「消費税率引き上げ方針」の発言で、支持率が急落した菅政権。
菅首相は、「議論に入ることを言っただけ」とか
「実際に上げるのは、次の衆議院選挙を行ってから」などと、
今回の選挙を前に火消しに躍起です。
新聞記事などによれば菅首相は、トロントで開催のG8サミットで、
日本の財政再建への姿勢を明確に打ち出して存在感をアピールし、
華々しく国際デビューする思惑があったとされています。
しかし、それだけではなく、国内に向かっては、
「理想論」に終始した前政権との違いを全面に打ち出すことによって、
「将来のことを真剣に考える正直な政権である」
ということを印象づける目論みもあったのではないでしょうか。
そして、それでも「支持率が落ちない」と踏んだ理由は、
多くの国民が「増税はやむをえない」とする世論調査だったのでしょう。
消費税率のアップが避けて通れないのは、国民の誰もが自覚しています。
しかし、国民がもっとも重視しているのは、増税に至るプロセスです。
無条件に消費税率アップを容認しているわけではありません。
まずは国民のリーダーたる政治家が率先垂範し、
ムダ遣いは省き、削減するものは削減してこそ受け入れられる増税です。
かつて小泉純一郎は、「国民同士で痛みを分かち合う」ことを求めました。
しかし、国民は自分たちがどんなに痛みに耐えても、
ちっとも生活が良くならないことを知りました。
いま国民は、政治家と国民とで、痛みを分かち合うことを求めています。
政治家が、国民に痛みに耐えることを求めるのではなく、
みずからが国民の前に立って痛みを受け止めることを求めています。
そうでなければ、国民の政治への信頼は回復できません。
人々の上に立ち続けてきた者の性でしょうか。
菅首相も前首相と同じように、
そんな普通の人々の気持ちが理解できていません。
「菅よ、おまえもか」そんな気分にさせられます。
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