マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(9)タジン鍋を使ってキノコを料理する。

2011年10月04日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
中国の国慶節(建国記念日)の休みも3日が過ぎたが、相変わらず上海の街はとても静かだ。

大きなショッピングモールなどは、夏物の服や靴のバーゲンセールをやっているのでお客があるが、それでもいつもの賑わいはない。

うちの店のほとんどは、オフイース街という立地にある為に、客数はいつもの30%位しかないが、日本人のほとんどが日本に帰国しているかまたは旅行に行っているし、中国人客はこの時期は家族揃って食事に行くにしても中国料理店にしか行かないので、この一週間は早めに自宅に帰って、時間がなくて見られなかった映画や日本のTVドラマの海賊版を見ながらのんびり過ごそうと思っている。

中国では、いろんな商品のコピーがあり、クラブで飲むウイスキー(シーバスリーガル)は、ほとんどが偽物だし、服や靴にしても「NIKE」のロゴが入っていても、直営店でなければ偽物ばかりだ。

ただし、海賊版のDVDについては、本当は違法なのだが、ちょくちょくお世話になっている。

なんと、ハリウッド映画の新作のDVDが一枚10元(130円)程で買えるのだ。それも、まだ日本では上映されていない映画のDVDもある。

日本のTVドラマも、そのドラマの最終回が終われば、1か月後には上海で全編を一度に見ることができるのだ。

本当は、「知的財産権」に違反するのでいけないことなのだが、中国で海賊版のDVDが出回るのは、ハリウッド映画や日本のドラマやアニメだけではなく、中国人向けにも中国の映画やドラマのDVDがたくさん売られている。

聞くところによると「世界知的所有権の日」というのがあるらしく、「世界知的所有権機関を設立する条約」が1970年の4月26日に設立したらしい。

なぜか、この日(4月26日)の近くになると、上海の海賊版のDVDを販売している店は一週間程、一斉に店を閉めるのだが、中国政府は、この「世界知的所有権の日」には知的財産を保護する姿勢を国内外にアピールしている。

この日には違法な海賊版のDVDを何千枚も燃やしている映像をTVで見掛たりもするが、しばらくすると、また店はいつものように開店している。

なぜ、中国政府は海賊版のDVDを撲滅しないのかを考えてみると、この庶民の娯楽を安く提供し続けることで、反政府の思想を持たないように国民をコントロールしいるのではないかとも思ってしまう。

日本にしても、くだらないお笑い番組を一日中TVでダラダラと流していたら、それを見ている子供は何も考える必要がなく、腑抜けになり、まともな大人にはならないだろう。

さて、また話が長くなってしまったので、今回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」の話をしよう。

今回も「タジン鍋」を使うが、この鍋は野菜を水無しでも料理できる鍋として有名だが、僅かな調味料を加えて素材を蒸すと、とても簡単に香りを閉じ込め、旨みが凝縮した料理を作ることができる。

秋には、たくさんのキノコが市場に出回るが、今回はキノコを「大さじ1程度の出汁」で蒸してみよう。

キノコはどんな種類の物でもいいだろう。特に松茸が手に入れば最高の香りを引き出せる。

◆タジン鍋を使った「いろいろなキノコのタジン鍋蒸し」の作りかた。

1)用意する物。

写真手前のトレイの中(しめじ、しいたけ、ヒラタケ、マイタケ)等のキノコ。他に、エリンギ等お好みのキノコを使えばいい。写真手前のトレイの右下「出汁に醤油を数滴垂らしてある」。写真の奥「ライム」「塩」。

2)作り方。
①タジン鍋にキノコを入れる。


②大さじ1程の「出汁」を振る。


③少量の塩を振る。


④ガス台の上に置き、弱火に掛ける。


⑤蓋をして3分程蒸す。(よい香りが出てきたら火を止める)


⑥蒸し上がり。


⑦ライムを添えて出来上がり。


写真では香りを伝えられないのが残念だが、タジン鍋の蓋を取ると部屋全体にキノコの香りが立ちこめる。
水で煮たりするとキノコの旨みが抜けるが、タジン鍋なら逆に旨みも凝縮される。

簡単に作ることができて、秋の香りを楽しめる一品だ。

さて、次回は同じキノコだが、「マッシュルーム」を使って、「マッシュルームのニンニクオイル炒め」という、スペインのバールでは定番のタパス(おつまみ)を紹介しよう。