わが社の片隅にある小さな倉庫の奥には、
立派な装丁の文献集だの日本史といった類の本が眠っています。
奥付を見ると、今から20年近く前のもので、数万円するものばかりです。
いわゆる「書籍購入の強要」で「買わされた」ものです。
かつては、わが社でも断りきれずに「購入」していた歴史があったのです。
そんな歴史に終止符を打つべく、10年ほど前に総務が中心となって、
そういった「悪いしがらみ」「好ましくないおつき合い」を断ち切ることになりました。
そのために行なった方法は、次のふたつだけでした。
1.新しい対応者を決め、それまで対応していた担当者は絶対に相手と接触させない。
2.物品の購入や取り引きの依頼など、相手の要求はただひたすら断る。
たったこれだけですが、もちろん「言うは易し、行なうは難し」です。
相手は不当要求のプロ。
「屁理屈」や「恫喝」など、軟硬織り交ぜた攻撃を繰り出してきます。
矢面に立たされた社員は、かなり苦労しました。
しかし、対応を繰り返していると、
相手の言うことには一定のパターンがあることがわかってきました。
そうすると、こちらの返答もパターン化して社員どうしで共有できるようになり、
しどろもどろにならないぶん、相手との接触時間も短くできるようになりました。
「おまえじゃ話にならん。前の担当者か上司を出せ」
→「私が担当になりましたので、私がお話をお聞きします」
「これまでの事情をオマエは知っているのか」
「これまでのつき合ってきた経緯は、〇〇(前の担当者や上司)に聞け」
→「事情は知りませんが、事情を聞いても結論に変わりはありません」
「理由を言え」
→「会社の決定です」
「誰が決めた。決めた奴を連れてこい」
→「会社ですから合議です。特定の人間が決めるわけではありません」
決着がつかない場合は、弁護士に代理人となってもらい、
「その後の対応窓口を弁護士にして、会社への接触は一切拒絶する」
という方法になりますが、そこまで至ったケースはありませんでした。
ただ、相手は暴力団の構成員ではないものの、反社会的組織の一員です。
対応した社員の中には、恫喝されなくても「怖い思い」をした者もいました。
それはまた、次回に。
ちなみに、最初から弁護士を出さなかったのは、
「カードは小出しにしたほうが良い」という、弁護士のアドバイスによるものです。
(本当にそうなのか、弁護士のやる気の問題なのか、個人的にはちょっと疑問ですが)
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