国家の役割

　鳩山首相は9月22日の国連気候変動サミットで「日本の温室効果ガスの排出量を2020年までに25％削減（1990年比）を目指す」と演説し、世界を驚かせた。
　これに対して大前研一氏（経営コンサルタント）が優れた論評をされている。
① これを1961年、米国のケネディ大統領が人類を月に送る計画を発表したアポロ計画になぞらえている。そのとき米国国民は反対するどころか、国家が決めたことを国を挙げて実現した。
② 無理と思われる目標をクリアしてこそ技術が進歩する。その例として、マスキー法（自動車の排ガス規制）をクリアーした本田技研工業のCVCCエンジンを上げている。これを契機にして日本の自動車産業が勢いづき、日本の排ガス規制技術が大きく進歩した。
③ 今回の温室効果ガス25％削減という数値も、マスキー法と同じである。日本はこれ関しては、世界の中でもっとも高い目標を実現しうる立場にある。産業界、経済界もそれを実現するための手段を模索しなくてはいけない。国も、そのために必要な開発予算を付けるべきだ。鳩山首相も「嫌だったら俺を殺せ」というくらいの決意で望むべき。
④ その前に京都議定書による、2012年までに日本はマイナス6％（1990年比）実現がある。極論すれば、エネルギー消費量を半分にすればいいだけのこと。仮に海外に企業が工場移転したとしても、そこで排出された温室効果ガスもカウントの対象とする。逃げ場をカットすることは、自動車の排ガス規制のときも行った。

　久しぶりに夢を掲げる指導者が現れました。リーダーの役割は「目標を掲げて、その方向に向けて力強く推進すること」でした。かってケネディ大統領は「国家が何をしてくれるかでなく、国家に何ができるかを問うて欲しい」と国民に訴えました。あなたは温室効果ガス25％削減の為に、何ができますか？私はさし当たって、近隣は自転車で、遠方は輸送能力の高いバスや電車で移動します。今回の「ルンド先生接待」の時もそうでした。 小田原梅干