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名所江戸百景095 第113景 虎の門外あふひ坂 皇居外苑の二重橋と櫓

2013-09-25 07:55:20 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、虎ノ門(とらのもん)と、皇居外苑(こうきょがいえん)の二重橋(にじゅうばし)や櫓(やぐら)です。

【二重橋】
 下は、皇居で有名な二重橋の写真です。奥に見えるのは西ノ丸の伏見二重櫓(御太鼓櫓)です。
(絵画調)

 非常にややこしいのですが、写真の前に見えている石橋が「正門石橋」(明治20年完成)、そして、その奥に鉄で作られた「正門鉄橋」(昭和39年完成)があります。写真では、わずかに石橋の上に鉄橋が見えています。
 正確には、奥の鉄橋の方が、「二重橋」と呼ばれる橋だそうです・・・・!
 江戸時代は、この付近の堀は水深が深く、木造橋の橋桁が上下二段に重なっていた事からきた名前です。
 普段の皇居内は、立入禁止ですので、勝手に、二重橋を渡ることはできません。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第113景 虎の門外あふひ坂」(冬景)です。

 場所は、江戸城の外濠にある門(見附)の内、最も防御が固いと呼ばれていた虎ノ門の外側に位置します。
 絵の右に見える滝みたいな所は、溜池(たまりいけ)に造られた堰(せき、水をせき止めて、溜池の水位を上げている)で、ここから流れ落ちた水は、虎ノ門の前を通り、下流の汐入川(しおいりがわ)まで流れていくことになります。
 絵の左奥に続く路が、葵坂です。虎ノ門から赤坂方面に登っていく道です。
 広重の生きた江戸時代の町の人の生活が、最も冷え込む冬の寒い夜の中に表現されています。

【江戸の夜の商売 屋台そば】
  絵の真ん中付近の「二八そば」 ご存じ、小麦粉2割とそば粉8割で作られたそばです。
  絵の右下は、「しっぽく」 竹輪(ちくわ)などの具をのせた「そば」です。

【寒詣(かんもうで)】
 この絵で、最初に目につくのは、手前のふんどし一丁の男二人でしょう。寒詣をしている風景を描写したものです。
 寒詣とは、寒(かん)の三十日間の夜、寒さの中を寺社参りをして祈願する行事のことです。
 寒(かん)の三十日間とは、大寒(1/20頃)を中心として、寒の入りの小寒(1/5頃)から、立春前日の節分(せつぶん、2/4頃)までの寒さが最も厳しくなる30日間を指します。
 手に持っているのは、「金毘羅大権現」(こんぴらだいごんげん)と書かれた提灯(ちょうちん)です。

【虎ノ門の金毘羅神社(こんぴらじんじゃ)、金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)、琴平神社(ことひらじんじゃ)】
 金毘羅さんと言えば、四国・香川県にある有名な神社です。
 広重の絵の後ろ付近に讃岐(さぬき、現在の香川県)丸亀藩(まるがめはん)京極家(きょうごくけ)の藩邸の中に金毘羅神社がありました。毎月10日の日だけ、金毘羅神社への参拝を許可していたそうです。
 広重の絵は、三日月が寒々とした西の空に浮かんでいますので、別の日ですね・・・・・・・・・

 下の写真のように、現在の虎ノ門の明治22年に金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)に名称が変更しています。
 ビルの谷間と言うより、高層オフィスビルの虎ノ門琴平タワー敷地内に神社があるような複合施設になっています。

 立て札に書いてある様に、毎年10月に例大祭があるのですが、ここの祭りも一風変わっています。
 現在でも、10日は、初こんぴら、大祭、月次祭がある日と決められています。

 金刀比羅神社の銅鳥居の柱には、青竜・玄武・朱雀・白虎の彫物があります。11代・家斉(いえなり)の文政年間の頃に、町人により奉納されたそうです。
 社殿は、戦災で焼失し、昭和26年に再建された権現造りの鉄筋コンクリート製の建物です。

 金刀比羅神社の右側にある道路付近に溜り池からの水が流れていました。道路の向こう側にあるビルの反対側(外掘通りに面した)には、広重の絵の右上にある櫓が建ち並んでいたそうです。神社後方の交差点にあった虎ノ門に攻め込もうとする敵は、虎ノ門に行く前に、ここで側面から攻撃を受けることになるので、防御上は、かなり強固な門でした。
 (もっとも、一度も攻められること無く、明治維新を迎えましたが・・・・)

 ビルの中の神社でしたし、夏に祭りの景は多く選びましたので、広重の絵に描かれた櫓に注目して、百景を造ることにしました。再び、皇居外苑に戻ります。

 皇居外苑の観光スポットの一つ楠木正成(くすのきまさしげ)の像です。

 楠木正成公銅像の近くにレストハウスがあります。レストランがあり、有機野菜を使用しているそうです。
  営業時間は8:30~16:00(※ランチライム11:00~14:00)
 軽食・ソフトクリーム、売店やインフォーメションセンターもあり、皇居のお堀に住む魚も水槽で展示しています。

 江戸時代には、江戸城に多数の櫓がありました。現在は、3基を残すのみです。
 この付近の櫓や門は、全て東か、南向きですので、基本的には、午前中が順光です。

【桜田巽櫓(さくらだたつみやぐら)】
 巽櫓は、本丸の東南(辰巳、たつみ)の方角にある為に付けられた名前です。
 櫓は、「石落し」(石垣よりはみ出した出窓部)や、鉄砲・矢用の「狭間」などを備えています。

 交差点のすぐ近くにありますので、とても有名な風景で、桔梗濠(ききょうぼり)の水面に写る巽櫓の景観は、皇居の撮影スポットの一つです。奥に見えるのが江戸城の大手門です。
 昼間は、大手門から皇居東御苑(こうきょひがしぎょえん)に入り、本丸や二の丸庭園を見ることができます。
 (月・金・年末・年始は休みですが、祝日や不定休日、変更もありますので、事前にHPなどで確認してください)
 東南向きですから、午前中が順光なのですが、この時は東向きの石垣が工事中でした。
 (「くまドン版」では、東御苑や北の丸は別の季節にさせていただきます。)

【桔梗門(ききょうもん)、内桜田門】
 皇居前に美しく広がる松の緑、その北西端にある桔梗門は、いつも枡形城郭門と白壁の美しさを、お濠の水面に映しています。前のブログでも説明しましたが、正式には「外桜田門」に対して「内桜田門」と呼びます。
 江戸城を造った大田道灌の大手正門であった頃から、瓦に大田家の家紋の桔梗が施されていた為、桔梗門呼ばれています。
(絵画調)


【富士見櫓(ふじみやぐら)】
 現在の江戸城(皇居)に残っている唯一の三重櫓です。
 蛤濠(はまぐりぼり)の対岸にある石垣と木の上方に富士見櫓が見えます。どこから見ても美しいその姿から「八方正面の櫓」と呼ばれてきました。東御苑の南端からも見る事ができます。
 明治初期に撮影された、富士見櫓の写真です。

 皇居外苑レストハウスのインフォーメションセンターにあった写真だった思います?

【坂下門(さかしたもん)】
 江戸時代の頃は、門の橋を渡り、枡形門(ますがたもん、L字に曲がった二重の門)を通り、江戸城内に入り、左の坂を登ると西の丸御殿(現在は宮殿)がありました。その西の丸の坂下にあった門なのでこの名称となりました。
 幕末の14代・家茂(いえもち)の文久年間に、老中・安藤正信が6人の浪士に襲撃された「坂下門外の変」の起きた場所です。
 明治時代に橋や高麗門は撤去され、奥にあった渡櫓門(わたりやぐらもん)の向きを北面から東面に90度変えて、現在の場所に移築されました。

 手前の濠が蛤濠(はまぐりぼり)で、奥に見えるのが宮内庁(くないちょう)の建物、左に見える坂下門は、昨年は残念ながら工事中でした。

 再び、二重橋に戻りまして、
【伏見二重櫓(ふしみにじゅうやぐら)】
 二重櫓と、両側の多聞櫓(たもんやぐら、防御を兼ねて石垣の上に設けられた長屋造りの建物)からなります。
 伏見櫓の名称は、豊臣秀吉が造らせた京都の伏見城を取り壊して、その一部を使用したという伝えによりつきました。


 普段の皇居外苑の夜は、真っ暗なのですが、
 下の写真は、昨年、平成24年の大晦日(おおみそか)に撮影した二重橋のライトアップ写真です。

 本来、このライトアップは、外国からの王室などの来賓(らいひん)があり、宮中晩餐会(ばんさんかい)が開かれる時に、来賓を皇居に迎え入れる時に使用するライトアップなのです。
 (来賓の警備等が難しくなるので、タイミングを知る事は無理ですが、季節に関係なく、不定期にあるという事です。)

 昨年は、東京駅丸の内駅舎の改装が完了を記念して、東京駅などで特別ライトアップをしていたので、皇居でも年末・年始に皇居外苑の櫓や二重橋でもLED照明による特別ライトアップが行われました。その時の写真です。
 巽櫓の先に、桔梗門と青くライトアップされた富士見櫓が続きます。

 頻繁にライトアップをすれば、電力費と補修費がかかり、税金が使われている事を考えると、勝手なことは言えません。しかし、この時は、めったに無い事ですので、ありがたく撮影させていただきました。
 この写真を、広重の名所江戸百景「第113景 虎の門外あふひ坂」に対応する「くまドン板」の景(確定・冬景)とさせていただきます。
 (このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作ることを第一目標としています。)

 今回は、これで終わりとさせていただきます。

 次回からは、10月分の景となりますが、昨年10月上旬に撮影対象だった彼岸花は、9月中にブログにアップしてしまい、今年の体育の日は10月14日に1週間程後ろにずれましたので、10月中旬になるまで、「名所江戸百景」で更新する景がなくなりました。ちょうど、スポーツ祭東京2013(東京国体、9/28~10/8)があり、休みが何日が取れましたので、撮影に行かせていただきます。

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