Road to 50’s ~50歳への道~

ナイスな50歳になるための日記

カウントダウン

受験時の行動と心の動き(第12回)

2009年11月25日 20時39分15秒 | Weblog
今日は、いよいよ、魔の事例Ⅳの取組み状況(解答作成+与件文読解)とその時点での心の動きを書こうと思います。事例Ⅳは、事例Ⅰ~Ⅲとは取り組み順序が異なり、解答作成と与件文読解を同時に行っています。

【ご来訪いただいた方へ】
メリハリの無い、冗長な文章です。あくまでも記録としての位置づけですので、以下の文を読まれるという珍しい方は、あらかじめご了承くださいませ。

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設問分解が終了した段階で約15分経過でした。

事例Ⅰ~Ⅲは、この後、与件文読解を行っていましたが、事例Ⅳは前述したとおり、第2~4問の数値的傾向が事例のストーリーに大きく影響するため、自分は先に第2~第4問の計算を行い、周辺を固めてから与件文を読解し、それを踏まえて第2~第4問の文章問題を解き、最後に第1問を解答するという段取りとすることに決めていました。

第2問~第4問のうち、設問分解時にぱっと見て最も簡単そうだったのは第4問でした。また、第4問は、問われている内容が与件文を盛り込まなくても解答できる内容だったので、まず、第4問から解答しようと決めました。

そして、次に解けそうなのは損益分岐点分析の第3問でした。損益分岐点分析は財務問題の中でも比較的得意な分野だったからです。ただし、情報が巧妙に配置されていることから、今までの損益分岐点分析よりも苦労しそうなので、第4問よりは難易度が高いと判断しました。

第2問は設問分解時に、期待値計算であることまでは把握しましたが、「税引前自己資本利益率」という耳慣れないものを問われていたので、時間がかかると判断し、3つの大問の中では最後に解こうと考えました。

■計算問題&解答作成
▽第4問
 ・設問1
  1ドル100円、500万ドルで為替予約したのに、実際の売上げは430万ドルで、上期末の為替レートは1ドル102円という状況です。

上期終了段階で本来手に入る円は102円×430万ドル=438、600千円
為替予約しちゃったので、実際に手に入るのは100円×430万ドル=430,000千円。・・・・・①

その差額は▲8,600千円。

また、残り70万ドル分も102円で売ったら71,400千円。
為替予約しちゃったので、実際に手に入るのは70,000千円。
差額は▲1,400千円。
差額の総合計は、▲10,000千円

 というプロセスで考えていたのですが、①のところで計算間違えし、

解答は▲4,000千円(死OTZ)
 どっちにしろ、機会損失を損失に含んでしまっている段階で間違いなのですが、それに計算ミスが加わる情けなさ。
 
・設問2
 どのようなオプションを用いるべきか?という問いには、設問分解時にも考えていましたが、ドルを売りたいので、プットオプションを選択選択しました。
 次に、1ドル100円で決済したいので、途中で洗い替えが発生しないヨーロピアンオプションを選ぶべきと考えました。
 50文字なので、これぐらいの要素しか入らないと思い、以下のような解答を書きました。
 また、オプションを用いた場合の長所と短所を100字で答える必要もありました。為替予約と比較したオプションの長所短所かとも思いましたが、ぱっと答えが思い浮かばないのと、シチュエーションを考えると、社長にオプションを説明すると思えば、オプション自体の長所短所を述べた方が適当だろうと判断しました。

【再現解答】
 a)
決済日に1ドル100円のヨーロピアンオプションのドルプットオプションを購入するべきである。

b)
長所は 決済日に為替市場が1ドル100円より円安の場合、権利を行使せず市場で売却する事ができ、円高の場合、権利を行使しリスクをヘッジできる点である。短所は、プレミアムを支払う必要がある点である。


▽第3問
 ・設問1
  まず、もっとも簡単なa)からはじめました。
平成20年度の損益分岐点売上高が問われています。
設問分解時にも気がつきましたが、第3問の設問文に基づけば、経常利益ベースの損益分岐点分析を行うべき問題です。

  経常利益ベースの損益分岐点売上高算出の公式は営業利益ベースでもおなじみの
損益分岐点売上高―(変動費÷売上高)×損益分岐点売上高―固定費=0
  です。

  次に、原価の中に変動費があることを忘れないようにしながら固定費と変動費の分類を行いました。

  固定費=売上原価(1598百万)+販管費(931百万円)+営業外損益(208-3百万円)=2734
  変動費=売上原価(2606百万)
  これを上記公式に当てはめると

  損益分岐点売上高-(2606÷5611)×損益分岐点売上高-2734=0
  0.53555515951×損益分岐点売上高=2734
  損益分岐点売上高=2734÷0.53555515951=5104.983・・
  
  【再現答案】
a)5,105百万円
  うぅぅかろうじて正解!! 何度もやっておいてよかったw。

  続けて、b)に着手。
  本社を売却した場合、売上高が20%マイナス。
  計算過程の小数点以下は、平成19年度の損益分岐点分析の時に、切り捨てて計算してしまい、間違えてしまったので、最後の解答を出すまではまるめないことにしていました。
  変動費は売上に連動して変動する費用ですから、売上高が20%減少したら、変動費も20%減少すると考え、計算に反映ました。


  売上高   5611百万×0.8=4488.8百万
  売上原価  固定部分1598百万+変動部分(2606百万×0.8)=-3682.8百万
  売上総利益 806百万
販管費   固定―931百万
  営業利益  ―125百万
営業外損益 固定―205百万
  経常利益  ―330百万

  【再現答案】 -330百万円
   うう、これもなんとか正解。正解はここまでw。

ちなみに、自分は、計算するとき、費用の場合は必ず(-)マイナス記号をつけます。理由は、計算途中で費用であることを忘れ、間違えて足してしまう可能性を防止するためです。当たり前のようですが、気をつけるだけで、凡ミスは減少しました。

 ・設問2
  まずは、a)の本社を売却した場合の損益分岐点売上高を計算しました。
  
  本社を売却すると何がどうなるのか?に着目して、第3問の設問文を再度読み直しました。売却した場合の情報が載っていません。「おいおい、どこにあるんだ?wこういうときは与件文か。。。。」と思い、与件文を上から下までざざっと眺めました。
  
  そうすると、第4段落にわんさか書いてありました。
  売却すると
① 18億円分の負債を返済⇒18億円分の支払利息が減少する
⇒負債は長短借入合計2289百万円-1800百万円=489百万
⇒支払利息は39.12百万になる。(この考えが間違ってますな)
② オフィス賃借料が増加する⇒4500万円
③ 管理業務のアウトソーシング⇒6000万円
④ 販売管理費が減少⇒3億円

  売上高は本社を売却してもしなくても20%減少する。
売上高:4488.8百万円
  売上原価:-(1598百万円+2084.8百万円)=-3682.8百万円
  販管費:―(931百万円+60百万円-300百万円)=-691百万円
  売上総利益:115百万円
 営業外損益:3百万-39.12百万+45百万(家賃)=36.12百万-45百万=-8.88百万
 ↑このとき、本社ビルは人に貸して、45百万の営業外収益があると思っていました。
 固定費:-(1598百万+691百万+9百万)=2280百万
 変動費:-(2084.8百万)

 以上の数値を、損益分岐点売上高分析公式へ代入
損益分岐点売上高-(2085百万÷4489百万)×損益分岐点売上高―2280百万=0
↑小数点以下をそのままにするとかえらそうなこと言っておいて、このプロセスでは切り上げちゃってるし・・・「だめだこりゃ。」(byいかりや長介)

0.53555515951×損益分岐点売上高=2280
損益分岐点売上高=4257.25

【再現答案】
a)4257百万円 ※
  ※解答用紙から書き写したはずなので、多分、上記の解答を書いたと思うのですが、メモ用紙には、あとから計算しなおした形跡があり、それに基づけば、解答は4472百万円になるのであっている可能性もなきしもあらずです。(ほぼ絶望ですがw)

次に、b)の営業レバレッジの変化と変化のD社業績への影響に着手しました。
設問分解時に、営業レバレッジ=限界利益÷営業利益と考えましたが、損益分岐点売上高を経常利益ベースで行っているので、限界利益÷経常利益でもいいのかなと勝手に解釈し経常利益で考えました。

また、何と比較した結果なのかがよくわからなくなってしまい、結局、本社を売却しなかった場合とした場合の比較と解釈しました。受験機関は、平成20年度との比較で解答しているケース多いので、自分の解答は間違ってますね。ま、しょうがない。

  自分の解釈に基づくと、限界利益=売上高―変動費ですから、本設問においては、本社売却をしようがしまいが、限界利益は正であると考え、一方、経常利益も営業利益も本社売却をしなかった場合は負、した場合は正となるため、営業レバレッジ係数は負から正に変化すると考えました。
  本当は、もっと、損益分岐点分析っぽく、書きたかったのですが、頭が回らず、そのままのコメントになってしまいました。


  【再現答案】
   営業レバレッジは負から正へ変化する。業績への影響は、売上原価の変動費率は変動しない一方、本社売却に伴う負債の返済で支払利息が減少、販管費減少などの固定費が減少し、利益率が向上することである。
 
   比較対照があっていても、今見ると、この解答は、全然、レバレッジについて述べていないので、ダメですね。(泣)

さて、第4問、第3問と解答が完了した段階で、約50分経過していました。通過時間としては、若干押し込まれているものの、まぁまぁです。残すは、第2問と第1問。

この時点では「残り時間を考えればまだまだ大丈夫。第1問にしっかりと時間をかけて、見直す時間もとろう」などと考えていました。

▽第2問
・設問1
 まずは、計算問題の設問1から。平成21年度の税引前自己資本利益率の期待値を求める問題です。

 計算方法は、前年並みの場合の税引前自己資本利益率×0.5+景気が減速した場合の税引前自己資本利益率×0.5であるということまではわかりました。

 でも、税引前自己資本利益率をどうやって計算していいかがどうしてもわかりません。(汗)しょうがないので、本社を売却しない場合で景気が減少した場合の税引前利益を第3問で計算した経常利益の▲330百万円、自己資本を平成20年度の純資産1281百万とし、税引前自己資本利益率▲0.2576・・・を算出しました。
 次に、本社売却をしない場合で景気が変動しない場合の経常利益を平成20年度の税引前当期純利益271百万、自己資本を平成20年度の純資産1281百万とし、税引前自己資本利益率0.2155・・・を算出しました。
 それぞれの自己資本利益率に0.5をかけて合計したら、▲0.023028になるのでそれを答えにしたつもりだったのですが(どちらにしろ間違っていますが)、解答用紙には-2.91%と書いたようです。
 ここの部分は記憶がまったくありません。とにかくパニックになりつつも、「なんとか数字だけは埋めよう!!」という気持ちでした。

 【再現解答】
  -2.91%

・設問2
 つぎに設問2に取り掛かりました。残り時間は、設問1でパニックになってしまったせいで、12分ぐらいしかありません!!(滝汗)

 設問分解の時、「バラツキ=標準偏差など」と考えましたが、計算している時間はありません。「土地を売却して負債を全額返済するのだから、第3問設問2の時に計算した経常利益9百万円(これも間違っていると思いますが)が使える!!これを使うしかない」と思いました。
 
 脳内で勝手に、「バラツキ=偏差 なら、正か負かという表現もなんとか使えるかも」と解釈し(勝手すぎるTT)、土地を売却しない場合に比べて、バラツキは少なくなると考え(これも間違った考えですね)以下のような解答をなぐり書きましたw。
 「とにかく埋めよう!!」の一心です。

【再現解答】
税引前自己利益率のバラツキは負から正へ変化する。理由は、①本社売却で販管費が3億円削減され営業利益が拡大する、②18億円のCFを全額負債返済に充てた事で、支払利息が圧縮され経常利益が拡大するなどである。

時計を見ると、残り時間が3分半です。@@;

まだ与件文もじっくり読んでないのに!!!

ここで「絶望君」がやってきました。

「もうだめか・・・」

と同時に、

「いや、最後の1秒まで書け!!!」という、内なる声が聞こえました。これまでお世話になった方々や一緒に勉強した仲間の顔が見えたような気がしました。

迷っている暇はありません。

▽第1問

与件文をザザザッっと斜め読みして、第一段落の長所っぽいところにピンクマーカー、第2、第3段落の問題点っぽいところに青マーカーを引きました。

長所っぽいところをみると、自社製品に定評を有していて、技術力の高さからOEM生産も受託しているとありましたから、営業力が強いと考え、迷わず、経営指標の1つめは「売上高対売上総利益率」に決定。時間も無いので、ささっと計算し、数値も埋めました。記載内容は、長所はOEMなどの収入で収益性が高い点、その原因は技術力が高いという流れにしました。

記述内容は、「与件文をそのまま使ってやれ」と思い、ほぼ抜き出しで書きました。書き方で注意したのは、問われているのが長所・短所が生じた「原因」なので、長所・短所は結果として切り分けて書くことでした。

次に短所。青いマーカーのところを見ると、2つの問題点っぽいものが書いてありました。1つは、スポーツウェアの売上高が景気変動の影響を受けやすいがそれに対する対応力が弱いという点、2つめは隣地の中古不動産を買い増してきたという点でした。

これだけではよくわからないので、前者は与件文第2段落の「経営上の大きなリスクになっている」という部分と第2、第3問を踏まえて、支払利息増加による利益圧迫や返済不能リスク上昇、原因を負債依存の体質にしようと思いました。なので、指標は自己資本比率とし、ささっと計算して、埋めました。

後者は、固定資産のふくらみが経営効率を下げていることを指摘すべきなんだろうと考え、迷わず、固定資産回転率にしました。有形固定資産回転率でもいいのですが、早く計算できる固定資産回転率を選びました。

これも与件文第3段落で本社周辺の再開発で本社の土地を高く売れる可能性があり、固定資産を有効に使えるようなことが書いてあったこと、第2問、第3問で「本社を売却し18億円のCFを得て」という部分踏まえて、短所は固定資産が売上高向上に貢献せず、効率性が下がったとし、その原因は与件文を生かして、「中古不動産を買い増しで事業拡大にしたこと」にしました。

自分でも信じられませんが、3分でここまで頭と手が回転しました。今やれといわれても無理ですw。

3分でこの解答なら、まあいいかなと思います。


【再現解答】
売上高対売上総利益率 25.08%
長所の原因は、D社が高い縫製加工技術を保有している事である。結果、Y社からOEM生産を受託し安定的売上高確保で収益性が高い。

自己資本比率 25.56%
短所の原因は、D社が資金調達を借入金に依存している事である。結果、支払利息増加による利益圧迫や返済不能リスク上昇を招いた。

固定資産回転率 2.38回
短所の原因は、中古不動産を買い増しで事業拡大にした事である。結果、固定資産が売上高向上に貢献せず、効率性が低下した。





最後の1文字を書き終えた瞬間、「はいっやめっ」の声。

一瞬、魂が幽体離脱しそうになり、腰が抜けるかと思いました(泣)

その後、「おわったぁぁぁぁぁ」という開放感がやってきました。

また、最後の第1問を3分で書くことができた達成感で、他の部分の出来はどうでもよくなっていましたw。


しばらく放心した後、机の上の消しゴムかすを片付け、筆記用具を片付けました。

そうしているうちに、一足先に片付けを終えたjourney氏が近づいてきました。彼も、興奮を抑えられないような様子でした。

まず、「お疲れさん!!!」とお互いがっちり握手しました。彼も私も1年間いろいろ有りながら、何とか試験を受験し、全ての力を出し切ったということだけは間違いない顔をしていたような気がします。

一言二言、試験に関する感想を述べた後、「ちょろっと(呑みに)行こうか。」となりました。

journey氏とのサシ呑み&勉強会の打ち上げは

第13回へつづく。。。。