リーマンζ関数について
ζ(s) = Σ [n = 1 ∞] n-s
以下は4つの場合を考える
(1) 1 ≦ s ∈ Z の場合 <s = 2n, s = 2n-1 (n ∈ N)>
(2) s ≦ 0 ∈ Z の場合 <解析接続と関数等式>
(3) Re(s) > 1 ∈ C の場合 <絶対収束する>
(4) 0 ≦ Re(s) < 1 ∈ C の場合 <s = 1 で1位の極をもち、留数が1である>
(1) 1 ≦ s ∈ Z の場合 s = 2n, s = 2n-1 (n ∈ N)
(i) s = 2n ∈ Z の場合
sin(x)/x は、マクロリーン展開とx = nπ (n ∈ Z)を解にもつので
<マクロリーン展開>
sin(x)/x
= (x - x3/3! + x5/5! - x7/7! + x9/9! - ...)/x
= 1 - x2/3! + x4/5! - x6/7! + x8/9! - ...
x = nπ (n ∈ Z) に解を持つので
sin(x)/x
= Π(1 - x/nπ)
= (1 - x/π)(1 - x/(-π))(1 - x/2π)(1 - x/(-2π)...
= (1 - x2/π2)(1 - x2/(2π)2)...
ζ(1) = ∞ (補足追加)
ζ(2) = π2/6
ζ(4) = π4/90
ζ(6) = π6/945
ζ(8) = π8/9450
ζ(10) = π10/93555
ζ(12) = 691π12/638512875
ζ(14) = 2π14/18243225
などが得られて
s = 2nの場合は、ベルヌーイ数 Bn は次の漸化式である
Σ [i = 0 n] n+1Ci*Bi = n + 1
ζ(2n) = (-1)n-1*22n-1*B2n/(2n)!*π2n (n ∈ N)
が得られる。
(ii) 1 ≦ s の時の s = 2n-1 (n ∈ N) の場合はまだ発見されていない。
(2) s ≦ 0 ∈ Z の場合 解析接続と関数等式
<一致の定理>
関数 f(z) と g(z) は領域D で正則であり、D の点a に収束する D内の点列{zn} (z ≠ a, n ∈ N) に対して
f(zn) = g(zn) (n ∈ N)
が成り立てば、D全体で f(z) = g(z) である。
<解析接続>
f(z) = 1/(1-z) D(1) = {z | |z| < 1}
g(z) = 1/(1-z) D(2) = {z | |z - a| < |1 - a|}
F(z) = {f(z) (z ∈ D(1)) g(z) (z ∈ D(2))} は D(1) ∪ D(2) で正則である。
D(1)からD(1) ∪ D(2)へ拡張されたのである。
f(z) は D(2) へ解析接続された、また、g(z) は D(1) へ解析接続されたという。
証明は省きます。(複素解析の専門書によるとガンマ関数より証明される)
ζ(s) は、1-m より解析接続されて、関数等式が得られるようだ。
ζ(s) = 1/(s-1) + 1/2 + Σ{k=1 M-1] B(k+1)/(k+1)!*s(s+1)...(s+k-1) - s(s+1)...(s+M-1)/M!∫[1 ∞] B(M)(x-[x])/xs+Mdx
の式より次の関数等式が得られる。
s = 1-m
ζ(s) = ζ(1-m) = -B(m)/m
ζ(-2) = ζ(1-3) = -B(3)/3 = 0
ζ(-4) = ζ(1-5) = -B(5)/5 = 0
ζ(-6) = ζ(1-7) = -B(7)/7 = 0
よって、s = -2n は次の結果を得る。
ζ(-2n) = ζ(1-(2n+1)) = -B(2n+1)/(2n+1) = 0
これを自明な零点をよぶ。
ζ(0) = ζ(1-1) = -B(1)/1 = -1/2*1 = -1/2
ζ(-1) = ζ(1-2) = -B(2)/2 = -1/6*1/2 = -1/12
ζ(-3) = ζ(1-4) = -B(4)/4 = -(-1/30)*1/4 = -1/120
(3) Re(s) > 1 ∈ C の場合
絶対収束する
<証明>
|n-z| = |e-zlog(n)| = e-xlog(n))
任意に k > 1 をとると、 x ≧ k のとき、|n-z| ≦ n-k となり、収束優級数で押さえられるからそこでは一様収束する。
Q.E.D.
(4) 0 ≦ Re(s) < 1 ∈ C の場合
s = 1 で1位の極をもち、留数が1である
このとき、Re(s) = 1/2 のときに、零点をとるとリーマンは予想しました。
私の調べた範囲では、リーマン予想は、こんな感じでした。
<私の疑問>
(1) s (s ∈ Z) のとき、Zだが、実数の時の値はなぜ、求めないのか?
(2) s = -2n (n ∈ N) のときに、零点をとるが、0 ≦ Re(s) < 1 ∈ C 以外に零点はないのか? (1)との関係です。
(3) ζ(s) の値は、何かの等式(sin(x)/xなどを含む)より発見されているが、なぜ、等式なのか?
(4) ζ(1/2 + i) のように、直接に代入して求められないのか?
(5) 一致の定理、解析接続をよく見ると、収束半径が大事なことが分かります。z = x + iy = r(cosθ+i*sinθ) と考えれば、r と何か関係がないのでしょうか?
(6) (5)の r との関係がリーマン予想と関係があるのか?
<参考書籍>
複素関数論 近代科学社
複素解析 現代数学社
数学セミナー(2009年11月号)リーマン予想150年
数学セミナー増刊 リーマン予想がわかる
数学のたのしみ(1997年6月号)
岩波講座 現代数学の基礎 複素解析
岩波講座 現代数学の基礎 数論1
<補足>
現在は、「微分積分学」、「線形代数学」、「集合・位相」を丁寧に勉強をしています。
リーマンζ関数は、興味があったので、関係書籍を読んでみました。
私の疑問(1)~(6)までありますが、複素解析、数論などはきちんと勉強をしていないので、現段階の疑問です。
なので、そんなに真面目に答えなくても大丈夫です。
興味があったので、色々と調べていたら、楽しかったので、ついつい時間が過ぎて行きました。
基本(大学1、2年生)を大事にしながら、勉強する方針には変わりありません。
ζ(s) = Σ [n = 1 ∞] n-s
以下は4つの場合を考える
(1) 1 ≦ s ∈ Z の場合 <s = 2n, s = 2n-1 (n ∈ N)>
(2) s ≦ 0 ∈ Z の場合 <解析接続と関数等式>
(3) Re(s) > 1 ∈ C の場合 <絶対収束する>
(4) 0 ≦ Re(s) < 1 ∈ C の場合 <s = 1 で1位の極をもち、留数が1である>
(1) 1 ≦ s ∈ Z の場合 s = 2n, s = 2n-1 (n ∈ N)
(i) s = 2n ∈ Z の場合
sin(x)/x は、マクロリーン展開とx = nπ (n ∈ Z)を解にもつので
<マクロリーン展開>
sin(x)/x
= (x - x3/3! + x5/5! - x7/7! + x9/9! - ...)/x
= 1 - x2/3! + x4/5! - x6/7! + x8/9! - ...
x = nπ (n ∈ Z) に解を持つので
sin(x)/x
= Π(1 - x/nπ)
= (1 - x/π)(1 - x/(-π))(1 - x/2π)(1 - x/(-2π)...
= (1 - x2/π2)(1 - x2/(2π)2)...
ζ(1) = ∞ (補足追加)
ζ(2) = π2/6
ζ(4) = π4/90
ζ(6) = π6/945
ζ(8) = π8/9450
ζ(10) = π10/93555
ζ(12) = 691π12/638512875
ζ(14) = 2π14/18243225
などが得られて
s = 2nの場合は、ベルヌーイ数 Bn は次の漸化式である
Σ [i = 0 n] n+1Ci*Bi = n + 1
ζ(2n) = (-1)n-1*22n-1*B2n/(2n)!*π2n (n ∈ N)
が得られる。
(ii) 1 ≦ s の時の s = 2n-1 (n ∈ N) の場合はまだ発見されていない。
(2) s ≦ 0 ∈ Z の場合 解析接続と関数等式
<一致の定理>
関数 f(z) と g(z) は領域D で正則であり、D の点a に収束する D内の点列{zn} (z ≠ a, n ∈ N) に対して
f(zn) = g(zn) (n ∈ N)
が成り立てば、D全体で f(z) = g(z) である。
<解析接続>
f(z) = 1/(1-z) D(1) = {z | |z| < 1}
g(z) = 1/(1-z) D(2) = {z | |z - a| < |1 - a|}
F(z) = {f(z) (z ∈ D(1)) g(z) (z ∈ D(2))} は D(1) ∪ D(2) で正則である。
D(1)からD(1) ∪ D(2)へ拡張されたのである。
f(z) は D(2) へ解析接続された、また、g(z) は D(1) へ解析接続されたという。
証明は省きます。(複素解析の専門書によるとガンマ関数より証明される)
ζ(s) は、1-m より解析接続されて、関数等式が得られるようだ。
ζ(s) = 1/(s-1) + 1/2 + Σ{k=1 M-1] B(k+1)/(k+1)!*s(s+1)...(s+k-1) - s(s+1)...(s+M-1)/M!∫[1 ∞] B(M)(x-[x])/xs+Mdx
の式より次の関数等式が得られる。
s = 1-m
ζ(s) = ζ(1-m) = -B(m)/m
ζ(-2) = ζ(1-3) = -B(3)/3 = 0
ζ(-4) = ζ(1-5) = -B(5)/5 = 0
ζ(-6) = ζ(1-7) = -B(7)/7 = 0
よって、s = -2n は次の結果を得る。
ζ(-2n) = ζ(1-(2n+1)) = -B(2n+1)/(2n+1) = 0
これを自明な零点をよぶ。
ζ(0) = ζ(1-1) = -B(1)/1 = -1/2*1 = -1/2
ζ(-1) = ζ(1-2) = -B(2)/2 = -1/6*1/2 = -1/12
ζ(-3) = ζ(1-4) = -B(4)/4 = -(-1/30)*1/4 = -1/120
(3) Re(s) > 1 ∈ C の場合
絶対収束する
<証明>
|n-z| = |e-zlog(n)| = e-xlog(n))
任意に k > 1 をとると、 x ≧ k のとき、|n-z| ≦ n-k となり、収束優級数で押さえられるからそこでは一様収束する。
Q.E.D.
(4) 0 ≦ Re(s) < 1 ∈ C の場合
s = 1 で1位の極をもち、留数が1である
このとき、Re(s) = 1/2 のときに、零点をとるとリーマンは予想しました。
私の調べた範囲では、リーマン予想は、こんな感じでした。
<私の疑問>
(1) s (s ∈ Z) のとき、Zだが、実数の時の値はなぜ、求めないのか?
(2) s = -2n (n ∈ N) のときに、零点をとるが、0 ≦ Re(s) < 1 ∈ C 以外に零点はないのか? (1)との関係です。
(3) ζ(s) の値は、何かの等式(sin(x)/xなどを含む)より発見されているが、なぜ、等式なのか?
(4) ζ(1/2 + i) のように、直接に代入して求められないのか?
(5) 一致の定理、解析接続をよく見ると、収束半径が大事なことが分かります。z = x + iy = r(cosθ+i*sinθ) と考えれば、r と何か関係がないのでしょうか?
(6) (5)の r との関係がリーマン予想と関係があるのか?
<参考書籍>
複素関数論 近代科学社
複素解析 現代数学社
数学セミナー(2009年11月号)リーマン予想150年
数学セミナー増刊 リーマン予想がわかる
数学のたのしみ(1997年6月号)
岩波講座 現代数学の基礎 複素解析
岩波講座 現代数学の基礎 数論1
<補足>
現在は、「微分積分学」、「線形代数学」、「集合・位相」を丁寧に勉強をしています。
リーマンζ関数は、興味があったので、関係書籍を読んでみました。
私の疑問(1)~(6)までありますが、複素解析、数論などはきちんと勉強をしていないので、現段階の疑問です。
なので、そんなに真面目に答えなくても大丈夫です。
興味があったので、色々と調べていたら、楽しかったので、ついつい時間が過ぎて行きました。
基本(大学1、2年生)を大事にしながら、勉強する方針には変わりありません。