マドンナのナイショ話

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2006年01月24日 | 私の想い
Shinbun060124

一夜明ければ六本木ヒルズから拘置所へ。
「世界一」を目指して
走り続けて来た若者にとってこの逮捕劇は
「想定外」の出来事だったに違いない。

東大在学中に資本金600万円で立ち上げたIT企業。
上場させ、株式分裂やM&Aを繰り返して
10年間でグループ全体を1兆円にまで膨らませた。

マスコミは彼を持ち上げ、ことあるごとにメディアで流した。
IT長者、革命家、ネット界の寵児と彼を持てはやした。

時代の波に乗った彼はとどまるところを知らず
エキサイトしていった。
プロ野球球団買収に名乗りを挙げ、ニッポン放送の株の買占め
自民党の後押しと支援で総選挙に出馬。
近年まれに見る「時代のヒーロー」だった。

若者は朝が来る度に「世界一」に一歩近づく。
そう信じて走り続けた。
自分の力を過信し過ぎたのか。

時として人生にはこんな番狂わせがある。
自分の描いた人生の縮図とは逆の人生劇場が始まる時がある。

人は常に「善」と「悪」のはざ間で生きている。
人生において何度も分岐点に立つ。
けれど多くの人は正しい判断をして、「善の道」へと進む。

葛藤があり、諦めがあり、一歩夢からも遠ざかる。
けれど多くの人は神様に与えられた分岐点に立った時
正しい道を選択する。
それが人間らしい人生の全うの仕方でもある。

日本の経済はマネーゲームではなく
多くの労働者たちが汗水たらして働いて
正当な報酬をもらって成り立ってきた。

けれど若い世代は
「僕たちもちょっと頭を使えばホリエモンのように金儲けが出来る」
汗水たらして働かなくても大金持ちになれると信じた。

バーチャルな世界と現実の世界が入り乱れ
それでも「楽(ラク)して金儲けが出来る」素晴らしさに酔った。
彼は若い世代にとってカリスマ的存在であった。

「人の心はお金で買える」と豪語したあの時の若者。
人生の「勝ち組」と称され
表街道をまっしぐらに走って来た若者の傲慢さ。

逮捕されたと同時に「我が弟、息子」と持ち上げていた政治家たちも
「新しい時代の息吹」と称えた小泉首相の心も
引き潮のごとく冷めた。
「時代の寵児」ともてはやされた彼の人気を
利用しただけなのだろうか?

人の心はお金では買えない。
人生もお金では買えない。
そして運命もまたお金では買えない。

それらは決してお金で買うものではない。

何をそんなに生き急ぐことがあったのだろうか?
人生はゆっくり歩けばいいのだ。

新幹線では見えない車窓からの景色も
各駅停車に乗れば色々なものが見えてくる。

路傍に咲く花に目をやり喜びを感じるのもまた人生。
コツコツと生きても人にはそれぞれの花がある。
人生で咲かす花は、どんな花でも同じだけ美しいと思う。

早く容疑を認め、罪を償って出直してほしい。
人生は何度でもやり直しがきく。
まだまだ若い。

人の心はお金で買わなくても、気持ちは通じる。
人生はそんなに捨てたものではない。



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