マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(6)ダシダを使った韓国のトッポッキ風

2011年10月01日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
昨日の夜の飛行機で青島から上海に戻ってきた。

今回の加工指導は「すりみ」を使った商品なのだが、もう中国の沿岸では魚は僅かしか漁獲できないのか、原料となる「キグチ」「イトヨリ」等の魚は、小さなサイズのものばかりで、これでは手間ばかり掛かり採算も合わないような状況だ。

3年程前に中国の沿岸を厦門(アモイ)から車で北上して約10日間掛けて「舟山」「日照」「石島」、そして渤海湾を船で渡って大連まで、水産加工場や魚の養殖場を見て廻ったことがあるが、その時点でも既に原料となる魚が少ないと工場の現場の人達が話していた。

「日照」で見掛けた「あんこう」はこぶし位のサイズのものばかりだったが、あんなに小さなサイズの魚を根こそぎ獲ってしまったら、資源の枯渇は避けられないだろう。

その原因となるのが「トロール漁」で、網を海に入れて魚を囲んで獲るのだが、その網がとても細かい。

小さな魚が逃げられるように網の網目を粗くしておけばよいと思うのだが、そういう考えはまったくないようだ。

オーストラリア等では小さな魚や海老などは漁師が海に戻しているのをTV番組で見たことがあるが、人の物でも奪ってしまう国民に、小さな魚は海に戻して資源を守ろうということを言っても馬の耳に念仏だろう。

さて、今回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」は韓国の「トッポッキ」という屋台での定番の料理で、棒状のトックと呼ばれる餅をコチュジャンや砂糖を使って甘辛く炒めたものだ。

以前、大連から日本に帰国する際に、韓国のソウル経由で安い航空券を入手したのだが、トランジットでも一度空港を出て、次の日の便に乗れるのでソウル市内を食べ歩いたことがあるが、この「トッポッキ」の屋台は街のいたるところにあり、庶民に人気の料理だ。

日本では「トッポッキ」よりも「トッポギ」と呼ばれることが多いこの料理は、ちょっと甘辛い味で「おやつ」にもなり、韓国では子供から大人までに親しまれている。

通常、この「トッポッキ」はコチュジャンに砂糖を加えて味付けをするが、鶏肉、豚肉、牛肉などの肉が入らない為に味にコクがでず、何か物足りない味なので、韓国の万能調味料の「ダシダ」を少し加えるが、「ダシダ」は日本で言えば「本だし」のようなもので、これを加えることで味にコクと旨みが出てくる。

「ダシダ」のことを知らない人の為に少し補足しておくが、「ダシダ」とは、牛肉の他に「ニンニク」や「タマネギ」などを加えて顆粒状にした調味料だ。

ただし、MSG(グルソー)という化学調味料がたくさん含まれているので、隠し味程度に使うのがいいだろう。

下が「ダシダ」のパっケッジーの写真

「ダシダ」というネーミングが面白いが、どうやら日本語の「出汁」からではなく、「舌鼓を打つ」という韓国語が語源のようだ。

さて、この料理に無くてはならないトックと呼ばれる餅だが、韓国系のスーパーに行っても市販品が見つからないので、自宅で作る時にはもっぱら小麦粉に水を加えて「すいとん」にしてトックの替わりに入れている。

韓国のトックは「もち米」ではなく、「うるち米」が原料だが、小麦粉の「すいとん」を使った方が、逆に味がよく染み込み、自分では「すいとん」の方が美味しいのではないかと思う。

それでは、早速、作り方を紹介しよう。

◆「ダシダを使った韓国のトッポッキ風」の作り方。

1)用意するもの。

写真手前の左から「長ねぎ」「小麦粉」。写真中央の左から「チンゲン菜」「しいたけ」「えのき茸」「キャベツ」「玉ねぎ」「ヨード卵」。写真奥の左から「ダシダ」「コチュジャン」「砂糖」。

2)作り方。
①ボウル等に小麦粉を入れる。


②小麦粉の半分の量の水を加える。


③混ぜ合わせて耳たぶくらいの固さにする。


④ラップをして休ませる。


⑤玉ねぎを大き目のクシ型に切る。


⑥キャベツを食べやすい大きさに手でちぎる。


⑦長ネギを5㎜幅で小口切りにする。

下は切りそろえた野菜の写真。


⑦鍋を火に掛け湯を沸かし「コチュジャン」を大さじ1強入れる。


⑧砂糖を大さじ1加える。


⑨ダシダを小さじ1加える。


⑩鍋にキャベツを入れる。


⑪ネギを加える。


⑫しいたけを加える。


⑬えのき茸を加える。


⑭すいとんを手で平たく伸ばす。


⑮すいとんを鍋に入れる。


⑯チンゲン菜を入れる。


⑰鍋の中心に卵を落とす。


⑱出来上がり。


⑲器に盛って熱々を食べよう。


さて、今回は韓国系のスーパーで購入した市販品の「コチュジャン」を使用したが、「コチュジャン」は自分で作った方が美味しいので、少し面倒だが自分で作ってみてはどうだろう。1年以上も日持ちがするし、いろいろな料理にも使えて便利だ。(8月27日のブログを参照)



◆コチュジャンのつくり方

1)材料
米麹味噌  1000g
醤油     150CC
みりん    700CC
はちみつ   300CC
とうがらし   200g
砂糖      200g

2)作り方
①鍋に米麹味噌、醤油、みりん、はちみつを入れ弱火に掛ける。
②フイッパーやヘラを使って焦がさないようによく混ぜ合わせる。
③沸騰してきたら火を止める。
④唐辛子を加えながらよく混ぜ合わせる。
⑤更に砂糖を加えながらよく混ぜ合わせる。
⑥冷めたら保存用のタッパーに移す。

今回はトックの替わりに「すいとん」を使用したが、味付けは薄味にした方が「すいとん」には合うだろう。

また、その場合には「醤油」を少量く加えるといいだろう。

さて、次回も「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」の話をしよう。