kyon's日誌

つれづれに・・・

感想

2021年03月12日 | 日記
日に日に春めいてくる・・・気がするが、やはり朝は寒いし夜も寒いな・・・
ストーブも欠かせない。けど、急に灯油も値上がりしてる・・・ガソリンも高くなったな・・・とは思うが、もう少しの辛抱だろうかね・・・

さて、「奇貨居くべし」宮城谷昌光・著を読み終えたので、少々感想をば・・・
実はワタシの記憶では、秦の始皇帝の父は呂不韋という商人であったというイメージがあった。何かでそう知った記憶なのであるが、ずっとそうだったんだぁ・・・呂不韋は野心を持った悪徳商人的にも思っていた、、、、
が、「奇貨居くべし」を読んで今までのイメージがもしかしたら間違いだったかもしれないと思えたのは収穫だったかな・・・
「奇貨」とは宝物のようなもので、「居くべし」とは蓄えておく・・・みたいな意味だと以前にも述べたが、呂不韋には「奇貨」を見つける不思議な勘のようなものが備わっていた・・・
呂不韋は確かに商人の子に生まれ、そのままなら普通に商人として生きていかねばならないような境遇であった・・・当時は商人は卑しい利だけを追う者と蔑まれるような面もあった・・・兄弟の中でも何かと不遇であるが言われたことはキチンとこなす。当然、家の中でも寡黙となり、家族に疎外感を持ちながら孤独さに将来の事も考えられないような冴えない少年であったようだ。ある時、父親に用事を果たすように言われ旅に出ることになる。その時にお目付け役のように父親の配下の鮮乙が同行。実は幼い頃からの呂不韋をずっと見ていて呂不韋を陰ながら見ていたから、鮮乙と旅をすることで多くの出逢いをしながら多くを学ぶことになる。
そして、生死を分けるような紆余曲折も経て呂不韋が持っている才能が目覚めていく感じ・・かな・・・(^_^;)
一人の少年が少年から青年へ、青年から大人に変貌していく・・・そして買人(商人)として莫大な財を築き、配下となる使用人たちが生きていけるように財を分け与え、出遭いで学んだ・・・民を救い、富ませ、・・・与えることで自分も富むという運命の様な出遭いと徳を身につけていく・・
始皇帝の丞相となるが、始皇帝の冴えない父親を見つけたことが「奇貨」であり、その人を太子として育て皇帝にし、一国を動かす丞相となる・・・まぁ、ざっくりいうとそんな話だが、固定概念を覆すような柔軟な発想が出来たのは商人であったということ、様々な出遭いで広い人脈を築いていたこと、なども関係してたかな・・・
始皇帝は中国を統一してから二代目三代目と続かなかった。呂不韋が「奇貨居くべし」たる人物に見えなかったのが始皇帝の不幸であったように思う。

立派な大学を出た人だけがエリートじゃない。その生き方、どんな人と出遭い、どんな風に向き合ったか・・・何を得、何を失ったか・・冷静に自分を振り返り、常に学びを忘れなかったという呂不韋を見直した小説だった。
という訳で、ワタシの固定概念は壊れた訳でありますよ(苦笑)
ほほ・・・でも嬉しいけどね(笑)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 3.11 | トップ | 雨ですだ・・ »

コメントを投稿