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別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

小説「アルバイトがやってきた」第1話「嘘の少年」(その3)

2004年09月14日 16時45分22秒 | 小説系
 しかし、どうしても、個人レベルでの問題は起きてしまうものである。

 さっきの背の低い少し太り気味の少年――小林将太――は教室後方のロッカーへ向かっていた。
 空になった弁当箱をロッカーにおいてあるカバンの中に片付けるためだ。
 しかし、カバンを開けてみると、中には1枚の紙切れが存在していた。取り出して見るとそこには――、
“昼休み、屋上で待っている。来ないと後で痛い目にあうぞ。 ブラッドライカー”と、汚い字が書いてあった。
 将太は、周りを気にしつつ、こっそり紙をカバンの中に戻した。その顔はうっすら青ざめている。
 《ブラッドライカー》とは、このクラスで一番の問題児――山岡優太の異名である。
 ブラッドは血、ライカーは好む者、つまりは《血を好む者》という意味だ。
 その名の通り、彼は一度ケンカを始めると相手の血を見るまで絶対にやめないし、血を見たあとも、じわじわといたぶるという残虐な男だ。
 次のターゲットは自分……
 見た目通り、運動神経のない将太に、勝機があるはずもなかった。
 将太はとりあえず、誰にも悟られないように急いで教室を出て、トイレにこもって思考をめぐらした。
 
 勝つのは無理だ。勝てるはずない。いや、勝ち負けで済むはずがない。
 相手は《ブラッドライカー》だ。満足するまで、気の済むまで、ボコられるに違いない。
(いやだ、そんなのイヤだ!だ、誰か一緒に…… いやダメだ。道連れにしてしまうだけだ。僕1人で行くしかない…)
 気が弱いなりに、そう決心した将太は、意を決してドアを――開こうとして、取っ手が遠ざかる遠ざかる遠ざかる…。
 バランスを崩して倒れそうになりながらも、なんとか堪えて目の前にいる少年に目を向けた。

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1 コメント

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今回も・・・ (加辻後 石矢)
2004-09-14 16:54:51
また、非常に中途半端なところまで追加しました。

読者様にしてみれば、やきもきしてしまう公開の仕方ですね、おそらく。

悪気は…あるのかも知れませんし、ないのかも知れません(はっきり言え)。



また、今回は少し短めです。

もうじき、定期テストが始まりますので、

更新ペースは遅くなると思われますが、ご容赦下さい。





もう、分かってしまったと思いますが、

この第1話「嘘の少年」は、“漫画でよくあるパターン”というヤツをベースにしています。

しかし、後半は、きっと、独創的な展開になると思います。

独創的すぎて、逆に、分かりづらくなてしまうかも知れませんが、その時はクレームをつけまくってやって下さい。



では。
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