轟見聞録

表現者・轟ひろたが、学んだことをメモ書きします。(毎週木・日曜更新)

47周年

2013-08-30 | Weblog
エレファントカシマシ、宮本浩次のことば


バンドの25周年も大事だけど、人間で47周年のほうが偉い!と思ったんです。

終わりを

2013-08-27 | Weblog
病院牧師、永田英子のことば


人生の終わりを意識するときに、人は人生を振り返り、その価値を見直し、何らかの形で意味付けをしますが、ただ独りで振り替えるだけでなく、それを聴く誰かがいることが大切であるといわれています。

生きている人間

2013-08-24 | Weblog
スピッツ、草野マサムネのインタビューより抜粋。


俺はちゃんと見ないとダメかもしれないと思って、2011年5月に三陸の方に行って、現場を見させてもらって。
結果的には、目の当たりにすることでヨロヨロしていた心をピシッと直すことができたというか。「生きている人間で、しかも直接被災してないのにヨロヨロしててどうするんだ」っていうような気持ちになったんで。
怠けようと思えば怠けられるんですけど、それだと生きている意味もないので。生き残った人間として何かやらなきゃって。

この国の憲法第9条は、

2013-08-15 | Weblog


忌野清志郎が作詞家の湯川れい子へ送った手紙より。
平成12年ごろの手紙です。


地震のあとには戦争がやってくる。
軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。
国民を馬鹿にして戦争に駆り立てる。
自分は安全なところで偉そうにしているだけ。
阪神大震災から5年。
俺は大阪の水浸しになった部屋で目が覚めた。
TVをつけると5ヶ所程から火の手がのぼっていた。
(これはすぐに消えるだろう)と思ってまた眠った。
6時間後に目が覚めると神戸の街は火の海と化していた。

この国は何をやってるんだ。
復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。
これが日本だ。私の国だ。

とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄ですと言って返り咲いた政治家。
弟はドラムを叩くシーンで、僕はロックンロールじゃありませんと自白している。
政治家は反米主義に拍車がかかり、もう後戻りできゃしない。
そのうちリズム&ブルースもロックも禁止されるだろう。
政治家はみんな防衛庁が好きらしい。
人を助けるとか世界を平和にするとか言って、実は軍隊を動かして世界を征服したい。

俺はまるで共産党員みたいだな。普通にロックをやってきただけなんだけど。
そうだよ。売れない音楽をずっとやってきたんだ。
何を学ぼうと思ったわけじゃない。
好きな音楽をやってるだけだ。
それを何かに利用しようなんて思わない。せこい奴らとは違う。
民衆をだまして、民衆を利用して、いったい何になりたいんだ。
予算はどーなってるんだ。
予算をどう使うかっていうのは、いったい誰が決めてるんだ。
10万円のために人を殺すやつもいれば、
10兆円とか100兆円とかを動かしている奴もいるんだ。
いったいこの国は何なんだ。
俺が生まれ育ったこの国のことだよ。

どーだろう、・・・この国の憲法第9条は、まるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?
戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。
俺たちはジョン・レノンみたいじゃないか。
戦争はやめよう。
平和に生きよう。
そして、みんな平等に暮らそう。
きっと幸せになれるよ。

そこらの人

2013-08-12 | Weblog
アジアンカンフージェネレーション、後藤正文のインタビューより


こんな大きな災害があって、これからのリーダーを選ぶ時なのに投票率が低い。それ、選ばせろって言わなかったってことですよ。それぐらいひどいのは自分たち、国民だと思うんですよ。投票率が50%、二人に一人なんてありえない。あんな震災があって、あんな過酷な事故があって、これからどうするか考えないといけない問題が、福島の原子力発電所でひとつの象徴として起きていて、そんな時でこんなに意識が低いのかって。だから政府なんかよりも、そこらの人のほうが怖いと思っちゃうんですよ。結局、この無言を担保にしているわけですよ、政府のやっていることを。

靴を脱ぐ

2013-08-06 | Weblog
「生ましめんかな」
栗原貞子

こわれたビルディングの地下室の夜であった。
原子爆弾の負傷者たちは
ローソク一本ない暗い地下室をうずめていっぱいだった。
生ぐさい血の匂い。死臭。汗くさい人いきれ。うめき声。
その中から不思議な声が聞こえて来た。
「赤ん坊が生まれる」と云うのだ。
この地獄のような地下室で今、若い女が
産気づいているのだ。
マッチ一本ない暗がりでどうしたらいいのだろう。
人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
と、「自分は産婆です。自分が生ませましょう」と云ったのは
さっきまでうめいていた負傷者だ。
かくてあかつきを待たず産婆は血まみれのまま死んだ。
生ましめんかな
生ましめんかな
己が命捨つとも





「靴を脱ぐ」
上田 由美子

私は黙って大地を広げている
この六十三年
閃光が飛び散ったその日から
蟬時雨の中で堪えている

今日こそ 時々 公園に来る老人の
一人言を聞かそう

その老人は 公園では靴をぬぐ
「公園ん中をのお 靴をはいて歩くこたあ わしにゃでけんのお
こん土地ん下にゃ わしのとうさんやかあさんが 眠っとるけん
ほかんもんも ぎょうさん霊になって こん下に広がっとるけん
こかあ 全体が 墓地なんじゃけん
この土いみんさいや 白い骨の粉がまぶさっとるけんのお
わしゃ そう思うとる」

八月六日
公園を一日だけの墓地にして
むせかえる青葉が
あの日のことを覆い隠そうとする

また世界が戦いの方向に向かいだしたのか
地の底の霊に何と言って詫びればいいのだろうか

桜の花が満開になると
ここは観光客でいっぱいになる

ある時
仏さまが老人の一人言を聞かれて
公園のあちこちの暗闇の隅々から
死者たちの霊を集め
踏み荒らされた道端やベンチの下や草陰から
白い骨の小さなかけらや粉を土の中から抱き寄せられて
慰霊碑の前で祈禱されたのです
その声が夜ごと広い公園の中を
這うように広がっていたのが
あなた達に聞こえたでしょうか

原爆ドームが世界遺産になって
世界中の人々がここへ集まるのなら
悔恨をたたみ重ねて
ここで祈りを捧げてくれるのなら
一刻も早くその日が来て
死者たちが浮かばれるよう 助けてあげて下さい

どうかここを 風景の一つに終わらせないで下さい