京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 明け方に仙女ひとり…

2011年07月05日 | 日々の暮らしの中で

7月2日、和歌山県の田辺市では、赤とんぼが群れをなしていた。富田川べりの優しいピンク色のねむの花が心を癒してくれる。菜の花畑の跡地にコスモスの種まき準備が始まっていた。秋には一帯が黄色からピンクに様変わりする取り組みだという。
梅の実の収穫は終り、木に熟したまま残された実は甘酸っぱい香りを放っていた。
行くたびに、眼にする光景は季節の移り変わりを見せて待っていてくれる。

赤みを帯びた大きな朝顔のつぼみが、ようやく明朝には開きそうだ。ブルーの中央に真っ白な花芯、だったのに…。

別称、「牽牛花」。夜明けに咲いた朝顔の花、柵にツルを巻きつけ、花や葉が薄明の中に朧に浮かぶ。その様を「仙女ひとり 美しい欄干にもたれている」と喩えたのは宋代の蘇軾の門下詩人・秦観だった。
「地平線のかなたの碧の光をすかして、人の世に降り立ち、明け方に姿を見せた」と幻想的だ。

明日の朝は早起きしようか!? 待ちかねた一輪のために。
コメント (2)
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