前回は「シャンピ二オン」をニンニクオイルで炒めたが、今回は「シャンピ二オンソース」を使った「ステーキシャンピ二オンを紹介しよう。
この料理を初めて食べたのは、今から20年以上も前で、ベルギーの「Chat noir」(シャノワール)という、「黒猫」という名のビストロだった。
服部栄養専門学校を卒業し「調理師免許」を取得し、学校の紹介で南米のベネズエラの日本料理店に就職したが、この店では我々の仲間が現地人のコックに刺されるなど、いろいろなことがあった。
また、当時のベネズエラは、日本からの調味料はほとんど無く、味噌も醤油も豆腐も手造りで、「糠漬け」などはパン粉にビールと塩を加えて作ったり苦労も多かったがそれ以上に語学(スペイン語)等、勉強することが多かったと思う。
そのベネズェラから3年後に無事に帰国し、本格的に日本料理をやりたくなり、帰国の挨拶もかねて服部栄養専門学校に行ったところ、次の就職先として紹介してくれたのが、赤坂の料亭「田川」だった。
今の赤坂は韓国料理店ばかりの、しょぼい街になってしまったが、当時の赤坂は高級料亭も多く、夜ともなると黒塗りのハイヤーが多く見掛けられた。
日本が本当に元気だった時代で、赤坂には「ミカド」というキャバレーや、「ビブロス」という今でいう「クラブ」(ディスコ)があって、「銀座」「赤坂」「六本木」には正真正銘の粋な遊び人が多かったと思う。
南米から戻って就職した赤坂の料亭「田川」は、当時、外務省と新日本製鉄のお客さんが主体で、座るだけで5万円と言われた高級料亭だった。
今、日本では役人による接待を税金を無駄に使う「犯罪」のように言うが、官官接待が行われなくなってから、日本の経済は低迷して行ったような気がする。
何も今の中国のように役人が1本100万円のワインで乾杯する必要はないだろうが、ある程度の官官接待はいいのではないかと思う。
官官接待とは役人が役人を接待することだが、使うお金は身銭ではなくて税金だから遠慮なくどんどん使うし、もらった予算は全部使い切らないと次の予算が減らされてしまうので、毎年、必ず使い切る。
そういう接待は高級料亭に限らず一般の飲食店でも行われていたし、東京や大阪といった大都市だけではなく、もっと小さな地方都市でも同じだから飲食業界はそれなりにやってこれた。
官官接待が無くなってからは、なぜか民間の接待も自粛されるようになり、飲食業界には更なるダメージとなった。
よく日本人は外国人から「本音と建前があって理解できない」と言われるが、日本人は自分の意見を通すことよりも他人との協調を望み、会社では「建前」だが、会社帰りの「飲み会」でお酒が入れば個人的な意見や考え「本音」を語りあうことが多い。
会社では本音が言えず、「接待」の飲み会も無ければ、思いつめて良からぬ考えで自ら命を絶ってしまう人もでてくるだろう。
さて、赤坂の料亭「田川」だが、その後、ヨーロッパの「ベルギー」に支店を出すことになり、先輩達と一緒に行くことになった。
それが、10年以上に及ぶヨーロッパ生活のスタートだった。
そして、大型の「本マグロ」に出会い、それからは「マグロ」にとりつかれた人生を送ることになる。
また、話が長くなってしまったので、「ステーキシャンピ二オン」の話に戻ろう。
この料理は当時ベルギー田川の煮方をしていた田村さんに連れて行ってもらった「Chat noir」というビストロで食べた料理で、料理の技法からすればフランス料理になると思うが、シャンピ二オンを上手に使ったこのソースは、ステーキだけではなく、舌ビラメのソテーにも合うので、是非、一度作って食べてみて欲しい。
◆「ステーキシャンピ二オン」の作り方。
1)用意する物。
写真手前の左から「ステーキ用の肉」「マッシュルーム」、写真奥の左から「無塩バター」「白ワイン」「生クリーム」「塩」「黒コショー」。
2)作り方。
①マッシュルームを5~6㎜幅にスライスする。
②フライパンを弱火に掛けてバターを20g程入れる。
③バターが溶けたらマッシュルームを加えて炒める。
④白ワインを大さじ2程加えて蒸し焼きにする。
⑤ワインがほとんど無くなったら、生クリームを大さじ3程加える。
⑥「塩」を加えて味を整える。
⑦コショーを加える。
********************************************
⑦牛肉に「塩」を振る。
⑧牛肉に「コショー」を振る。
⑨テフロン加工のフライパンを中火に掛け、油を敷かずに牛肉を焼く。
⑩両面を焼き「ロゼ」に仕上げたら一口大に切り皿に盛る。
⑪シャンピ二オンソースを掛けて出来上がり。
さて、この「ステーキシャンピ二オン」に使用する牛肉だが、脂の多い高級牛肉でなく、柔らかい赤身肉の方が合うと思うし価格も安い。
ただし、焼き過ぎにないよう中心は「ロゼ」に焼き上げるようにしよう。
今回、ステーキを一口大に切ったのは、この肉の筋がとてもきつかったからで、通常は筋のところに包丁を入れて焼けばいい。
尚、この「ステーキシャンピ二オン」だが、「シャリアピンステーキ」と間違える人が多いようなので、次回は「シャリアピンステーキ」の話をしよう。
この料理を初めて食べたのは、今から20年以上も前で、ベルギーの「Chat noir」(シャノワール)という、「黒猫」という名のビストロだった。
服部栄養専門学校を卒業し「調理師免許」を取得し、学校の紹介で南米のベネズエラの日本料理店に就職したが、この店では我々の仲間が現地人のコックに刺されるなど、いろいろなことがあった。
また、当時のベネズエラは、日本からの調味料はほとんど無く、味噌も醤油も豆腐も手造りで、「糠漬け」などはパン粉にビールと塩を加えて作ったり苦労も多かったがそれ以上に語学(スペイン語)等、勉強することが多かったと思う。
そのベネズェラから3年後に無事に帰国し、本格的に日本料理をやりたくなり、帰国の挨拶もかねて服部栄養専門学校に行ったところ、次の就職先として紹介してくれたのが、赤坂の料亭「田川」だった。
今の赤坂は韓国料理店ばかりの、しょぼい街になってしまったが、当時の赤坂は高級料亭も多く、夜ともなると黒塗りのハイヤーが多く見掛けられた。
日本が本当に元気だった時代で、赤坂には「ミカド」というキャバレーや、「ビブロス」という今でいう「クラブ」(ディスコ)があって、「銀座」「赤坂」「六本木」には正真正銘の粋な遊び人が多かったと思う。
南米から戻って就職した赤坂の料亭「田川」は、当時、外務省と新日本製鉄のお客さんが主体で、座るだけで5万円と言われた高級料亭だった。
今、日本では役人による接待を税金を無駄に使う「犯罪」のように言うが、官官接待が行われなくなってから、日本の経済は低迷して行ったような気がする。
何も今の中国のように役人が1本100万円のワインで乾杯する必要はないだろうが、ある程度の官官接待はいいのではないかと思う。
官官接待とは役人が役人を接待することだが、使うお金は身銭ではなくて税金だから遠慮なくどんどん使うし、もらった予算は全部使い切らないと次の予算が減らされてしまうので、毎年、必ず使い切る。
そういう接待は高級料亭に限らず一般の飲食店でも行われていたし、東京や大阪といった大都市だけではなく、もっと小さな地方都市でも同じだから飲食業界はそれなりにやってこれた。
官官接待が無くなってからは、なぜか民間の接待も自粛されるようになり、飲食業界には更なるダメージとなった。
よく日本人は外国人から「本音と建前があって理解できない」と言われるが、日本人は自分の意見を通すことよりも他人との協調を望み、会社では「建前」だが、会社帰りの「飲み会」でお酒が入れば個人的な意見や考え「本音」を語りあうことが多い。
会社では本音が言えず、「接待」の飲み会も無ければ、思いつめて良からぬ考えで自ら命を絶ってしまう人もでてくるだろう。
さて、赤坂の料亭「田川」だが、その後、ヨーロッパの「ベルギー」に支店を出すことになり、先輩達と一緒に行くことになった。
それが、10年以上に及ぶヨーロッパ生活のスタートだった。
そして、大型の「本マグロ」に出会い、それからは「マグロ」にとりつかれた人生を送ることになる。
また、話が長くなってしまったので、「ステーキシャンピ二オン」の話に戻ろう。
この料理は当時ベルギー田川の煮方をしていた田村さんに連れて行ってもらった「Chat noir」というビストロで食べた料理で、料理の技法からすればフランス料理になると思うが、シャンピ二オンを上手に使ったこのソースは、ステーキだけではなく、舌ビラメのソテーにも合うので、是非、一度作って食べてみて欲しい。
◆「ステーキシャンピ二オン」の作り方。
1)用意する物。
写真手前の左から「ステーキ用の肉」「マッシュルーム」、写真奥の左から「無塩バター」「白ワイン」「生クリーム」「塩」「黒コショー」。
2)作り方。
①マッシュルームを5~6㎜幅にスライスする。
②フライパンを弱火に掛けてバターを20g程入れる。
③バターが溶けたらマッシュルームを加えて炒める。
④白ワインを大さじ2程加えて蒸し焼きにする。
⑤ワインがほとんど無くなったら、生クリームを大さじ3程加える。
⑥「塩」を加えて味を整える。
⑦コショーを加える。
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⑦牛肉に「塩」を振る。
⑧牛肉に「コショー」を振る。
⑨テフロン加工のフライパンを中火に掛け、油を敷かずに牛肉を焼く。
⑩両面を焼き「ロゼ」に仕上げたら一口大に切り皿に盛る。
⑪シャンピ二オンソースを掛けて出来上がり。
さて、この「ステーキシャンピ二オン」に使用する牛肉だが、脂の多い高級牛肉でなく、柔らかい赤身肉の方が合うと思うし価格も安い。
ただし、焼き過ぎにないよう中心は「ロゼ」に焼き上げるようにしよう。
今回、ステーキを一口大に切ったのは、この肉の筋がとてもきつかったからで、通常は筋のところに包丁を入れて焼けばいい。
尚、この「ステーキシャンピ二オン」だが、「シャリアピンステーキ」と間違える人が多いようなので、次回は「シャリアピンステーキ」の話をしよう。