伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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伊勢崎市の日本語指導 文部科学大臣賞

2019-05-17 17:14:56 | 外国籍児童
本日の読売新聞から。
伊勢崎市の日本語指導の研究が大きく紹介されました。
詳しくは紙面をご確認ください。

市内の公立小中学校で
外国籍児童・生徒の教育を担当する教員9人の研究班が、
子どもの日本語能力を統一的に把握できる独自の指標を作成。
県外の自治体からの問い合わせも寄せられています。

優れた教育活動に贈られる2018年度の博報賞を受賞。
同時に、文部科学大臣賞も受賞
しました。
おめでとうございます。
(博報賞:受賞の活動内容はコチラ

伊勢崎市には県内で最も多い外国籍住民がおり、
公立小中学校に1000人超の外国籍児童・生徒が通学。
うち、日本語指導が必要な子どもは450人いて、
市教育委員会は17校に「日本語教室」を設置。

日本語教室に来る子供は日本語能力の差が大きい。
これまでその力を統計的に把握する基準がなく、
担当教員は教材の選び方や、年度替わりの引継ぎで
戸惑うことが多い。

この課題を解決するため、2013年、
市教育研究所内に研究班が発足。

指導ではまず、
日本語能力を「日常会話」と「学習活動」に分ける。
日常で問題なく日本語を話す子どもでも、
教科書に出てくる言葉が分かっていないことが多いため。

その上で、「聞く・話す・読む・書く」の
4技能ごとに1~7のレベル「ステップ」を導入。
具体例や指導例を交えて一覧を作成。



これらは昨年、
冊子「つながる・ひろがる・ISESAKIステップ」として
市内の全小中学校へ配布。



指標は日々の授業や指導計画づくりに活用されており、
この成果が評価され、18年度博報賞と文部科学大臣賞を受賞。

研究班メンバーの坂東小の大沢教諭の言葉。
「指標ができたことにより、『日本語ができない』の
 一言で評価してしまうことなく、指導方法を分析して
 いくことができるようになった。」



(多田コメント)

すばらしい取り組みです。
受賞おめでとうございます。

困っている課題に対して、公立学校の先生方が共同で研究し、
どの学校で、どのクラスでも使える日本語能力の基準を作成されたことは
とても意義深い成果だと思います。

これにより、対象児童の現在の日本語能力レベルを特定し、
段階的に指導し、引継ぎもスムーズになります。
小中学校の現役の先生方の研究ですが、
大学で日本語教育を専門とする教授の研究レベルだと思います。
今後、国の指導基準になるかもしれません。

記事によれば、2013年に研究班が発足しました。
私は、2015年に市内で行われた
「外国につながりのある生徒の日本語学習支援者養成講座」
に出席しましたが、
その時にも、大勢の小中学校の先生が熱心参加されていました。
地道な努力と研究の積み重ねが、素晴らしい成果につながったと思います。
ほんとうにおめでとうございます。

かつては外国籍の子どもは日本の義務教育の対象外とされ、
日本語指導は市町村任せで、対応はバラバラ。

「その時間を過ごせばよい」とだけ考えている先生もいれば、
いかに日本語を覚えさせ、学力を伸ばそうかと、
努力・工夫して取り組んでいる先生との差は大きかったのです。

自分たちの創意・工夫が学習指導に生きて、
子どもたちの日本語レベルが確実に高まるのを実感できれば、
先生方は、教員冥利につきると思います。

ふと思ったのですが、
このすばらしい日本語指導の基準や指導法や引継ぎを
日本人の子どもの英語教育に生かせれば、
もっと日本人は英語が得意になるかも。

だれもがやっているような仕事を、
一生懸命に、深く、深く、掘り下げたら、
多くの人が共感し、感動するような仕事になったのです。
宝は、みんなの足下にあるんだなぁ。



P.S.
富塚町内のカーブミラーで、街路樹の枝が伸びて
視認障害になっていた場所について。





本日、枝を切ってミラーの角度も調整して頂きました。
素早く対応いただきまして、ありがとうございました。



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