京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「ろーっこんしょーじょ・さ~~んげ さんげ~」

2011年07月03日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
   「ろ―っこん しょ―じょう  ろ―っこん しょ―じょ」
   「さ~~~んげ さんげ~ぇ」
   「ろ―っこん しょ―じょう  ろっ―こん しょ―じょ」
   「さ~~~んげ さんげ~ぇ」

    いよいよ山中へ
         「さ~んげさんげ」
              一歩!一歩!
急な山道がコース最後に待っていた。細い道を一列になって、語り部さんの「ろっこんしょうじょう」につづき「さんげさんげ」と唱えながら登る体験をした。お腹の底からしっかり声を出すことが、険しい山道を進むときのリズムになることを身を持って知った。一歩一歩の歩みと確かに重なる。力になる。
語り部さんのキーの高い声が山内に響く。なにやら楽しく嬉しく、おしゃべりしながらの余裕などはないが、応じて声を出すことが全くつらくはない。
道はそれなりに登りであった。汗が流れ落ちる。
石仏の前で時どき休憩。
のどを潤し、笑いが出るほどの説明を聞きながら不思議と気持ちのゆとりも生じてくるのだった。

仏教で説くところの眼耳鼻舌身意の六感覚がある。
「ろっこん しょーじょー」(お釈迦様の教えに従って六根を清浄してますか?)
「さ~~んげ さんげ~」(どれひとつとっても懺悔 懺悔です) 特に食べることが…です…? と唱え歩いているのだ。(仏教は「さんげ」キリスト教では「ざんげ」)

語り部さん曰く「こんなのは平坦な道です。坂とは言いません」 そして、「登るとは…」と手首から先を90度近くに曲げてみせる。
山伏の修行を積んでおられるという今日の語り部さん。初対面のときから、なんせ声がでかい!なんて大きな声で喋るのかと圧倒されたが、力強く良く通る声でもあった。それもそのはずだった。

             ゴール間近のつり橋
しっかり山道を踏みしめて、あっという間の10、3キロ・16987歩の一日は、熊野本宮大社参拝に気持ちをグッと前に向かせた。
これも得がたい出会いをいただいたおかげだろう。
コメント (6)
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