今から5年程前だが、タイに3年程住んでいたことがある。
プーケットにマグロの加工工場があり、プーケットとバンコクを行き来していたのだが、バンコクに滞在している時には夜は日本料理店で料理の指導をしていた。
その店はバンコクでも日本料理店やクラブが多く集まる「タニア通り」という場所にあったのだが、オフィース街に近い為に、土曜、日曜日のランチタイムはお客さんが少なく夜だけの営業だった。
そこで、いろいろなタイ料理店を食べ歩いたり、自分でもタイ料理を作ってタイ料理を勉強していた。
タイ料理で特に好きだったのはソムタムという「青パパイヤのサラダ」で、辛さと、酸っぱさと甘さが口の中にいっぱいに広がり、熱い日には必ずソムタムを食べていた。
タイ料理の美味しさは、「辛さと、酸っぱさと甘さ」を一緒に味わえる料理が多いことだ。
今回紹介する「トムヤンクン」も、唐辛しの辛さと、レモンの酸っぱさ、そしてココナッツミルクと砂糖を加えることで、「辛さと、酸っぱさと甘さ」を一緒に味わえる料理だ。
日本で紹介されている「トムヤンクン」には、ココナッツミルクを加えた物が多いが、実はトムヤンクンには「ナーム・コン」と「ナーム・サーイ」の2種類がある。
ナームはタイ語で水という意味で、コンは濃いという意味、そして、サーイは澄んだという意味なので、ナーム・コンは「濃い水」、ナーム・サーイは「澄んだ水」という意味になる。
「濃い水」の方は日本でもお馴染みのトムヤンクンで、ココナツミルクが入った赤い色のスープでコクがあり、辛味の中にもココナッツミルクのまろやかさがある。
「澄んだ水」の方は透明のあっさりの味のスープで、ココナツミルクが好きでない人や、さっぱりした酸味の効いたスープが好きな人向けだ。
ところで、この「トムヤンクン」という料理名だが、「トム 」は煮る、「ヤム」は混ぜる、「クン」は海老という意味で、海老を使わず鶏肉を使えば「トムヤムガイ」、豚肉を使えば「トムヤムム―」、イカを使えば「トムヤムプラムック」となる。
今回は上海のスーパーで、たまたま「トムヤムペースト」を入手できたが、ナンプラー(タイの魚醤)は見つからなかったのでナンプラーの代わりに日本の醤油を代用した。また、パイマックルー(コブミカンの葉)も入手できなかったが、とても美味しくできたと思う。
ちなみに、タイの醤油「ナンプラー」は「ナームが水」で「プラー」が魚でなので、「魚の水」ということになる。
それでは早速「辛さと、酸っぱさと甘さ」を一緒に味わえる「トムヤムクン」を作ってみよう。
◆「トムヤンクン」の作り方。
1)用意する物。
写真手前の左から、「プリッキーヌ」(唐辛し)今回は大きな物と小さな物と2種類を用意した。「パクチー」(香草)、「レモングラス」「ヒラタケ」(袋茸などでもよい)。「万能ネギ」。
写真中央の左から「海老」「トマト」「レモン」。写真奥の左から「トムヤムペースト」「ココナッツミルク」「醤油」(あればナンプラーを使う)。
2)作り方。
①海老の背に包丁を入れ、背ワタを取り除く。
②ヒラタケ(キノコ)を食べやすい大きさに切る。
③レモングラスを斜めにスライスする。
④プリッキーヌ(唐辛し)の大きい方を斜めに切る。
⑤パクチー(香草)を3㎝位の長さに切る。
⑥万能ネギを3㎝~4㎝の長さに切る。
⑦プリッキーヌ(唐辛し)の小さい方を包丁でたたく。
⑧鍋を弱火に掛けてココナッツミルク(300㏄)を入れる。
⑨同量(300㏄)の水を加える。
⑩塩を小さじ1程加える。
⑪レモングラスを加える。
⑫トムヤムペーストを大さじ1強加える。(辛いのが好きな人は大さじ2程加えよう)
⑬海老を加える。
⑭ヒラタケ(キノコ)を加える。
⑮トマトを加える。
⑯プリッキーヌ(唐辛し)の小さい方を加える。
⑰砂糖を加える。
⑱ネギを加える。
⑲醤油を加える。(あればタイの醤油、ナンプラーを使おう)
⑳レモン(半分)を絞る。
*************「タジン鍋に移す」*********************
①プリッキーヌ(唐辛し)の大きい方とパクチー(香草)を乗せる。
②タジン鍋を中火に掛け、蓋をして5分程煮込む。
③出来上がり。
今回も「タジン鍋」を使ったが、タジン鍋の中で加熱された蒸気が上に行くと、この特殊な形の蓋の上部で冷やされて水滴となって戻るので、旨みと香りが凝縮されて行く。
出来上がった「トムヤンクン」を、タジン鍋の蓋を付けたままテーブルの上に置いて、蓋を開けた瞬間「香り」もご馳走なのだとつくずくと感じる。
「トムヤンクン」は簡単に作れるので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。
この料理のポイントだが「レモン」は最初に入れると「渋い味」になってしまううので気を付けよう。
さて、次回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は、またオリーブオイルを使った料理にしよう。
プーケットにマグロの加工工場があり、プーケットとバンコクを行き来していたのだが、バンコクに滞在している時には夜は日本料理店で料理の指導をしていた。
その店はバンコクでも日本料理店やクラブが多く集まる「タニア通り」という場所にあったのだが、オフィース街に近い為に、土曜、日曜日のランチタイムはお客さんが少なく夜だけの営業だった。
そこで、いろいろなタイ料理店を食べ歩いたり、自分でもタイ料理を作ってタイ料理を勉強していた。
タイ料理で特に好きだったのはソムタムという「青パパイヤのサラダ」で、辛さと、酸っぱさと甘さが口の中にいっぱいに広がり、熱い日には必ずソムタムを食べていた。
タイ料理の美味しさは、「辛さと、酸っぱさと甘さ」を一緒に味わえる料理が多いことだ。
今回紹介する「トムヤンクン」も、唐辛しの辛さと、レモンの酸っぱさ、そしてココナッツミルクと砂糖を加えることで、「辛さと、酸っぱさと甘さ」を一緒に味わえる料理だ。
日本で紹介されている「トムヤンクン」には、ココナッツミルクを加えた物が多いが、実はトムヤンクンには「ナーム・コン」と「ナーム・サーイ」の2種類がある。
ナームはタイ語で水という意味で、コンは濃いという意味、そして、サーイは澄んだという意味なので、ナーム・コンは「濃い水」、ナーム・サーイは「澄んだ水」という意味になる。
「濃い水」の方は日本でもお馴染みのトムヤンクンで、ココナツミルクが入った赤い色のスープでコクがあり、辛味の中にもココナッツミルクのまろやかさがある。
「澄んだ水」の方は透明のあっさりの味のスープで、ココナツミルクが好きでない人や、さっぱりした酸味の効いたスープが好きな人向けだ。
ところで、この「トムヤンクン」という料理名だが、「トム 」は煮る、「ヤム」は混ぜる、「クン」は海老という意味で、海老を使わず鶏肉を使えば「トムヤムガイ」、豚肉を使えば「トムヤムム―」、イカを使えば「トムヤムプラムック」となる。
今回は上海のスーパーで、たまたま「トムヤムペースト」を入手できたが、ナンプラー(タイの魚醤)は見つからなかったのでナンプラーの代わりに日本の醤油を代用した。また、パイマックルー(コブミカンの葉)も入手できなかったが、とても美味しくできたと思う。
ちなみに、タイの醤油「ナンプラー」は「ナームが水」で「プラー」が魚でなので、「魚の水」ということになる。
それでは早速「辛さと、酸っぱさと甘さ」を一緒に味わえる「トムヤムクン」を作ってみよう。
◆「トムヤンクン」の作り方。
1)用意する物。
写真手前の左から、「プリッキーヌ」(唐辛し)今回は大きな物と小さな物と2種類を用意した。「パクチー」(香草)、「レモングラス」「ヒラタケ」(袋茸などでもよい)。「万能ネギ」。
写真中央の左から「海老」「トマト」「レモン」。写真奥の左から「トムヤムペースト」「ココナッツミルク」「醤油」(あればナンプラーを使う)。
2)作り方。
①海老の背に包丁を入れ、背ワタを取り除く。
②ヒラタケ(キノコ)を食べやすい大きさに切る。
③レモングラスを斜めにスライスする。
④プリッキーヌ(唐辛し)の大きい方を斜めに切る。
⑤パクチー(香草)を3㎝位の長さに切る。
⑥万能ネギを3㎝~4㎝の長さに切る。
⑦プリッキーヌ(唐辛し)の小さい方を包丁でたたく。
⑧鍋を弱火に掛けてココナッツミルク(300㏄)を入れる。
⑨同量(300㏄)の水を加える。
⑩塩を小さじ1程加える。
⑪レモングラスを加える。
⑫トムヤムペーストを大さじ1強加える。(辛いのが好きな人は大さじ2程加えよう)
⑬海老を加える。
⑭ヒラタケ(キノコ)を加える。
⑮トマトを加える。
⑯プリッキーヌ(唐辛し)の小さい方を加える。
⑰砂糖を加える。
⑱ネギを加える。
⑲醤油を加える。(あればタイの醤油、ナンプラーを使おう)
⑳レモン(半分)を絞る。
*************「タジン鍋に移す」*********************
①プリッキーヌ(唐辛し)の大きい方とパクチー(香草)を乗せる。
②タジン鍋を中火に掛け、蓋をして5分程煮込む。
③出来上がり。
今回も「タジン鍋」を使ったが、タジン鍋の中で加熱された蒸気が上に行くと、この特殊な形の蓋の上部で冷やされて水滴となって戻るので、旨みと香りが凝縮されて行く。
出来上がった「トムヤンクン」を、タジン鍋の蓋を付けたままテーブルの上に置いて、蓋を開けた瞬間「香り」もご馳走なのだとつくずくと感じる。
「トムヤンクン」は簡単に作れるので、ぜひ、作って食べてみて欲しい。
この料理のポイントだが「レモン」は最初に入れると「渋い味」になってしまううので気を付けよう。
さて、次回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は、またオリーブオイルを使った料理にしよう。