京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 またひとつ・・・

2011年07月24日 | 日々の暮らしの中で

いつだったか、蝉の抜け殻の種類から自然度を調査していると新聞が報じていた。
京都での定点観測の結果では、シャアシャアシャア…とあのかまびすしき鳴き声の主の数は減っていると指摘している。

寺の大門を入ったすぐ西に泰山木がある。高木の太い幹には縦列で、数珠つなぎの有様で、よく見れば幹のぐるり至る所に爪をたてたままの抜け殻が見つかったものだった。根元の地面には穴が開いていて…。あれほどいたのに、それがここ数年以上にわたってほとんど見られない。
あちこち探し回った。阿弥陀如来に見守られた梅の古木、中はすっかり空洞化してしまったが、こんなところからこの世に姿を現したものがいたようだ。

青白く燃える霊魂が大屋根を這うように移動して本堂の中へ消えた、かつてそう話してくれた人もいた。出たり入ったりと現世は多忙だけれど、阿弥陀さまはいつも穏やかに迎えとっていてくださるだろう。
またひとつ、母の年齢に近づいていこうとしている…。

コメント (4)
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