Road to 50’s ~50歳への道~

ナイスな50歳になるための日記

カウントダウン

受験時の行動と心の動き(第11回)

2009年11月22日 01時39分25秒 | Weblog
今日は、いよいよ、魔の事例Ⅳの取組み状況(設問分解部分)とその時点での心の動きを書こうと思います。

【ご来訪いただいた方へ】
メリハリの無い、冗長な文章です。あくまでも記録としての位置づけですので、以下の文を読まれるという珍しい方は、あらかじめご了承くださいませ。

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いよいよ最後です。

体調と脳の状態を活性化すべく、ちょっと長めにリフレッシュタイムを取りました。酸素を吸って、伸びをして、そとの空気を吸って、トイレもすませて、席に着きました。

事例Ⅳは、昨年度が非常に難しかったので、今年は例年並に戻ってほしいなと思っていました。もし、例年並になれば、過去問の傾向から、H13やH14、H15辺りで問われていた論点が出るのではないかなと予測をしていました。

具体的には、第1問で事例企業のB/S、P/L上の問題点やその原因が問われ、第2問でCF計算によるキャッシュの状況分析か、CVP分析による収益構造上の問題点を問われる。で、それらの問題点の原因が、第3問や第4問で問われて解決策を求められるというパターンかなと。

で、第3問や第4問は、海外取引が増えている昨今なので、H14の為替取引かオプション取引、または期待値計算による事業の選択などが最有力候補かなと思っていました。

やっぱ、昨年みたいに、大半の受験生が計算に時間をとられ、「事例企業をどうしたらよくできるか」という点をあまり考えさせない問題は本質的ではないのでは?とも思っていました。できれば今年は例年のような由緒正しき事例Ⅳになってほしいという気持ちもありました。

どちらにしろ、事例Ⅳは、第2、3、4問の計算を解いて、問題の数値的傾向を捉えた上で、全体整合性を意識しつつ個別の記述問題を解き、最後に事例全体のストーリーを第1問で表現するという流れでいけばなんとかなるっと思っていました。

上記の読みはあくまでも、例年通りのレベルならばという前提でした。(あはははは。。。はぁ・・・)

そういう思い込みがあったので、むしろ緊張せずに、開始の合図を待つことができましたw。

10分前から解答用紙、問題用紙の順番で配布が始まりました。

解答用紙を透かし見たところ、特に奇抜な問題はなさそうでした。計算問題は第1問を除いて2つか3つと捉えました。

次に、問題用紙を透かし見てスポーツウェアの製造・販売会社であることを確認しました。昼休みに振り返りでさらっと見た、MMCの過去の模試を思い出しました。

また、与件文の後半には「キャッシュフロー」の文字が見えました。

この段階で、「お、例年どおりっぽいぞ。読みが当たっている可能性が高い。期待できるか?」と、つかの間の喜びを感じていました。OTZ

一呼吸おいて、試験官の「はいっ、はじめっ」の合図です。油断しないように、タイマーのボタンを押して、解答用紙に受験番号を書き、3回確認してから、表紙・背表紙と本体を切り離しました。事例Ⅳの問題冊子は計算用にメモ用紙が多めについていますが、全部切り離すと設問の順番がわからなくなったりして危険なので、表表紙・背表紙だけを取り外します。

メモ用紙を切り離した後、設問分解に入りました。事例Ⅳは設問見出しメモを書く時間を節約し、第2問以降で何が問われているのかをざっと確認し、簡単そうな計算を片付ける方針でした。

まず、一番初めに行ったのは、設問文ごとの区切り線を引くことです。

事例Ⅳは、与件文が短い反面、各設問文の長さが長いケースが多く、設問ごとの区切りも見難いため、与件文を読み飛ばしたり、自分がどこの設問を解いているのかがわからなくなったりすることを防止するための措置です。

次に、第1問から順番に設問文を読み、設問分解を行いました。

■設問分解
・第1問
 財務上の長所・短所のうち、重要と思われるものを3つ取り上げ、長所・短所の根拠を最も的確に示す経営指標の名称・計算結果を示し、長所短所が生じた原因を答えると。「いつもどおりか。。。あれっ?長所・短所w?長所・短所が生じた原因?うほー。キター、本年度最大のびっくりw。そうきましたか。。。了解です。」

 と、心のなかで思いつつ、財務上の長所に①、短所に②を付番しました。「財務上の長所・短所のうち重要と思われるものを3つ」なので、この段階で、1つの解答欄には長所か短所のどちらかを挙げるんだという認識をしました。

「まあ、いつもは短所とその原因を挙げているので、それに長所が加わったと思えば、たいしたことは無い」と、平静な状態に戻りました。

 あとは、答えるべき要素(名称、経営指標、小数点第3位四捨五入、生じた原因)にピンクのマーカーでマークしました。過去問を振り返ると、問題点だけを述べさせるものもあったので、問題点だけなのか、原因を書くのかを明確にすることは非常に重要です。

 このときが一番、平静な状態でした。よもや、この後、あんな地獄が待っていようとは露ほども知りませんでしたw。

・第2問
 中規模の設問文です。こういう大問の設問文はとても重要で、ここに書いてあることをおろそかにすると大事な条件を読み飛ばしたりするので、慎重に読み進めました。

「経営環境は不確実性を増している」という設問文をみて「不確実性=リスク=標準偏差か?」と過剰反応していましたw。

 で、読み進むと、「投下総資本」、「総資本営業利益率」、「景気が減速すれば」「生起確率は1/2」などの文字が目に飛び込んでくるたび、「これは期待値計算問題だ」という認識が強まり、「読みがあたったぞ。やほーぃ」と小躍りしていました。

 設問1
 「期待値を求めよ」を見て、「やったー」と思い、よく読むと、「税引前自己資本利益率」なる文字が。。。昨年の悪夢がちらっと頭をよぎります。「例年どおりのオーソドックスさではないかも知れない」という不安が襲ってきます。
 この段階では、期待値計算の方法を思い出しつつ、「税引前自己資本利益率はB/SやP/Lを見れば、どれを使えばいいかはわかるだろう」と考え、次を読み進めました。

 「本社を売却しない場合」「平成21年度の税引前自己資本利益率の期待値」「少数第3位を四捨五入」をマークしました。

 設問2
 「18億円のキャッシュフローが得られる」を見て、「お、CF計算か?盛りだくさんだけど、解法を知らないわけではないので、大丈夫だろう」と思いました。

でも次の行を読んで、CF計算ではないことがわかりました。

「景気変動による税引前自己資本利益率のバラツキ」が目に飛び込んできたので、「バラツキ=標準偏差か?」と考え、メモしました。

「18億円の負債を返したら、その分、支払利息が減って、経常利益が上がるから、利益率は上がるわなぁ」と漠然と考えつつ、次の設問の確認へ移りました。


・第3問
 第2問と同じく、大問の設問文は中規模。読み落としをしないように慎重に読みます。「経常利益ベースでの損益分岐点分析によるシミュレーション」という文字を見たとき、「俺ってすげー。読みが結構あたってるよ。。。などと何の特にもならないことを考えていましたw。」

また、「経常利益ベースでの損益分岐点分析」は、やはり昨年と今年のMMCの模試で出題され、間違えたので、何度も間違えないように訓練をした論点です。なので、これも自分にとってはラッキーと勝手に思っていました。

「売上原価に占める固定費は1598万円」という部分を見て、「これは売上原価=固定費引っ掛けの可能性があるぞ。きっと売上原価の中には変動費部分もあるはず。あとで確認しよう。」

更に読み進めると、「景気が減速した場合、売上高が20%減少が見込まれる」「本社を売却しない場合の固定費および営業害損益はH20年度と同額」「金利8%」「販売費および一般管理費、営業外損益はすべて固定費」という条件も書いてありました。これもマークして、注意を喚起します。

「簡単に変動費と固定費を特定できないように、あちこちに分散して書いている。設問文に惑わされず、変動費と固定費を分けておかないと、またMMC模試のように間違えるぞ」と肝に銘じました。

設問1
「D社の損益分岐点売上高を求め」という部分を見て「きた。これも引っ掛けだ。大問部分の設問文で「経常利益ベースで損益分岐点分析」と書いてあったのに、こっちにはそれが書いてない。営業利益ベースで分析してしまう人を誘っている。怖ぇぇぇ」と心の中で叫んでいました。

で、さらに、「また、本社を売却しない場合について、予想される経常利益を求め」と書いてありました。これを見て、「1問の中に複数の答えを書くような問題の場合、書く欄を間違えないように注意しないと危険だ。。。」と考えていました。

なので、(a)欄のところに①、(b)欄のところに②と書いて、注意喚起を行いました。

また、「百万円単位で解答」「百万円未満を四捨五入」にマークをしておきました。


設問2
「本社を売却した場合の損益分岐点売上高を求め」を見て、「これも経常利益ベースで考えないと!!」と考えていました。

で、次の行を見て、「営業レバレッジ」。「!!!キター、イケカコ(「意思決定会計講義ノート」)」と思いました。(後からちゃんと見ると、イケカコ(P13)のは「経営レバレッジ」だったのですがw)

すかさず、「限界利益÷営業利益」とメモってしまいました。(※)

で、あとは、答えるべき要素である「営業レバレッジの変化がD社の業績にどのような影響を与えるか」と制約条件である「財務・会計の観点から」にマークをしておきました。

※家に帰ってきてから調べたところ、イケカコでは「経営レバレッジ=オペレーティング・レバレッジ」、同じ著者が書いている「ベーシック財務管理」という参考書では「営業レバレッジ=オペレーショナル・レバレッジ」と書いてあるので、同じことだということはわかりました。ちなみに、限界利益÷営業利益で算出されるのは「経営レバレッジ係数」なんですが・・・まぁいいかw。

第4問
 第2、第3問の量と同程度の大問設問文です。何か、様式美を感じてしまいました。
 
 読み進めると「円建てで支払い」「海外輸出する自社の製品支払いは上期末と下期末の2回に分けて米ドルで受け取っている」という部分が目に飛び込んできました。

「為替??おいおい、予想当たりすぎだぞ。」と思いました。

さらに、「各半期の期首に予想売上高分の為替予約を行っている」という部分を見て「こりは、H14のパターンか?為替予約とオプションのパターンではなかろうな・・・」と思いました。

既に脳内では、「ドル売りのプットオプション」という文字がテロップの様に流れていましたw。

マークは「円建てで支払いを受け」「支払いは上期末と下期末の2回に分けて米ドルで受け取っている」「各半期の期首に予想売上高分の為替予約を行っている」に引きました。

また、「1ドル100円」「500万ドルの為替予約」に赤線を引きました。別にマーカーでマークしてもよかったのですが、マークが多すぎて、見落としても困るので、その部分だけ赤線になってしまいましたw。

設問1
設問文を読んで、まず、答えるべきなのは、「為替による差益」であることがわかりました。
大問では、予想売上高分として500万ドルの為替予約をしているが、実際は430万ドルの売上げに留まったので、予約してしまった500万ドルとの差は30万ドルだということがわかりました。加えて、為替予約は1ドル100円で行いましたが、実際は102円と予約よりも円安になっていることもわかりました。

このときは、「慎重に情報を整理して計算すれば、これは簡単に答えられる問題だ」と思いました。

設問2
「オプションを用いて為替リスクをヘッジすることを検討」という部分をみて、「また読みが当たった。なんだか怖いな。。。」と思いました。

1つめに答えるべきことは、「どのようなオプションを用いるべきか」であり、制約条件は「1ドル100円で決済する」です。

この時点で「やはり平成14年の事例Ⅳと同じだ。ここはしっかり書いておこう。ドルのプットオプションの購入だな。」と考えていました。

2つめに答えるべきことは、「オプションを用いた場合の長所と短所」です。これを見たとき、「為替予約と比較した長所と短所なのか、オプション取引そのものの長所と短所なのかがわからんなぁ。ただ、社長に説明するなら、オプション取引そのものの長所と短所を説明する方が自然かな」と考えました。


とりあえず、全部の設問をざざっと読み、その段階で捉えた感覚や感想を頭の中に入れました。

で、事例のストーリーを軽く考えてみました。

「第2問は本社を売却するかしないかによって収益の期待値や変化することを確認する問題なのだろう。で、きっと本社を売却すれば借入金も返せて、収益性も上がるので、本社を売却するという方向性なのだろう。」

「第3問はD社の収益構造をCVP分析で分析する問題だ。固定費が高い点を指摘して、固定費を削減する方向なのだろう。どうやって固定費の中の販売管理費と営業外費用のどっちを下げるかという点を考える必要があるな。」

「第4問は為替予約やオプションか。D社は商品の貿易による為替取引に起因する営業外費用に問題がありそうだな。後で財務諸表などで確認してみよう。」

「以上によって、第1問はきっと、売上高対売上総利益率か売上高対経常利益率で収益上の問題点を指摘、固定資産回転率で資産効率上の問題点を指摘、あとは自己資本比率で負債依存を指摘という流れかなぁ」

などと漠然と思っていました。

加えて「読みがあったってよかったなぁ「と思う反面、違和感を感じていました。

理由は、「第2問などはどうやって解くかがよくわからないし、第3問や第4問も簡単に解けるとは思えないぞ。」と感じていたからです。

なので、「読みがあたっても、解けなければ意味が無い。油断せずに、できるものをきっちりとっていくようにしよう。計算が全てではなく、記述問題でしっかり書いて、計算ミスなどのリスクをヘッジしよう」と気を引き締めつつ、計算問題へ突入していきました。

どうなるかは次のお楽しみw(あらかじめ言って置きますが、ひどいですw)

第12回へ続く。。。。