マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

いろいろなヤムサラダを作ってみよう。(4)まぐろヤム

2013年05月17日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
ここのところバンコクは雨がほとんど降らずに真夏日が続いているが、雨が降らないのはバンコクだけではなくタイの広範囲のようで特に農家には大打撃のようだ。

雨が降らないせいで果物の成長も悪く、「ランブータン」等はしかたなく小ぶりのままで収穫しているようだが、粒が小さいだけでなく収穫量も昨年の半分以下のようだ。

ちなみにタイの雨季は7月~10月だが、こう雨が降らないと野菜等も高騰してしまうのではないかと心配だ。

さて、昨日の午前中に「魚やす」タニヤ店の工事の進捗状況を確認しに行ったのだが、雨が降らないのに工事がだいぶ遅れているようで、6月1日に1階、2階、3階と同時OPENはできそうもないと思う。

しかたなく6月初旬に1階部分だけの仮OPENということになりそうだ。



雨が降らなくても工事が遅れ、雨が降っても工事が遅れて、この国には工事の納期という概念が日本とはちょっとずれているようだが、これも「マイペンライ」(気にしない。気にしない)のお国柄なのだから仕方ないとしても、毎月の家賃の支払いの多さをもう少し理解してくれたらと思ってしまう。

さて、今回もちょっと変わったサラダを紹介しよう。

生のマグロを使ったヤムサラダだが、マグロに絞って掛けるマナオ(ライム)がマッチしてとても清涼感のあるサラダなので、こんなに暑い日が続く時には、ぜひ、実際に作って食べてもらいたいと思う。

また、この料理はタニア店のOPEN後はいつでもお店で食べられるので、お店がOPENしたらお立ち寄りいただきたいと思う。

◆まぐろヤムの作り方。

<用意する物>

写真手前から「まぐろ」(約1㎝のダイスカット)。写真中央の左から「パクチーファラン」、「ナンプラー」、「唐辛子」(プリック)。写真奥の左から「万能ネギ」、「ホムデーン」、「ライム」(マナオ)。

<作り方>
①ボウル等に約1㎝角に(ダイスカット)した「まぐろ」を約50g入れる。


②ナンプラーを大さじ1加える。


③唐辛子(プリック)の小口切りを大さじ1加える。


④パクチーファランをひとつかみ加える。


⑤万能ネギを3㎝幅に切ったものをひとつかみ加える。


⑥ホムデーンを一ひとつかみ加える。


⑦マナオ(ライム)を1個分絞って加える。


⑧味の素を小さじ1/2加える。


⑨混ぜ合わせる。


⑩皿に盛る。


⑪完成写真。


さて、いよいよ「タニア店」のOPENの為の準備に入らなければならない時期に入ったので、このブログの更新も少しお休みさせていただくが、今回のお店には「新メニュー」も多いので、次回のブログから「新メニュー」を幾つか紹介していこう。。。




いろいろなヤムサラダを作ってみよう。(3)塩辛ヤム

2013年05月15日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
バンコクはここのところまったく雨が降らずに真夏日が続いている。

日中は40℃を超す暑さで外に出ると直ぐにシャツが汗でにじばんでくるほどで、クーラーが効いた部屋からなかなか出られないよう状況だ。

そんな中、以前にもこのブログで紹介した「魚やす鮮魚店」を5月11日(土)にOPENすることができた。



たくさんの方々から「お花」もたくさん頂戴し、また、OPEN初日には多くのお客様が来てくれて、狭い店舗の中に入れずこの暑さの中、外で待ってくれたお客様もいて感謝の気持ちでいっぱいだ。

特に「塩鮭」「酒の粕漬」「鰆の西京漬」「鯖の塩麹漬」等の自家製の商品は、それぞれ100枚以上を仕込んでおいたものの5月11日(土)と5月12日(日)の2日間ですべて完売となった。



今では「対面販売」の魚屋は日本でも少なくなってしまったが、刺身等は包丁で切ってからパックして長時間置いたたものと、その場で切って直ぐに家に持ち帰って食べるのでは鮮度も味もあきらかに差が出るので、これからは是非、「魚やす鮮魚店」にて購入してもらえたら美味しい刺身を自宅でも食べられると思う。

さて、今回の料理は「塩辛ヤム」を紹介しよう。

使用する材料は日本産の「イカの塩辛」で、これに「にんにくのみじん切り」と「生の唐辛子の小口切り」と「ライムの絞り汁」を加えて混ぜるだけで簡単に直ぐにできる一品だ。

これを薄くスライスしたキューリに乗せて食べるのだが何とも言えず美味しい。

タイ人も大好きで、特にタニアのカラオケ(クラブ)のホステスには大好評だったので、今回、6月にOPENする「魚やすタニヤ店」のメニューにも加えることにした。

尚、タイ人が作るタイ料理にはどんな料理にも「味の素」を加えることが多いが、既に市販されている「イカの塩辛」の中には既に味の素が含まれている場合が多いので特に入れなくてもいいだろう。

また、タイ人で特にイサーン等から出稼ぎに来ているホステスさん達は「生の唐辛子」をたっぷり入れた物を好むが、日本人は辛い料理が苦手な人が多いので、辛いのが苦手な人は、まず唐辛子を縦に切って「種」を取り除いてからお好みで少量を加えるようにしてすればいいだろう。

それでは早速作ってみよう。

◆「塩辛ヤム」の作り方。

<用意する物>

写真手前から「キューリ」(スリットを入れてある)。写真中央の左から「唐辛子」、「ニンニク」、「味の素」。写真奥の左から「ライム」(マナオ)、「イカの塩辛」(日本産)。

<作り方>
①キューリを薄くスライスする。


②スライスしたキューリを皿に並べる。


③ボウル等にイカの塩辛を50g程入れる。


④唐辛子(プリック)を小口切りして大さじ1加える。


⑤ニンニクのみじん切りを大さじ1/2加える。


⑥ライム(マナオ)を1個分を絞って加える。


⑦味の素を小さじ1/2加える。


⑧混ぜ合わせる。


⑨皿の中央の小鉢に盛る。


⑩完成写真。(塩辛をキューリの上に乗せて召し上がる。)


この料理は見掛けと味が全く違うので、一度は実際に作って食べてみて欲しい。

ライムをたっぷり絞って加えるととても爽快な味となる。

さて、次回は「まぐろヤム」を作ってみよう。。。


いろいろなヤムサラダを作ってみよう。(2)エノキヤム

2013年05月08日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
日本もゴールデンウイークが終わりいつもの生活のリズムに戻っていることと思うが、ここバンコクでもやたら暑いことを除けば街中に車もあふれ、いつも通りに街中の屋台も営業を始めている。

ただし、お休みで皆さんお金を使ってしまったのか飲食店の景気はいまいちのようだ。

さて、先日、「マナオ」さんからコメントをいただいたが、「ラ-プ」というのは語感がラオス語で「幸福」に通じるようで、タイ人に聞いても「大きな塊の肉を小さく切ったサラダ」とかの答えしか出ないと思う。

また、タイのイサーン語とラオス語はとても似ているので、タイのイサーンに住んでいる人達はラオス語を理解できるかと思うがそうではないらしい。

しかし、タイと隣国のラオスは今ではそれぞれ独立国で言語も違うが、そもそもはどちらも「ラオ族」でいわば家族か兄弟のようなものだ。

現在、ラオスには700万人程の人口がいるが、ラオ人はラオス以外に約2000万人いるという。

それでは、どこにいるかと言うと、ラオスと国境を隣接するタイのイサーンに住んでいる。

つまり現在、イサーンに住んでいる住民のほとんどはラオ人の子孫なのだ。

それでラオスの料理とイサーンの料理は同じような料理が多く、ラ-プはタイの東北料理と思っている人も多いと思うが、ラオスへ行けば「ラープ」は結婚式やお正月といった御めでたい時には欠かせない料理となっている。

そして、タイ人でも宝くじの抽選日には必ず「ラープ」を食べる人がいるという。

もちろん宝くじが当たるようにげんをかついでのことだと思って、なぜ「ラープ」を食べるのか、イサーンから働きに来ているうちの店のスタッフに聞いてみたところ「幸運」(ラッキー)のことをタイ語で「チョーク・ラープ」と言うのだそうだ。

料理のラープとスペルは違うがこれも語感が「幸運」に似ているので「ラープ」を食べて『宝くじが当たりますように』ということだろう。

ちなみに日本では試験や試合の前に「トンカツ」を食べて試験や試合に『勝つ』と似たようなものだと思う。

さて、今回の料理だがヤムサラダの続きとして「エノキヤム」を作ってみよう。

ヤムはタイ語でサラダのことなので、つまりは「エノキのサラダ」のことだが、エノキだけでは物足りないので今回は「海老」も加えることにするが、他にイカ等お好みの具材を加えてみるのもいいだろう。

◆「エノキヤム」(エノキのピリ辛サラダ)の作り方。

<用意する物>

写真手前の皿から「レタス」(飾り用)、「エノキ」、「海老」。写真奥の手前から「シロップ」(砂糖水)、「ナンプラー」、「プリック」(生の唐辛子)、写真奥の後ろ左から「パクチー」(コリアンダー)、「万能ネギ」、「マナオ」(ライム)、「ホムデーン」(紫たまねぎ)。

<作り方>
①海老の皮を剥き半分に切る。


②エノキの石づきを切り取り子房に分ける。


③鍋に湯を沸かす。


④海老をさっと茹でる。


⑤冷水に取らず温かいまま皿などに上げておく。


⑥次にエノキをさっと茹でる。


⑦ザルに上げて水切りする。


⑧ボウル等にエノキを温かいまま入れる。


⑨ナンプラーを大さじ1.5加える。


⑩シロップ(砂糖水)を大さじ1加える。


⑪生の唐辛子の小口切りを大さじ1~1.5(辛いのが好きならば)加える。


⑫ホムデーンのスライスをひとつかみ加える。


⑬万能ネギを3㎝位に切ったものを、ひとつかみ加える。


⑭パクチー(コリアンダー)をひとつかみ加える。


⑮マナオ(ライム)を1個分絞って入れる。


⑯味の素を小さじ1加える。(入れなくても良い)


⑰混ぜ合わせる。


⑱海老も加えてさっと和える。


⑲皿に飾り用のレタスを敷き盛り付ける。


⑳完成写真。


さて、何度も書いたが和え物やサラダはソース(ドレッシング)を加えたらさっと混ぜ合わせて直ぐに食べよう。

いつまでも置いとくと野菜から水が出てべシャッとした食感になってしまうし、味も水っぽくなってしまう。

また、酸味(マナオ)と辛さ(プリック)はお好みで調整してもらいたい。

タイでも特に東北のイサーンの人達は辛いのが好きで、このサラダにも「これでもか」と言う程の唐辛子を加えて食べる。

バンコクではちょっと甘い味が好まれるようで、また、南に行くと濃い味が好まれるようでタイでも地域によって味の好みが違うが、日本も関東、関西、東北では味の好みがまったく違うので、どこの国でもちょっと地域が違うだけで味の好みが変わってくるのだろう。

さて、次回も「ヤムサラダ」を作ってみようと思うが、日本の「イカの塩から」を使った「塩からヤム」を紹介しよう。。。




















イタリア人でも食べられる「味噌おでん」

2013年05月06日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
5月に入り日本はゴールデンウイークもそろそろ終わりUターンラッシュになっている頃だと思うがタイも休日が続いている。

5月1日は日本と同じく勤労感謝の日(メーデー)だが、タイの場合には5月1日は国が定めた休日ではないものの、一般企業はほとんどお休みとなっているようだ。

そして、5月5日(土)が戴冠記念日 (国王即位記念日)で、現国王の「ラーマ九世、プミポーン国王」が戴冠式を行った日を祝う祝日だが、5月5日が土曜日なので5月7日の月曜日が振り替え休日となり、5月5日から5月7日まで3連休となっている。

休日が続きお客さんもいつもよりは少ないので、「ぶんたろう」さんから依頼のあった「イタリア人でも食べられる味噌おでん」を作ってみようと思う。

いろいろレシピを考えてみたが、その中に「味噌おでん」ではないが絶対にイタリア人でもBUONO BUONO(美味しい)と言うと思う一品が出来たのでまずはその料理を紹介しよう。

◆チーズふろふき大根

<作り方>

①大根を2㎝の筒切りにして面取りして下茹でする。
 (以前、電レンジを使用した簡単な方法も説明したと思う。)

②おでん出汁で大根をふっらと煮る。


③小鉢に盛り、大根の上かに溶けるチーズ(今回はモッツアレーラを使用した。)を盛る。


④電レンジで1分間加熱する。


⑤チーズの上に一味唐辛子を振る。


⑯完成写真


この「チーズふろふき大根」は日本の香り豊かな「かつを出汁」とチーズの組み合わせの良さが自分でも新しい発見だった。また、アクセントの一味唐辛子もチーズを引き立てている。

機会があればイタリア人にも食べもらい感想を聞きたいと思う。

さて、もう一品、「田楽」系のイタリア人でも食べられる「味噌おでん」だが、「クリームチーズ」を使ってみることにした。

おでんの方は「コンソメ」や「チキンスープ」等で煮込むことも考えたが、それでは「おでん」ではなくなってしまうのではないかと思い、「おでん出汁」で具材を煮込むことにした。

今回の「おでん出汁」の配合は、「出汁10:みりん1:うすくち醤油0.8」としたが、関西風の味付けが好きならば出汁を12から15にしてみるといいだろう。

ちなみに「チーズふろふき大根」の出汁もこの「おでん出汁」と同じ配合にした。

それでは早速作ってみよう。

◆チーズ田楽味噌おでん

<用意する物>

写真手前から「大根」、写真中央の左から「すり身のつみれボール」(タイ産)、黒こんにゃく、さつま揚げ、竹輪、厚揚げ、揚げボール。写真奥の左から「ミルク」、「クリームチ-ズ」、かつを出汁、赤みそ、白みそ。

<作り方>

①大根を一口大に切ってボウルに入れ、水をひたひたになるまで加える。


②ラップをする。


③電子レンジに入れる。


④電子レンジで5分間加熱する。


⑤こんにゃくを棒で叩いて柔らかくする。


⑥こんにゃくに浅く切り込みを入れる。(両面)


⑦一口大に切る。


⑧さっと茹でて臭みを取る。


⑨厚揚げもさっと茹でて余分な油を抜く。


⑩他の具材も一口大に切って串に刺す。


⑪こんにゃくと油揚げも串に刺す。


⑫鍋にかつお出しを入れて火に掛けみりんを加える。


⑬うすくち醤油を加える。


⑭具材を鍋に入れる。


⑮弱火にしてじっくり煮る。


⑯ボウルに味噌(赤3:白7)を大さじ3とクリームチーズ大さじ3を混ぜ合わせる。


⑰出汁大さじ2で伸ばす。


⑱更にミルク大さじ1~2を加えて伸ばす。


⑲鍋におでんを入れてチーズ田楽味噌を添える。


さて、今回の田楽味噌には「クリームチーズ」を加えてみたが、あまりクセの無いチーズで塩分の少ないチーズを選ぶといいだろう。

味噌とチーズの組み合わせがこんなに良いと驚かされる。

この「チーズ田楽味噌おでん」も機会があればイタリア人に食べてもらいたい一品だ。

さて、次回は「ヤムサラダ」の続きで「エノキヤム」を紹介しよう。。。



和食の味わい深い「フォアグラ大根」を作ってみよう。

2013年04月05日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
バンコクは日増しに暑くなり、ソンクラン(タイの旧正月)が近くなり、4月13日から16日までの休みを前に既に帰郷を始めた人が多いのか、バンコク市内は車も少なくひっそりとした感じだ。

このソンクランの時期には仏教徒の多いタイでは昔から仏像に水をかけてお清めをしたり、家族揃って大掃除をするのが習わしだが、今では誰それ構わず水を掛け合う「水かけ祭り」となってしまい、大きな水鉄砲を持った連中やピックアップトラックの荷台に水入りのドラム缶を積んで水を掛け合うバカ騒ぎとなり、この期間中は外出しようものなら帰りは水でビシャビシャとなってしまう。

ただし、実際にソンクランの時期は1年で一番暑い時期なので、一緒になって水を掛け合うのも1年に一回の行事として楽しむのもいいのではないかと思う。

さて、今回は「フォアグラ大根」を作ってみることにしよう。

ずいぶんと長い間ブログの更新ができなかったが、実はまたテレビの料理対決があり、幾つもの創作料理を考え試作を繰り返していたが、たまたま「フォアグラ」を使った料理の試作も行っていた。

番組の収録は先週だったが、試作に使った「フォアグラ」がたくさん残っていたので、今回はそれを使ってみるが、この「フォアグラ大根」という料理はフォアグラをたくさん食べるフランス人を絶対に唸らせることができる日本料理だと思う。

柔らかくかつお出汁で似たさっぱり煮た大根と、バターのように濃厚な味わいのフォアグラの組み合わせは最高だと思う。

なかなか家庭では「フォアグラ」を入手することができないと思うが、もし手に入るようであればぜひ作ってもらいたいと思う。

また、「フォアグラ大根」は「魚やす」の5月からの新メニューに加えようと思っているので、食べたい人はお店までお越しいただきたいと思う。

それでは早速、作ってみよう。

◆「フォアグラ大根」の作り方。

<大根の下処理>

①大根を1㎝位の輪切りにする。


②大根の皮を剥く。


③大根の角を面取りする。(上下)


④十文字に隠し包丁を入れて火が通りやすいようにする。(上下)


⑤鍋に水(必ず水から)を入れ火に掛け大根を加える。


⑥米を少量加える。


⑦竹串がス~っと入るように茹で上がったら流水で洗う。


⑧かつお出汁に酒、みりん、醤油、塩で味を整え大根を加えて更に味が染み込むまで茹でる。


<フォアグラの下処理>

①フォアグラ(今回はガチョウのフォアグラを使用)を1㎝幅に切る。


②軽く塩を振る。


③軽くコショーを振る。


④フォアグラの両面に軽く小麦粉をまぶす。


⑤フライパンを強火に掛けてサラダ油を敷く(弱火だとフォアグラが全部溶けてしまう。)


⑥フォアグラの両面を各2分位づつこんがりと焼く。


<照り焼きソースを作る>

①フライパンを中火に掛けて酒を大さじ3加える。


②みりんを大さじ3加える。


③醤油を大さじ3加える。


④砂糖を大さじ1/2加え照りが出るまで煮詰める。


<白髪ネギを作る>

①長ネギの白いところを4㎝幅に切る。


②中心の芯のところを取り除き、千切り(細く白髪ネギ)に切る。


③水にさらす。


<盛り付け>

①皿に大根を盛り、フォアグラを乗せる。


②フォアグラの上にワサビを塗る。


③照り焼きソースを掛ける。


③白髪ネギを乗せる。


④木の芽を飾る。


⑤完成写真。


さて、長い間ブログの更新ができなかったが、テレビの料理対決の放映後には実際にこの料理対決で作った料理を再現しながら紹介して行こうと思う。

放映はたぶん一か月後位になるのではないかと思うので、次回はまた電子レンジを活用した料理を紹介しよう。






明けましておめでとうございます。まずは年初めに「魚やす特製のお雑煮」を紹介しよう。

2013年01月02日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
皆様、明けましておめでとうございます。

さて、昨年は「魚やす」にはたくさんのお客様にお越しいただいたが、今年も元旦から満席となり年明けから良いスタートとなった。

今年も多くのお客様に育てられ、皆さんに親しまれるお店にしたいと思う。

そして、今年も是非このブログに立ち寄っていただきコメントを送っていただきたい。

まずは年初めにあたり、今回は「魚やす特製のお雑煮」を紹介しよう。

◆「魚やす特製のお雑煮」の作り方

<用意する物>4人前
大根      1/4本
ニンジン    1/2本
しいたけ    4枚
ほうれん草   1/4束
鶏モモ肉    200g
海老       4尾
ナルト      4枚
切り餅     8個

出汁      800ml
みりん     大さじ2
醤油      大さじ2
塩        少々 

<作り方>下処理

①大根、ニンジンは皮を剥き「いちょう」に切る。椎茸は1個を十文字に4つに切る。
②ほうれん草は熱湯でさっと茹で、冷水に取り水気を絞って4㎝に切る。
③鶏のモモ肉は2㎝角に小さく切る。
④海老は頭を残したまま皮を剥き、さっと茹でて冷水に取りザルに上げておく。
⑤ナルトは薄く切る。
⑥切り餅は網の上にのせ、何度かひっくり返しながら焼く。

<作り方>本調理

⑦鍋を弱火に掛けて出汁、みりん、しょうゆを入れ、大根、ニンジン、椎茸を加える。
⑧野菜に火が通ったら鶏モモ肉を加える。
⑨具材に火が通ったら塩で味を整える。
⑩焼いた餅を加える。



⑪餅が柔らかくなったら、海老を加えてさっと煮る。
⑫お椀に盛り、ほうれん草とナルトを添える。

下が完成写真。(熱々を召し上がろう)


さて、昔からの諺(ことわざ)に「魚は大名に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ」というのがある。

これは魚を焼く時のコツを表したものだが、貧乏人はいつもお腹をすかせているので、魚を焼く時にもせっかちに何度もひっくり返して、焼き加減を点検したくなる。

一方、大名はでんと構えているので魚を焼く時には何度も返したりはしない。

この「魚は大名に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ」というのは、この諺どうりで、どちらも適切な焼き方だ。

料理屋では、魚を焼く時には「表六分に裏四分」といういい方が古くからあるが、実際に表をちょうど六分、裏を4分焼きなさいという意味ではなく、魚を焼く場合には何度も返さずにじっくり焼き、返すのは1度だけでいいということだ。

乞食のように何度も返すと皮が剥げてしまったり、身くずれをおこしてしまう。

そうならないように、最初は半分以上(六分)に火を通すようにし、何度も返してはいけないという意味だ。

一方、餅を焼く時には焦げないように、弱火でゆっくり中まで火を通すのがポイントだ。

その為には乞食のように何度も裏表を返しながら焼くのがコツとなる。

この「魚やす特製のお雑煮」は、1月1日(元旦)~3日まで、お店に来られたお客様に無料サービスで召し上がってもらっている。

もし、バンコクに住んでいる方で、このブログを見られた方は「魚やす」に足を運んでいただきたい。

今年もたくさんの料理をこのブログで紹介して行こうと思う。。。

































  

魚やすの新メニュー(3)黒酢の酢豚

2012年12月30日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
2012年も今日でいよいよ大晦日を迎えた。

一昨年の12月に中国での5年の生活に終止符を打ってバンコクに来たが、今年は念願の「魚やす」をOPENすることができ、また、多くのお客様にご来店いただいて感謝の気持ちでいっぱいだ。

また、このお店に出資をしてくれたオーナーの方々、素晴らしい食材を提供してくれている仕入れ業者の皆様、綺麗な素晴らしい広告を作ってくれる広告媒体の関係者など、皆様の温かなご協力があって「魚やす」がこのように晴れやかな気持ちで年の瀬を迎えられることにも、感謝したいと思う。

そしてこのブログに立ち寄ってくれる方々に、『ありがとう』の気持ちをお伝えしたい。

実は、今日はお店の営業が終わってから店のスタッフ達とささやかなパーティーを企画している。

タイ語もよく分からない、頑固で頭の固い自分のような料理長の下で、文句も言わずによく半年間頑張ってくれたと思う。

特に調理スタッフの連中とは「IRON CHEF」に参加することになり、店で何度も料理の試作を繰り返したりもして、本当にたのしい時間を過ごせたと思う。

年末で既にお休みしているお店が多い中、大晦日まで頑張ってくれているお店のスタッフ達にも感謝したいと思う。

そんな気持ちを察してくれた多くの方々から下のように「プレゼント」の品が続々とお店に届いている。



今夜の店の営業後のパーテーでは、お店のスタッフ達と「くじびき」をして、これらのプレゼントを渡すことになっている。

「プレゼント」を提供してくれた方々にも深く感謝致したい。

さて、今年の最後の料理は「黒酢の酢豚」を紹介することにしよう。

酢豚はケチャップを使ったレシピが多いが、黒酢を使った酢豚はさっぱりして、大人にはこちらの方がおすすめだ。

尚、酢豚に「缶詰め」のパイナップルを入れて、パイナップルのパパイン酵素で豚肉が柔らかくなりますなどと平気な顔で言っているTVの料理番組があるが、パイナップルは加熱すると酵素は死活してしまう。

もし、パイナップルを加えるなら生の物を使わないと意味がないが、そもそも酢豚にはパイナップルは合わないと思うので今回のレシピには使っていないが、野菜も加えずに「豚肉」だけでも美味しい。

ポイントは、黒酢ダレの配合だが、黒酢1:醤油1:酒1:砂糖1、で全て1づつなので覚えやすいと思う。

この配合で作ってみて、ちょっと甘いなと感じたら、砂糖を0.8にするといいだろう。

作り方はとても簡単なので、正月料理に飽きたら、ぜひ、作ってみて欲しい。

バンコクに居る方なら、「魚やす」の12月からの新メニューに入っているので、お店までお越しいただいて召し上がってもらいたい。

それでは早速、作ってみよう。

◆黒酢の酢豚の作り方。

<作り方>豚肉の下処理(材料:一皿分)

①豚の肩ロース150gは厚さ2㎝程で一口大に切り、筋に近いところに包丁を入れておく。

②ボウルに①の豚肉を入れ、酒を小さじ1、醤油を小さじ1を加えて指先で揉み込む。

③溶き卵大さじ1(1/4個分)を加えて更に揉み込んでから片栗粉小さじ1をまぶす。

④160℃~170℃の低温の油の中にいれ、そのまま温度を上げていき、180℃位になってカラっと揚ったら鍋から取り出しておく。



<用意する物>



写真手前の左から、水溶き片栗粉、生姜のみじん切り、ニンニクのみじん切り、先に揚げておいた豚肉。写真奥の左から、玉ねぎ、赤、緑、黄色のピーマン、椎茸、合わせ調味料。

※合わせ調味料の配合(黒酢1、醤油1、酒1、砂糖0.8)

<作り方> 本調理

①フライパンを弱火に掛けてサラダ油を大さじ1入れる。


②ニンニクのみじん切りを加える。


③生姜のみじん切りを加える。


④ニンニクと生姜をよく炒める。


⑤ニンニクと生姜の香が立ってきたら、中火にして野菜を加える。


⑥野菜を1~2分炒める。


⑦酒を加えて更に1分程炒める。


⑧野菜に7分程火が入ったら揚げておいた豚肉を加える。


⑨調味料を一度に加える。


⑩水溶き片栗粉を小さじ1~小さじ2加えてとろみをつける。


⑪最後にお好みでゴマ油を小さじ1/2~小さじ1を加える。


⑫皿に盛って出来上がり。


さて、今年、「IRON CHEF」に出場する為に「食器や調理器具」を購入しに3日程、日本に一時帰国した際に東京駅で下記の看板を見掛けた。

HONDAの広告だが、とても感動した。



がんばっていれば、いつか報われる。

持ち続ければ、夢はかなう。そんなのは幻想だ。

たいてい、努力は報われない。たいてい、正義は勝てやしない。たいてい、夢はかなわない。

そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。

けれど、それがどうした?スタートはそこからだ。

技術開発は失敗が99%。新しいことをやれば、必ずしくじる。腹が立つ。

だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。

さあ、きのうまでの自分を超えろ。

きのうまでのHondaを超えろ。

負けるもんか。


*****************************************

皆様のおかげで、「魚やす」も少しづつではありますが成長をすることができました。

今年は本当にいろいろとお世話になりました。

来年もよろしくお願い致します。



















魚やすの新メニュー(2)牛肉とピーマンと筍の細切り炒め

2012年12月28日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
早い物で、今年も残すところあと2日となった。

「魚やす」のOPENが今年の6月22日だったが、あっと言う間の半年だった。

そして、今年も多くの料理を作ったが、特にこのブログでも紹介した「タイ料理」は香辛料の使い方が絶妙でとても勉強になった。

さて、今回紹介する「牛肉とピーマンと筍の細切り炒め」は青椒肉絲(チンジャオロースー)とも呼ばれていて、以前、このブログでも本場中国の辛いピーマンを使ったレシピを紹介したが、今回はピーマンの代わりにパプリカを使って、また、食感にアクセントをつける為に筍も加えることにした。
もちろん筍を加えることで、食感だけではく筍の旨さが加わることになる。

また、今回は油通しをせずに、すべてフライパンで炒めて調理することにした。

油通しとは、肉類は低温の油(140℃~150℃)、また、野菜類は高温の油(180℃~190℃)にさっと入れてから調理する方法だが、家庭では油通しだけの為にたくさんの油を用意するのはもったいないし、フライパンだけでの調理でも油通しした場合と同じように美味しくできるので、全く問題はない。

ただし、弱火で炒めた肉に7分程火が入ったら、中火にして野菜を加えて炒め始めたら調味料をスピーディーに入れてさっと炒めよう。

弱火でだらだら炒めると、野菜から水分が出てべシャっとした食感になってしまうので気をつけよう。

さて、これから年末年始に掛けて、年越し蕎麦やお寿司、それにおせち料理にお雑煮などを食べることが多くなると思うが、毎日続くとさすがに飽きてしまうだろう。

そんな時には、この「牛肉とピーマンと筍の細切り炒め」を作ってみて欲しい。

前にも書いたが、中国の青椒肉絲(チンジャオロースー)は、とても辛いが、この料理は辛くないので子供からお年寄りまで誰にも好まれる味だと思う。

それでは早速、作ってみよう。

◆牛肉とピーマンと筍の細切り炒めの作り方。
<用意する物>

写真の左側の牛肉に使用する調味料。(牛肉のモモ肉又は肩ロース肉 100g、酒 大さじ1、醤油 小さじ1/2、卵白 1/4個分、片栗粉 小さじ1、サラダ 油小さじ1/2、塩・コショー少々)
写真右側の本調理に使用する野菜と調味料(緑、黄、赤色のピーマンの細切り 合計で150g、筍 50g、生姜のみじん切りとニンニクのみじん切り 各小さじ1、オイスターソース大さじ1、醤油小さじ1、酒大さじ1、ゴマ油小さじ1、塩・コショー少々)

<作り方> 牛肉の下処理
①牛肉を7㎜角で5㎝の細切りにしてボウルに入れ、酒を大さじ1加える。(野菜も同じ太さと長さに切り揃えておく。)


②塩を少量加える。


③コショーを少量加える。


④醤油を小さじ1加える。


⑤指先で揉みながら味をなじませる。


⑥卵白を大さじ1(1/4個分)を加える。


⑦片栗粉を加える。


⑧更によく揉みこむ。


⑨サラダ油小さじ1/2を加えて混ぜて、牛肉をコーティングする。


<作り方> 本調理

①フライパンを弱火に掛けてサラダ油を大さじ1加える。


②ニンニクのみじん切りを小さじ1加える。


③生姜のみじん切りを小さじ1加える。


④牛肉を加える。


⑤牛肉に7分程火が入ったら中火にして筍を加える。(ここからはスピーディーに調理しよう)


⑥ピーマンを加える。


⑦塩を少量加える。


⑧コショーを少量加える。


⑨酒を大さじ1加える。


⑩醤油を小さじ1加える。


⑪オイスターソースを大さじ1加える。


⑫ゴマ油を小さじ1加える。


⑬皿に盛って出来上がり。


この料理は、12月から新メニューとして「魚やす」のメニューにも入っているので、実物はお店に来ていただき、召し上がっていただきたいと思う。

さて、次回も誰もが好きな中華料理の話をしよう・・・



タイの鯵(プラトゥー)がマグロの卵を産むかも?

2012年12月28日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
バンコクではクリスマスも過ぎて、大手の企業では今日(12月28日)が仕事納めの会社が多いようだが、既にお休みに入った会社が多いようで、日本と同じように田舎に帰る帰省客でバスターミナルや鉄道の駅の混雑ぶりがTVのニュースで放映されている。

うちの店は年末年始は休まずに営業するが、お休みに入って街中に車が少なくなっているにもかかわらず多くのお客様がお店に来てくれて、とてもありがたいと思う。

さて、前回は「アジのなめろう」の作り方を紹介したが、実はタイにも「プラトゥー」という鯵に似た魚があり、下の写真のように蒸した物が屋台などで売られている。



既に蒸しがっているのでそのまま食べることもできるが、更に揚げたり焼いたりして、ソムタム(青パパイヤのサラダ)に混ぜたり、ナンプラーを掛けても食べても美味しく、何より価格が一尾30バーツ(約90円)と驚く程安い。

また、この魚はどこの屋台で見ても首を折ってあり、お辞儀をしているようになっているが、サバは腐りやすいので、首を折って血抜きをしてあるからだろう。



タイではこの魚「プラトゥー」を「ナムプリック」という味噌や玉ねぎ、唐辛子、ライム、砂糖等を混ぜて臼でトントンと潰したソース(ディップ)を付けて、生野菜も添えて食べるが、干し海老を加えた物は「ナムプリック・カピ」と呼ばれ「プラトゥー」を食べる時には特に好まれているようで「海老の塩辛ペースト」と言うと分かりやすいだろう。

この「プラトゥー」という鯵によく似た魚だが、実際に食べてみると「鯵」ではなく「鯖」のような味がする。

見掛けが鯵に似ているので、鯵だと思っている人が多いと思うが、この魚は和名で「グルクマ」というサバの仲間で、沖縄県など西日本や東南アジア、インド洋等の温かい海に広く分布している。

さて、この「プラトゥー」が鯵ではなく「鯖」の仲間と分かったところで、表題の(プラトゥー)がマグロの卵を産むかも?の話をしよう。

現在、マグロの養殖技術が進歩して、既に卵を孵化させる「完全養殖」に成功したことはニュースでも大きく報じられたので知っている人も多いと思うか、実は最近サバにマグロを産ませる(借り腹技術)というのが話題になっている。

この研究をしているのは「東京海洋大学」で、既にヤマメにニジマスを産ませることに成功していて、近いうちには同じように鯖にマグロを産ませることが可能になるようだ。

まぐろは鯖の仲間なので、鯖にマグロを産ませることが可能ならば、理論的には同じ鯖の仲間である「プラトゥー」にマグロを産ませることも可能だろう。

でも、屋台で売られている「プラトゥー」がマグロを産むとはちょっと信じられないような気がしてならない。

さて、また話が長くなってしまったが、下がタイで水揚げされる「鯵」の写真だ。



脂の乗りはほとんど無く赤身だが、赤身(血)の味が濃く、これもなかなかいけると思う。

下は「鯵のたたき」の写真だが、生姜のみじん切りと万能ネギの小口切りを細かく切った味の身に混ぜて、天に大葉シソの千切りを添えてある。



また、鯵の刺身に「柚子コショー」を少量付けて食べるのも、なかなかいけるので試してみて欲しい。


鮮度の良い鯵ならば、生姜ネギを乗せて寿司でもいける。



そして、生で食べられる鯵を「鯵フライ」で食べるのもいいだろう。


下が「プラトゥー」の写真だが、頑張って「マグロを産んで欲しい」が、鯖の味がするマグロにならないように期待をしたいと思う。



さて、次回は久しぶりに中華料理の話をしよう・・・














魚やすの新メニュー(1)「鯵のなめろう魚やす風」

2012年12月23日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
バンコクは雨季が終わり、本来は11月~2月は気温が下がり過ごしやすくなるのだが、今年は12月も年末に近づいているというのに毎日暑い日が続いている。

やはり地球の温暖化が進んでいるのだろうが、また、バンコクが洪水の被害を受けなければよいと思う。

さて、しばらくブログをお休みしていたが、このブログを見にきてくれた方も多いようで感謝の気持ちでいっぱいだ。

約1か月も掛かってしまったが、うちの店のメニューにタイ語の料理名を加える作業と、幾つかの新商品も作ってみたので、少しづつ紹介して行こうと思う。

下がタイ語の料理名を加えた「お刺身」のページだが、同じように他の料理のページの合計でディナーメニューだけで12ページとなり、ランチメニューも加えると18ページ分の料理をタイ語に翻訳する作業は思った以上のたいへんな作業になってしまった。



日本語の料理名をタイ語に翻訳するというのはなかなかシンドイものだが、今回、改めて思ったのは日本語では魚の数え方が一匹だったり一本だったり一条だったりするし、カニは一杯、ヒラメやカレイは一枚だったりして魚によって数え方が違うが、タイ語ではサンマでもアジでもカニでもヒラメでも「ヌントワ」と数える。

これは英語でも同じで魚によって数え方が違うことはなく、刺身用なら「a slice of」、フィレにした場合には「a fillet of」、また、ブロックのような塊なら「a chop of 」というように切り方によっての区別はあるが、魚の種類によって数え方が違うことはない。

ふと疑問に思ったのは、たとえばサンマやアジやイワシなどは、「一匹」と数えるのがいいのか?または、「一尾」と数えるのがいいのか?

そこで、魚の数え方について調べてみたところ、生きている間は「一匹」と数え、死んでからは「一尾」と数えるのだという。

カニの場合も同じで、生きている間は「一匹」と数え、死んでからは「一杯」と数えるとのことだ。

これを知った時には唖然とする思いだった。

今まで何十年も水産の仕事や料理の仕事をしてきたが、今になって初めて「生きている間と死んでからの魚の数え方が違う」ということが分かったのだ。

でも、なんとなく納得できなくて、「江戸料理」の本や以前にも話をした江戸時代の「豆腐百珍」という豆腐料理のレシピ本を調べてみたところ面白いことが分かった。

それは、江戸時代は魚は「一匹」や「一尾」ではなく「尾匹」(びひき)で数えていたのだ。

また、中国では魚一匹は「一条(イーティアオ)」と呼ぶが、たとえば、サンマやサヨリなどの長い魚は中国の影響を受けて、一条とも呼んでいたようだ。

つまり、生きている間は「一匹」と数え、死んでからは「一尾」と数えるのは大正時代に入ってからで、マスコミが小さい動物を「匹」、大きな動物を「頭」と数えるようになったので、その影響も大きいようだ。

魚一匹(一尾)は正確には「一尾匹」と数えるのだろうが、これからはなるべく生きている魚は「一匹」と数え、死んでからは「一尾」と数えるようにしようと思う。

さて、今回は「アジのなめろう魚やす風」を紹介しようと思う。

アジに限らず、サンマなどでも「なめろう」を作るが、光物の魚などちょっとクセのある魚に味噌や生姜やシソなどを加えて包丁でたたいた簡単なこの料理は、日本酒の肴にはもってこいだろう。

この「なめろう」という語源だが、包丁で叩くことによってなめらなか食感になるので「なめろう」という説や、皿を舐めるくらいに美味しいので「なめろう」と言うなどの説がある。

「魚やす」の「アジのなめろう」は信州みそと八丁味噌と2種類の味噌を使うのと、たくわんを細かく切って加えるのと、ヤリイカを小さく切って加えるのが特徴で、いろいろな食感と味が口の中で広がり、いつ食べても飽きない味だと思う。

それでは早速、作ってみよう。

◆「アジのなめろう魚やす風」の作り方。

<用意するもの>

写真手前の左から「大葉シソの細切り」、「アジ」、「ヤリイカ」(5~7㎜角に切る)。写真中央の左から「万能ネギの小口切り」、「「生姜のみじん切り」。写真奥の左から「たくわん」(5㎜~7㎜角に切る)、「信州みそ」、「八丁味噌」。

<作り方>

①アジを刺身用におろして皮を剥き、小骨を取って小さく切る。


②味噌(2種類)を加えて包丁で叩く(食感が残るようにし、叩きすぎないように注意する。)


③ボウルや器に移し、生姜のみじん切りを加える。


④万能ネギの小口切りを加える。


⑤小さく切ったたくわんを加える。(たくわんは甘くない物を使う)


⑥小さく切ったヤリイカを加える。


⑦スプーンなどでよく混ぜ合わせる。


⑧皿に盛り、大葉シソの千切りを天に盛って完成。

この「アジのなめろう魚やす風」だが、これに少量のゴマ油と炒りゴマを加えてかき混ぜて、熱々のご飯を丼に盛ってから上に乗せて、中央にくぼみを作って卵黄を乗せると「アジのなめろう丼」になる。(お好みですし飯でもOK)

この「アジのなめろう丼」は絶品なので、新鮮なアジが手に入った時に、ぜひ、作って食べてみて欲しい。

さて、次回もアジを使った新メニューの話をしよう。













バンコク 魚やす(UO-YASU)の忘年会メニューと店内写真。

2012年11月10日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
今回は「海老のさつま揚げ」(トート・マン・クン)を作る予定だったが、忘年会メニューと店内の写真を撮ったので紹介したいと思う。

バンコクに住んでいると毎日が30℃以上という暑さなので、忘年会と聞いてもピンと来ないが、日本の忘年会と言えばなんと言っても料理は「鍋」だろう。

皆で鍋を囲めば会話もはずむし、外で冷えた体を温めてくれる。

今回、フリーペーパーの「忘年会特集」用に何か一品新しい料理を考えていたが、やはり忘年会の定番の鍋料理にすることにした。

ただし、毎日が暑いバンコクでも、あっさり食べられるように「塩ちゃんこ」にした。

下の写真がその「トロつくね入り海鮮塩ちゃんこ鍋」だ。


白菜やネギやほうれん草などのたくさんの野菜に豆腐、それに大海老、イカ、ハマグリ等の旨みが出る魚介類や鶏のモモ肉に、椎茸やエノキやシメジが味と香りを添えている。

そして何と言ってもこの鍋の主役は「マグロのトロつくね」だ。

マグロの頭肉や尾の身等、多少筋の多いマグロの部分をたたいて「つくね」にしているが、筋の部分は加熱するとゼラチン質となってまったく気にならず、かえって筋の出汁がスープに溶け込み絶妙な味になる。

塩味なのでさっぱりしているのも特徴で、少量加えたバターと輪切りの唐辛子、それにニンニクのスライスも少量加えて香とコクが加わり、絶品の味に仕上がっている。

こんなにふんだんに良質の素材を使って980バーツという価格は、もちろん赤字だが、多くのお客様に日頃お世話になっている感謝を込めての赤字覚悟の価格設定にした。

下の写真はちょうど「煮えばな」の状態で、写真では分からないがとてもよい香が漂っている。
(奥の写真がトロつくね)


この「塩ちゃんこスープ」の配合は以前このブログで紹介したので探してみて欲しい。

今回のスープの配合もほとんど同じだが、「トロつくね」を加えることで更に美味しくなっている。
さて、この鍋の写真撮影と同時にお座敷の写真も撮ることにした。

「魚やす」ではお座敷をつなげると30名様ま収容できるようになる。(下の写真)


30名が同時に入れるお座敷は他店にはなかなか無いと思うので、大人数の忘年会や宴会を予定されている方はなるべく早く予約の電話をして欲しい。(既にかなりの予約が入り始めている。)

また、テーブル席もゆったりしているので、くつろいで食事をしたい方々に好評だ。


今年もあと一か月半となったが、月日の経つのは本当に早い。

料理も毎日、毎日が勉強の積み重ねだが、やればやるだけ面白くなってくる。

特にタイ料理の味のバランスと、調味料や香草の使い方には勉強する部分が多い。

さて、次回は「海老のさつま揚げ」(トート・マンクン)を作ってみることにしよう。


たまには食べたい「うなぎの蒲焼き」。 とてもお得な 魚やす UO-YASUのランチ

2012年10月29日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
写真は魚やすの「うな重定食」480バーツ

今から30年以上も前だが、調理師学校を卒業して最初に入社したのが南米のべネズエラの小さな日本料理店だった。

その当時、ベネズエラの首都のカラカスには、日本料理店はこの小さな店1軒しかなく、価格は高いもののベネズエラのお金持ちやTVのスーパースターがこの店の常連客だった。

ベネズエラは産油国で、お金持ちは豪邸を構えメイドを何人も使っていたし、出張パーティー(仕出し)に行ったベネズエラ人の富豪の豪邸では200人も300人ものお客を招待した豪勢なパーティーが毎日のように行われていた。

しかし、日本の真裏に位置するベネズエラではほとんど日本の食材が手に入らず、味噌、醤油、豆腐などはすべて手造りしていた。

もちろん「うどん」も小麦粉で打っていたし、ソーメンはイタリアの「カッペリー二」という極細のパスタで代用したりしていた。

漬物はパン粉にビールと塩を加えて「ぬか漬け風」の漬物を造っていたが、これはなかなかいけるのでちょっと紹介してみたいと思う。

◆パン粉とビールと塩の「ぬか漬け風」の作り方。

<材料>
季節の野菜(キューり、かぶ、大根、ニンジンなど・・・)

パン粉 カップ5
ビール 300CC
塩    大さじ2

<作り方>
①タッパー等を用意してパン粉とビールを混ぜ合わせ、ぬか漬け位の固さになったら塩を加えて、さらによく混ぜ合わせる。
②野菜を食べやすい大きさに切り、①に加える。(小さく切った方が早く漬かる。)
③タッパーの蓋をして、冷蔵庫に入れる。(2日位目から美味しく食べられる。)

さて、このように日本の食材が手に入らず、いろいろな食材を手造りしなければなら毎日だったが、べネズエラの生活にも慣れ3年近くになった頃、自分が卒業した調理師学校の副校長がベネズエラに視察に来ることになって、その時にあるお土産を持ってきてくれた。

それは当時発売されたばかりの鰻の蒲焼をパックして、お湯で温めれば食べられる「紀文のうなぎや」だった。

それを、お店の同僚と食べた時の「旨さ」は30年以上経った今でも忘れない。

やはり「うなぎの蒲焼き」の味というのは日本人のDNAの中にしっかり刻まれているのではないかと思う。

さて、そのうなぎだがここ2年程の「シラス」の不漁で高騰して、とても庶民が手軽に食べられることができなくなってきている。

うちの店も開店時は日本の築地から「活き〆」したうなぎを仕入れて捌いていたが、これでは1匹の原価が700バーツ~1000バーツにもなってしまい、とても採算が合わなくなり今は中国産の冷凍ウナギを使用しているが、それでも原価は1匹400バーツにもなってしまう。

そのうなぎを使った「うな重定食」を「みそ汁」「香の物」「茶碗蒸し」「小鉢」に食後の「デザート」と「コーヒー」まで付けて480バーツで販売していて、更にお昼の12時前にご来店のお客様には「ずわい蟹サラダ」もサービスで付けている。

どうして採算度外視で無茶な価格を付けるのか、うちの調理スタッフも疑問を感じているようだが、それは、今から30年以上も前のベネズエラで食べたあのうなぎの旨さが忘れられないからだ。

だから、手が届く価格でお腹いっぱい「うなぎ」を食べてもらいたい。

現在、うちの店では「中国産の冷凍うなぎ」を使用しているが、実際には「うなぎ専門店のうなぎ」と比べても遜色がない。

では、なぜ、スーパーで買う「うなぎの蒲焼」が旨くないのか?

それは、表面に絡めてある「タレ」が不味いからで、あのテカテカしているタレは商品を綺麗に見せる為のコーティングのようなもので、ひどい味だ。

それでは、スーパーの「うなぎの蒲焼」を美味しく食べる方法について話をしよう。

まずは、冷凍の場合にはあらかじめ冷蔵庫の中などで解凍しておこう。

◆パック入りの「ウナギの蒲焼き」の美味しい食べ方。

①ウナギの表面についているタレを水で綺麗に洗い流す。

②アルミホイルを広げ、表面にサラダ油を薄く塗る。

③ウナギの皮の方を下にして、②のアルミホイルに置く。

④日本酒を少量(小さじ1~2程)振りかける。

⑤アルミホイルで包むように巻き、オーブントースターで10分程蒸し焼きにする。

⑥パックに付いている「ウナギのタレ」を掛けて召し上がる。

これで、スーパー等で売っている市販の「うなぎの蒲焼」も驚く程美味しくなるはずだ。

タレについてはうちの店は以前日本から大量にうなぎを仕入れた時の「頭」や「骨」を冷凍保存しておいて、これをこんがり焼いて醤油、みりんに加えて独自のタレを作っているが、もし、タレの小袋が付いていない場合には市販のタレでもいいだろう。(甘過ぎる場合には醤油で味を整えよう。)

ここ2年程、「うなぎ」が高騰しているが、きっと来年も同じような状況になるのではないかと思う。

それは、以前、中国で9店舗の日本料理店を構えていたが、中国人が「うなぎの美味しさ」に目覚めてしまったからではないかと思う。(需要と供給の関係で価格は上がるものだ。)

また、「うなぎ」で儲けようとする中国人の顔もチラついてくる。

でも、どうしても日本産の「うなぎ」を食べたいという方は、ぜひ、連絡をいただきたいと思う。

現在、うちの店には一週間に3回、日本の築地からフレッシュの魚が届くので、2~3日前に予約していただければ、お店で捌いて原価で提供したいと思う。

このタイという暑い国で「うなぎ」を食べて、共に頑張ろう!














日本の高級鮮魚がたっぷり入って、採算度外視の「花ちらしご膳」

2012年10月28日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
 
上の写真が「花ちらしご膳」

さて、今回紹介する「花ちらしご膳」だが、魚介類を小さなサイコロ状に切り、イクラを散りばめ、蓋を開けた時にはちょうど「宝石箱」を開けた時のようにキラキラと煌めくので、特に女性のお客様に喜ばれている。

この「花ちらし」には、主に日本からの魚介類が惜しみなく使われているので、当然、魚介もたっぷりだが、赤字もたっぷりで採算度外視の商品だ。

たとえば、「ホタテ」は日本の北海道から、「はまち」は九州産、「マグロ」は東京の築地からと、スペインからの空輸物、それにサーモンは「魚やす」ではノルウエーから空輸した新鮮なフレッシュサーモンしか使用しないからで、もちろん「イクラ」も北海道産でとても高い。

また、タイは食品の輸入税がとても高くて、日本からの魚介類は日本で仕入れる2倍~3倍になってしまうし、海が荒れたりすると直ぐに価格に跳ね返ってしまう。

マグロなども今年の築地の「初競り」で1本のマグロに5600万円の値段が付いたように、世界的に魚介類の値段が高くなっている。

13億人もいる中国人が最近、高級魚を食べだしたので、世界中で高級魚が不足しているのも原因かも知れない。

よく、日本人が世界のマグロを食べてマグロ資源が枯渇すると言われるが、実際はちょっと違うので今回はマグロの話を少ししたいと思う。

まず、どうやってマグロを獲るかだが、日本で流通しているマグロのほとんどは「遠洋はえ縄漁法」という方法で漁獲されている。(下の写真)


この漁法は、マグロ漁船から投縄(とうなわ)をするのだが、幹縄(みきなわ)は全長150㎞から200㎞で、東京から熱海までと同じ距離(長さ)になる。

幹縄には目印となるラジオブイ(電波で後から場所を確認できる)や縄を浮かす為のビン玉を取りつけられているが、サンマやサバなどの餌を付ける釣針の付いている枝縄(えだなわ)の総数は約2500本~3000本に及び、この釣針に6秒に1本という手早さで手作業でエサを付けて海中に投入していく。

この投縄作業は実に5時間も6時間も掛かる、とても重労働な過酷な仕事なのだ。

そして、投縄終了後はマグロが釣針に掛かるまで4~5時間仮眠し、その後に揚縄(あげなわ)作業に入るが、揚げ縄には10時間~15時間(20時間以上掛かることもしばしばある)という、本当に過酷な仕事なのだ。

では、約2500本~3000本の針にどれ位のマグロが掛かるかと言うと、約1.5トンで、メバチマグロやキハダマグロなどで30匹程度しか釣れないのだ。

ケープタウン沖など南極近くの暴風圏の荒れ狂う海で高緯度操業をして、高級なクロマグロやインドマグロ(南マグロとも呼ぶ)を追いかけているマグロ漁船では、一回の操業で3匹~5匹程度のマグロしか釣れないというから、命がけの割にはとても割の合わない漁法なのだ。

このようにして漁獲されたマグロはナイフでひれ、内臓やえら等を切り取ってから血抜き処理をしてマイナス60℃という超低温で急速凍結されて船内の冷凍庫で保管される。

マグロ漁船はいったん漁場に着くと、毎日、毎日、この作業を何か月も繰り返すのだ。

あまりの重労働の為に近年、日本ではマグロ船が減る傾向にあり、今では台湾や韓国や中国のマグロ船が漁獲したマグロを日本に持ち込んでいるが、このようにはえ縄漁法はとても効率は悪いが、環境には優しい漁法なのだ。

それではなぜマグロの資源が減っているの?ということになるが、たぶん、それは過激な環境団体などがクジラの保護を訴え、捕鯨ができないことでクジラが増えてしまい「オキアミ」という小魚の餌が不足しているからではないかと思う。

クジラはあの大きな口で一回で1トン以上もの「オキアミ」を食べてしまうので、そのオキアミを餌にしていた小魚がいなくなり、その小魚を食べていたマグロも減っているということは十分に考えられると思う。(食物連鎖がうまく回らなくなってしまうのだ。)

実際、マグロも小魚が少なくなったことで餌を十分に食べられずに痩せたマグロが増えているという。

それに、世界中で日本人よりもっとマグロを食べているのは実は欧米人だ。

何で?と思う人がいるかと思うが、「シーチキン」を思い浮かべて欲しい。

欧米人はマグロを刺身ではないが、日本人の何倍も「サンドイッチ」や「サラダ」にして食べている。

そして、マグロを獲る漁法は「まき網漁」と言って、キハダマグロなどの大群を魚群探知機やヘリコプターで探して、大きな網でマグロの大群をまき込んで根こそぎ獲ってしまうのだ。



よく、ドルフィンセーフという言葉を聞くが、マグロは何かの後について泳ぐ習性があり、それが流木だったりイルカだったりする。たとえばイルカの場合にはイルカも一緒に大型の網で巻かれてしまうので、イルカの混獲が一定基準以下の場合には「シーチキン」の缶に「ドルフィンセーフ ラベル」を貼ってもいいということなのだが、そもそも、この「巻き網漁法」そのものが、マグロ資源の枯渇につながるのではないかと思う。

さて、このようにマグロ資源が少なくなってきたことで始められたのが「マグロの養殖」や「マグロの畜養」だ。

「マグロの養殖」については、近畿大学が「マグロを卵から孵化させる完全養殖」に成功したが、実際に実用化されるには、あと10年~20年は掛かるのではないかと思う。

また、「マグロの蓄養」は今から20年程前に始められたが、産卵を終えてガリガリに痩せたマグロを捉えて直径100メートルもある生簀に入れて餌を与えて太らす方法で、オーストラリアのポートリンカーンで始められた。



今では、スペイン、クロアチア、メキシコなどいろいろな国で「マグロの蓄養」を行っているが、餌の改良により、今では天然マグロと区別が付かないようになってきた。

天然マグロは1本1本に脂の多いもの少ないもののバラつきが多いが、蓄養の場合には餌を与えて太らせるのでバラつきがなく、また、以前はイワシをたくさん食べさせていたので「全身トロで色は白っぽいイワシ味のマグロ」だったが、今では味も色も改良されている。

うちの店のマグロは「天然マグロ」と「蓄養マグロ」を料理ごとに使い分けているが、どちらも価格が高いことは同じだ。

先日、面白いことがあったので紹介するが、大トロの刺身を指差して『このマグロは天然ですか?』と聞いたお客さんがいたので、『このマグロはスペインの蓄養マグロです』と答えたら、『蓄養ってなんですか?』と言うので、『養殖のことです』と答えると、そのお客さんは『へ~これは和食ではなく洋食なんですね』と、どうやら養殖と洋食を勘違いしているようだった。
(実際にうちの店には「マグロのカルパッチョ」などの洋風料理も多い。)

さて、最後に「花ちらし」の写真をもう一枚貼りつけておこう。(上から撮った写真)


この日本の魚介類がたっぷり入った「花ちらし」に「小鉢」「茶碗蒸し」「香の物」「味噌汁」と、食後のデザートとコーヒーが付いて520バーツはお値打ち商品だと思う。

更に、お昼の12時前には「ズワイ蟹サラダ」がサービスで付いてくる。

ぜひ、日本からの魚介類の味を楽しんでもらいたいと思う。。。













赤字覚悟?(実際に赤字です。)魚やす UO-YASUのランチメニュー

2012年10月25日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
この写真はランチで一番人気の「あられ丼」定食(280バーツ)

さて、バンコクの「魚やす」をOPENして早くも4か月になるが、おかげさまで毎日、多くのお客様が来てくれて感謝の気持ちでいっぱいだ。

お店をOPENしてから暫くは仕込み作業も自分一人でやっているような状況だったので、朝の9時半頃にはお店に行き、夜もアパートに戻るのが深夜の12時過ぎという状況で、寝ている時間以外はいつもお店に居るような生活だった。

今は調理スタッフも増え、また、スキルも上がりきちんと仕事をこなせるようになったので、アイドルタイムには一度アパートに戻りブログの更新をする時間も取れるようになってきた。

自分のアパートはお店から10分位のところにあるのだが、1日にお店とアパートを2往復歩くのはしんどいので、最近はもっぱら「モトサイ」と呼ばれる「バイクタクシー」を使っている。

たぶん「モトサイ」の語源は英語の「モーターサイクル」だろうが、タイではエアコンは「エアー」だし、セブンイレブンも「セブン」と外来語は皆、縮めてしまうようだ。



このオレンジのジャケットを着ているのがモトサイの運転手で、目立つように「オレンジ色」にしているのだと思っていたが、先日、シーロムに行ったら「紫色」のジャケットを着ているモトサイを見掛けたし、場所は忘れたが「緑色」も見掛けたことがあるので幾つもの色があるのだろう。

このモトサイは近距離の移動手段としてはとても便利で安いと思う。

歩いて10分掛かるお店まではたぶん1㎞位の距離だと思うが、モトサイの料金はたったの15バーツ(約45円)程だ。

日本にはモトサイが無いのでタクシーを使うとして、日本ならば700円程掛かってしまう。

タイ人は歩くのが嫌いとよく耳にするが、気温の高いこの国でこんなに便利なモトサイがあれば、わざわざ歩く必要もないという気持ちはとてもよく分かる。

日本は今、とても元気がないが、たとえば日本でも「モトサイ」が許可され、多くの「ニート」と呼ばれる定職を持たない連中がモトサイの運転手にでもなれば、もっと活気が出るのではないかと思う。

バンコクだけでもモトサイが10万台以上もあるというのだから、東京や大阪ではどれだけのモトサイの数になるのだろう。

さて、モトサイが便利なことは単にお店に行く為の交通手段だけではないのだ。

それはモトサイが「買い物代行」や、ちょっとした「便利屋」さんにもなってくれる。

モトサイは通常、大通りから小道に入るところに数台が集まっていたり、ちょっとしたモトサイステーションのようなところもある。



うちの店の直ぐ近くにもいつも数台のモトサイが集まっているが、うちの店では彼らの電話番号を控えておき、何か緊急に必要なものがあれば彼らに頼めば直ぐに買いに行ってくれるのだ。

もちろん、親しくならなければやってくれなと思うが、たいていはOKだ。

また、雨の日にはモトサイではビショ濡れになってしまうので、「トゥクトゥク」と呼ばれる軽自動車を改良して、4人ほどが乗れるようにしたタクシーをもっぱら使っている。



通常のタクシーと違いメーターは無いので、料金は交渉しなければならないが、最近は雨の日が多いので頻繁に使っているので、アパートからお店まで30バーツ(約90円)にしてもらっている。

そして、この「トゥクトゥク」もとても便利で、大雨の日などは運転手に電話を掛ければアパートまで迎えにきてくれる。

バンコクは住めば住むほど、とても便利な街だと思う。

さて、うちの店は「ランチタイム」も営業をしているが、それは魚の回転率を上げて「鮮度」をいつもキープする為だ。

ランチもディナーも多くの魚を捌くことによって、いつも新鮮な魚を提供できる。

おかげさまで、ディナー、ランチともに魚はいつもたくさん売れているので、いつも新鮮な魚を提供できるようになり、お客様にも喜ばれている。

また、ビールも銘柄を絞り込むことで、回転率を上げ、いつも新鮮なビールを出せるようになってきた。(魚もビールも鮮度が何より大切だ。)

それも、これも、多くのお客様が来てくれるからで、とっても感謝の気持ちでいっぱいだ。

そして、お客さんからこんな質問を受けることがある。

『この値段で大丈夫なのですか?』と、・・・

もちろん赤字だが、お店はお客さまによって支えられるもの。そして、お客さまによって育てられるもの。

まずは、「魚やす」を知っていただき、新鮮な魚を食べてもらいたい。


この写真の「魚やす あられ丼定食」だが、メインの「あられ丼」の他に「茶碗蒸し」「小鉢」「香の物」「味噌汁」と食後の「デザート」と「コーヒー」が付いて280バーツだ。(税、サービス料を除く)

また、ランチタイムは「お座敷」を無料で解放しているので、赤ちゃん連れもお客さまもゆっくり食事ができるし、お子様用の「ベビーチェアー」も置いてあるので、ぜひ、お越しいただきたい。

さて、次回もランチメニューの話をしよう。











魚やす(UO-YASU)のマグロのカルパッチョ

2012年10月24日 | 魚やす(UO-YASU)の料理)
昨日は10月23日で「チュラーロンコーン大王記念日」で祝日だったのだが、「チェラ-ロンコーン大王」(ラマ5世)は、現国王プーミポン・ラーマ9世と並びタイ国民に絶大の人気がある。

タイのいろいろなお店等で、プーミポン現国王の写真が飾られてのを見掛けるが、ラマ5世の写真を見掛けることも多いので、『あ~あの写真か』と思い当たる人も多いだろう。

でも、なぜ(ラマ5世)が、こんなにもタイ国民に人気があるのか?その理由が分からないのでお店のスタッフに聞いてみることにした。

プーミポン現国王の場合には映画館で映画の上映前に国王の紹介の画像が流れるので、それを見れば農村を廻って「王室プロジェクト」と呼ばれる農村改革をおこなったり、雨天の中でも農民たちの輪の中に入っていったりして国民に近い立場をとり、国民の尊敬と信頼を確実に勝ち得ていることが分かる。

では、なぜラマ5世が人気があるのか?について、うちの店の何人かのスタッフの話を聞いてみると、どうやらラマ5世が「奴隷を解放した」事について、偉大なことだと思っていることが分かった。

皆の話をまとめてみると『昔のタイ人の多くは、いくら働いても社長から給料をもらえなかった』それが、『ラマ5世のおかげで給料がもらえるようになった』ということだった。

なんとなく「分かったか、分からないか」分からない話なので、またバンコクのフリーペーパー(無料の情報誌)を集めて調べてみることにした。

それら情報誌の記事をまとめてみると、ちょうど日本が明治天皇の頃、タイは貴族が実権を握っていたが、カンボジアやベトナムはフランス領となっていて、ビルマはイギリス領となった為に、フランスはさらにラオスに侵攻しタイをも領土にしようとしていたようだ。

そんな時代にラマ5世はイギリスやフランスに、ラオスやマレー半島の一部など自国の1/3を与えながらも独立を保ったのだ。

また、当時、実権を握っていたタイの貴族の収入源である「奴隷」を解放し、国民を苦しめていた税の不正を正した。

他にも、義務教育の導入、鉄道や電話の整備、郵便などを作り上げた。

そんな大偉業を成し遂げた大王が国民から絶大な人気があることが分かったが、大王には5人の王妃の他に100人以上の妾を囲っていたとも言われている。

とても精力的で、多くの人に愛される大王だったのではないだろうか。

さて、情報誌の中で、タイ人に「名字」を与える「名字法」を作ったのもラーマ5世と書かれていたが、どうやら「名字法」を作ったのはラーマ6世の時代(1913年)になってからのようだ。

これによって、すべてのタイ国民が「名字」を持つことになったが、他人と同じ名字にするのを避けた為に、たくさんの名字が生まれて、タイでは名前を聞けばどの家系なのかが直ぐに分かるという。

ただし、公の場以外では「あだ名」(チューレン)で呼び合うことが多く、そのチューレンもとてもユニークだ。うちにもチャン(象さん)や、ピーワン(甘いお姉さん)等のチューレン(あだ名)のスタッフがいる。

日本の場合には「鈴木さん」「佐藤さん」「高橋さん」「田中さん」等の名字(苗字)が多いが、実は日本人の名字も30万以上もあるという。

よく農民など身分の低い人は江戸時代に名字はなく、明治維新後に名字を与えられたという話を聞くが、これは間違いで、奉行所などでは身分の低い人は名字を名乗れなかっただけなのだ。

また、中国で一番多い名字は「王」で次に、「李」、「張」だが、この3つの名字で中国の総人口の25%近くにもなる。

以前、大連にいた時も周りに「王さん」がたくさんいて、寿司カウンターのスタッフ3名が全員が王さんだったこともある。「王」は中国語で「ワン」と発音するが、街中で大きな声で「ワンさ~ん!」などと大声を上げようものなら、多くの中国人がこちらを振り向くことになる。(それほど、ワンさんが、ワンさかいるのだ。)

中国では、その他、劉、陳、楊、黄、趙、呉、周、除、孫、馬、朱、胡、郭、何、高、林、羅、鄭、梁
等の名字が多く、これら100種類の名字で全体の85%にもなる。

このように中国に同じ名字が多いのは、その家系を大切にするからで、何度も侵略を受けた国だから、同じ名前を持つ家系(自分達の家族)しか信じない中国人が多いのはうなずける。

さて、また話が長くなってしまったので、うちの店の「マグロのカルパッチョ」の話をしよう。

「カルパッチョ」の名前の由来については以前話をしたことがあるので省略するが、もともとはイタリアで牛肉を素材にして作られた料理だ。

また、「ヴィットーレ・カルパッチョ」が赤を基調とした絵を描く画家だった為に、日本ではマグロやカツオを「カルパッチョ」に使うことが多いが、「魚やす」では「EXバージンオリーブオイル」に「柚子コショー」と「レモンの絞り汁」を混ぜ合わせ、塩と黒コショーで味を調え、和風のテイストに仕上げている。


それでは、「魚やす」(UO-YASU)のマグロのカルパッチョの作り方を紹介しよう。

◆「魚やす」(UO-YASU)のマグロのカルパッチョ

<材料> (一皿分)
マグロの赤身  120g
サニーレタス、
レタス等の野菜 適量

<カルパッチョ ソース>
EXバージンオリーブオイル  大さじ3
柚子コショー           小さじ1
レモンの絞り汁         大さじ1
塩・黒コショー           適量

<作り方>
①野菜を氷水に浸けておきシャキっとさせる。
②マグロを薄くスライスする。
③ボウルにEXバージンオリーブオイルと柚子コショーを入れて混ぜ合わせ、レモンの絞り汁を加えて更に混ぜ合わせ、塩、黒コショーで味を整える。
④マグロを④のボウルの中に入れてマリネして皿に盛る。
⑤よく冷えた①の野菜をちぎって皿に盛る。
⑥残ったカルパッチョソースを野菜の上に掛ける。

下記の写真のように彩よく盛ろう。



さて、次回は「魚やす」のランチメニューの話をしよう。