くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景144 第26景 八景坂鐙掛松(1) 東京港野鳥公園

2014年01月24日 07時55分55秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、大田区の東京港野鳥公園(とうきょうこうやちょうこうえん)で、野鳥の撮影した時の話です。
 場所は大井埠頭(おおいふとう)の南端にあります。撮影時期は、昨年・平成25年1月下旬頃です。

 東京港野鳥公園への行き方としては、品川駅から都バスも出ているのですが、昼間はバスの本数が少ないので、東京モノレールで行く事にしました。浜松町駅(はままつちょうえき)のホームに着いた途端、モノレールが発車する寸前でした。モノレールに慌てて乗ると快速でした。途中の駅をドンドン停車せずに通過していきます。モノレールと並行して続く京浜運河(けいひんうんが)には、カモの小集団が泳ぐのを見る事ができました。
 しかし、モノレールは降りる予定の流通センター駅も通過して、一つ先の昭和島駅まで行ってしまいました・・・(汗)

 下の写真は、昭和島駅の窓から撮影した写真です。ちょうど、モノレールが駅に到着する所です。

 昼間の快速は途中の駅にほとんど停車しなかったのです。東京港野鳥公園に行く1週間前に、珍しく、羽田空港か飛行機を使用して旅行に出かけたのですが、その時は朝と夜だったため、停車駅が多かったので、気がつきませんでした。思わぬ展開に驚きましたが、気を取り直して、反対方向の快速に乗らないように普通電車を待ちます。
(絵画調)

 運河の対岸は大森南の工場ですね。

 流通センター駅から、徒歩約15分程歩きます。途中で京浜運河を見ながら大和大橋を渡って行きます。
 今度は、無事に東京港野鳥公園に着きました。入口の公園管理事務所で入場料300円を払います。

【東京港野鳥公園】 東京都港湾局の所管、指定管理者は「日本野鳥の会」
 入場料300円、月休(祝日の場合は翌日休)、年末年始休、開園時間は冬は9:00~16:30
 公園は、海の水が出入りする潮入りの池と淡水池がある東エリアと、農村をモデルに田んぼや畑・人工の小川が造られた西淡水池のある西エリアに分かれます。

●イベント情報
 毎月第2日曜日は「潮入りぐるっと観察会」があり、普段は入れない潮入りの池外周の保護区をボランティアの案内で歩けます。(先着40名まで、13:00~15:30)
 その他に平成26年(2014年)は、1/26(日)と2/16(日)にも野鳥観察のイベント(定員少数)があるみたいです。

(1)東京港野鳥公園付近の埋め立て地は、昔は遠浅の海でしたが、昭和40年代に埋め立てが開始されました。
 当初の計画では、野鳥公園の近くにある大田市場(おおたしじょう)と共に、中央区にある築地市場(つきじしじょう)を移転させる予定の場所でしたが、築地市場から反対意見が出て、計画が宙に浮いてしまったのです。
 その後、埋立地の地面に雨水などが溜って自然に池などができ、いつしか野鳥が集まるようになりました。昭和50年台になるとバードウォッチングの趣味が広まった事により、有名スポットにもなって行きました。

(2)昭和40年代は、東京の河川や東京湾の水質が一番悪かった頃です。同時に、その反動として、経済成長一辺倒を反省して、東京に自然を取り戻そうとする考えが盛り上がってきた時代でもありました。
 その中で、自然愛好家や学識経験者により、海の自然を復活させる為に、葛西沖に「人工なぎさ」を、大井に「野鳥公園」を造ろうという計画が始まります。
 昭和50年になると、「東京都海上公園条例」が制定され、「晴海ふ頭公園」や「お台場海浜公園」が造られます。

 こうした時代の流れにより、昭和64年には、東京港野鳥公園も開園となります。

 「くまドン」は、東エリアにある淡水池にまず向かいました。淡水池には、鳥を驚かさないで観察するための観察壁があります。観察壁にはカメラに三脚を並べた人達が十人以上いました。「カモが沢山いるのかな?」と、観察壁の窓がら覗いてみると、1羽のウ(鵜)が泳いでいるだけでした。カモは一羽もいません・・・・・・・・・?

 三脚を構えている人達は撮影待ち状態で、時間があるようでしたので、何の鳥を撮影しようとしているのか?を尋ねてみました。
 タカサゴモズ(高砂百舌)だそうです。日本で観察されたのが2~3例しかなく、迷鳥(めいちょう)として渡ってきたようです。
 タイ王国では普通に見られるモズだと教えていただきましたが、日本では滅多に見れない鳥なので、東京のバードウォッチャーの間では大ニュースになっていたようです。観察する為の説明板までありました。
 (※)昨年・平成25年1月の話です。今年・平成26年は、タカサゴモズの情報はありません。ご注意ください。
    平成26年は、汐入の池でカワセミが見れるという情報を見かけました。

 「くまドン」は旧中川のシラサギ撮影でも話したように野鳥撮影は素人ですから、水面を泳いでいる水鳥は見えても、木の枝にいる鳥はどこにいるのか分かりません。
 バードウォッチャーの方に場所を教えてもらいましたが、全く鳥がどこに居るのか分からないという情けなさでした。
 そこで、教えてもらった所を撮影したのが、下の写真です。真ん中の木の左の枝の中程(葦原と後方の緑の樹木の間)にいるよと教えていただきました。でも、「くまドン」は、わかりませんでした・・・・・・・・・・・???

 そこで、撮影後の画像を液晶画面で拡大して、鳥のいる位置を教えてもらいました。ありがとうございました。

 距離があるので、超望遠300mmのjpg画像でも、まともな鳥の画像になっていません。何か鳥がいるような程度です。

 カモは昼間は海の方にエサを獲りに行っているらしく、タカなどの猛禽類(もうきんるい)がいると、小鳥も逃げると聞きましたので、淡水池はあきらめて、汐入の池に行ってみる事にしました。

 汐入の池は海の水が出入りする汽水池で、干潟は野鳥の餌場となっている為、春と秋のシギ・チドリの渡りのシーズンは、多くの鳥の姿が見れます。羽田空港も近いので、離陸して飛び上がる飛行機も、近くを通過します。

 しかし、今は冬です。池にはウ(鵜)とアオサギしかいませんでした。冬はタカ類やカモ類の観察シーズンです。
【カワウ】
 東京では留鳥ですが、昭和40年代には3000羽までに数を減らし、繁殖地は愛知県の鵜の山(うのやま)、東京・上野(うえの)の不忍池(しのばずのいけ)、大分県の大黒島の3カ所に限られていて、天然記念物に指定される状態でした。昭和50年代頃から個体数が増え始め、浜離宮恩賜庭園やお台場、水元公園(葛飾区)に繁殖地が周辺部に拡散していき、現在では6万羽以上まで増え、東京湾岸部、荒川・江戸川・多摩川の下流域だけでなく、東京西部の池や川の上中流部までに生息域を広げています。ただし、カワウが増え過ぎると、色々問題が起きるのですが・・・・・・

 この日は、上空にタカか?トンビか?分かりませんが、上空を飛ぶ猛禽類を多く見かけました
 さすがに、飛行する速度は早く、素早く旋回するので、超望遠にすればカメラのフレームに入れられず、中望遠では姿が小さくなってしまいますので、惨敗でした。
 (こんな有様で、よく百景に鳥を入れた景を作ろうとしたものだと、「くまドン」も思うのですが・・・・・)
 猛禽類を何回も見かける日でしたが、逆にカモは昼間は1羽も見かけませんでした。

 東京港野鳥公園のインターネットに掲載されていた週刊野鳥情報(2014年1月15日版)によると、オオタカと、ノスリ、トビ(トンビ)は毎日観察されています。その他にもハイタカとミサゴが1日ずつ観察されていますので、猛禽類の目撃確立は高いです。

 汐入の池には、冷暖房完備のネイチャーセンターがあります。2階には野鳥観察用に自由に利用出来る望遠鏡があります。試しに、望遠鏡越しに撮影してみましたが、ピントが合いません。

 その他、情報展示室・図書コーナー・飲料の自動販売機、トイレなどがありますので、のんびりしているには向いている場所です。食事施設はありませんので、昼は弁当持参になります。
 平成26年(2014年)1/4(土)~3/2(日)の間は、「野鳥と自然の100の不思議展」が展示されています。

 下の写真は、ネイチャーセンターの窓から南東側を撮影した写真です。
 汐入の池の真ん中の島は、ウ(鵜)の休憩場らしいのですが、何故か今日は1匹もいません。

 池の対岸の木の奥に水面が見えますが、公園の外にある運河(入江)です。東京港はすぐ近くです。
 その運河の先は、夏に砂浜と羽田空港に着陸する飛行機を撮影した城南島です。
 (城南島については、「名所江戸百景082 第72景 はねたのわたし弁天の社 羽田空港」を参照ください。)
 池の鳥も少なく、寒い日だったので、1時間ほどネイチャーセンターで汐入の池を眺めながら、変化を待ちましたが、特に何も変わらないようです。汐入池の南側にある観察舎に行ってみる事にしました。

 観察舎に入ると、野鳥観察中の方がいて、観察窓から見える鳥について色々と教えてくれました。
 手前にはヨシが茂り、対岸の木の向こう側は東京港の運河です。羽田空港からの飛行機が低空で通過することもあります。ここでも、池に立てられた棒杭にはウ(鵜)が羽を休めています。
(絵画調)

 しばらく話を聞いていると、タカが飛んできました。この付近のカラスが集団で追い払いにかかります。
 正月の浜離宮恩賜庭園に引き続き、タカ×カラスの縄張り争いとなりました・・・・・・・(汗)

 (浜離宮の話は、「名所江戸百景138 第108景 芝うらの風景 浜離宮恩賜庭園の鷹(2)」を参照してください。)
 しかし、タカも猛禽類ですから、木に降りた後はにらみ合いとなり、カラスがいくら騒いでも平気で悠然としています。
 ただ、木の中にタカが入ると、「くまドン」には、教えてもらっても、どこに鳥がいるのか分からなくなります。
 またもや、撮影後に液晶画面で画像を拡大して教えていただき、やっとタカの位置が分かりました・・・(汗)
 観察舎には望遠鏡もあります。しかし、超望遠でも300mm程度では、この程度の写真がやっとです。
 いつもより、縮小率を下げて、トリミング(画像の切り取り)しています。右がタカ、左の2羽がカラスです。

【タカ類の都心進出】
 オオタカなどは留鳥ですが、以前は東京西部の野山で繁殖していました。近年になると、大規模な都市公園でも繁殖が確認されるようになり、冬場は臨海部の公園でも容易に見かける事が可能で、皇居では夏でも観察されるようになってきています。昭和60年頃は全国で400羽程まで減り、絶滅寸前とまで言われましたが、狩猟禁止により、平成20年には関東だけでも5800羽も観察されたそうです。野鳥保護により、人を怖がらなくなり、オオタカの獲物となるドバトがいることが、近年のタカの個体数の増加や都心進出を可能にしている一因だそうです。
 逆に、都心に余り慣れないハイタカは数が増えず、森林を生活の場とするクマタカは数を減らしています。
 また、海岸や川沿いに開発側の勝手な都合による公園整備で、単純な環境を造る事により、葦原や崖などの生息環境を壊してしまい、逆に生息数を減らす原因になる場合も見受けられます。

 その他に、小さな水鳥が泳いでいました。これも、カイツブリと教えてくいただきました。ヒナのように小さいのですが、これで成鳥です。カンムリカイツブリのような大型しか知らなかったので、思わず、びっくりしました。

【カイツブリ】
 留鳥として、池や川の流れのゆるやかな川を生息域としており、浮巣を作って繁殖します。
 埋立地が整備されて、大型公園が造られた事により、東京湾岸エリアでは、平成になってから繁殖増加しています。

 とはいえ、何か撮影しないと、「くまドン版」の百景はできませんので、手前のヨシを前景に汐入池を泳ぐカイツブリと、杭の上で羽を休めるウ(鵜)を入れて構図を作りました。

 この写真を、広重の名所江戸百景「第26景 八景坂鐙掛松」に対応する「くまドン板」の景(確定・冬景)とさせていただきます。
 (このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作ることを第一目標としています。)

 鳥の事を教えてもらった方に「ありがとうございました」と伝え、
 再び、東の淡水池に向かうと、昼間はいなかったカモが十数羽の群れがいました。
 冬の太陽も大分、西に傾いてきました。池の岸辺の草むらにはシジュウカラも見かけることができました。

 せっかく、野鳥公園まで来たのですから、のんびりしたかったのですが、広重の絵に描かれた八景坂のあるJR大森駅までに行く事にしていました。
 東京港野鳥公園の入口を出て左手に京急バスのバス停があり、京浜急行の大森海岸駅経由でJR大森駅まで行くことができます。

 この付近で、他に野鳥観察に向いている所は、
(1)大井ふ頭中央海浜公園・なぎさの森
  はぜつき磯、しおじ磯、みどりヶ浜、池があり、野鳥観察小屋、観察壁などがあります。
(2)しながわ水族館(入場料1,300円!)
  海(京浜運河)にも近く、「勝島の海」という人工湖もある。基本的には水族館です。

以前、作成したブログに関しては以下の通りです。
(1)城南島の砂浜での飛行機撮影と羽田の話は、
 「名所江戸百景082 第72景 はねたのわたし弁天の社 羽田空港」
(2)浜離宮恩賜庭園の話は、
 「名所江戸百景137 第108景 芝うらの風景 浜離宮恩賜庭園の鷹(1)」
 「名所江戸百景138 第108景 芝うらの風景 浜離宮恩賜庭園の鷹(2)」

 今回は、これで終了とさせていただきます。

 次回は、「八景坂鐙掛松」の話の続きになります。

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