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クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

空腹時のほうが頭が冴える? ―コトノハ―

2017年08月18日 | コトノハ
  空腹時のほうが頭が冴えるからさ。
  ワトソン君も医者だからよくわかっているはずだが、消化のために血液を費やせば、
  それだけ頭脳のほうがお留守になるわけだからね。
  (コナン・ドイル作「マザリンの宝石」より、延原謙訳、『シャーロック・ホームズの事件簿』収録、新潮文庫)

シャーロック・ホームズが言うには、
空腹時の方が頭が冴えているらしい。
その理由は上に引用したとおり。

僕はこれに同意しかねる。
いや、ホームズのような鋭敏な頭脳ならば空腹の方がいいのかもしれない。
しかし、僕の凡庸な頭脳では、
ある程度の糖分が必要だ。

食べることが悪いのではない。
食べすぎがいけない。

腹八分目を越えると体も頭も怠くなる。
コーヒーをいくら飲んでも眠気に襲われる。
体も負担がかかる。
能率も悪くなるし、動きが遅くなる。
あまりいいことがない。

だからと言って、空腹すぎてもいけない。
頭脳にとって唯一の養分は糖だという。
たんぱく質でもビタミンでもない。
だから、『デスノート』に登場する「L」は、
あんなにも甘いものを摂取しているのだろう。

高校生の頃、僕はダイエットをしていた。
ダイエットを必要とする体重ではなかったのだが、そこは思春期。
痩せれば自分が変われる気がしたからダイエットに励んでいた。

昼をおにぎり1個で済まそうとしたこともある。
テスト期間中のときだ。
コンビニで買った昆布おにぎりを1個食べて終了。
そのあと図書館へ行って机に向かう。

ところが、全く集中できなかったのを覚えている。
年号や単語は右から左へ流れていく。
問題集を解こうとすれば、
そもそも問題文からして頭に入ってこない。

思考も浅い。
じっくり考えることができない。
いまだから思う。
糖が不足していたからにほかならない、と。

おにぎり1個ではなく、適度に食べればよかったのだ。
その方が勉強に集中できたし、
体にも優しかったはず。
若さの未熟さゆえ、そんなことができたのだろう。
いまだったら絶対にやらない。

もしもダイエットをしてなければ、
真面目に勉強していただろうか。
早くに自分のやりたいことが見付けられたかもしれない。

どんな年齢になっても「食」は大切。
だから、上のホームズの言葉にはいささか同意しかねる。

過去に戻れるのならば、
ダイエットなんかやめやっせと自分に言い聞かせたい。
素直に聞くタイプではないが、
そう言わずにはいられない。
せめて脳に養分がいきわたるほどの適度なダイエットにしなさい、と。

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