イニシェリン島の精霊@新宿TOHO 02/04/23

けっこうヤバかった。。。
公式イニシェリン島の精霊｜サーチライト・ピクチャーズ公式



主人公パードリックは自称「ナイス」良いヤツ。
友人コルムはフィドル（バイオリンみたいなやつ）を嗜むアーティストで、パードリックより20歳ほど年上に見える。
仲の良かった二人だが突然、コルムからの「お前が嫌いだから話しかけるな」宣言により破局を向かえるところから映画が始まります。
以下ネタバレあり。

イニシェリン島はアイルランド沖の小さな島。
もう、田舎らしさが煮詰まったみたいな、、しかも1922年設定だから当然スマホとかないし。
パブで時間潰すか、パードリックの妹のシボーンのように読書に励むか。
コルムに自分を否定されたパードリックの超うざい付きまといと、それに対抗するコルムの壮絶な提案からの異常な展開に目が離せませんでした。
これ「スリー・ビルボード」の監督なんだけど、やっぱりクライマックスは火付けなのね。。。
観終わった感想、とりあえず動物は可愛いな。あとコリン・ファレルのマユ毛健在すぎる。ふう。

ツイッターとかで人の感想を見ると、知的階級の差や戦争戦いの寓話化、などが出てきますけど。
正直コルムもそんなに頭よくねえし、だって距離をおきたいなら自分が離れるべきじゃね？みたいな気持ちになるし。まあ狭い島だけど。
実際シボーンは都会へ逃げたし。
パードリックは意地になってるただのストーカーだけど、だんだん「こいつもヤベえじゃん」ってなるので、途中からサイコホラーを観ている気持ちになりました。
だってじじいマジで指切るんだもん。やめてよーー。一本切ったら弾みがつくじゃん。ホラーじゃん！
せっかく可愛いワンコが「これはあかんやろ」ってコルムのそばからハサミを離してくれたのに。。
そしてその指を見てもさらにコルムに近づいていくパードリックもホラーだし！バカなの？！こいつやるヤツって証明したじゃん。
って思ったけど、パードリック、バカだったわ。。
しかも映画が進むにつれ、ナイスなバカだったのが性格の悪いバカになっちゃうからもう。。
バリー・コーガン演じるドミニクが最初はやなヤツにしか見えなかったのが、だんだん良いカンジになっていったのと逆でしたね。

関係性というのはいったんこじれると、元に戻ることはないんだなあと思いました。
思いつくままに口にするのはやめるよう、気をつけよう。。

島の風景はものっっすごく綺麗でした。
最後のほう、島にかかる雲とか、本当に素敵。


監督　マーティン・マクドナー
製作　グレアム・ブロードベント ピーター・チャーニン マーティン・マクドナー
脚本　マーティン・マクドナー

パードリック・スーラウォーン　コリン・ファレル
コルム・ドハティ　ブレンダン・グリーソン
シボーン・スーラ　ウォーンケリー・コンドン
ドミニク・キアニー　バリー・コーガン

2022年製作／114分／PG12／イギリス
原題：The Banshees of Inisherin
配給：ディズニー

字幕　牧野　琴子