くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

歴史は繰り返す

2011-11-20 22:52:03 | 政治経済のことも考えよう
「将来の電力行政を考えたら、日本に原発は必要」
福一原発の事故以降も政治家や官僚のそんな発言を聞きます。

かつて尾瀬をダム湖にしようとしたときも、似たような議論があったそうです。

戦後、高まる電力需要に備え、
尾瀬の水利権を獲得した電力会社と行政とが一体となって、
尾瀬にダムを建設する計画が推進された時期がありました。
そして自然保護の観点から。国民的な反対運動が巻き起こると、
「尾瀬にダム(水力発電所)を造らなければ、日本の電力行政に責任をもてない」
そう官僚は言い放ったといいます。

しかし、そんな官僚の見通しに反して、
やがて水力発電の時代は終わり、火力発電が主流となっていきました。
東京電力が尾瀬の水利権を放棄し、ダム建設の計画が正式に中止になったのは、
なんと50年近くも経た、1996年のことでした。
おそるべき執念です。

「見通しは見誤る」「代替の政策は考えられない」
そして「改められない」「実行できない」というのは、
いまに始まったことではないようです。

尾瀬のダム建設反対運動は、
わが国における自然保護運動のはしりであったといいます。
原子力発電でもまた、国民の中から同じような声がわきあがらなければ、
日本の電力行政は変わっていかないのかもしれません。




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