玉川な日々

一日の疲れは玉川に流して・・・

「現代人の悟り」-(9)閑話休題

2013-05-11 23:02:55 | 日本人の悟り

 テレビを見ない人は多くなったとはいえ、一日に数分は見るでしょうが、テレビが映像でそこに映っている人物がテレビの中にいると思っている人はいない(と思いたい)。

それと同じことが、私たちが見ている人間や動物が存在しているかどうかは、その定義によるようで、釈尊が五蘊皆空といったことが真実であることが、1930年代の素粒子論の発展により現実のものとなりつつある。

湯川秀樹が中間子の存在を予言したのが1935年、昨年(2012年)はヒッグス粒子の発見が報じらた。

素粒子には安定な素粒子群と不安定な素粒子群があり、不安定な素粒子群の寿命は長いものでも100万分の1秒で普通は100億分の1秒らしい。安定な素粒子がどのように生滅するのかは解明されていないが、不安定は素粒子は時間も空間もないところから生まれて、また時間も空間もないところへ帰っていくと考えられている。

存在しているように見えている物質は、素粒子レベルでみるとつねに入れ替わっていて、テレビの映像を見ているのとそれほど変わらないのかもしれない。

それから時間というものは存在しないとうのが、金剛経でいう「三世心不可得」でこれは解りやすい。過去、現在、未来を三世としますが、これは区別できない。もしできるなら現在を箸でつまんで見せてくれたら、好きなものをなんでも上げましょうというカケに引っかかり負けて有り金すってんてんということになる。時間は空間移動を説明するときの空間座標と同じように時間軸を仮定すると解りやすいという、物理学上の説明の道具にすぎない。1)

不安になってきましたね(笑)。あなたはすでに死んでいる!といわれているようで。


参照
1)「東洋人の心」 岡潔 昭和45年7月 講演集より