くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景087 第15景 日暮里諏訪の台 谷中・日暮里の萩の花

2013年09月08日 09時30分55秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、荒川区の日暮里(にっぽり)と台等区の谷中(やなか)を散歩しながら、萩(はぎ)の花撮影です。

 最初に、2020年のオリンピックが、56年ぶりに日本に決まりました。おめでとうございます。

 実は、夏も日暮里に花の撮影に来たのですが、梅雨明け直後だったため、非常に湿度が高く、急に蒸し暑くなった為、暑さ慣れしていなかった体では、1時間も続かず、花の撮影は秋に変更しました。
 平年ですと、9月中旬には、萩の花は見頃を迎えているのですが、
 昨年9月は暑くて涼しくなりませんでしたので、花の開花が遅れ、撮影は9月末まで待つことになりました。
 今年平成25年も暑かったので、萩の花は少し咲き始めていますが、撮影向きの見頃は例年より遅れる雰囲気です。

【萩の花】
 マメ科の植物で、秋の七草(ハギ・キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、ススキ、ナデシコ)の一つです。
 古くは、万葉集で最も多く詠まれた花と知られていて、日本各地の身近な山野に生えていた草花でした。
 また、月見(中秋の名月)は、萩・薄(すすき)を月見団子と共に月に供える風習でした。

 場所として選んだのは、アジサイの景として選んだことのある日暮里・谷中です。萩寺もあります。

 日暮里付近は、江戸時代、四季折々の花が咲き、「一日過ごしても飽きない里」という意味で「ひぐらしの里」と呼ばれていました。元は「新堀」という地名でしたが、明治10年に「日暮里」が正式地名となりました。
 現在でも、谷中や日暮里付近の寺は、四季折々の花を咲かせ、訪れる人たちを喜ばせてくれます。

 JR日暮里駅の北口を下りて、西側の陸橋(北側は電車の撮影ポイントです)を渡って、しばらく行くと、
 谷中銀座(やなかぎんざ)の「夕焼けだんだん」につきます。
 下の写真は、「夕焼けだんだん」の階段を下りた所の交差点にあるお店の看板です。

 「夕焼けだんだん」階段を下りた所の交差点を100m程左(南)に行きますと、谷中では、有名な萩寺があります。
 下の写真は、谷中の宋林寺です。

【宗林寺(そうりんじ)、日蓮宗の寺】
 元々は徳川家康(とくがわいえやす)の茶道の師であったと言われる斎藤宗林が、駿河(するが、現在の静岡県)に建てた寺ですが、安土桃山時代の慶長年間に、家康の江戸入府に伴い、神田昌平橋(かんだしょうへいばし)に寺領を与えられて移転。 さらに、上野東寺町を経て、5代・綱吉(つなよし)の時代に、現在の谷中に移転しました。
 この付近は、昔は「蛍沢」と呼ばれ、ホタル(蛍)と萩の名所だったそうです。
 当日は、曇りでしたが、寺は東向きが正面ですから、午前中の方が順光線で撮影しやすいと思います。

 手前の萩と、後方に白い萩と寺の壁、鐘(かね)を入れた構図を作画して撮りました。

 当初、この写真を「くまドン」版の萩の景にしようとしたのですが、・・・・・・・・
 アジサイと萩が両方とも台東区の谷中で選ぶことになるということに気がつきました。
 逆に、広重の江戸百景は両方とも荒川区の日暮里を描いています・・・・・・・
 (江戸時代は、日暮里側が、花見寺があり観光地みたくなっていたという理由もあるのですが)
 考えた結果、萩の景は、日暮里の萩寺で撮影した写真にすることにしました。

 宋林寺には、江戸十大祖師の一とされる舟守祖師があります。日蓮上人が伊豆に流罪(るざい)になる時、船酔いになった日蓮上人を助けた船守に与えた自刻の像と伝えられています。


 宋林寺に来た道を北に戻り、谷中銀座の道を横切り真っ直ぐ行くと、
 右手に南泉寺(なんせんじ)があります。奇麗な花が咲いていました。

【南泉寺(なんせんじ)、臨済宗(りんざいしゅう)の寺】
 2代・秀忠の元和年間に、徳川家より土地を受けた大愚禅師が創建しました。
 ここも、色々見るものはあります。

 しばらく行くと、右手(東)に「富士見坂」の上り坂があります。
 そのまま、直進して、少し行くと、右手に修性院と青雲禅寺があります。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第14景 日暮里寺院の林泉」(春景)です。

 この絵にかかれたにある「青雲寺」「修性院」は、江戸時代に花見寺として知られていました。後方が諏訪の台です。
 「名所江戸百景045 ・・・・ 日暮里のアジサイ」の時に説明したので、今回は省略しますが、雰囲気の良い寺です。

 富士見坂を上った所が、諏訪の台(すわのだい)と呼ばれる所です。
 現代でも富士山を眺められることで有名なのですが、・・・・・
【日暮里諏訪の台】
 JR日暮里駅~西日暮里駅間(500m程)の西側にある台地の部分は、台地の幅が狭く、南北に細長く連なっていて、台地上を東西方向に少し進むと、すぐ坂があります。
 この付近を諏訪の台(すわのだい)と呼んでいました。
 江戸時代は高い建物はありませんので、諏訪の台は、東にも西にも展望が開けていました。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第15景 日暮里諏訪の台」です。

 こちらは日暮里の諏訪の台から北東方向の見晴らしです。
 細かい説明は、「名所江戸百景045 ・・・・ 日暮里のアジサイ」でしましたので、省略します。

 富士見坂を登った所で左(北)に行くと、右手に浄光寺と諏訪神社があります。
 広重の絵の手前付近が、諏訪神社(すわじんじゃ)や浄光寺の付近です。
 浄光寺は、江戸時代は雪見寺として知られており、風流を好む文人が数多く訪れました。
 諏訪神社に入ると、とても目立つ黒い狛犬(こまいぬ)があります。後ろが諏訪神社の本殿です。

【諏訪神社】
 神社の歴史は古く、鎌倉幕府の3代将軍・源実朝(みなもとさねとも)の元久年間まで、遡ります。
 室町時代の武将「太田道灌」(おおたどうかん)が、この諏訪の台に城を気付いた時に社領を寄進したという話も残っています。
 この為、諏訪の台は、別名「道灌山」とも呼ばれていました。江戸時代は、秋の虫聞きの名所となっていました。
 道灌山の公園まで行くと、説明板があります。

 神社境内には、彼岸花(ひがんばな)が開き始めていました。通常は、9月23日の彼岸の頃に決まって咲く為、名がつきましたが、昨年は、相当遅れて9月末で、この状態です。
 (今年も暑かったのですが、どうなるのでしょうか・・・・・・?)

 広重の絵で台地の向こうから人が登ってくる坂が地蔵坂です。現在も諏訪神社境内にあります。
 この付近は急な崖になっていて、下にJR線が走っています。

 正面に変わった建物があるので、不思議に思いましたが、ロッククライミング関連の店があるようです。
 手前に新幹線が通る時に合わせて、シャッターを切りましたが、この付近の速度は以外に早く、竪構図でタイミングを合わせるのは、難しかったです。

 諏訪の台沿いの道を南に戻り、JR日暮里駅の方に進むと、左手に「あじさい」の時も、撮影した養福寺(ようふくじ)があります。赤い仁王門と広目天と多聞天の二天王像が目を引く寺です。見るものも多いです。
 ここも、彼岸花がありますので、一枚載せておきます。


 養福寺から先に進むと、谷中銀座の「夕焼けだんだん」の階段より少し上の所に出ます。
 ここを左(東)に曲がると、日暮里駅に戻る途中の左手に、経王寺(きょうおうじ、日蓮宗、大黒天)、江戸時代に月見寺として有名だった本行寺(ほんぎょうじ、日蓮宗)などがあります。

 経王寺の門前には、ススキ(薄)が穂を伸ばしていました。


【経王寺(きょうおうじ、日蓮宗、大黒天】
 4代・家綱(いえつな)の明暦年間に、地元の豪農が土地を寄進したことから始まる。
 日蓮(にちれん)上人の作と伝わる大黒天像が祀られています。

 慶応4年、徳川幕府の江戸開城後に発生した上野戦争の時、敗走した彰義隊(しょうぎたい)の隊士をかくまったため、新政府軍の攻撃をうけることとなり、山門には今も銃弾の痕(きずあと)が残っています。

 お寺境内にも萩の花が咲いていますが、山門と萩を両方入れて撮影してみました。

 この写真を、広重の名所江戸百景「第15景 日暮里諏訪の台」に対応する「くまドン板」の景(確定・秋景)とさせていただきます。(このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作ることを第一目標としています。)

 「くまドン」は、谷中銀座で昼食をとり、別の場所の百景撮影に向かいましたが、
 時間がある方は、谷中のお寺や谷中霊園(やなかれいえん)を見て回るのも宜しいかと思います。

 谷中付近の寺の歴史は、「名所江戸百景044 ・・・・ 谷中のアジサイ寺」で、
 日暮里の花見寺の話は、「名所江戸百景045 ・・・・ 日暮里のアジサイ」で説明しましたので、
 簡単ですが、そちらを参照お願いします。

 9/23のお彼岸(おひがん)の頃は、墓に花が添えられていますので、雰囲気も良くなります。(ヤブ蚊に注意)
 下の写真は、養福寺の仏像です。

 ただし、墓は他の方の所有物で、その方の大事なご先祖様の墓ですから、撮影中も、「墓へ侵入はしない、墓に触れない」で、お願いします。また、お寺には、ご先祖様の墓参りに来る方も多く、それが、お寺のお仕事でもありますので、撮影は、お寺や墓参りの方の邪魔にならないようにいたしましょう。皆さまのご協力お願いします。

 その他の日暮里付近の情報としては、
 9/8(日) 10:00~16:00 日暮里駅前イベント会場で、「第4回荒川フードフェスティバル」が行われます。
 今回は「荒川のもんじゃ」に焦点をあてての開催だそうです。

 長くなりましたが、今回は、これで終わりとさせていただきます。

 9月になると、夜は涼しくなり、月見の季節がやってきます。次回は、秋の花を眺めながら、月の景の予定ですが、
 スポーツ祭東京の会期前開催(9/11~9/15)も近づきましたので、間に入れさせていただきます。

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