自分でオイル交換する時に消耗品であるドレンパッキンを事前に用意するの
を忘れて、そのまま再利用しちゃう事って、人によってはあるよね。
分ってて慎重に締めて、オーバートルク(締めすぎ)にならないようにすれば、
まあ1回くらいは再利用できちゃうのが現実なんだけど、作業に不慣れな人がや
ると新品のパッキンでさえ締めすぎになる場合が多い。
ましてや再利用品だとこの傾向がさらに多くなるだろう。
なんでか?
パッキンはつぶれる事で密着性・気密性は生まれ、すでに一回潰してる物はそれ
以上はつぶれにくい。
だからゆるむとイヤだとガンガン締め付けるとつぶれ限界を超えて、今度はドレン
ホールのネジ山が負けて最悪時はネジ山を壊す。
一時期ヤフオクで出品されてたいくつかのエンジンのうち、2台はドレンホール部が
割れてる“わけあり品”が格安で出品されていたよ。
でも、いくら格安とは言え、場所が場所だけに簡単に修復したりクランクケースを交
換することが出来ないので、利用価値を見出せない人は手を出さなかっただろう。
締めすぎによるドレンホールの破壊は、一部のバイクを除い
て致命的なものである。
さて、YBRの純正ドレンパッキンは内径12mmのアルミパッキンだ。
調べちゃいないけど、ヤマハの他車種でも同じ寸法の物があるだろうから見つけた
ら流用可能な互換品としてメモしておくといいかと思うね。
俺の場合はホンダのバイク用や他社の四輪用ドレンパッキンの中から流用可能な
ものをいくつか見つけたので、お店に寄ったついでに買い置きしてる。
左右のそれは四輪用で・・・えっと、ホムセンのカインズホームで見かけて買い置き
した物。二枚で約200円程度。
真ん中は前回使ったもので、これはホンダのミニモトのモンキーとかAPEとかカブ
のドレンパッキンでバイク用品店で在庫をよく見かける。
スズキ1が純正に近い内径・外径かな。
どれもこれもまったく問題なくYBR125に使える。
だって、純正も単なるドーナツ状のアルミの板で、これらと同じ機能なんだから。w
一番注意すべきは、ドレンボルトを締め付けすぎないようにする事。
わざわざトルクレンチで管理するほどのテクニックではないけれど、俺のやってる
方法は
・付ける前ドレンホールの当たり面やドレンボルトの当たり面をよく掃除して、砂や
泥を取り除く。
・手締めでしっかり締めこむ。
・工具は片口スパナやソケットレンチ類を使わず、メガネレンチを使う。
・レンチを持つ場所は真ん中あたりにして端っこは握らない(オーバートルク防止)
・軽く締め込み、ニュルリとした感触のつぶれを感じ取る。
・つぶれが少し固く感じてきたら、そこで止めて完了。回転角はかなり狭い。
・どうしても心配ならば翌日に極軽くゆるみ方向に力をかけてゆるみの有無を
確認する。
・もしもボルトがゆるんでたら増し締めすればいい。
最近お勧めなのがこのドレンワッシャ。
バイク用品のデイトナの物で両面にシーリング材加工してある。
少しゆるめなトルクで十分に密閉されるから初心者にとって有り
がたいと思う。
以上。
グイグイとかガンガンって感じで締めるとたいていオーバートルクになるので
整備慣れしてない人は、壊す前によく作業手順を理解しておくといいだろう。
後日書いた記事も参考にどうぞ。 オイルドレンボルトの締め角度 ←リンク
壊してからじゃ遅いので、まったく自信がない人はバイク屋さんにおまかせする
のが懸命だと思うよ。
工賃とはこうしたノウハウの蓄積と実践経験とちゃんとした工具と手間に対する
対価だけど壊すよりははるかに安い。
ドレンホールを壊したオーナーがたぶん早々廃車したYBRのエンジンがヤフオクに
わけあり出品されてたのを見かけるたびに、残念な気持ちになってしまうよ。
とにかく慎重に作業をしておくれ。
ドレンパッキンは毎回新品を使ってやれば気分もいいし、余計なトラブルや心配
が減る。
再利用パッキンよりも代替品の方がまだ信用できると思う。
なおヤマハ製ではビジネスバイクのメイトシリーズやセロー250用も内径12mm
なので流用可能だ。