玉川な日々

一日の疲れは玉川に流して・・・

埋められない溝(2/3)

2008-06-07 01:01:41 | 社会・政治
モナ、元気ですか?

あなたからの2通目の手紙、楽しく読ませてもらったわ。

でも、ヒースクリフとイスラエルの比較は間違っているところがあるし、

私たちが対立していることを正しく捉えていないと思うの。


ステドラは最初、何世紀にも渡って迫害を受けてきたペルシャ人、クルド人、モロッコのユダヤ人が1951年に造った町だった。

多くの北アフリカのユダヤ人はイスラエルが建国されたとき、アラブ人に追放されたり力ずくで立ち退きをされたりした。

そして彼等はユダヤの故国に、まともな生活がしたくて移ってきたの。

この不毛の土地を、子供達のために 安全で平和な地にするべく 働いてきた。

実際、多くのユダヤ人は ガザに住むパレスチナ人と仲良くやっていたのよ。

ところが今は、彼等の子供、孫、ひ孫たちはロケット弾の被害者になっている。

皮肉なことね。


私がスデロトに来たのは去年。ここに来て私の生活は劇的に変わったわ。

スデロトが小さな町で、住人はとても親しく、どこに誰が住んでいるか

みんな知っているし、それがとても私は気に入っているの。

もし、誰かの家を訪ねるときだって、タクシーに乗って苗字をいえば ちゃんと連れてってくれるのよ。


スデロトでは 状態が安定しなくて振り回されてばかり。でも多くの人は、私の友人たちも含めて、

ロケット弾の被害を多くの人が受けていることを理解していないと思うわ。

毎週、多くの家が被害を受けて、その家族を探し出すことも難しいこともある。

1年以上も新しい家を探して待っていることだってある。政府が家を修理してくれるまでね。

どうして、ハマスはスデロトを狙うとあなたは思う?

1947年の国連の分割境界にスデロトが含まれていたため?

イスラエルがパレスチナからのテロを防ぐために、境界を封鎖してチェックポイントに

し、それで、不幸にも多くのパスチナ人が イスラエルにテロを働く一握りのパレスチナ人のために代償を

払うことになった。これって 貧しい労働者が 政治的ギャンブルやイデオロギーを

振りかざす人の犠牲になっていると思わない?

私も分らなくなるわ。あなたが国連の介入がフェアじゃないって言うときにね。

私は、国連はパレスチナのためにずいぶん助けたと思うわ。


私には、これがとても重要なことなんだけど、ユダヤの地をユダヤ人が突然

2000年もたって思い出したわけじゃないっていうことなの。

イスラエルの地は 古くからずっとユダヤ人の心の中心にあったものなの。

休日には ヘブライ語の聖書で祈りを捧げてきたわ。


私もシェークスピアが好きよ。リア王は、特にね。シェークスピアは、モラルや

真実というものを リア王の性格を通して表現したかったと思うし そこが好きなの。


もうすぐ 大学は試験が始まるので、今とても忙しいのよ私。

こんどの日曜は ミルトンの失楽園の試験なの。

試験、ほんとに、うまくいくといいんだけど。

また、あなたと手紙でお話できたらと 思うわ。

さようなら。

アナ