くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景094 第3景 山下町日比谷外さくら田 日比谷公園 秋の花

2013年09月22日 22時30分32秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、桜田濠・桜田門の続きとして、日比谷公園(ひびやこうえん)付近についての話となります。

 桜田門の前にある交差点から、凱旋濠(がいせんぼり)沿いに東に進み、祝田橋(いわいだばし、江戸時代は無かった)の交差点の対角側に日比谷公園があります。

 交差点を渡り、日比谷公園の西北側の入り口に入った途端、この風景です。昨年の彼岸花の開花は遅く、10月上旬になって、やっと満開になりました。
 今年平成25年の彼岸花の成長は、有名な埼玉県の巾着田(きんちゃくだ)のHPで見頃を迎えている(平年並み)との情報を見かけました。日比谷公園の彼岸花もかなり開いているとの情報(上の写真と下の写真の中間ぐらい)のブログもありました。今回の3連休も休みがありませんので、確認できませんが、お彼岸に当る明日9/23(月)は見頃かもしれません。(責任もてませんので、不明確でごめんなさい)

 ちなみに昨年の9月末に行った時は、下の写真の状態で、ほとんどが咲く前のツボミ状態でした。上の写真との差は、わずか6日です。さらに、その6日前にも行ったのですが、全く咲いていませんでした。彼岸花は、咲き始めると早いです。

 彼岸花は、地面から出てきて、花が咲く間での期間が1週間だそうです。植物の開花の早さには驚かされます。
(絵画調)


【日比谷公園】
 東京都管理の公園で、明治36年に開園した日本初の洋風式公園です。洋式花壇には四季折々の花が咲き、大小の野外音楽堂や公会堂がある庭園です。


 江戸時代の日比谷公園付近は、庭園どころか、大きな藩の上屋敷(かみやしき)が建ち並ぶ場所でした。
 さらに、その以前の江戸時代初期までは、江戸城の東側や日比谷公園は、「日比谷入江」と呼ばれるが入江になっていて、海だったのでした。日比谷周辺は、初代将軍・家康(いえやす)が天下普請で諸国の大名に入江を埋め立てさせて造った土地だったのです。

 明治になり、藩が無くなると、上屋敷も無くなり、更地になったそうです。
 一時、陸軍の操練所が置かれましたが、これも別の場所に移転しました。
 日比谷公園の土地は、昔は入り江だったことから、地盤が悪く、大きな建物の建設に向かないという理由から公園になることになりました。

【日比谷入江】
 徳川家康が関東に入府した頃は、江戸城の東側は、日比谷入江と呼ばれる海でした。
 下の写真は、以前、「芝愛宕山のほおずき市」で説明用に作った図ですが、その時は完成が間に合いませんでした。地形図ですから、黄色の部分が台地、水色が低地、緑色が中間の高さとなっています。
 「国土地理院ホームページ掲載のデジタル標高地形図画像データ(東京東部地形図)を使用しました。」

 図の中心に、緑色(微高地)エリアの神田-日本橋-京橋-銀座-新橋ラインがあるのが分かりますでしょうか。
 江戸時代以前には、ここに江戸前島と呼ばれる岬があり、その両側の水色のエリアは海や砂州、湿地帯でした。
 江戸時代以前ですから、正確な地形は不明ですが、江戸前島の左の水色のエリア付近が日比谷入江と呼ばれる所です。現在の新橋と芝愛宕山の付近を入江の入り口として、日比谷公園や皇居外苑まで海が入り込んでいて、湿地帯が広がっていたそうです。その後、天下普請で、神田山を切り崩した土で、日比谷入江を埋め立て行きました。
 横道に逸れますが、江戸前島の東にある隅田川河口の鉄砲洲付近にも砂州が伸びていて、江戸前島と間にも入江があったようです。その後、江戸時代に埋め立てられてできたのが、築地(つきじ)や深川(ふかがわ)の土地です。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第21景 芝愛宕山」(春景)です。

 日比谷入江や築地付近は、徳川家康(とくがわいえやす)が関東に入府した頃は海でした。江戸時代にこれらの場所は埋め立てられ、そこに藩(はん)の屋敷(やしき)が作られました。
 ここで、広重の絵は、幕府が絵に問題が無いか確認(検印)してから出版されるため、藩の屋敷を描かず、青色や黒色で塗りつぶされています。
 大雑把(おおざっぱ)な話ですが、広重は意識していないにも関わらず、青色や黒色の部分を海として見ると、家康が関東に入府した頃の江戸前島の景色に近い雰囲気が見えるのです。(むろん、正確に言えば違うでしょう。埋め立てた土地と藩の屋敷エリアが完全に一致している分けでもありませんし、左奥に見える陸地の深川付近(江東区南部)は、荒川・利根川河口に砂州の島と海でしたしね。それから、佃島も砂州の島でした。)

 日比谷公園(下図の赤い星印)の北側には、内堀の一部である日比谷濠(濃い青色)が、今もあります。日比谷公園の東側にある首都高速線沿いには、江戸城の外堀川(図右の紫線)がありました。
 そして日比谷公園北東側の内側の土地には、外堀と内堀の日比谷濠(ひびやぼり)を結ぶL字型の濠(図の赤線)がありました。そして、日比谷公園の北東部入り口付近には、日比谷見附門(ひびやみつけもん)と呼ばれる門がありました。
 「国土地理院ホームページ掲載のデジタル標高地形図画像データ(東京東部地形図)を使用しました。」

 今回の図も、濠の線を正確には把握しきれていないので、大雑把な図です。ミスがあるかもしれませんが、ご理解ください。
 この濠を埋め立てる時に、その一部を「心字池」として、石垣と共に、公園に和風的部分を残しています。

 心字池にも花が植えられていました。時間帯が遅いので、手前が日陰になりましたが、日本古来の石垣と西洋風花壇の組み合わせですが、もう少し、和風の「名所江戸百景」らしくならないかなと思いました。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第3景 山下町日比谷外さくら田」(春景)です。

 羽子板(はごいた)、凧揚げ(たこあげ)と、正月らしい遊びが描かれています。左手前は門松(かどまつ)でしょうか?遊んでいる人を絵の外に出しているのは、何か理由があるのでしょうか?堀の向こう側は上屋敷ばかりですが、堀の手前は、普通の町のはずなのですが・・・・(「くまドン」の知識ではここで行き詰りました。)
 絵の堀は、「く」の字型に曲がっているように見えます。左の松の所で、分かり難いのですが、左にも分岐してます。ここには、山下門がありましたので、絵の左に外して、故意に描かないようにしたのでしょうか?(謎です)。外掘は、手前の右側からの左へ続いています。絵では見えませんが、堀の奥の方で右に曲がってた先が、日比谷公園の心字池と石垣として残っている所です。
 正面は建物は、肥前(現在の佐賀県)鍋島藩(なべしまはん)の上屋敷で、川の向こう側は上屋敷が並んでいました。右の石垣も上屋敷がありました。
 現在においては、絵の描かれた場所が、泰明小学校(たいめいしょうがっこう)、絵の奥正面が日比谷公園で、左側に「帝国ホテル」、右側に「シアタークリエ」、「東京宝塚劇場」、「日生劇場」が並んでいます。

 実は、この絵が描かれた付近で撮影した写真がありまして、山王祭の話の時に見せました。
 前のブログに戻るのが、大変ですので、別の写真を載せておきます。

 広重の絵とは、反対向きに東側を撮影していますが、撮影している場所の右側が「帝国ホテル」で、左側が「シアタークリエ」、後ろに日比谷公園があります。前方のJR線と首都高速道路の先に泰明小学校があります。
 「名所江戸百景042 第51景 糀町一丁目山王祭ねり込 日枝神社の山王祭(2)」にも、ここで撮影した山王祭りの別の写真があります。

 たまたま偶然、昨年は、日比谷公園で花・庭のコンクールのようなものやっていました、今年は無いようですが、秋の七草も咲いていましたので、2枚ほど載せさせていただきます。
 キキョウ(桔梗)

 ナデシコ(撫子)


 稲の収穫を題材にした作品がありました。江戸時代であれば、江戸の町の外には、田園が広がっていましたが、現代の東京23区では、公園の一部を除き、田に植えた稲を見る事は不可能です。


 池の近くには、彼岸花を含めて、色々な植物が植えられています。イネ科の植物も植えられています。

 池や石垣を組み合わせて、作画してみましたが、まだ穂が開いていなかったので、後日、再挑戦となりました。

 穂が十分に開いた状態で、石垣や植物にも西に傾いた日があっています。とても地味な写真で、近くに彼岸花も咲いていましたが、桜田濠で、彼岸花の景は作りましたので、

 この写真を、広重の名所江戸百景「第3景 山下町日比谷外さくら田」に対応する「くまドン板」の景(確定・秋景)とさせていただきます。
 (このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作ることを第一目標としています。)

 3回目の撮影でも、同じような写真をとりましたが、日が沈むのが早くなりましたので、やや石垣の日陰が多くなり過ぎました。この場合、絵画調の方が雰囲気が良いのですが、

 段階的に露出を変えて撮影しました。絵画調ですが、これだけ雰囲気が変わります。上はハイキー調(明るめ)、下はローキー調(暗め)の表現です。


【日比谷公園のイベント情報】
 日比谷公園の情報を調べていたら、平日ですが、以下のような平成25年10月までのイベントがありました。
(1)警視庁音楽隊 水曜コンサート(10月まで)  12:00~13:00 小音楽堂 ※雨天中止
(2)東京消防庁  金曜コンサート(10月まで) 12:00~13:00 小音楽堂 ※雨天中止

 長くなりましたが、今回は、これで終わりとさせていただきます。

 次回は、引き続き、日比谷公園の隣にある虎ノ門(とらのもん)周辺と皇居外苑の予定です。

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