーナッツも加え強火にして更に炒める。

③鍋肌からお玉1杯~1杯半の合わせ調味料を加えて絡ませ火から下ろし皿に盛る。

ピーナッツは皮付きの生を使用しているが、入手できなければ落花生を使おう。また、日本では中国の山椒(花椒)も入手できないかも知れないが、最近ではデパートや大きなスーパーマーケットのスパイスの売り場に、花椒を粉にした物(花椒粉)が売られていることがあるので探してみよう。花山椒粉の場合には料理を皿に盛ってから少量を振りかけよう。もし、入手できなければ入れなくても良いだろう。

jjkenさんから、またコメントをいただいた。いつもありがとう。

タイの中華料理だが、高級店は広東料理が多いようだ。味もそこそこだと思う。前にも書いたが華僑は世界中でその国の政治、経済と大きく関わっているので、どの国に行っても中華料理のお店は多い。

インドネシアのジャカルタのホテルの中華料理店で、今までに食べたことのないような美味しい「飲茶点心」に出会ったこともあるし、香港が中国に返還される前に、香港の大きな中華料理店が海外に店を移したこともあり、香港からベルギーにお店を移した中華料理店の特級調理師の作る料理は本当に素晴らしかった。

タイ料理というのは、東北のイサン料理など、タイらしい辛い料理は別として、かなり中華料理の影響を受けていると思う。

プーパッポンカレーなども、どちらかと言うと中華料理に近いと思う。シーズ二ングオイルと蟹と卵の組み合わせが絶妙だ。

実はうちの店でもタラバ蟹や渡り蟹を使った「プーパッポンカレー」のメニューがある。

次回は「プーパッポンカレー」を紹介するとしよう。。。



渡り蟹の春雨煮には、緑豆春雨を使おう

2008年02月17日 | 中華料理
豆板醤を使った料理を3つ程続けてきたが、今回は渡り蟹の春雨煮を作ってみよう。
この料理のポイントは緑豆春雨を使用することだ。

中国産の、できれば山東省の「龍口春雨」が良い。

日本の春雨は馬鈴薯でんぷんを原料としている物が多いが腰が弱く、長い時間煮るとプツプツと切れてしまうが、中国の春雨は緑豆でんぷんを使用している物がほとんどなので煮物向きだ。

筆者は以前、三東省の烟台の水産加工の協力工場で日本向けの商品を作っていたことがあり、春雨の工場を何箇所か視察したことがあるが、それらの工場の商品はほとんどが日本向けだったので、そうとうの数量が日本に送られているようだ。中には日本の有名な100円ショップ向けの商品もあったので、日本でも「緑豆春雨」は簡単に手に入ると思う。

尚、春雨の戻し方だが、一般にはお湯で戻すが、時間があれば水の中に1時間程(できれば一昼夜)入れて戻してから、熱湯の中で20秒~30秒茹でて、冷水にさらした方が良い。

春雨の透明感がぜんぜん違う。

ちょっとしたことだが、料理には手を掛けるポイントという物がある。

材料:
春雨         100g(乾燥の状態)
渡り蟹         1尾
万能ネギ        2本
白菜の硬いところ    1枚
ニンニク みじん切り 小匙1
生姜   みじん切り 小匙1

調味料:
豆板醤        大匙1
酒醸         大匙1
中華スープ      300cc
紹興酒        大匙1
醤油         小匙1
砂糖         小匙1
塩・コショー     少々
ゴマ油        小匙1
水溶き片栗粉    大匙2~3
香草        好みで少量  

まずは、渡り蟹の下処理をしよう。

①渡り蟹は腹の三角のところを取り除き、そこに親指を入れて、甲羅を剥がすようにして取る。卵や味噌が入っていたら、取り出して小皿やボールに移しておく。

②ガニの部分は切り取り捨てて、まず、縦に半分に切り分ける。次に足の付け根から胴体と切り離し、ハサミや足の太い部分には味が染み込みやすいように包丁を入れ、胴体は食べやすいように一口大に切る。

野菜だが、白菜は硬い部分だけを横に3cm程に切り、更に5㎜幅に切る。万能ネギは青い部分を3㎝に切り、白い部分は薄く小口切りにする。

さて、調理に入るとしよう。

①鍋を熱し、油を大匙2入れて弱火にし豆板醤を炒める。
②豆板醤をしっかり炒めてから、酒醸、ニンニクみじん、生姜みじん、ネギの小口切りを加える。
③渡り蟹を加え、渡り蟹に火が通リ色が赤くなるまで更に炒める。
④鍋肌から中華スープ(顆粒の素とお湯で十分)を注ぎ、強火にしてから春雨を加え、再び沸騰したら火を弱火にして紹興酒、砂糖、コショー、醤油を加えて塩で味を整える。(蟹味噌や卵があれば、それも加えよう)
⑤3分~4分しっかり煮て、春雨にスープのエキスをたっぷり吸わせ、白菜とネギの青い部分を加えて更に煮込みむ。
⑥水溶き片栗粉を少しづつ加えてとろみを付ける。
⑦仕上げにゴマ油を掛けて火から下ろし皿に盛る。
⑧好みで香草を添える。

蟹のうまみがたっぷりで、むしゃぶり付くように食べるのが良いだろう。

次回は豆板醤は使わないが、今、うちの店でとても評判の「タラバ蟹のピリ辛炒め」を紹介することにしよう。。。





          








回鍋肉の肉は弱火でじっくり焼こう

2008年02月16日 | 中華料理
今回は「回鍋肉」を作るが、この料理は日本で食べるとがっかりすることが多い。

回鍋肉は日本語では「豚肉のみそ炒め」となるようだが、どの店も甜面醤が多くて甘い味なのでご飯が進まない。

もともと回鍋肉は四川の家庭料理でかなり辛い味だ。
そして、日本のようにキャベツは使わずに葉にんにくを使うのだが、陳建民さんが当時、日本では葉にんにくが入手できなかったので代わりにキャベツを使ったのが始まりと聞く。豚肉とキャベツの組み合わせはとても良いので、陳建民さんのレシピが定着し、日本では回鍋肉と言えば、豚肉とキャベツという組み合わせになったのだろう。実際、春キャベツを使った回鍋肉は本当に美味しいと思う。

また、回鍋肉の名前の由来だが「回」とは中国語では帰るという意味で、豚のバラ肉の塊を茹でるか蒸してから薄くスライスして、鍋でじっくり焼いて、一度鍋から取出し、その後で調味料と野菜を炒めてから、もう一度肉を鍋に帰すので回鍋肉と言われるようだ。

ご飯と一緒に食べる時でも、酒のつまみでも回鍋肉は、やはり辛い方が美味しいと思うので、少し辛めのレシピを紹介するが、泡椒という青唐辛子の酢漬(ピクルス)を加えると酸味も加わり、とてもバランスの取れた味になる。
泡椒が手に入らなければ、唐辛子のみじん切りを少量加えると良いだろう。

今回も酒醸を使うが、唐辛子の辛さを抑え、程よい甘さとコクを与えてくれる。酒醸も日本で入手が難しければ酒で代用しよう。

材料:
豚のバラ肉の塊       200g
キャベツ(一口大にちぎる)200g(芯は叩くかスライス)
白ネギ(廻しながら乱切り) 1/3本
葉にんにく(3㎝に切る)軽くひとつかみ(ニラでも良い)
にんにく みじん切り    小匙1
生姜   みじん切り    小匙1

調味料:
豆板醤           大匙1
酒醸             大匙1
泡椒(粗めのみじん切り) 大匙1
豆鼓(みじん切り)     小匙1
甜面醤            大匙1
紹興酒又は日本酒     大匙1
醤油            小匙1
砂糖             小匙1
塩・コショー          少々        

さて、調理に取り掛かるとしよう。

まず豚のバラ肉を茹でる。

①鍋に湯を沸かし豚のバラ肉の塊と、ネギの青い部分と生姜のスライス1片を入れ30分~40分程煮る。肉は必ず湯から入れるようにしよう。水からだど旨みが全部スープに出てしまう。(竹串を刺してスーっと刺されば、肉を引き上げ冷ます)
②肉が冷めると切りやすくなるので、3㎜位にスライスする。

次にキャベツだが日本の中華料理店では油通しをしているようだが、キャベツの油通しの為だけに、たくさんの油を用意することもないだろう。さっと茹でるのも良いだろうが、うちの店では強火で鍋に大匙1の油を入れ、キャベツは炒めている。途中で酒を振り掛け、塩・コショーを加え、シャキッとしているうちに鍋から取り出して、小皿やバットに移す。

味付けに入ろう。

①鍋を火に掛け、スライスした肉を鍋に並べて弱火で両面をじっくり焼き、肉の表面が硬くなってきたら鍋から取り出して小皿かバットに移そう。(余分な脂をここでしっかり抜くのがポイントだ。)
②鍋はそのままで、サラダ油を少し加えて弱火でニンニクと生姜のみじん切りを炒め、次に豆板醤、甜面醤を加えて炒める。
③酒醸、泡椒、豆鼓を加え更に炒める。
④香りが立ってきたらネギを加えて炒め、炒めておいたキャベツを加えて強火にして更に炒め、肉を鍋に帰してから、紹興酒(酒でも良い)を振り掛け、砂糖、コショー、醤油を加え、味を見て塩で味を整える。
⑤葉にんにく(ニラでも良い)を加えて火から下ろし皿に盛る。

今まで3回に分けて四川料理を紹介してきたが、もう少し続けてみよう。

次回は、渡り蟹の春雨煮を紹介する。。。

麻婆豆腐は豆腐が決め手

2008年02月15日 | 中華料理
今回は麻婆豆腐だが、豆板醤の良い物を使うことと、もう一つ大切なことがある。

美味しい豆腐を使うことだ。

日本では麻婆豆腐に絹ごし豆腐を使うこともあるが、大連では絹ごし豆腐はパック入りの物しかなく、味が悪いので店では木綿豆腐を使っているが、朝一番で作られた豆腐が、毎日、9時前にはお店に届く。

もともと、中国の食卓では、朝一番に作られた豆腐の料理が朝の食卓に並ぶことが多いが、むかしの日本も同じだったと思う。子供の頃に近くの豆腐屋に鍋を持たされ豆腐を買いに行った記憶がある。

大連の豆腐でも店によって味が違うので、いろいろな豆腐を食べてみたが、木綿豆腐でも値段は少し高いが、食感がなめらかな物を使用している。高いと言っても10cm角で1個が1元(15円)と、日本に比べればかなり安い。

絹ごし豆腐を使うか木綿豆腐を使うかは好みで選べばよいが、豆腐だけを食べてみて美味しいと感じる物を使用しよう。

紹介するレシピは、かなり本格的な四川料理だが油の量は抑えてある。

麻(痺れる)が苦手な人は山椒を少なくし、辣(辛い)が苦手な人はラー油を少なくすれば良いだろう。

材料: 
木綿豆腐または絹ごし豆腐  300g
牛挽肉           100g
中華スープ         1カップ
豆板醤           大匙1
豆鼓(みじん切り)     小匙1
山椒を当り鉢で擂った粉   小匙1から好みで増やす
ラー油           大匙1から好みで増やす
唐辛子(粉)        小匙1から好みで増やす
醤油            小匙2
コショウ          少々
紹興酒           大匙1
にんにく(みじん)     小匙1
白ネギ(みじん)      大匙1
葉にんにく(3㎝に切る)軽くひとつかみ(ニラでも良い)
水溶き片栗粉        大匙2

[挽肉の甜面醤炒め用調味料]
甜面醤 小匙1、醤油 小匙1、日本酒小匙1

さて、調理に掛かるとしよう。

まず、挽肉の甜面醤炒めをつくる。

①鍋を熱して油を大匙1入れて牛挽肉を炒め、肉がバラバラになってきたら、酒と醤油と甜面醤を加え更に炒め小皿に移す(甜面醤を焦がさないように注意)

②豆腐は1.5cm角に切り、熱湯を入れたボールに入れ温めておく。

③鍋を熱して大匙2の油を入れ弱火で豆板醤を炒める。香りが立ってきたら豆鼓、にんにくを加え中火にして更に炒めて、①の挽肉炒めを加えて唐辛子の粉を振る。

④鍋肌から中華スープ(顆粒のスープの素とお湯で十分)を回し入れ、紹興酒、醤油、コショーを加え味を見る。塩味が足りなければ塩を少しづつ入れて味を調える。

⑤火を強くして鍋のスープを沸騰させ、湯切りした豆腐を加え、再度、スープが沸騰したら火を弱くして静かに2~3分程煮込む。豆腐がくずれないように、あまりさわらないように注意しよう。豆腐がスープに浸かっていない部分があれば、鍋を軽く揺すれば良い。

⑥水溶き片栗粉を少しづつ加えとろみが付いたら強火にして、更に煮込み白ネギのみじん切りと、葉にんにくを散らす。

⑦火を止めラー油を加えて皿に盛り、好みで山椒の粉を上から振り掛ける。

さて、調理のポイントだが、十分に煮込むことだ。

煮込み時間が足りないと、水っぽくてボケた味になってしまう。

もうちょっとで焦げてしまうのではないか?と思うまでじっくり煮込むと奥の深い味になる。

さて、次回は回鍋肉を紹介する。。。




海老チリの豆板醤は良いものを使おう

2008年02月14日 | 中華料理
中華料理の中でも日本人が大好きな、海老のチリソース煮、麻婆豆腐、それに回鍋肉を順番に作って行こう。

いづれも四川料理だが、陳健民さんが日本で初めて紹介した料理だ。もしかしたら、他の人が先に紹介したのかも知れないが、本場の四川料理に使用する油の量は日本の3倍から4倍位はあるだろうから、日本人にはとても食べられた物ではない。陳建民さんが日本人の口にも合うようにアレンジしてくれたので、こういう美味しい料理を日本で食べることができるのだと思う。

さて、今回は「海老のチリソース煮」だが、豆板醤は良い物を使おう。麻婆豆腐、回鍋肉もそうだが、豆板醤の味が悪いと、どんなに良い素材を使っても料理の出来上がりに大きな違いが出てしまう。

本当は「えんどう豆」を原料に唐辛子を加えて発酵させて、豆板醤も手造りすると良いのだが、1年も寝かせることを考えると、市販でも良い物がたくさんあるので、それを使用した方が手っ取り早い。

日本で販売されている豆板醤では、デパート等には「李錦記」が売られているのでこれを使うのが良いだろう。もし、手に入らないようであれば「ユウキ」の豆板醤でも良いだろう。このどちらかを入手しよう。

うちの店では海老は活きた「車海老」を使用しているが、大連では冷凍の海老の良い物が無いからで、日本ならば冷凍のブラックタイガーを使うと良いだろう。

尚、店では辛味をやわらげ、こくを出す為に「酒醸」という中華風の甘酒を使用しているが、もし無ければ代わりに日本酒でも良い。

今回は「おたま」ではなく、「大匙」を使用するが、「海老のチリソース煮」のポイントは、豆板醤1:トマトケチャップ1:酒醸1の、1:1:1だ。
油が弾けるまで炒めて、香りを引き出そう。

材料:
海老        250g
豆板醤      大匙1
トマトケチャップ 大匙1
酒醸       大匙1
中華スープ   1/2カップ
紹興酒      大匙1
砂糖       小匙1
塩・コショー   少々
白ネギ(みじん) 大匙2
にんにく(みじん)小匙1
生姜(みじん)  小匙2
溶き卵(全卵)  大匙1      
水溶き片栗粉   大匙2~3
酢        大匙1/2

まずは、海老の下ごしらえをしよう。

うちの店では活の海老を使用しているので海老をあまり洗わないが、冷凍物の場合には、よく洗って汚れを取ろう。

①海老の殻を剥き背わたを取り除き、少量の塩で揉む。
②片栗粉と水を加えてさらに揉む。
③よく洗い流し、乾いたタオルかキッチンペーパーで水分を拭き取る。

ここまでが海老の掃除だが、汚れが無ければこの工程は省いても良いだろう。

さて、海老に味をつけて行く。

④ボールに海老を入れ、塩・コショー少々に日本酒大匙2を加えねばりが出るまでよく揉みこむ。

⑤卵白1/2個分を加えて、さらに揉みこむ。

⑥片栗粉大匙1を加えて海老に絡める。

⑦サラダ油大匙1を入れてかき混ぜ、海老に油をコーティングする。

⑧ラップをして、冷蔵庫で30分程休ませる。

さて、本作業に入ろう。

①160℃に熱した油で海老を油通しする。油が動き出した温度が適温だ。
 海老を1本づつ鍋に入れ、全部が表面に上がってきたらザルに上げ、油を切る。

②鍋を熱して油を大匙2入れ、弱火で豆板醤を炒める。
 油が弾け、豆板醤の香りが立ってきたら、トマトケチャップと酒醸を加えて更に 炒める。ブクブクと泡が立ってきたら、白ネギ、ニンニク、生姜を加える。

③この時点でかなりの香りが立ってきているはずだ。香りが立つまでしっかり炒めるのがポイントだ。

④鍋肌から中華スープ(顆粒スープの素とお湯を加えた物で十分)を回し入れて、 強火にして砂糖、紹興酒、コショーを加え塩で味を調える。

⑤再び沸騰したら海老を入れて、水溶き片栗粉を少しずつ加えとろみを付ける。

⑥溶き卵を回し入れ、大きく2回~3回かき混ぜ卵に火を通す。

⑦火を止めて酢を加え、皿に盛る。

化粧油は好みで最後に大匙1程を加えても良いが、油くどくなるので、うちの店では使わないようにしている。

ニンニク、生姜は日本では最初に炒めるが、中国では後から加えるのが普通だ。
その方が香りが引き立つと思う。

最後に加える酢だが、これを入れることによって、まろやかでサッパリした味となる。

今回は、まず「海老のチリソース」を紹介したが、何か質問のある人はメールで送って欲しい。

次回は「麻婆豆腐」を紹介するとしよう。。。


おいしい中華料理をつくってみよう

2008年02月14日 | 中華料理
やっと春節も明け、大連の街も動き始めた。

休みの間は、日本に帰らずに大連に居たのだが、普段は時間が無くてなかなか見れずに、溜まっていたDVDで韓国ドラマや映画を見ていたらあっという間に休みが終わってしまったという感じだ。

食事はもっぱら外食で、中華料理ばかり食べていたが、何で中国で食べる中華料理は美味しくないのか不思議だ。

いったい、4000年もの間、何をしていたんだ!と思うのは筆者だけなのであろうか?

時に四川料理は油がやたらに多く、山椒と唐辛子の舌に痺れるスパイシー(Spicy)な味と、唐辛子のホット(Hot)な味だけで、これでは何を食べてもみんな同じ味になってしまうと思う。

上海料理はちょっと甘めで味付けはくどいし、広東料理は日本で食べる方が数段に美味しいと思う。

ちなみに、日本の中華料理店の多くは広東料理で、逆に言えば日本人は広東料理以外の中華料理は好きではないのだろう。

日本で食べられている四川料理は陳建民さんが、日本人向けに四川料理をアレンジしたものだと聞いているが、素晴らしいと思う。

四川そのままの「麻婆豆腐」だったら、日本では決して好まれなかったと思う。

さて、うちの店でも中華料理もお客さんに出しているが、これが好評で中国人のお客さんも、うちの店で中華料理を注文する人も多い。日本人向けに始めた中華料理だが、中国人が日本料理店に来て中華料理を食べてくれるのも嬉しいものだ。

休みが長くて、今日からお店を開けたので、今日はさすがに仕込みも多いので、明日から数回に分けて、うちの店の中華料理を紹介するとしよう。。。

(写真をクリックすると拡大)


春節快楽

2008年02月09日 | 中国人の面子とタイ人のマイペンライ
中国の暦では今年は2月7日が日本の元旦にあたり、お店も2月6日から2月13日まで8日間をお正月休みにした。

昨年は、元旦から3日しかお店は休まなかったのだが、とにかくお客さんが少ないし、この時期は皆、従業員が田舎に帰ってしまい、人員の確保が難しいので休みにしてしまった方が効率が良い。

3倍の給料を支払ったり、春節の後に長い休みを与えることを考えると、思い切って休みにした方が従業員の士気もあがるようだ。

中国人にとっては、春節というのが一年の中でも一番大切なイベントだと思う。うちの店のスタッフもほとんどが、ハルピンや内モンゴル等から出稼ぎに来ているが、春節に故郷に帰るのを何よりに楽しみにしている。

中国では沿岸の都市だけが発展し、地方との賃金格差が大きくなっているが、今の中国では年間3000元では、幾ら田舎での生活でも無理だろう。

これだけ格差が大きくなっていくと、地方で暮らす百姓等、低所得の労働者にといっては、都会で生活をし、たくさんの収入を得ている人へのやっかみも出てくると思う。

どうせ、都会の連中が食べるのだからと、たくさんの農薬を使う人も出てくるだろうし、病気で死んだ豚肉を平気で出荷するようなケースも出てくるだろう。
肉に注射器で水を入れて、目方を増やすといったことも行われていると聞く。

また、病気で死んだ豚だと分かっていても、価格が安ければ使用する中華料理店もあるようで、中国の食の安全性については、本当に危ない商品が多いと思う。

最近では袋に「S」マークの付いた商品が、国の安全基準に合格された商品として売られているが、袋に印刷でななく後からシールで商品に貼り付けられた物は、とても信用などできない。

以前、江蘇省の工場で「上海蟹」を蒸して、瞬間凍結した商品を日本の飲食チェーン向けに作っていたこともあり、本物の「上海蟹」を良く知っている。

ある時、上海市内の活きた魚等、活の水産品を24時間休み無しで販売して市場に行ったのだが、明らかに上海蟹とは別の種類の蟹(もずく蟹の一種)を上海蟹として販売しているのを見かけたことがある。陽澄湖や無錫太湖で取れたものにしか上海蟹という名をつけてはならず、蟹を縛る縄に「タグ」を付けたり、最近ではレーザーで産地やブランド名を甲羅に刻んだりもしている。

さて、その上海蟹の偽物を販売している業者だが、ポケットから「タグ」の束を取り出したではないか。つまり、陽澄湖でも無錫太湖でも好きな「タグ」を付けますよ。ということだ。

きっと、日本にも偽の「タグ」を付けた上海蟹がたくさん輸出されているのであろう。

今、日本で「農薬入りギョーザ」の問題が起きているが、中国では人為的なのか、または過失なのかは別として、こういう事件は日常的だと思う。

自分だけが儲かれば、他はどうなっても良いという人があまりにも多い。

しかし、最近は日本も食品偽装で同じような問題が起こっている。

これから、中国の所得格差が広がれば、このような事件はもっと増えるだろう。

だんだん嫌な世の中になってきたが、やはり自分の身を守るのは自分しかないのだと思う。

尚、jjkenさんからの質問ありがとう。

大連は3方を海に囲まれているので、魚は種類が少ないが豊富にある。

「あいなめ」「黒そい」「赤貝」「つぶ貝」等は新鮮な良い物が入手できる。
時期によっては「アナゴ」も入荷する。

しかし、「平目」「カンパチ」「タイ」「すずき」は殆ど養殖物だ。

「昆布」や「牡蠣」も大連では有名だが、最近では海が汚染されてきているので、きっと検査をすると重金属やダイオキシンが出てくるのではないか?と思っている。

野菜は農薬漬け。養殖魚には抗生物質。天然魚には重金属やダイオキシンということになるのだろうが、これは中国だけではなく、日本もまったく同じ状況になっていると思う。

なぜなら、養殖魚も中国で養殖されて、ある程度大きくなったら、運搬船で日本に活きたまま運ばれ、日本の生簀に2~3か月入れれば、日本産に化けてしまう。

スーパーも、中国産の野菜が無くなったら、棚はガラガラになるだろう。

かと言って日本の野菜は安全なのか?という疑問もある。狭い農地で湿気が多く、連作をする日本では、農薬を使用しないで、農産物などできないからだ。

飲食店という商売をしているのであれば、なるべく食べても害のない食材を仕入れてお客様に提供しなければならない。

その為に必要なのは、やはり自分の「確かな目」を磨くことしかない。

中国の正月にこんな話しになってしまったが、今年は昨年以上に、食の問題が暴露される年になるだろう。。。