轟見聞録

表現者・轟ひろたが、学んだことをメモ書きします。(毎週木・日曜更新)

公演後記+芝居をゆっくり

2007-05-31 | Weblog
先日終わりました「風魔の小太郎」の公演後記、というかネタばらしを書きます。今回は長いよ。携帯からだと見づらいよ。
まず結論からいうと楽しかった。今回のテーマとも重なるけどいい仲間に出会えました。観客動員数も前回公演「鏡花」が460人。今回が571人。嬉しいなぁ。
最初に轟一人芝居のネタばらし。次に今回の「仲間」について。最後の「芝居をゆっくり」について書きます。


まず轟の一人芝居。
今回の出演シーンが2回のみ。序章の「江戸」と、中盤の「秀忠」
セリフは自分で考えました。とはいえ、その日の気分やお客さまの反応によって毎回変わっていきました。
今回の照明はお客さまの顔がよく見えたのでやりやすかったし、客席とのキャッチボールが楽しかったです。

最初の「江戸」のテーマは、江戸時代の簡単な説明と「君死にたまふことなかれ」
今年のはじめ「風魔の小太郎」の初稿を読んだとき、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」という言葉が頭の中で鳴りました。ちょうどその時期に憲法九条を変えようとしていることにも憤りがあったし、あの芝居で一人ぐらい「愛と平和」をうたってもいいかなと思いました。

ああ をとうとよ 君をなく
君死にたまふことなかれ
この世にひとりの君ならで
ああ また誰をたのむべき
君死にたまふことなかれ


他にも影響されたのは

「アンパンマンのマーチ」
なんのために生まれて
なにをして生きるのか
答えられないなんて
そんなのは嫌だ

Mr Children「HERO」
ダメな映画を盛り上げるために
簡単に命が捨てられていく
違う 僕らが見ていたいのは
希望に満ちた光だ
ずっとHEROになりたい
ただひとり 君にとっての
ちっとも謎めいてないし
いまさらもう秘密なんて無い

あと、武蔵野芸能劇場にむかうとき、三鷹駅北口の交番を過ぎると小さな記念碑はあります。国木田独歩「武蔵野」の記念碑です。せっかくだから影響されようと思って「武蔵野」のこの文に出会いました。
「日が落ちる、野は風が強く吹く、林は鳴る、武蔵野は暮れんとする。(中略)風がいまにも月を吹き落としそうである」
いい文章だなぁと思いアレンジして
「この男が出てきた途端 潮風がサァー タンポポの綿毛がフワフワ 有明の月がボトン」というのを作りました。
他にも「ハムレット」「ロミオとジュリエット」「曽根崎心中」のセリフを少しづつ混ぜました。お初と徳兵衛だしね。

入場のときの歌は毎回違います。
25日 「テキーラ」
26日昼「リンダリンダ」
26日夜「サタデーナイト」
27日昼「オールマイライフ」
27日夜「トレイントレイン」
個人的にはフーファイターズの「オールマイライフ」を歌ったときが気持ちよかったです。フジロックのグリーンステージみたいに。
あと、そのときの気分によっては「イマジン」も途中で歌いました。いつの回で歌ったかは覚えていません。



中盤の「秀忠」のテーマは「最善を尽くす」
たとえ調子が悪くても、気分が乗らなくても、そのなかで自分の持っている力を出し切る。最善を尽くすということは素晴らしいことだと最近思っています。
そして、その逆境もいつか「災い転じて福と」なるよう頑張ればいいのだとも思っています。


次に「仲間」について
今回は諸事情により、私はあまり稽古場に行くことができませんでした。その分ほかの劇団員が頑張ってくれました。ありがとう。
そして共演者のみなさん。一言でいうと、みんな大人だった。
自分たちに割り当てられた役割を理解し、気遣いのできるひとばかり。素晴らしかった。
今回の作品はキャスト、スタッフ関係なく「仲間」が一丸となって作られた作品です。みんなで作った作品です。みんなありがとう。


最後にひとつ報告。
今後は芝居のペースを落とします。ゆっくりにします。
実は3月に首(頚椎)を痛めてしまいました。日常生活に問題はないのですが、テンポのいい動きができません。
とはいえ常日頃から「不自由のなかにこそ、自由があるんじゃないか」と思っている私は、頚椎を痛めてからもバンド・ハイスマイルで1本、一人芝居で3本、「風魔の小太郎」で5本。この2ヶ月で9本のステージに上がりました。

9本ステージに上がってわかったことは「体を直すのが先だ」という、とてもシンプルな答えでした。
アクセルを踏みたいのに、ブレーキも踏まなきゃいけないのはなかなか難しいですね。

とはいえ、いずれ復活します。無理せずゆっくりすれば直る怪我です。
そして、たとえ調子が悪くても、気分が乗らなくても、そのなかで自分の持っている力を出し切る。最善を尽くすということは素晴らしいことだと最近思っています。
この逆境もいつか「災い転じて福と」なればいいのだから。


この公演にかかわったすべての人に感謝します。ありがとうございました。
俺、楽しかったよ。

5/27「楽日」

2007-05-27 | Weblog
さきほど「風魔の小太郎」の最終公演を終えました。
御来場いただいたお客さま、共演者、そしてスタッフの皆様、本当に本当にありがとうございました。

楽しかった。ステージも、楽屋も。
昼は攻撃的に。夜は爆発的に演じました。
いまは満足感と問題意識、そして感謝の気持ちでいっぱいです。

ゆっくりする時間ができたら「風魔の小太郎」のネタばらしを長々書くつもりです。お暇なときに読みにきてください。

最後に。
今回の公演にかかわったすべての人に感謝します。
ありがとうございました。

轟ひろた

5/26「2 日目」

2007-05-27 | Weblog
無事2日目を終えました。
御来場いただいたお客さま、そしてスタッフの皆様ありがとうございました。

楽しいなぁ。
昼は丁寧に。夜は背伸びして演じました。

今回の客席はお客さまの顔がよく見えるので、とてもやりやすいです。

いよいよ楽日。
燃えつきます。
まだ若干お席に余裕がありますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

5/25「初日」

2007-05-26 | Weblog
いよいよ幕が開きました「風魔の小太郎」
御来場いただいたお客さま、そしてスタッフの皆様ありがとうございました。

楽しかったぁ。
とにかく伸び伸び、お客さまと触れ合おうと思いました。それができたと思います。

明日も伸び伸びやります。よろしくお願いします。


追伸
5/28(月)以降に今回のネタばらしを書く予定です。ぜひ読みに来てください。

5/24「仕込み」

2007-05-25 | Weblog
いよいよわが劇団「アニマル王子」の第7回公演「風魔の小太郎」が幕を開きます。
(写真は楽屋での松野くん、吉田猫ちゃん、轟です)

5/24(木)初めて武蔵野芸能劇場に入り、舞台美術や照明を仕込みました。
すばらしいスタッフさんに囲まれ、すばらしいステージに仕上がってます。
テーマは「仲間」
ぜひ御来場ください。

なお5/25(金)は完売。
5/26(土)昼・夜は完売間近。
5/27(日)は昼・夜ともに余裕があります。
なにとぞよろしくお願いいたします。

5/25~27「アニマル王子」

2007-05-20 | Weblog
わが劇団「アニマル王子」が今週、芝居をうちます。
テーマは「仲間」ぜひご来場ください。

○5/25(金)~27(日)
三鷹「武蔵野芸能劇場」
劇団アニマル王子・第7回公演「風魔の小太郎」
25(金)19時30分
26(土)14時、19時
27(日)13時、17時
開場は開演の30分前
武蔵野芸能劇場(三鷹駅北口から徒歩1分)
前売り 2000円

ちゃんばら冒険活劇。ステージを15人の役者が走り回ります。おかげさまで小劇場を卒業して、初のホール公演です。
私は語り部での出演。情熱をもって挑みますのでぜひご来場ください。即興演劇集団「かもめ」の松野君が演出、吉田猫さんも出るよ。よろしくお願いいたします。

・お問い合わせ
love-and-peace-no9@mail.goo.ne.jp

・劇団アニマル王子HP
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/3312/

5/14曼荼羅

2007-05-19 | Weblog
5/14(月)吉祥寺「曼荼羅」にて一人芝居をやってきました。
ご来場いただいたお客さまありがとうございました。
写真は終演後「ラーメン花月」をすするジロー今村さん、「かもめ」フカザワさん、轟です。
撮影してくれた相沢翼さんありがとう。

1 ビートルズ初来日
2 雨ニモマケナイ銀河鉄道
3 江戸
4 シルヴァスタイン「おおきな木」

今回はのびのび演じるよう心がけました。客席をもっと明るめにしてお客さまの顔を見ながらやりたかったです。

いままで何度も私の「おおきな木」を見ているお客さまから「今回のは泣きそうになった」を言われたのが印象的でした。確かに曼荼羅での私は心の底から深く深く演技できたと思います。

共演者も凄かった。
「魂の肉体表現者」ジロー今村さんの「語るより感じろ」という熱いステージ。ストリートパフォーマンスで鍛えられた、お客さまとのキャッチボールは素晴らしかったです。

そして、パントマイムの志水晃さん。
映画を見ているようだった。何も無いステージに一人の表現者がいるだけ。
それなのに私の目の前には、広大な荒野も、一輪の花も、空を飛ぶ巨大ロボットも見えました。
同じ一人の表現者として勉強になることばかり。
客席にいても楽しめる夜でした。

努力とアイディアがあれば何でもできるんだなぁ。

一生懸命

2007-05-17 | Weblog
NHK「できるかな」でノッポさん役を20年以上つとめた、高見のっぽさんのことば


明日から思い切って何でもやってみたら。やってみると案外何かあるかもしれませんよ。
「本気じゃなかったから失敗した」って言い訳はなしにして、一生懸命やりましょうよ。

6/10「とどろっくフェスティバル4」

2007-05-15 | Weblog
轟ひろたがプロデュースするイベントです。今回は過去最多の9アーティストが出演。いつものように色合いはごちゃまぜです。そして、情熱と切実さをもった表現者たちです。

○6/10(日)新宿マローネ
「とどろっくフェスティバル4」
開場13:00/開演13:15/終演16:00予定
2000円(1ドリンク付)

・タイムテーブル
13:15~13:30 ハイスマイル(バンド)
13:30~13:35 馬場智子(一人芝居)
13:35~13:50 吉田猫(歌)
13:50~14:10 細田裕子(弾き語り)
14:10~14:25 いずみひろたか(弾き語り)
 (15分休憩)
14:40~14:50 松野正史(一人芝居)
14:50~15:05 劇団ウラダイコク(芝居)
15:05~15:15 冷蔵庫マン(お笑い)
15:15~15:40 三日月の詩(バンド)

約2時間でそして情熱と切実さをもった全9組が出演します。なにとぞご来場お待ちしております。


以下は詳細です。

○出演者の紹介
・ハイスマイル(バンド)
わがバンド。目標はビートルズ、オアシス
http://blog.livedoor.jp/hi_smile/

・馬場智子(一人芝居)
矢野顕子好きの役者

・吉田猫(歌)
宮沢賢治に影響を受けたアーティストであり、役者。
http://ameblo.jp/laments/

・細田裕子(弾き語り)
クラッシックギターと伸びやかな声
http://www.tosp.co.jp/i.asp?I=we_are_s

・いずみひろたか(弾き語り)
社会人とジョンレノンの融合
http://happy.ap.teacup.com/izu-kun/

・松野正史(一人芝居)
劇団アニマル王子の演出。正統な一人芝居。
http://blog.livedoor.jp/allseasen/

・劇団ウラダイコク(芝居)
即興芝居をやる予定
http://www.uradaikoku.com/

・冷蔵庫マン(お笑い)
46歳。WAHAHA本舗。
http://blog.bachoon.tv/reizoukoman/

・三日月の詩(バンド)
切実で熱い音
http://www.freepe.com/ii.cgi?papapa2


○予約方法
todorock69@yahoo.co.jp
①氏名②人数③連絡先④どのアーティストの知り合いかを書いてメールしてください。送信後3日以内にご予約完了メールを返信します。

○新宿マローネ(新宿駅東口より徒歩8分)
03-3352-7751 ( TEL & FAX )
〒160-0022 東京都新宿区新宿 3-28-2 フクモトビル 2F
http://www.h5.dion.ne.jp/~takao_s/marone/index1.html

演奏は競技ではない

2007-05-13 | Weblog
ピアノ奏者、グレン・グールドのことば


人々は闘牛場にいる観衆のようなもので、演奏をなにかの運動競技だと考え、危険の及ばない場所で目の前の光景を楽しんでいる。
舞台で実際に行われている営みからは完全に切り離されているわけです。
ただ、演奏は競技ではない。恋愛です。

5/8 ネイキッドロフト

2007-05-12 | Weblog
5/8新宿ネイキッドロフトにて、一人芝居とバンド・ハイスマイルで出演してきました。ご来場いただいた皆さまありがとうございました。

1 ビートルズ初来日
2 ジブリの名シーン(トトロ+ラピュタ)
3 ちくわちゃん
4 雨ニモマケナイ坊っちゃん
5 シルヴァスタイン「大きな木」
6 ライフイズゴールデン(ハイスマイル)
7 サケノミノ青春(ハイスマイル)

こんなに汗をかいた一人芝居は初めてでした。
いまの自分がかつての力を100%発揮できるかどうかは別にして、気持ちは今まででもっとも切実に一生懸命やらせていただきました。
「雨ニモマケナイ坊っちゃん」ぐらいからやっと自分のペースをつかんだ感じ。共演者のゴーバンブーさんからも「お客様の拍手、後半から大きかったですね」と言われました。

そして今回は一人芝居だけでなく、ハイスマイルとしても出演。
本当は1曲だけのつもりでしたが、リハを見た店長から「もう1曲増やしましょうよ」の一言。ありがたいです。
ハイスマイルの3人は情熱を開放できました。それだけで十分。


イベント自体も良かったです。さすがネイキッドロフト、ここのブッキングは楽しめる。
ゴーバンブーさんの漫才仕込みのテンポの良さ。
パワフルGASだんぼうさんの自分達が一番楽しんでいる伸び伸びとしたステージ。

そして、元気いいぞうさん。素晴らしかった。
ちょうど1年前の昨年5月、観客として初めてネイキッドロフトに来たときステージに元気いいぞうさんが立っていました。こんな面白くて根っこに愛があふれた表現者がいるのかと驚き、昨年7月ロフトに出演希望を出した際「いつか元気いいぞうさんと共演させてください」と店長に伝えました。

そして今回。
いいぞうさんのステージを見て、私はずっと笑いっぱなしだったし元気をもらいました。終演後、元気いいぞうさんと仲良くなれました。僕らの表現に対しても温かい言葉をいただき「いつか共演しましょう」との言葉もいただけました。


実りが多い一日。
自分の芝居を見て欲しいと思っていた方にもご来場いただけました。嬉しかった。
5/8は「ありがとう」という言葉が自然と湧き出る夜でした。

魂の解放

2007-05-07 | Weblog
ゴールデンウィーク中、自分の部屋にいるときは絶えずロックのDVDを流していた。
ニルヴァーナ
レッチリ
ストーンズ
フーファイターズ
どのアーティストも魂を放出している。
ジミヘンはライブのことを「魂の解放」と言っていた。

私は考える。
日常を生きるひとは、たとえステージに上がっていなくとも誰しもが表現者であると。

みんな、魂を放出しよう。魂を解放しよう。
そのとき、ひとは輝く。

信念

2007-05-06 | Weblog
アップルコンピュータの創設者、スティーブ・ジョブスのことばを2つ


いまつながりがない点と点も、将来は結ぶことができるかも知れない。
それを信ずることだ。


人生には、ときにレンガでガツンとやられることがあるものだ。
打ち込めるもの、愛するものがあれば信念は失わない。