いつも歩く足元を・・・繁々と眺める事も無いほどに・・・。
毎朝歩く頭の上を・・・グイグイ見上げる事も無いほどに・・・。
廻りを見渡しながらの暮らしは必要ないみたいで・・・
五感で感じる感覚を磨き上げる暮らしからはかけ離れ・・・
小さな声は・・・ずいぶん聞こえずらくなってしまったのかも知れない・・・。
お祝いの声が遠くで聞こえて・・・家族の何処かは気付いても、遠くの親戚のお祝いは、はるか彼方で・・・
同い年の・・・昔は良く遊んだ一つ上のお姉ちゃんも、年下のあの子も・・・
どんな伴侶を迎えたのか・・・名前も知らない子供たちはいくつになったのだろうか・・・。
兄弟の数だけいくつも並ぶ雛人形や・・・おっかない兜の武者姿は少しづつしぼんで・・・
知らぬ間に居なくなってしまう・・・。
子供が宝だった意味合いが解らなくなるほど暮らしが変わると・・・
家族の数も・・・住まいのカタチも変わり・・・
季節の話題も遠くなれば・・・節目の出来事は絵空事に映し出されてしまう・・・。
無病息災や五穀豊穣を願い続けて来た、折り目正しい催事のこの先が・・・
色を変える笑顔の幼さを・・・楽しむ繰り返しが迎えられなくなる・・・。
豊かさを与えてくれるのは・・・小さな声の中に潜んでいるのかも知れない。