「三代目が会社を潰す」とは、よく聞く言葉です。
しかし、これは何も会社に限った話しではありません。
国家が道を誤るのも、節目から三代あと、
すなわち孫の代であることが多いものです。
たとえば日本。
明治維新で新しく生れ変った日本は、
維新を成し遂げた先達が一代目だとすると、
その子供たちが遺志を受け継いで近代国家を築くために邁進しました。
そして名実ともに近代国家の仲間入りを果たした日本は、
維新から数えておよそ孫の代で道を誤り、
不幸な戦争へと突き進んで行きました。
それは当時の軍人や政治家の多くに、
明治維新で活躍した人物の孫がいたことからも明らかです。
近代国家となり、彼らはアメリカやヨーロッパに留学し、
当時最高の教育を受けたはずにもかかわらず、
三代目は道を誤ったのです。
苦労知らずの三代目が、
会社の創業理念を忘れてしまうように、
国家も建国の志を忘れてしまうのでしょうか。
いま身近なところで孫の世代が統治する国家といえば、
すぐに思い当たるのは中国と北朝鮮です。
北朝鮮など、名実ともに「創業者の孫」です。
そして日本もまた、敗戦から出直したときから数え、
孫やひ孫の世代が政治の中心となりつつあります。
歴史を見れば、
対外的に諍いを起したり、内部崩壊で自滅したりと、
道の誤り方はさまざまですが、会社を例に挙げるまでもなく、
三代目の時代こそ、不幸な歴史を繰り返さないよう、
注意していかなければなりません。
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