パンと脱脂粉乳

朝はパン、昼は麺類と私の食事のサイクルはほぼ決まっているが、母が米を食べないで遠慮してるなどと言う。
へっ？遠慮？え～～～、いっつもだよ～（笑）
んだって、米の飯を食べねば・・・
パンや麺類は好きなんだからさぁ～（笑）
ふぅ～ん・・・シブチンな顔してどうも納得してない（笑）

う～～ん、給食でパンを出されてたからさぁ、食べ慣れてるっつうか・・
ほぉ～ほぉ・・・母がはじめて聞くような顔をして聞くから続けた。
あの頃のコッペパンはまずかったなぁ～（笑）
で、あの脱脂粉乳はひどかったなぁ～、飲めなくてなぁ～、何度居残りされたか（笑）
ん～？残された？
そそ、アルマイトの小さなボールに入れて、熱いから薄くマクが張って、匂いがひどくてさ～
みんな鼻をつまんで一気に飲むんだよ。
へぇ～・・・
うん、私なんぞ牛乳自体がタメな人だったから、飲めなくてね、残すと叱られたあげくに居残りされて、先生の前で飲むまで帰っちゃならんと。ひでべぇ～？
あぃぃぃ・・・そぃは高校でか？
おぃ！（笑）小学校でだよ～（笑）
あ、そか。

今の子供達の給食なんて、米飯もあるし、麺もあるし、牛乳なんて売ってる瓶とか紙パックのちゃんとしたのが一つづつ付くしさ、おかずだって、ちゃんと栄養士さんが考えて、工夫されて、デザートっぽいのも付いてたりして、すっごい恵まれてるんだよ。
それがたった２２０～２５０円？位で一食賄ってるってんだから、凄くね？

へぇぇ～んだな・・・フムフムと神妙な顔の母。ベッドの上で聞いていたのを、いつの間にか食卓の椅子に来てる（笑）

オメ（あんた）は残されてたのかぃ。な～んもしらねがった（知らなかった）なぁ・・
（ん？あはは・・・ちゃんと聞いてたか？婆ちゃんよ・・ま、いいっか～）
しかし、大人になって知った脱脂粉乳はアメリカじゃ豚の餌だったというのはショックだったなぁ～～（笑）
へぇ～っ！んだの？！
そそ、確かに栄養はあるんだけどさ～あの味はなぁ～！！忘れられない居残りの味～（笑）

パンは昔から好きだしね、婆ちゃんも好きだべ？
うんうんと頷く。
だから、な～んも遠慮じゃないよ。食べたいものをちゃんと食べてるからねっ（笑）
んん。
まぁ、それで遠慮じゃない事だけは、どうにか納得がいったらしい。

しかし、その話の中の給食費を、自分はちゃんと払えてただろうか？と聞いたりもした。
安い給食費は国や県などから補助が出てて、だからあの安い金額で子供達が栄養を賄え、払えない場合などには免除もあるみたいだし云々などと言ったから、
我が家がずっと母子家庭であったのが気になったのだろう。
その時に、親の責任を果たせていただろうかという事が気になったのだ。
そうなんだよね・・・
母一人で二人の手間の掛かる娘二人を育ててくれたんだった・・なんて、ひとごとのような気分で思い出し、思わず苦笑した(^^ゞ
しっかしまぁ・・・
どこまでいっても、母は自分が親である意識があるのだなぁ～・・・
親である事さえ忘れてしまうってことは・・・無いのかもなぁ～
責任感が強過ぎる感はあるのよね・・・（笑）

お蔭で、私は完全ボケでない母と、こうして昔話が出来る。
忘れている事が一杯ある。
私が覚えている母の事が母には覚えが無く、私が忘れている私の事を母は覚えてる・・・
お互いのすっかり飛んでしまった記憶が摺り合わされているような気もする。
ほら、歴史の教科書の後ろに付録のように付いてる年表・・あれみたいさ（笑）

何度か同じ話を繰り返されて、その度に少しずつ話が膨らんでストーリーが付け足されたりしてる感も無い訳でもないが（笑）却下、却下・・馬耳東風・・・（笑）
ヤジキタ珍道中っぽい会話、何時まで続けられるかね？(^^ゞ