
朝から結構な雨が降っていた。
明日15日はとんど焼きで
今日は氏神さまでは神事が執り行われる。
だから今日の雨は苦渋の雨だった。
けれど夜になると雨は上がった。
私がこの神事に足を運ぶようになって久しい。
とんど焼きに点火するお焚きあげの儀式に
何となく魅かれて毎年行くようになった。

正月飾りのしめ飾りやしめ縄や古いお札を持って
とんど焼きの前夜に氏神さまに行く。
高く積まれた藁や木や青竹に点火されると
炎は思わぬほど燃え上がる。
青竹が割れる音がポンポンと聞こえる。
闇夜を突き抜けるような大きな音が耳に心地よい。
今年の決心のような勢いを感じて
私はこの青竹の割れる音がとても好きだ。

市内ではダイオキシンや環境問題で
とんど焼きが出来ない神社も増えているが
私の氏神さまでは未だに古式ゆかしい儀式が
執り行われていて嬉しく思う。
訪れた人々はこのお焚き上げの前で手を合わせ
無病息災と家内安全を祈った。

氏神さまにしめ縄や古いお札を持って行くと
分別のカゴにいれる。
しめ縄など燃えるもの、そして橙や干し柿
あと針金など燃えないもの。
そして面白いのは鏡餅を入れるところがある。
今では鏡開きをしなくなった家庭が多いのだと思う。
うちの氏神さまは鏡餅を持っていくと、それを役立たせてくださる。
2月の節分祭にお参りに行くと
氏子に節分の「厄除けぜんざい」を振舞ってくださる。
この厄除けぜんざいの中の餅が氏子が持ち寄った鏡餅。
それぞれの家庭で、神様にお供えした鏡餅だから有難い。
私は毎年、この御利益あるおぜんざいを社務所で頂く。
実に美味しいおぜんざいである。
明日は早朝6時から夕方4時までこの残り火の中で
一日とんど焼きが行われる。
やっと小正月が来た。
松の内も取れて、正月気分も遠のいた。
気持ちを引き締めて2006年を歩みたい。