民間企業の総務担当者の目から見れば、
相撲界の反社会的勢力への対応認識は、まるで甘すぎると言えます。
記者会見では、
「暴力団とつながりがあるという認識はなかった」
などと発言していますが、いまは「知らなかった」「脅された」では、
社会的に通用しない時代になっていることに、未だに気がついていません。
いまは、反社会的勢力と癒着している企業だけでなく、
恐喝されてお金を取られた企業でさえ、
裏社会に資金を供給した加害者として社会的に糾弾されます。
福岡を筆頭に各地の自治体が独自に暴力団排除条例を制定し、
行政が民間企業の契約約款に暴力団排除条項を記載することを求め、
一般市民でさえ地域で団結して暴力団追放を叫ぶ時代なのです。
永谷園が懸賞金の提供をとりやめたのも、企業イメージだけでなく、
相撲界と暴力団との関係が明らかに断ち切られなければ、
自分たちが提供する懸賞金が、裏社会に流れることを懸念してのことでしょう。
永谷園にしてみれば、
自分たちの懸賞金が、「反社会的勢力の活動資金になった」と、
あらぬとばっちりを受けないか、ひやひやものだったに違いありません。
相撲協会は、そんな世の中の動きがまるでわかっていません。
民間企業では、取引相手が反社会的勢力の関係者か否かを、
みずから調査することを要求されるのに、
相撲協会は、いまだに「知らなかった」と言えば、
社会は許してくれると思っているようです。
すなわち、危機管理がまるでできていないのです。
これは、ほとんどの力士たちが学校を卒業後、
いきなり極めて閉鎖的な角界という世界で生活することや、
引退後に日本相撲協会に就職する力士たちが、
相撲一筋で充分な社会勉強をしてこなかったことが原因ではないかと思います。
しきりに「国技」と関係者は口にしますが、
これが日本の国技だとは、とても恥ずかしい気がします。
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