千葉県佐倉市にある鍛造用金型メーカー、株式会社ヤマナカゴーキン東京工場を訪問しました。若い従業員が多いとてもきれいな工場で、主に自動車産業向けの冷間鍛造用金型を生産しています。鍛造用金型の工場見学は初めてだったのですが、やはり鍛造用金型はプラスチックの射出成形用金型、金属プレス用金型とはかなり違うものでした。
写真は同社からお土産でもらった冷間鍛造品のサンプルです。鋼材を加熱せずにこのようなヘリカルの形状に鍛造するわけですから、金型にかかる力は大変なものになります。同社によると、プラスチック射出成形で金型にかかる圧力は平方ミリあたり10から20kg、これに対して冷間鍛造の場合はその10倍以上にもなるそうです。
また、巨大な圧力で鋼材を成形するため、鋼材は高熱を発するので、金型は耐熱性も要求されます。このように過酷な条件での成形が求められると同時に、成形品の精密さ、そして金型自体の長寿命が求められるわけですから、鍛造用金型は材料の段階からプラ型などとは全く異なります。
鍛造用金型の材料にはいろいろあるのですが、私が同社で見たのは超硬合金から作られたものです。鉄を削る超硬工具と同じ材質です。非常に堅い材料なので、工具も普通のものではありません。放電加工の電極は、銅2、タングステン8の合金(タングステンのような高融点金属はとても溶かせないので、正確にはタングステンの粉末を銅で固めたもの)です。小さな破片を持ってみると、びっくりするぐらい重いものでした。超硬合金を放電加工するには、この材料でないととても電極がもたないとのことでした。
タングステンは非常に高価な金属で、日本はその多くを中国からの輸入に頼っています。しかし鍛造用金型の多くは破損するとそのまま捨てられているのが現状です。これをリサイクルすれば貴重な資源の節約になると思うのですが、同社によると、コストがかかるため民間ベースではなかなか難しいのだそうです。それこそ公的な機関が行うべき事業ではないでしょうか。
また1つ、素形材技術について勉強させてもらいました。ヤマナカゴーキン様ありがとうございました。
写真は同社からお土産でもらった冷間鍛造品のサンプルです。鋼材を加熱せずにこのようなヘリカルの形状に鍛造するわけですから、金型にかかる力は大変なものになります。同社によると、プラスチック射出成形で金型にかかる圧力は平方ミリあたり10から20kg、これに対して冷間鍛造の場合はその10倍以上にもなるそうです。
また、巨大な圧力で鋼材を成形するため、鋼材は高熱を発するので、金型は耐熱性も要求されます。このように過酷な条件での成形が求められると同時に、成形品の精密さ、そして金型自体の長寿命が求められるわけですから、鍛造用金型は材料の段階からプラ型などとは全く異なります。
鍛造用金型の材料にはいろいろあるのですが、私が同社で見たのは超硬合金から作られたものです。鉄を削る超硬工具と同じ材質です。非常に堅い材料なので、工具も普通のものではありません。放電加工の電極は、銅2、タングステン8の合金(タングステンのような高融点金属はとても溶かせないので、正確にはタングステンの粉末を銅で固めたもの)です。小さな破片を持ってみると、びっくりするぐらい重いものでした。超硬合金を放電加工するには、この材料でないととても電極がもたないとのことでした。
タングステンは非常に高価な金属で、日本はその多くを中国からの輸入に頼っています。しかし鍛造用金型の多くは破損するとそのまま捨てられているのが現状です。これをリサイクルすれば貴重な資源の節約になると思うのですが、同社によると、コストがかかるため民間ベースではなかなか難しいのだそうです。それこそ公的な機関が行うべき事業ではないでしょうか。
また1つ、素形材技術について勉強させてもらいました。ヤマナカゴーキン様ありがとうございました。
・・・今、地域産業を起こす条件は何か、などということを考えていたものですから、佐倉市という地名に関心を惹かれました。
なぜ佐倉なのか?については聞きませんでしたが、大口ユーザーの自動車産業がまわりにあるわけでもないですし、同業が集まっているわけではありません。東京近郊で土地があるから、というのが理由ではないかと思われます。
最近、うちでは超硬の入れ子を粉末ハイス鋼にしようかと思っておりますが、HAPとDEXってどうちがうのでしょうか?聞くところによるとDEXは今後入手性が悪くなると聞きました。一方、超硬の入れ子で散々欠けに悩まされてきていたのも工具鋼系への切り替えの理由のひとつなのですが、われにくさの点で違いがないものか知っていれば教えてもらいたくて~と思いまして。
残念ながら私は技術者ではなく、生粋の文系人間なのでご質問の内容については知識を持っておりません。お役に立てず申し訳ありません。
そういえば今月号のプレス技術を読んでいましたら、日立金属がS-MAGICという次世代SKD11を開発しているということに気がつきました。大学の金属の先生に知り合いがいるので、聞いたら金属系の関係者の間では超多元系合金設計に成功した材料として結構有名でした。さっそく使ってみようかとおもう新らしもの好きが時代をつくってきたというのはHAPも同じことなんでしょうね。
難しい専門的な技術の話になると私はお手上げですので。。。
これはどういうことかというと、例えば自動車のエンジンや動力伝達系部品のしゅう動面積を1/6にすることを意味し、大幅な軽量化による低燃費化が期待できることを意味している。トライボロジー技術にはまだまだ発展する物理・力学的な未知が多いように思われる。