森の空想ブログ

森洋子さんの絵本の中の物語へ[空想の森アートコレクティブ展<VOL:2>日向市東郷町/欅邸]―(2)【空想の森から<177>】

                森 洋子 カルタ画 「惜春」  

カルタに描かれた一こま。桜の花びらの散る庭で、赤いスカートを腰に巻いた狐さんが、木の葉を持ち、散り落ちる桜の花びらを見つめています。敷かれた茣蓙の前には赤い鼻緒の下駄が一足。さて、これからどんな祝祭が始まるのでしょう。

森洋子さんはなんと、「書肆森洋子」という出版社をもつ絵本作家であり画家なのです。

その著書「月の明るい真夜中に」には、ちょっと不思議で、それでいて「ああ、あるある」

といったさまざまな一コマが治められています。それぞれの場面を明るい月がやわらかな光で包んでいるのです。

森 洋子 鉛筆画 「看板スター」

ある日ある時のサーカスの一場面。空中ブランコに乗り、飛び出す瞬間の緊張した看板娘の一瞬。

思わず微笑まずにはいられないほのぼのとした情景。

森の中の洋館の居間のような空間で、豚さんが赤い縦縞の長靴下をはき、どこかへ出かける支度をしています。

鉛筆画の繊細な表現が、昼間とは違った色彩のトーンを描きだす幻想空間。

豚さんに行く先を問うのはやめておきましょう。


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