今日のフォト。
お持て成しの花。(2010年2月7日・和歌山県有田にて)
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3つも、すみません。
日曜日に、叔父の法事で有田に帰りました。
その時の続きを もう一度書かせてくださいね。
法事のあと、食事はこちらでいただきました。
実はこの家は、亡くなった叔父が住んでいた家、私の母の生家でもあります。
母はこの家で生まれ育って、同じ在所の父と結婚して
実家とは、目と鼻の先に住んで、幸せな人生を送りました。
叔父が亡きあと、空き家になったこの家に、京都のご婦人が
余生は、母親の暮らす有田で暮らしたいと、越してこられました。
全く、縁もゆかりもない方との、不思議なご縁が繋がりました。
空き家でおいておくより、誰かに住んでもらえたら、家も蘇る。
ご婦人は、長年、京都で「おばんざい」のお店を営まれていましたが
店を譲り、有田で親孝行をしたいとのことでした。
そして昨春から、ここで1日2~3組の予約客にお料理を出すことに。
きっと隠居暮らしが退屈だったのでしょう。
京都のおばんざいで極めたお料理。
噂はすぐに、村中に広まり、毎日予約客でいっぱいだそうです。
そして私たちは、法事の後、初めて叔父の家=母の生家で
京料理の会席をいただくことになりました。
叔父の家の居間には、昔から掘りごたつがありました。
その掘りごたつは、町家風の「囲炉裏(いろり)」に変身。 凄~い。
そしてBGMに、お琴が流れています。
感激でした。
座敷は、足が痛かろうと、テーブル席です。
ここで故人を偲びながら、お料理をいただきました。
先ずは、「先附」です。
10種類のお料理が器に盛り付けられていました。
「刺身・お造り」5種です。
「煮物」8種。
「焼き物」 さざえの壺焼き、鰤(ブリ)の照り焼き。
「焚き合わせ」 穴子のあんかけ
「和え物」 ユッケです。
モロゾフのプリンだ~~って思ったら、「うにの茶わん蒸し」でした。
「蒸し物」です。
「揚げ物」 天麩羅です。
「酢の物」 ナマコの大根おろし酢。
「ご飯・止め椀」
ご飯は桜ご飯、筍とわかめのお吸い物。
「水菓子」 フルーツ寒
叔父の家の店子(たなこ=借家人)になったご婦人は、この日のために
精一杯のお料理を作って、私たちに食べさせてくださいました。
法事の後の宴が、故人の家でというのが何より嬉しい。
胸がいっぱいになりました。
食事が終わると、母屋(おもや)から、離れへと席を移しました。
この庭で、いとこたちとよく遊びました。
離れ座敷の床の間も、昔と変わりありません。
こういう骨董品は、そのままにしてくれているようです。
この離れ座敷は、贅を尽くして建てられたもので、当時にしては高い天井
粋な欄間(らんま)は、今でも建築家の目を惹くことでしょう。
叔母が愛した茶箪笥の上には、昔あったこけし人形が飾られて。
縁側から見る庭。
叔母の亡きあと、叔父の入院中も、この庭には庭師が出入りしていた。
空き家を維持することは、子供たちの両親に対しての愛情だったのだろう。
離れで、再び昔話に花が咲き、夕刻まで有田で過ごした。
私の思い出の家。
おじいちゃん、おばあちゃん、叔父ちゃん、叔母ちゃん、そして母さん。
千の風になった故人が、庭のあちこちで笑っているようであった。