『絶対に、”出れる”とは言い切れないですけど、絶対には、目指します。』
『自分の生まれ育った国でオリンピックっていうのは、本当に』
『ちょっと、”運命”感じましたよ。』
「内村航平」。27歳。世界一の体操選手に、3度目のオリンピックが近づいてきた。
『初めて出た時は、』
『オリンピックって、すごく楽しい舞台なんだなって、経験させてもらって』
『ロンドンで、痛い目を見て、』
『3回目こそは、いつも通り出来るんじゃないかなっていう・・。』
去年、個人総合では6連覇を達成。団体でも、自身初の金メダルを獲得した。
『1回勝ち方を覚えると、楽に試合が出来ると思うんですよ。昨年はいい経験が出来たと思うし、』
『リオへの団体金に向けては、かなり近づいたんじゃないかなっていう風に思ってます。』
誰もがうらやむ結果を出してきた、内村の未来像とは・・・。
『未来ですか。』
『見えないです。』
『もうちょっと前に聞かれてたら、リオで金メダルを獲ってる自分、っていうのが未来として見えてるのかもしれないですけど、』
『もう近すぎて、そこは未来じゃないので、』
『もうちょっと先を見たところに、東京オリンピックありますけど、』
『そこに出れてる自分も見えてこないし。ってなると・・・』
『自分の未来はなんなのか、って言ったら、今のとこ、見えない、って言った方が一番いいのかなっていう、感じはありますね。』
見えない未来を掴みとるため、彼が頼りにしてきたものは・・。
それが練習だ。
『人の、倍の倍の倍くらいは、努力しないといけないのかなっていう』
『それが人からしたらすごいしんどいことでも、』
『いや、俺はやってるよ、っていうのが、やっぱ、そのみらいのつくりかたなんじゃないかな、と思いますけど。』
人の、倍の倍の倍、努力する。それが内村選手の、みらいのつくりかた。
みらいのつくりかたは、昨年の元旦に放送されたものが私は大好きで、大好きで。
あまりに好きなので、今年の元旦の特集は、ちょっと「あれ~?」って感じがしてしまったんですけど、今回の実質3分ほどの放送でしたが、もう、ギュギュっと詰まりに詰まって、航平君の一言一言にハートが揺さぶられて、とても素敵な番組でした
いろいろな航平君も見られたし。マットの上で、体操すわり
(反則
)
そして、スポーツウォッチャーに続くという、テレビ東京さん、ありがとお~~!な連載でした(*^。^*)。
そして、お友達のご厚意で見られたことにも感謝ですヽ(^。^)ノ。
「絶対に東京を目指す」という、もう、嬉しくて仕方ない言葉から始まりました。
目指してくれるだけで、十分に嬉しいのです。(絶対に出ると信じてるけど)
リオが近づいてきて、過去の五輪の映像が頻繁に流れます。
何度も見たことのあるシーンですが、何度見ても、北京の楽しそうな航平君にはこちらもにっこりしてしまい、毎度毎度ながされてしまう団体決勝のシーンには、胸が痛いほど締め付けられます。何度見ても、同じ感情になります。忘れるということがなければ、胸の痛みが薄れてくということさえもありません。むしろ、あの時より、強くなってる気がします。だって、あの時は、あまりの出来事にただただ茫然としてしまって、涙さえ出ませんでしたもん。
金メダルを獲得した個人総合の映像でさえ、何度見ても涙が出ます。それは嬉しい涙というよりも、本当に苦しかったであろう航平君の心を想像しての涙です。個人総合での、選手紹介。2班からのスタートだった航平君。表情を見てると、胸が重くなります。でも、しっかり萌え袖なんだけど(^^)。
耐えて乗り切ったあん馬とつり輪。そして、そこからのありえないほど完ぺきな跳馬の着地。
あれが、ロンドン五輪の、日本選手としての象徴的なシーンにさえなりました。
アテネと言えば栄光への架橋だったように、ロンドンと言えば、航平君の跳馬。
ただ、応援してるだけの私でさえ、いろいろなことを思うのに、航平君自身の心のうちは、どれほどでしょう。
団体の金メダルは逃したけれど、みんなで銀メダルを勝ち取った。そして、個人総合で、見事に金メダルを獲得した。それでも、ロンドンは「痛い目にあった」という表現なんですもん。
未来について語る航平君。
「未来ですか。見えないです。」という言い方が、今まで聞いたことのないような航平君の語り方。
何がってわからないんだけど、イントネーションというか、声のトーンが、いつもより強い?
そして、極めつけの一言。
「人の倍の倍の倍、努力する。」
人の倍、じゃないんだよ。倍の倍の倍。
身体を動かしてないときは、頭がフル回転してるんだろうな。
いつもいつも体操のことばかり考えてるんだろうな。
そして、日常生活も、体操をする自分、というのが前提で動いてるんだろうな。
いや、俺はやってるよ、という言い方があまりにさらっとしてて、そこが航平君の美学なんだろうなって思う。
本当に、大好き。
航平君の一言一言に心が震え、そして、自分も頑張らなくてはと、前を向く原動力になります。