森 洋子 カルタ画 「惜春」
カルタに描かれた一こま。桜の花びらの散る庭で、赤いスカートを腰に巻いた狐さんが、木の葉を持ち、散り落ちる桜の花びらを見つめています。敷かれた茣蓙の前には赤い鼻緒の下駄が一足。さて、これからどんな祝祭が始まるのでしょう。
森洋子さんはなんと、「書肆森洋子」という出版社をもつ絵本作家であり画家なのです。
その著書「月の明るい真夜中に」には、ちょっと不思議で、それでいて「ああ、あるある」
といったさまざまな一コマが治められています。それぞれの場面を明るい月がやわらかな光で包んでいるのです。
森 洋子 鉛筆画 「看板スター」
ある日ある時のサーカスの一場面。空中ブランコに乗り、飛び出す瞬間の緊張した看板娘の一瞬。
思わず微笑まずにはいられないほのぼのとした情景。
森の中の洋館の居間のような空間で、豚さんが赤い縦縞の長靴下をはき、どこかへ出かける支度をしています。
鉛筆画の繊細な表現が、昼間とは違った色彩のトーンを描きだす幻想空間。
豚さんに行く先を問うのはやめておきましょう。