DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

パートナーの変化を信じられない方へパート2

2019-01-21 07:32:44 | 【DV加害者更生教育プログラム】

■振り返って
勉強途中では、自分は何が悔しいのか、何が問題なのか、その問題にどう取り組むべきなのか、頭で理解はしていても、どうも行動できない自分がいる、気持ちがそっちへ向かないもどかしさを感じ、常にイライラしていました。

彼のせいで私はこんな不幸になった、彼が200%悪い、と思っていました。

自分も勉強することで、このような夫婦関係になった私の原因も、彼の原因もわかりました。
問題は、今自分の身の回りに起こっていることを人のせいにしていること、
ネガティブなものがある場合に自分はどう行動するべきか、ということでした。

勉強の過程では、今までの歩んできた人生のいろんな経験から自分で考えて学んだこと、必死で手に入れたものを手放さなければならなかったり、今までの自分の人生を無意味だったのではないか、と否定されたと思うこともあり、不安で個人的につらいこともたくさんありました。

「辛い過程を通ってきてよかったと思える日が来る」とはきいていました。
でも、それは誰にでも当てはまるものではないんじゃないか、一部のラッキーな人がそう言っているのを切り取っているのでないか、自分の場合は程度もひどい気がするし、違うのではないか、そう思う日が来るとは思えない、と思っていましたし、それをきいてむしろ腹立たしく思っていました。

しかし、勉強が進んでしばらく時間がたったころ、今まで人生で起こってきたこと、自分のこと、彼のこと、が全部腑に落ちる瞬間がありました。
今までたくさん悩んだり、恨んだり、疑ったり、悔しがったり、イライラして体調を崩したりしたことで、これ以上私は何もできない感があり、開き直れました。自分も無意識のうちにいろいろ抱えていて、自分で自分を苦しい状況に追い込んでいたこと、招いたことに気付きました。負の感情を抱いていても前に進まないこともわかりました。

結果、自分自身がものすごく楽になりました。

同じ勉強をして同じことをたどっているのでわかります。
彼もそうなのだと思います。

彼に対し最高の恨み、憎しみを持っていたし、自分の人生から逃げ出したいくらい失望もしていました。
しかし今であれば、彼の何がひどい態度をとらせていたのか、自分がまきこまれた原因もわかりました。

いろいろな形があると思いますが、やはり私はお互い勉強をすることがとても大事だと思います。
「私はこんなに一生懸命やっている」「相手に原因があるから、相手が変わらなきゃ無理」と思っていましたが、自分も勉強することで人生がガラッと変わりました。
もし勉強をしていなかったら、と思うとこわいくらいです。
「生まれなおし」くらいです。

絶対に彼は変わらないと思っていました。
彼の変化を待っていても私の人生の時間の無駄だと思っていました。
早く離れたい、私の人生から消し去りたいとずっと願っていました。

勉強が終わるまでは決断をだすべきではない、今逃げても同じ結果になるよと中島さんに言われたとき、なんで私がこんなつらい思いしているのにまだ我慢しなきゃいけないの?なんで?と正直腹が立ちました。

今考えるとあの時の思考回路だとそうなることがわかります。

何度も何度も逃げようと思いました。
何度も恨んだし、もう一生抜け出せないと思いました。でも抜けた。
勉強が終わっても腑に落ちないことがたくさんあって、これから私はどうすればいいのか、とも思っていた期間もかなりありました。
でも考え続けたらスッと抜けた。
今、自分の歩く道に迷いがなくなりました。

普段の仕事においてもとても役に立っています。
客観的に状況をとらえ、適切に自分の意見を伝え、相手と調和をとること、適切な行動をすること、自分の心の声、体の声をきいて適切に判断すること。

前よりも自分の足で歩いている感があるし、人の目も世間の目も気にならなくなりました。
いいも悪いもそれが自分。
自分がどうしたいのか、その為にどうしたらいいのか、どう表現したらいいのか、人の意見をどう判断したらいいのか、人の意見、近しい人の意見、他と切り離し自分の本心が見えるようになりました。

私は、自分で自分が振り回されている意識も、人の意見や目を気にしている意識もなかったのですが、勉強して本当の自分を理解していなかったことにも気づきました。

■勉強しているパートナーの変化を信じられない方へ
まだパートナーを許せない人はたくさんいると思います。
私に対してひどいことをした人を、地球がひっくり返っても一生許すことはないと思っていたし、一緒に住むことを考えるなんてもってのほかでした。

でも最初はすごく小さな変化で一見変わっていないように見えることが、勉強をしていくと必ず変わってきます。私も最初は変化しない自分、彼がとてももどしかしく辛かったです。
勉強して感じたことは、もしかして彼も何か過去の経験から無意識のうちに学んで武装したものがあるだけで、本来の彼ではないのかもしれない、彼が自分で気づくまで待ってから今後のことを考えても遅くはないのではないか。

すごい悔しい思いもしたしイライラもしたし人生に絶望もしました。
勉強をしながらも悩んで迷って、いくら頑張っても答えが出なくて辛い思いもしました。いつぬけられるのかわからず、先も見えずイライラしました。
すがすがしく抜けた人をみただけで腹が立ちました。
自分にはそんな日は一生来ないんだとあきらめたくなりました。
勉強して時間とともに実感して、納得ができて、腑に落ちた時、すべてがクリアになる瞬間がありました。
今考えるとあきらめていたらこの瞬間はなかったのだと思います。
何度も逃げたかったし、途中でやめようとも考えた。
こんな人が変わるわけない、変わるともわからないし、どれだけかかるかもわからないものを待っている自分の時間が無駄だと思っていました。

耐えることから逃げることも、我慢から逃げることも、疲れたら休むことも誰から何を言われても悪いことではありません。
今言えるのは、迷っているなら結論をだすのはやめたほうがいい。
自分も勉強して理解ができたとき、どちらの結果にしろ胸を張って人生を選択できる自分がいると思います。

誰かに言われてやることでもないと思いますが、自分が本気で考えた分、悩んだ分、前進できることがあると私は思っています。

■現在の夫婦関係
お互い勉強を通し、相手に対しての接し方も変わりました。
現在別居中ですが、今後同居する方向で話しをしています。
まだまだ模索中ではありますがお互い無理はせず、時間をかけながらでも、固定観念にとらわれず、夫婦、家族にとっても最善の道を考えていきたいと思っています。


リエゾンからのコメント
自分の足で立ち、自分の頭で考えられる、選べる女性がここにいます。それは一人一人見送るときに感じる私の喜びです。
「私はひどい目に遭わされた。」そう思いながら生きていっても対等で尊重しあう穏やかな夫婦関係を築くことは一生できないのではないでしょうか。
逆に相手にずっと謝罪を突き続け、逆DVになるかもしれません。実際、こういう風になる女性もいると思います。そうして生きていった時の負の遺産を、交流分析を学んでいないとわからないのです。相手を支配するって男性がやめられなくなるように、女性もやめられなくなるのです。未来を予想した時とても怖いことです。
すがすがしく抜けた人をみただけで腹が立ちました。(Sさん記述)
そういえば「妻たちの座談会」で、立ち直った妻たちを見てSさんは怒っていました。
Sさん、良かったですね。子どもたちはあなた達夫婦を見て育ち暖かい気持ちでいっぱいになるでしょう。そして、あなた達のような夫婦になりたいと、きっと思うでしょうね。
もうすぐ卒業ですね。新しいスタートに乾杯!


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