クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

秋の羽生にて ―早生田堀の彼岸花―

2018年09月23日 | はにゅう萌え
岩瀬公民館の前、
あるいは羽生市立岩瀬小学校の裏と言えばいいのでしょうか。
小さな排水路が流れています。

戦中、早稲田大学の学生がその堀を掘ったので、
早生田堀(早稲田堀/わせだぼり)と呼ばれています。

食糧増産のため、政府が奨励した土地改良工事の一環で、
昭和19年に早稲田大学の学生100名が来羽。
大雪が降る中で作業し、学生たちは8日かけて堀を掘削したそうです。

その堀はいまも岩瀬を流れています。
2018年秋、堀沿いに咲く彼岸花を見付けました。

彼岸花を花言葉は「情熱」や「あきらめ」、
「再会」「転生」や「思うはあなた一人」などがあります。

現在、岩瀬地区は開発が目覚ましく、
早生田堀のそばには新しく羽生病院が建ちました。
国道沿いにはお店が次々にでき、
田んぼの中を道が一本通っていた景観は新興住宅に変わっています。

そんな時代の移り変わりは、
戦中の記憶をどんどん遠ざけているかのようです。
やがて早生田堀も、新しい時代の中に埋もれてしまうのかもしれません。

平成最後の秋。
水が静かに流れる早生田堀は、
もの言わぬ彼岸花に彩られています。


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