今朝の通勤ラッシュのホームで。
作業服を着た中年の男性が、駅員を激しく罵っていました。
どうやら駅員は、乗客同士のトラブルの仲介に入り、
興奮した男の矛先が駅員に向けられたようです。
男は放送禁止の差別用語を連発し、
その内容は耳を覆いたくなるものでした。
その駅員は発車合図の係員だったため、
満員の電車は10分近くホームに停車したままです。
「駅係員がお客様の対応をしているため、しばらくお待ちください」
車内に車掌のアナウンスが繰り返し流されると、
しびれを切らした乗客が、「いいかげんにしろよ!」と怒鳴ります。
それを耳にした作業服の男が、今度はその乗客にくってかかります。
「おれが悪いっていうのか!
おまえ、どこに住んでんだ?言ってみろ!」
クレーマー対応の経験からみると、
こういうときに住所や勤務先を言わせようとするなど、
自分の言い分とは直接関係のない言いがかりをつけるのは、
相当、「あや」をつけなれた人間である証拠です。
プライベートなことを追及して、威嚇しているわけです。
「おれが作業服を着ているからって、バカにしてるんだろう!」
まだ20代にしか見えない駅員が、
必死で、しかし穏やかな口調で興奮した男をなだめます。
「たぶん、自分ならブチ切れているなあ」 と感心していると警官が到着。
酔っ払いじゃないので、男は警官が現れると急におとなしくなったのでした。
私も作業服が支給される会社で働いている身です。
昔は、一年中作業服を着ている部門にいたこともあります。
「作業服を着ているからバカにされるのではなくて、
このような言動が、作業服の存在価値をますます貶めている」
この男は、どうしてそのことに気がつかないのでしょう。
このような男が存在するせいで、
大半の真面目で紳士的な作業服で働く人たちが、
街で肩身の狭い思いをするのです。