くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

これも「国家百年の計」か

2013-12-03 21:58:30 | 政治経済のことも考えよう
中国が設定した防空識別圏について、アメリカ政府は米航空会社に対し、
ここを通過する民間機は中国の要求通り、飛行計画を中国に提出するよう通知しました。

アメリカ政府は、「乗客の安全確保のためであって、
中国の防空識別圏に関する要求を認めたわけではない」と強調していますが、
「してやったり」とほくそ笑んでいるのは中国政府でしょう。

中国政府は、今日や明日に主張を認めさせられると思ってはいないはずです。
10年後、20年後、いま現役の政治家が引退し、ほとぼりが冷めたころ、
「アメリカは飛行計画を中国に提出している」という既成事実を持ち出して、
「中国の主張は国際的に認められたものだ」と主張する思惑にほかなりません。

昨年、中国が新しくしたパスポートの地図に、
南シナ海の紛争領土を中国領土として描き、
そこに諸外国のビザスタンプを押させる手法と同じです。

ビザスタンプを「押す・押さない」だけの話なら命には関わりませんが、
今回は、「言うことを聞かないと命の保証はできない」と暗に匂わせ、
遠まわしに恫喝するところが、「ならずもの国家」の本性というところでしょうか。

今回の日本政府の対応は、
そんな中国の作戦を見越した上でのことかどうかはわかりません。
しかし少なくとも、一番の関心ごとが選挙である日本の政治家と違い、
50年、100年先の国を見据えて策を弄する中国の政治家とでは、
気の長さも、したたかさもまるで違います。


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