寄り道とも言えない遠回りは・・・目的も無く通学路を超えて行く道すがら・・・
勝手に付けた名前でさえ呼ばれない、踏み敷かれた見知らぬ雑草の道や・・・
得体の知れない側溝の中・・・ザンブリと、水をかき分け歩いて見て・・・
田んぼや畑で笑い合う遊びを造りながら・・・空き家や雑木林は秘密基地になって行く・・・。
親に教わるのはどこまでか・・・考えた事も無く大人になるけれど・・・
たぶん、見知らぬ影からコチョコチョと、合いの手は入れてくれたんだと思う・・・。
辛抱強く長い目で見ていてくれたなんて・・・思えないほどみんなが前を向いていた暮らしと・・・
おおらかな日本の繊細さと雑さが入り混じって・・・何もかもが大きくなっていったのかも・・・。
古民家の暮らしは、お粗末な暮らしとは言えないほど・・・澄ましてみれば細やかで・・・
思い返せば笑える苦労が、たくさん生まれて来ていたんだと思う・・・。
ユラユラと歪んだ床板も・・・埃っぽい壁の仕上がりも、自然の中では素知らぬ顔で振る舞い・・・
目を背けるのではなく・・・どこからどこまでを楽しめるのか・・・
余裕が無ければ優しく触れ合えないのではなく・・・優しくなれないから、余裕が育たないのかも知れない・・・。
毎日の同じ道を、同じ幅に決めたのは大人の自分で・・・無限大に広げていたのが子供の自分だったなら・・・
少しの遠回りは・・・大人にも大切な寄り身なのかも知れない。